( ^ω^)がひどいイジメにあっているようです

2010/02/28 04:03 登録: えっちな名無しさん

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 04:14:51.40 ID:NCdzsI790
( ´ω`)「……」
紫苑「黙ってたら、わからねんだよ」
( ´ω`)「……」
紫苑「お前は俺が犯人だ、とでもいいたいのか? 」
( ´ω`)「ぼ、僕はそんな事言ってな……」
紫苑「言ってるじゃねぇかよ、このやろ。また殴られてぇのか? 」
血走る紫苑の目と対照的な廃人のようなぶーんの目



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 04:15:13.94 ID:NCdzsI790
別附第二小学校 第4学年2組
2005年6月3日
ぶーんの教科書と財布が無くなるという事件が起こった
教科書は校庭の泥の中で見つかったが、引き裂かれていてとても使える状態にはなかった
教師たちは、ある事情のため、そんな状態を見て見ぬふりをするしかなかった。


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 04:15:43.87 ID:NCdzsI790
紫苑「放課後、いつもの所にこいよ。遊んでやるからよ 」
( ´ω`)「……」
紫苑「おーい、おまえらも来いよな」
クラスメイト「うはwwおkwww把握した」



5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 04:16:09.07 ID:NCdzsI790
ぶーんの自宅
( ´ω`)「……(こんな顔じゃ、お母さんに会えないお。笑顔、笑顔)」
・・・・・・・・・・
J(‘ー`)し「あら、ぶーん。帰っていたの。 おかえりなさい」
( ^ω^)「うん、お母さん。ただいまだお」
J(‘ー`)し「あら、あらそんなにニコニコしちゃって。何かいいことでもあったの?」
( ^ω^)「うん、いまから友達とサッカーに行ってくるんだお」
J(‘ー`)し「そう、よかったわねぇ。暗くなる前に帰ってくるんですよ」
( ^ω^)「うん、行ってくるお」

この母親が息子の異変に気づくのは、まだ先の話である
彼女の目には、いつもと変わらぬ手のかからない「いい子」としてのぶーんが映っているのだ


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 04:16:31.30 ID:NCdzsI790
トモダチ公園
紫苑とクラスメート3人がいる。
紫苑は車椅子にのっている。
紫苑は、学校でのある事故がきっかけで右足が不自由になったため、車椅子で生活しているのだ。



7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 04:16:51.90 ID:NCdzsI790
紫苑「よう、遅かったじゃねぇか」
( ´ω`)「ご、ごめんお」
紫苑「まぁ、いいか。ボールも届いたことだし、お前らサッカーでもするか」
クラスメート「おk、おk」

そう言うとクラスメートはぶーんを蹴り始める
ぶーんは、うめき声一つ上げずに、ただ丸くなって耐えている

紫苑「お前ら、顔だけはやめとけよ」
クラスメート「おk、分かってるって」
( ´ω`)「(痛いお、痛いお。誰か、助けてお)」
紫苑「ハハハハハ、ぶーん楽しいか?」
( ´ω`)「(目が回ってきた……真っ白だお……)」

クラスメートはぶーんが気を失ったと気づいても、躊躇することなく蹴り続けている
その光景を紫苑は何の感情もこもらない目で、じぃぃっと見ていた


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 04:24:28.33 ID:NCdzsI790
この4人がぶーんを虐めるように、
そして他のクラスメートもぶーんを無視するようになったのは約1ヶ月前の事
別附第二小学校 校庭のベンチ
2005年4月28日
春の日差しが気持ちいい昼休み
ぶーんはベンチで横になっている
そこに、紫苑が車椅子で近づいていく
紫苑「おい、ぶーん。そこで何やってんだよ」
( ^ω^)「あんまり暖っかくて気持ちいいから昼寝してたお。紫苑くんもどうだお?」
紫苑「……そこは、俺のベンチなんだよ」
( ^ω^)「学校のベンチはみんなの物だお」
紫苑「俺のなんだよ、いいから退けよ」
( ^ω^)「な、なんでだお。横にも、ベンチがいっぱいあるじゃないか」
紫苑「はっ?俺に逆らうのか?分かったよ、どうなるか楽しみだな」

車椅子で去っていく紫苑の口元が、きゅぅっとつり上がるのを
ぶーんは不吉な予感を持って眺めていた


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 04:30:55.77 ID:NCdzsI790
翌日から、すでにぶーんへのイジメは始まっていた。
始めは、とても小さな事でぶーんもそんなに気にはしていなかった
だけれども、机の落書きから始まったイジメは、教科書への落書き、無視、暴力へと
相乗的にエスカレートしていった
そのころには、ぶーんは自分ではどうしようもない所まで来ていることを自覚せずにはいられなかった
そして、ついに教師へ助けを求める事になる。

2005年5月19日
教師に助けを求めたこの日に、ぶーんは、このイジメを止める方法が何一つ無いことを知ることになる。


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 04:38:46.73 ID:NCdzsI790
相談室
('A`)「おう、ぶーん。どうした?」
( ´ω`)「先生、相談があるんですけど」
('A`)「おう、ぶーん。先生がなんでも聞いてやるぞ」
( ´ω`)「机に落書きされたり……無視されたり……」
('A`)「おう、ぶーん。そうか、それは大変だったな」
( ´ω`)「あと、殴られたり……僕の帽子を女子トイレに投げ込まれたり……」
('A`)「おう、ぶーん。それは、つらかったな。もう大丈夫だぞ。俺がなんとかしてやる」
( ;ω;)「せ、せんせぃぃ、ありが……ヒック……ヒック」
('A`)「おう、ぶーん。もう、大丈夫だ、大丈夫だからな」

先生にしっかり抱きしめられたぶーんは、その温もりが
このイジメの解決への光だと信じて疑わなかった。


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 04:46:58.01 ID:NCdzsI790
主な人物
( ^ω^)   ぶーん 生徒
J(‘ー`)し        母ちゃん
        紫苑   生徒
('A`)           教師

そんなに、長くならない予定
元ネタがある
3っつの章にわかれている


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 04:53:37.64 ID:NCdzsI790
別附第二小学校 第4学年2組
5時間目 ホームルーム
('A`)「おう、みんな。みんなにしっかり考えて貰いたい問題があるんだ」
生徒「……」
('A`)「ぶーんがイジメられているようじゃないか」
生徒「……」

クラスが重い雰囲気に包まれた。
誰一人、声を出すのもためらわれるような沈黙

('A`)「なぁ、仲間だろ?見て見ぬふりをしていいのか?」
紫苑「はい、先生」
('A`)「おう、紫苑。なんだい?」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 04:59:38.02 ID:NCdzsI790
紫苑「ぶーんが悪いんですよ」
('A`)「ん?どういうことだ紫苑(よりによって首謀者は紫苑なのか!!??)」
紫苑「だからぁ、だれもぶーんをイジメてなんかいないんだすよ。『これは遊びの範疇だと認識できます』」
('A`)「!!!111111」

教師は、触れられたくなかった部分に触れられたかのように息をのむ

紫苑は、真っ黒な空気の中を車椅子で教師に近づき耳打ちをする

紫苑「ふーん、ぶーんの時はちゃんと対応できるんですね。」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 05:07:37.82 ID:NCdzsI790
・・・・・・・一年前

2004年5月3日
別附第二小学校 第3学年4組
紫苑は、まだ足が健康で走り回っている。
ξ゚?゚)ξ「紫苑くん、給食の時間ですよ。走り回らないでください」
紫苑「先生、わかったよっっっとと」
紫苑が先生の方を向いたときにバランスを崩して転ぶ
その勢いのまま、( ´_ゝ`)の机に突撃して、倒れ込む
机の上のシチューが( ´_ゝ`)の顔にかかる
ξ゚?゚)ξ「ちょっと、紫苑くん、( ´_ゝ`)くん大丈夫?」


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 05:13:05.36 ID:NCdzsI790
( ´_ゝ`)「あちぃ!!くっそう、この野郎」
紫苑「……ご、ごめんなさい」
( ´_ゝ`)「ごめんなさい、で済むかよ、このやろう。何考えているん、くそっ」
ξ゚?゚)ξ「( ´_ゝ`)くん、だめよっ、暴力はっ」

いじめっ子として有名な( ´_ゝ`)の目線に紫苑は絡め取られたかのように動けずにいた。
タオルを持って走り寄った先生のおかげで、その場は事なきを得たが
翌日から、紫苑に対するイジメが始まった。


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 05:17:18.04 ID:NCdzsI790
放課後
トモダチ公園
紫苑「ごめんなさい、ごめんなさい。許してください、もうやめてください」
( ´_ゝ`)「……」

許しを懇願する紫苑に対して( ´_ゝ`)は無言で暴力をふるい続けた。

紫苑「痛い、もう、やめてください。ごめんなさいごめんなさい」
( ´_ゝ`)「……」

いつしか、紫苑の目から輝きが薄れていった。


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 05:22:39.23 ID:NCdzsI790
放課後
教室
( ´_ゝ`)だけでなく、他のクラスメートからのイジメも苛烈を極めていった
生徒A「おい、紫苑。脱げよ」
紫苑「や、やだよ」
生徒B「脱げ・脱げ・脱げ」
紫苑「や、やめてよ」
生徒達「脱げ・脱げ・脱げ・脱げ」
( ´_ゝ`)「はやくしろ、殺すぞ」
紫苑「………」
女子「やぁだぁぁ、ほんとに脱いでるよ。きもちわるぅい」
生徒B「ハハハハハハハハハ、バカだ変態だ」
生徒A「こいつ、立ってるぞ。変態だ、変態だ」

ξ゚?゚)ξ「……」
そんな様子を、教室の外から見ている教師が一人。
新任の彼女は、どうしていいか分からずに、そこに立ちつくしていた。
そして、なにも見なかったことにしよう。
そう自分に言い聞かせて、去っていった。



32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 05:27:10.67 ID:NCdzsI790
翌日
相談室
紫苑「……」
ξ゚?゚)ξ「ど、どうしたの紫苑くん」
紫苑「……」
ξ゚?゚)ξ「だ、黙ってちゃ、先生わからないわ」
紫苑「なんで、昨日見て見ぬふりをしたんです?」
ξ゚?゚)ξ「な、なんの事?先生分からない……わ」
紫苑「そうですか、失礼しました」

紫苑は教師に対して、いじめっ子に対する憎しみ以上の憎しみを感じた。
諦めによる、悲しみなんて、そこには無かった。
ただ、憎しみだけが、紫苑の心を黒く染めていた。


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 05:34:39.09 ID:NCdzsI790
校長室
ξ゚?゚)ξ「校長先生、私どうしていいか……」
( =゚ω゚)ノ「どうしたんだね?」
ξ゚?゚)ξ「うちのクラスの生徒がイジメにあっているようなんです」
( =゚ω゚)ノ「こらこら、無責任なこと言っては困るよ」
ξ゚?゚)ξ「いえ、でも確かに……」
( =゚ω゚)ノ「うちは市のモデル校だよ。イジメなんてあるはずがないじゃないか」
ξ゚?゚)ξ「……」
( =゚ω゚)ノ「『これは遊びの範疇だと認識できます』そうだろ?」
ξ゚?゚)ξ「……はい」
( =゚ω゚)ノ「やんちゃな盛りだからねぇ、この年代は。ハッハッハッハ」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 05:36:55.20 ID:NCdzsI790
そのことから2週間後……
別附第二小学校 4階
視聴覚室
( ´_ゝ`)「飛べ」
紫苑「……む、無理だって」
( ´_ゝ`)「飛べ」
紫苑「だって、死んじゃう」
( ´_ゝ`)「飛べ」
生徒達「飛べ・飛べ・飛べ」

ずっと虐められていて思考力の鈍った紫苑は、ゆっくりと窓に足をかけた。
そして、落ちた。
紫苑の耳には、風がきる音と同時にクラスメートの笑い声が聞こえてきた。
憎しみと同時に、これで終わるんだ、という不思議な安堵感があった。


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 05:38:53.87 ID:NCdzsI790
紫苑が目を覚ましたのは1週間後
右足は複雑骨折の上、神経が切れていた。
なんとか、切断せずにすんだが、もうその足は
厳しいリハビリを終えてもなんの役にもたつことはなかった。


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 05:43:56.00 ID:NCdzsI790
イジメをずっと無視し続けていた学校側も今回の事は無視できなかった。
紫苑が首謀者と指摘した( ´_ゝ`)は転校する事となった。
紫苑は学校に復帰し、過去にイジメを行っていたクラスメートにも暖かく迎えられることとなった。
( ´_ゝ`)一人が消えただけで、この学校には平和が戻った。

だが、知っての通り数ヶ月後……
今度はイジメを受けていた紫苑が( ^ω^)に対してイジメを行うことになる。
強制力をもって( ´_ゝ`)を退けても、このイジメのDNAは受け継がれて言っているのである。


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 05:46:06.42 ID:NCdzsI790
>>21までが2005年

>>22から>>36までが2004年

これから、また2005年




39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 05:51:08.54 ID:NCdzsI790
2005年5月20日
相談室
紫苑「先生、僕を虐げることは( ´_ゝ`)と同じ事をするっていうことですよ」
('A`)「だが、それとこれとは……」
紫苑「それに、先生方は俺が虐められている時に、何もしてくれませんでしたよね」
('A`)「いや、それは、気づけなかった事は本当にすまなかった」
紫苑「嘘だね、知っていたのに黙っていた。おかげで俺は足一本失ったんだよ」
('A`)「……」
紫苑「償いたいなら、俺のすることに何一つ口をはさむなよ」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 05:55:17.19 ID:NCdzsI790
ぶーんの自宅
( ´ω`)「先生は紫苑の言いなりだお……」
( ´ω`)「僕は、どうすればいいんだお……」
( ´ω`)「もう、死ぬしかないのかな……」


J(‘ー`)し「(あの子、最近元気がないみたいだけど……)
      ぶーん、食事よー。降りていらっしゃーい」

( ´ω`)「はーい、今行くお」

もう、ぶーんは両親の前で笑顔を作る余裕さえ残っていなかった。


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 06:01:41.14 ID:NCdzsI790
別附第二小学校 4階
視聴覚室
紫苑「おい、ぶーん金もってこいよ」
( ´ω`)「お、お金なんて持ってないお」
紫苑「黙れよ、いいから明日までに10万持ってこいよ」
( ´ω`)「そ、そんなの無理だよ」
紫苑「持ってこなかったら、ここから飛び降りろよな」
( ´ω`)「死んじゃうよ、そんなことしたら」
紫苑「フン」
( ´ω`)「紫苑くん、もうこんなこと……」
紫苑「うるせっ、万引きでもなんでもして、金用意しろよな」
( ´ω`)「紫苑くん……」


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 06:06:59.60 ID:NCdzsI790
書店
( ´ω`)「(ここで盗んで、古本屋に売ればお金が……)」
( ´ω`)「(ダメだ……、僕には出来ない……)」
( ´ω`)「(でも、やらなきゃ、コロされる……)」

ぶーんは、高そうな本をこっそり自分のバッグに入れて、本屋を出ようとした。
ヴィーヴィーヴィーヴィ
鳴り響くセンサー音
ぶーんはセンサーの存在を知らなかったのだ。

店主「おい、君っ、コラッ」
( ´ω`)「ごめんなさいおー」

ぶーんはそう叫んで、脱兎のごとく逃げ出した



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 06:11:42.66 ID:NCdzsI790
そして、誰かにぶつかった
('A`)「おう、ぶーん。どうした、そんなに急いで」
( ´ω`)「先生!!な、なんでもないお、急いでいるお。し、し、失礼しますお」

店主「すいません、その子を捕まえてください。万引きです」
('A`)「おう、ぶーん。なんだって、おまえ……」

大人の足にかなうわけもなく、ぶーんはすぐに捕まえられて書店に連れ戻された。



47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 06:19:21.19 ID:NCdzsI790
店主「『ホロコーストの唯一性の疑問』
   ……どう見ても子供のほしがるような本じゃぁねぇな。売るつもりだったんだろう!!」
( ´ω`)「……」
('A`)「おう、ぶーん。ちゃんと答えろ」
( ´ω`)「……」
店主「先生、これはたちが悪い。最近、うちでも万引きが多いんですよ。初犯だっていうのも、疑わしい」
('A`)「おう、ぶーん。どうなんだ」
( ´ω`)「……」
店主「こりゃ、警察を呼んだほうがいいみたいだな」
('A`)「店主さん、それだけは勘弁してもらえませんか」
店主「だって、こう反省の色が見えなきゃ……」
('A`)「コラッ!!ぶーん、お前ってやつは何を考えているんだ。ちゃんと謝りなさい」
( ;ω;)「もう、だめだお……。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 06:23:28.36 ID:NCdzsI790
('A`)「店主さん、本人もこう言っていることですし……」
店主「今回だけだぞ、坊主。今度やったら、警察に逮捕してもらうからな」
( ´ω`)「はい、ごめんなさい……」
店主「じゃあ、今回は先生が保護者ということで、よろしくお願いします」
('A`)「このたびは、うちの生徒がご迷惑をおかけしました。」


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 06:27:04.48 ID:NCdzsI790
( ´ω`)「先生、ごめんなさいお……」
('A`)「まったくだ、警察を呼ばれたらモデル校とし……。
   まあいい、これからお前を家に送るから、両親と話しをさせてもらおう」
( ´ω`)「お母さんだけには言わないで、先生、ごめんなさい。お願いします、おねが……」
('A`)「いや、そういうわけにもいかんだろう。自分がやったことの重さを理解してないのか?」
( ;ω;)「わかっています、ごめんなさい、ごめんなさいお」



55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 06:33:37.72 ID:NCdzsI790
ぶーんの自宅
J(‘ー`)し「あら、先生。どうしたんですか、突然。…家庭訪問でしたっけ?」
('A`)「いえ、実は大変申し上げにくいことなんですが……ぶーん君が万引きを…」
J(‘ー`)し「エッ!!ぶーんが万引き!!??ぶーん、本当なの?」
( ´ω`)「……ほ、ほんとうだお」
J(‘ー`)し「ど、どうして、万引きなんか……」
( ;ω;)「ごめんなさい、お母ちゃん、ごめんなさいおー」
('A`)「それでは、私はこれで……しっかり話合われてください。あっ、とそれからぶーん」

先生はぶーんに耳打ちをする
('A`)「紫苑くんの事は話しちゃダメダヨ
   (ぶーんがそれを親に話したら、警察を呼ばなかった意味が無くなるからな)」


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 06:37:08.27 ID:NCdzsI790
J(‘ー`)し「ぶーん、なにか欲しい物があったらお母さんに……」
( ´ω`)「……」
J(‘ー`)し「なにか、あったの?お金が必要なの?」
( ´ω`)「……」
J(‘ー`)し「ぶーん、ねぇ、どうしたの?」
( ´ω`)「……」
J(‘ー`)し「なんとか言ってよ。あのいい子のぶーんはどこにいっちゃったのよ」
( ´ω`)「……」
J(‘ー`)し「黙ってないで、なんとかいったらどうなのよ。お母さん頭おかしくなっちゃいそう!!」
( ´ω`)「……おかぁさん、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 06:41:39.97 ID:NCdzsI790
翌日
別附第二小学校 裏山
(ヽ゚ω゚)「もう、死ぬしか……」

ぶーんは学校をサボり、頑丈な縄を片手に裏山に登っていた。

(ヽ゚ω゚)「ああ、あの木の枝なんて丈夫そうでいいんじゃないだろうか……」
(-_-) 「駄目だよ、あれは僕がクビを吊る木なんだから……」
(ヽ゚ω゚)「うわっ、君は……」
(-_-) 「そんなことより、なんで死のうとしてるんだい?」


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 06:45:46.57 ID:NCdzsI790
(ヽ゚ω゚)「……というわけなんだ。もう、僕はどうしようもない。こうするしか……」
(-_-) 「君には、憎しみというものがないのかい?」
(ヽ゚ω゚)「憎しみ?もう、そんなもの……。どうしようもないんだから……」
(-_-) 「その紫苑ってやつが憎くないのか?その教師が憎くないのか?」
(ヽ゚ω゚)「……」
(-_-) 「憎しみが溢れてきて、そいつらに復讐したくなったら、明日の同じ時間、ここに来な」
(ヽ゚ω゚)「……」


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 06:51:35.92 ID:NCdzsI790
その日一日、家にも帰らず人目につきにくい橋の下で考えていた。
(ヽ゚ω゚)「(僕は、もう元の生活には戻れない)」
(ヽ゚ω゚)「(あいつらがいなくなっても、元の僕には戻れない)」
(ヽ゚ω゚)「(憎しみ……)」
(ヽ゚ω゚)「(もう、どうでも……よくない!!!)」
(ヽ゚ω゚)「(僕はなにも悪いことをしてない、僕は何も悪いことをしてない)」
(ヽ゚ω゚)「これが憎しみか……」

月の下で、ぶーんの口元は不気味に少し上を向いていた。


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 06:55:12.93 ID:NCdzsI790
翌日
別附第二小学校 裏山
(-_-) 「よう、復讐する気になったかい?」
(ヽ゚ω゚)「復讐……する」
(-_-) 「分かった、ならいいものをお前にやる」
(ヽ゚ω゚)「……」
(-_-) 「これで、しっかり後悔させてやれ。しっかり、息の根を止めてやれ」

手渡されたのは一本の立派なサバイバルナイフだった。


82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 07:04:51.47 ID:NCdzsI790
放課後
別附第二小学校 4階
視聴覚室
(ヽ゚ω゚)「よう、紫苑」
紫苑「なんだ、ぶーんか。ヘマやったんだってな。みんなお前の事探し回ってるぜ」
(ヽ゚ω゚)「僕に、何か言うことがあるか?」
紫苑「偉そうな口たたいてんじゃねぇよ、金は明日までまってやる」
(ヽ゚ω゚)「……」
紫苑「なに黙ってるんだよ、こらっ」
(ヽ゚ω゚)「もう一度聞く。僕に対して、最期に何か言うことがあるか?」
紫苑「お前に対してなんて、なんも言うこ……おま……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

ナイフが紫苑の腹をえぐるのを、ぶーんは憎しみ、というより空虚な目で見ていた
地獄のそこからの、声にならない声を聞きながら、ぶーんは思う

(ヽ゚ω゚)「(なんだ、こんなものか……こんなものに……)」


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 07:07:30.20 ID:NCdzsI790
(ヽ゚ω゚)「まだ、生きている。でも、時期に死ぬ」
(ヽ゚ω゚)「次は先生だ……」

ナイフを持って、ぶーんは廊下にでる。
つんざくような悲鳴を抜けて、職員室へ向かう。


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 07:12:01.65 ID:NCdzsI790
( =゚ω゚)ノ「なにっ?生徒が生徒を刺した??」
先生「校長、救急車と警察に電話を」
( =゚ω゚)ノ「け、け、警察はまずい。」
先生「なにを言っているんですか、いまはそんな場合じゃ……」
( =゚ω゚)ノ「い、いや、しかし軽傷かもしれんし」
ξ゚?゚)ξ「警察と救急車なら、私がもう呼びました」
( =゚ω゚)ノ「き、きみっ。勝手なことを……」
ξ゚?゚)ξ「元はと言えば、あのときしっかりとりあってくれなかった、あなたの責任です」
( =゚ω゚)ノ「な、なんのことだね」
ξ゚?゚)ξ「もう、同じ過ちは繰り返しません。ごめんなさい、
      ……紫苑くん。そしてぶーん君」


100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 07:15:57.18 ID:NCdzsI790
('A`)「ぶ、ぶーん。ナイフをおけ。今ならまだ間に合う」
(ヽ゚ω゚)「馬鹿だなぁ。間に合うなんて時期は、もうとっくの昔なんですよ」
('A`)「大丈夫だ、話合おう、なっ」
(ヽ゚ω゚)「あのとき、あなたが僕を見捨てたとき、あのときにすべては終わってたんです」
('A`)「やっ、先生が悪かった。この通りだ。だから……」
(ヽ゚ω゚)「煩いっ!!黙れっ!!」
('A`)「ヒッ、た助けてくれ」
(ヽ゚ω゚)「僕のために、苦しんで死んでください」


102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 07:20:43.49 ID:NCdzsI790
「別附第二小学校第4学年2組、ぶーんを確保、繰り返す被疑者を確保した」
「被害者は2名。どちらとも、病院に搬送され命に別状はない」
「小学4年生が起こした犯罪に、地元の小学校は大きく揺れています」
「再び、こんな事態がおきないように命の大切さを教育しなくてはならない」
「被疑者の精神鑑定が行われる模様」
「……」
「……」


104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 07:21:30.32 ID:NCdzsI790
終わりです。
読んでくれた方々にお礼を言います。

あと、元ネタばらしたほうがいいですか?


110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 07:24:39.32 ID:NCdzsI790
ヒントはぶーんが万引きした『ホロコーストの唯一性の疑問』と紫苑の名前でした。

中東問題の理由はこれで、大体分かると思います
紫苑=ユダヤ
( ´_ゝ`)=ナチス
ぶーん=アラブ系のテロ集団
先生=EU、国連、USA

まぁ、BADENDです。


112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 07:25:45.20 ID:NCdzsI790
「アウシュヴィッツの『回教徒』」という書籍が、これを書く切っ掛けでした。


117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2006/02/23(木) 07:31:05.05 ID:KvtxLVgj0
もうちょっと続きが見たかった


118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 07:31:53.00 ID:apdf6aKY0
>>110

面白かった


119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2006/02/23(木) 07:33:56.75 ID:XCqO258t0
国際問題をこのような単純な構図に書き換えるとは>>1

120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/23(木) 07:34:33.75 ID:NCdzsI790
まぁ、テロリストを容認するわけではないのですが
背景を全く無視して糾弾するのは、どうかと思いまして

飛行機をハイジャックして、数百人と共にビルに衝突する瞬間、どんな気持ちなのかなんて分かりません。
でも、ロボットのように兵器のようでは無かったでしょう

それまでして、テロリストをテロにかき立てる物を、身近な物にたとえようとしたらイジメになりました。

ナチスがユダヤ人を迫害して
アウシュヴィッツの中ではユダヤ人が、同じユダヤ人を「ムーゼルマン」と呼んで迫害して
生き残ったユダヤ人がイスラエル建国の為に中東の人を迫害する

アウシュヴィッツのせいでユダヤ人には何一つものを言えない現状。

アウシュヴィッツはアウシュヴィッツだけにあったのではなく、この世に普遍的に存在するものなんじゃないでしょうか?


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