【第II部】勇者「やいやいやいっ!まおう!!!」

2010/03/09 03:41 登録: えっちな名無しさん

598 :創る名無しに見る名無し :2010/01/23(土) 12:49:55 ID:mbbOKiPh
続きを書く前に補足説明・・・


舞台は勇者が死んでから幾年も経った世界。
人間は文明を発展させ、新たなる利益を求めて貪欲に世界を巡っていた。
そんな折、ある国の王が、未開の地『魔界』へと足を踏み入れる計画を立てる。
・・・魔界に不穏な影が忍び寄る・・・・・


○登場人物紹介○

魔王・・・現在の魔王。幾年も前に夫に死別。現在は女勇者を愛でつつ教育中。
勇者・・・何年も前の勇者。魔王の夫だった。祖国にかけられた呪いにより絶命。
側近1・・・魔王の側近。穏やかな性格の魔物である。
側近2・・・かつて魔王の元で働いていた魔物。旧メイドの夫である。
旧メイド・・・かつて魔王の元で働いていた魔物。結構、強い。

・新しく登場するキャラ・

女勇者・・・現在の勇者。魔王と仲良く暮らしている。
メイド・・・女勇者の幼馴染にして、世話係。かなり美人。かつて魔王の元で暮らしていた妖精の子孫である。
二代目・・・魔王の友人。かつての二代目魔王だった。

ほかにも出てくるけどこの辺で。


ではでは物語の始まり始まり・・・・・・




599 :創る名無しに見る名無し :2010/01/23(土) 14:01:58 ID:mbbOKiPh

ザザザザザザザザッ・・・・・

女勇者「・・・・・」
魔物「・・・・・」

ザッ・・・ザッ!

女勇者「ていやぁっ!」

 ガキィインッ!

魔物「なんのっ!」

 ヒュッ・・・!

女勇者「・・・っ!クソッ!」バッ
魔物「ハハハッこの程度かぁ!? 勇者!!」
女勇者「まだまだぁあ!!!」

 ガキィイイン!!!  ガキン!!

   ゴオオオオオオッ!!!!



600 :創る名無しに見る名無し :2010/01/23(土) 14:10:17 ID:mbbOKiPh

てってってってっ・・・

メイド「みなさーん、ランチタイムですよ〜」


ガキィイイイン!!! ガキン!!! ガキン!!!

女勇者「なにくそ・・ てめぇ避けんじゃネェえよっ・・・」
魔物「くははははこんなんで魔王様を倒そうなんざ100万年早いわっ・・・」
女勇者「ぬぬぬぬくらえっ『火炎術』!!!」ゴオオオオオオッ
魔物「なんのなんのっ・・・」ヒラリ
女勇者「うううっ避けるなんて卑怯だぁっ!!!;」


メイド「・・・・・」
メイド「また魔王退治ごっこでもしてるのかしら・・・」フゥ・・・



601 :創る名無しに見る名無し :2010/01/23(土) 14:22:16 ID:mbbOKiPh

女勇者「・・・っ これで最後だ!!!!」ヒュッ!!!
魔物「よっと」ヒラリ
女勇者「くっ・・・また避けられた!!!」バッ
魔物「お前はいつも直進過ぎるんだよ。隙がありすぎる」
女勇者「なにおぅ!!!!」ヒュンッ!

魔物「・・・こことか」ちょんっ
女勇者「やんv・・・って、うわわわわわわわわわわ」

 べしゃっ

女勇者「・・・ううう・・・いたぁい」じんじん
魔物「ほーらねっ」クスクス
女勇者「く、くやしい・・・こんなのにやられるなんて・・・・・」プルプル


602 :創る名無しに見る名無し :2010/01/23(土) 14:37:52 ID:mbbOKiPh

てってってってっ・・・・・

メイド「みなさーん、お昼の時間ですよー」

魔物「おお!!メイドちゃん!ご苦労様です!!!」パアアア
女勇者「・・・いらなーいっ」ぷいっ
メイド「こらこら、ちゃんと食べないとタダでさえ無い胸が盆地になっちゃうわよー?」ぷるんっ
女勇者「・・・っこの乳お化け!!!こんな乳なんかこうしてくれるっ」

ぎゅううううううっ

メイド「! やーんっ!いたぁいっ・・・」プルプル
魔物「コラッ!駄目だろうっ勇者!!!メイドちゃんにこんなことしちゃぁ・・・」ハァハァ
女勇者「・・・お前の鼻息が本音を語ってるぞ」モミモミ
魔物「・・・くっ・・・俺も女に生まれたかった・・・!」ダンッ
女勇者「それじゃなんの楽しみもなくなると思うぞ」モミモミ
魔物「いや、結構楽しいだろ? 特に無い奴にとっては」モグモグ
女勇者「なにおぅ!」ギュウウウ

メイド「そ、そんなこと話してないで私の胸から手を離してっ・・・」プルプル
女勇者「あ、ごめん。つい気持ち良くて」パッ
魔物「やっぱり楽しいんじゃないか・・・・・」モグモグ


603 :創る名無しに見る名無し :2010/01/23(土) 16:23:20 ID:mbbOKiPh

ピューロロロロロロ・・・・・・

メイド「・・・・・のどかですねぇ・・・」こくんこくん
魔物「周りは散々たる状態だけどな」ゴクゴク
女勇者「・・・」Zzz・・・

メイド「・・・何時までもこのように穏やかだと良いのですが・・・」フゥ・・・
魔物「・・・人間たちが攻めてきそう何だって?魔界に」
メイド「ええ・・・」
魔物「まぁ大丈夫だろ。過去にも攻めて来たことがあったみたいだけど、その時は無事撤退させたし」
メイド「でも今の人間達は、魔力を抜く武器だとか、とんでも無い破壊兵器をもっているって噂ですわ・・・」
魔物「そんなの我らが魔王様には効かないだろ」
メイド「・・・そうでしょうけど・・・」
魔物「心配するだけ損さ・・・・・・・・ふああぁ・・・俺も眠くなってきたー・・・・」

魔物「膝、借りていい?」にこ
メイド「えっ・・・でも勇者ちゃんが・・・・・・」
魔物「コイツはこうして退けて・・・」ひょぃ ぽいっ

 ごろんっ

魔物「ふあーやっぱやわらけぇなぁ〜」スリスリ
メイド「・・・いいんでしょうか・・・」
魔物「いいんだよーぐりーんだよー・・・・・おやすみ〜・・・・・」ぐー・・・
メイド「・・・・・」

女勇者「・・・んぅむ・・・・・」ごろ・・・Zzz...


608 :創る名無しに見る名無し :2010/02/11(木) 23:59:10 ID:VWwkeMBX

〜魔王城:執務室〜

かさっかさっ

側近娘「さーさーのーはーさーらさら〜・・・♪」

魔王「・・・・・・」
側近1「・・・・・・」

側近娘「まーきーばーにーゆーれーる〜・・・♪」

 かさっかさっ かさっかさっ

側近娘「おーほしさーまーキーラキラー・・・☆」

側近娘「きーんぎーんすーなーおー♪♪

魔王「・・・・・・・」
側近1「・・・・・・・」


609 :創る名無しに見る名無し :2010/02/12(金) 00:11:00 ID:W2ft7dvg

側近娘「とーちーぎーのたーんざく〜・・・♪」

魔王「・・・・・なぁ」
側近1「・・・・・何でしょう」パラ・・・
魔王「お前の娘は何をしているんだ・・・?」
側近1「”短冊”と言うものを飾っているのです。人間界のおまじないらしいですよ?」パラパラ・・・
魔王「ああ・・・それはわかるんだが」
魔王「それは確か夏の初め頃にするんじゃないのか」
側近1「そうですね・・・でも何か願いたいことがあるそうで今、飾りたいと」パラパラ...
魔王「・・・そうか・・・・・今は春の初めだけどな」
側近1「・・・・・・」


610 :創る名無しに見る名無し :2010/02/12(金) 00:28:25 ID:W2ft7dvg

側近娘「わーたーしーがーかーいーたー・・・♪」

魔王「前から思っていたんだが・・・」
側近1「・・・・・・」

魔王「あの娘は奥方との間に出来た子じゃないのか?」
側近1「いえ、歴とした妻との間の子です」
魔王「それにしては些か頭のネジが何本か外れているような・・・気が・・・・・」チラ
側近1「ちょっちょっとボケているかも知れませんが、あの子も一応賢い子ですょ・・・・・」
魔王「声ちっちゃくなってるぞー?」


611 :創る名無しに見る名無し :2010/02/12(金) 00:56:21 ID:W2ft7dvg

魔王「そうだなぁ・・・最近勇者がやんちゃになってきたから、もうちょっと大人しくなって欲しいなぁ、うん」
側近娘「ふむふむ、『もうちょっとアダルトになって欲しい』と・・・」
魔王「・・・・・。お前はなんて書いたんだ?願い事」
側近娘「私はですねー庭の木が春になったのに元気ないから『元気になりますように』って書いたんですよ〜」
魔王「そうか・・・」

魔王(まぁ・・・いい子、なんだよなぁ)

側近娘「・・・! あっ!!」
魔王「ん?」
側近娘「魔王さまっ!!髪切りました!?短くなってます〜!」
魔王「え゛」

側近1(それ去年の夏・・・・・・・・ていうか)

魔王(床につきそうなくらいの髪を一気にショートにしたのに・・・?)

魔王&側近1((今頃・・・?;))

魔王「・・・・・・」
側近娘「わーわー似合ってますねぇっ、私も髪短くしようかな〜♪」キラキラ
魔王「・・・・・」

魔王「・・・・うん・・・」
魔王「お前は可愛いよ・・・・・」ポンポン
側近娘「?」


612 :創る名無しに見る名無し :2010/02/13(土) 11:53:20 ID:V72wINy5
すんません、また抜けていました;
>>610と>>611の間に↓が入ります。


側近1「勉強は一応出来るんですけどねぇ・・・何故かこう・・・それを活かせられないというか・・・・・」
魔王「お前そっくりで賢そうなんだけどなぁ・・・」
側近1「時々親としても心配になります・・・」はぁ・・・

側近娘「そーらーかーらーみーてーるー・・・♪・・・あっ魔王さまっ!」くるっ

魔王「んーなんだー?」

側近娘「魔王さまはなにか願いごとありますか〜?飾りますよ〜?」

魔王「んー・・・・・」カツコツ...


615 :創る名無しに見る名無し :2010/02/18(木) 16:12:46 ID:TcU4REG3
。o0○

「ふわああああ」

女勇者「・・・・・にゅ」
女勇者「結構眠ってしまったなぁ・・・」こしこし

魔物「・・・・・グルグルグル・・・・・」Zzz...
メイド スヤスヤ

女勇者「・・・・・」
女勇者「私の枕、取りやがって・・・・・」


616 :創る名無しに見る名無し :2010/02/18(木) 18:20:35 ID:TcU4REG3


・・・・・ッ・・・・・・・・

女勇者「・・・・・・?」

・・・ッ・・・・ッ・・・・・・・・

ぴとっ

女勇者「・・・何か聞こえる・・・・・」
女勇者「足音・・・・・?」

ダダッ

女勇者「・・・! 何だアレ・・・・!?」
女勇者「人間の群れ!? 何故こんなところに・・・」

女勇者「っ!! アイツ等魔物の首持ってるっっ!!!」
女勇者「キメラに、トロルに、ドラゴンまで・・・・・・っ」
女勇者「何て奴らだ!!!この付近の魔物全部刈る気か!!?」
女勇者「助けなきゃ・・・・・みんなを助けなきゃ・・・・・!!」ダッ.....

・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・


617 :創る名無しに見る名無し :2010/02/18(木) 18:23:13 ID:TcU4REG3

・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

コン コン

ガチャリ

側近妻「失礼します」コツコツ

魔王「おお奥方じゃないか」
側近妻「すみません魔王様。娘の面倒を見ていただいて・・・・・」
魔王「子供は好きだから気にしなくても大丈夫だぞ」
側近娘「短冊飾ってるんですよ〜〜〜〜」にこにこ
側近妻「・・・・・。今って夏だったかしら」
魔王「今度花見にでも行こうかね・・・」


618 :創る名無しに見る名無し :2010/02/18(木) 18:37:38 ID:TcU4REG3

・・・・・ッ・・・ッ

側近1「・・・・・・・」

側近妻「あなた」カツコツ

側近妻「どうしたんですか、そんな険しい顔をして」
側近1「・・・・・・・・・ちょっと平和ボケしすぎたようです」
側近妻「?」

側近娘「まおーさまーまおーさまー」くい
魔王「なんだ?」
側近娘「これを天辺にのっけてくださいまし〜」
魔王「? 星?」
側近娘「そうです〜私じゃ届かないので・・・・・」プルプル
魔王「・・・お前はクリスマスと七夕を混同してないか?」
側近娘「? ・・・?」

・・・・・・・・・・・ドタドタドタドタ

魔王「?」

ドタドタドタドタドタドタドタドタッッッ

バタンッッッ!!!!!

下っ端1「大変です!!!!!人間達が攻めてきました!!!!!!」

魔王「は?」


619 :創る名無しに見る名無し :2010/02/18(木) 18:53:28 ID:TcU4REG3
下っ端1「は? じゃないですよ!!!ヤバイですヤバイんです!!!!!!」じたばた     
魔王「取り合えず落ち着け、パニックに成り過ぎだ」
下っ端1「人間達がもうくぁwせrftgy!!ふじこlp;@!!!」
魔王「待て、マジで何言っているか分かんない」
側近娘「大陸が黒に染まるくらいの人間達が魔物たちを倒しながら魔王城に向かっているんだって」
魔王「おおそうか・・・ってお前スゴイな」
側近娘「えへへ〜」テレテレ

下っ端1「しかも人間達は人質まで用意していて・・・・・」
魔王「人質ぃ〜? 誰が」
下っ端1「それが・・・・・・・」


620 :創る名無しに見る名無し :2010/02/18(木) 21:59:30 ID:TcU4REG3

〜境界線付近、人間軍臨時陣営〜

女勇者「ぬあああんっ!離せぇえええええ!!!!!!」じたばた
兵士1「うるせぇガキ!大人しくしろ!!!」ビシッ
女勇者「あいたっ!!」

兵士2「嬢ちゃんイイカラダしてんなぁ」ジロリ...
メイド「ひっく・・・ひっく・・・いやぁ・・・・・」ぽろぽろ


魔王「・・・・・・・・・・・」
下っ端1「どうやら魔界と人間界の間辺りで遊んでいたらしくて・・・・・」
魔王「・・・はぁああ・・・・・あの子は・・・もう・・・・・」ガク
下っ端1「欲求は魔王様だそうで・・・・・」
魔王「何というデジャビュ」

魔王「仕方ない、行ってくるかぁ・・・・・」コキコキ
魔王「側近1」くるっ

側近1「はい」

魔王「後は頼んだ」



621 :創る名無しに見る名無し :2010/02/18(木) 22:39:38 ID:TcU4REG3

魔王「場所へ案内しろ」
下っ端1「わかりましたっ」

 カッカッカッカッ・・・・・
   タッタッタッタッタッ・・・・・・

側近娘「・・・魔王さま、いっちゃいました・・・・・」
側近妻「いいんですかあなた? 敵は魔王様の命をっ」
側近1「大丈夫ですよ、我々は様子を見ましょう」
側近妻「でも・・・・・!」

側近娘「魔王さま、お星様飾っていってくれませんでした・・・・・・」

側近妻「・・・・・・」
側近1「・・・・・・」
側近娘「代わりに父様が飾って下さい・・・・・はい」ずいっ
側近1「お前はある意味大物ですねぇ」クス
側近娘「当たり前ですよ〜」


622 :創る名無しに見る名無し :2010/02/18(木) 22:41:41 ID:TcU4REG3

側近1「・・・貴女もそんな緊張しなくて大丈夫ですよ」
側近妻「・・・・・・」
側近1「我らが魔王様がそんな簡単に命を落とす訳ないじゃないですか」
側近妻「でも、二代目魔王は人質を取られたことによって命を落としましたわ」
側近1「人質を取られたぐらいで怯む方ではありません」
側近娘「そうですよ母様、きっとみんなの分の願い事を訊きにいってるんですよ」
側近1「それはない」

側近妻「・・・・・・」
側近1「取り合えず我々は備えておきましょう」

側近1「動き出すのは明日です」


623 :創る名無しに見る名無し :2010/02/18(木) 23:16:19 ID:TcU4REG3

〜冥界にて〜

ゴオォオン・・・・・・ 
            ゴオォォン・・・・・・

勇者「・・・・・ん」
勇者「もうこんな時間か・・・・・ふあぁ少し眠りすぎたかもな・・・」グシグシ

・・・・・ドカドカドカドカッ

 げしっっっ

勇者「うおっ!?」ドサッ

二代目「暇だから遊びに来てやったぞ」

勇者「ってあんたかよ・・・もー何でそんな横暴かな・・・・・」ポリポリ
二代目「先ほどから様子が変でな」
勇者「しかも人の話聞かない・・・・・・・・え、なんで?」


624 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 00:02:40 ID:TcU4REG3

二代目「魔物達がな、続々と冥界へ遣って来ているんだ」
勇者「つまりそれって・・・・・」
二代目「戦争でもおっぱじめたかな」
勇者「・・・魔王・・・・・」
二代目「・・・お前の二言目はいつもそれだな・・・・・」
勇者「愛妻家ですから」にかっ
二代目「フンッ自分で言うなっ・・・・・・どれ、そこ等辺の奴に近況でも聞いてみるか」


625 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 00:26:25 ID:9fzGiaLb

〜冥界門付近〜

下っ端1「・・・・・はぁ・・・死んじゃった・・・・・」ぐすん
下っ端2「元気出せって」ぽんぽん

 ザッザッ

二代目「おい、そこのお前」

下っ端1「はい?」
二代目「今死んだばかりか?」
下っ端1「うっ・・・そうですけど・・・・・」しゅん・・・
二代目「今、魔界では何が起きている」
下っ端1「魔界ですか?」
二代目「そうだ。ヤケに沢山魔物が死んでるじゃないか」
下っ端1「それが・・・人間達が攻めてきて・・・・・」
二代目「ほう、その割には人間はあまり死んでないな」キョロキョロ
下っ端1「人間達は恐ろしい武器を持っています・・・・・ソレに我々は太刀打ちできませんでした」
二代目「ほう、どんな武器だ? 脅威なる威力を持つ爆薬かなんかか?」
下っ端1「いえ・・・人間達は魔力を消す武器を持っているのです」
二代目「!」
勇者「・・・・・」


626 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 01:25:59 ID:9fzGiaLb
下っ端1「何故か急に呪文が使えなくなって・・・それであっさり人間に・・・・・」ぐすっ
下っ端2「まるで吸い取られるように無くなるんです」
下っ端1「自分が使えてた力が無くなるのはとても恐ろしかった・・・・・」ブルブル
二代目「・・・・・」
勇者「・・・・・」

下っ端1「それに・・・・・魔王様も攫われちゃって・・・・・・・・」
勇者「!? 魔王がっ!!?」

「なっ・・・なんですって!??!?」

ズカズカズカズカズカズカ

ガシッ!!!!!

旧メイド「ちょっと!!今の話は本当!?!?」ブンブンッ
下っ端1「は、はいぃぃぃ・・・」
勇者「ちょっ・・・メイドさんっ!?」
旧メイド「何で止めなかったのよ!!!この役立たず!!!!!」ビシッバシッ
下っ端1「あううううう・・・・・」
勇者「この人傷心気味なんだからそんなに傷付けないで・・・っ」
旧メイド「うるっさいわね!!!こんな奴パックリ割れるまで傷つけばいいのよ!!!!!」ギリギリ
下っ端1「ぐ・・・ぐぇ・・・・・・」
下っ端2「しったぱいちぃ〜〜〜・・・」オロオロ

二代目「・・・誰だコイツ」
側近2「私の妻です・・・・・」
二代目「・・・誰だお前」
側近2「現魔王様の側近をしていたものです・・・」
二代目「とてもそうには見えんが」
側近2「ガーン」


627 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 02:02:59 ID:9fzGiaLb

下っ端1「・・・・・・・」ピクピク

勇者(肉体無いのに気絶するんだ・・・・・気をつけよう)
二代目「で、何故アイツはむざむざと攫われてしまったんだ」
下っ端2「人質を取られて・・・・それで・・・・交換条件として魔王様を・・・・・」
二代目「人質を取られて?アイツは何をやっているんだ・・・それでは二の舞じゃないか」
旧メイド「人質って誰?魔王様はそう簡単に自分の命をお売りにならないはずよ」
下っ端2「今の勇者です。魔王様は勇者をそれはもう娘のように可愛がっていまして・・・」
二代目「勇者を?相変わらず物好きな・・・・・」
旧メイド「魔王様・・・お労しい・・・・・」ホロリ
勇者「・・・・・・」

勇者(冥界に来てないってことはまだ生きてる・・・・・)

 魔王、お前何故そんな危険なものを傍に置いてたんだ
 本来勇者はお前にとって相容れない存在だろう?

勇者(本当なら・・・・・・・・)


629 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 10:05:37 ID:9fzGiaLb

〜魔王城〜

チュン チュン
       チュン チュン

 ピチチチチチチチチ・・・・・・・・・・・・

側近1「・・・・・夜が明けました」

 ズシーン!!! ドスン!! ズシーン!!! ドス!!

 バタンッ!!!!!

髭将軍「うおおおおおっす!!!髭将軍只今到着なりいいいいいいい!!!!!」ドスドス

側近1「おはよう御座います、将軍。久しぶりですね」
髭将軍「相変わらずおめぇさんほっせぇなぁ!!!ちゃっと飯食ってっか!?!?!?」バシバシッ
側近1「ぃ、痛・・・・本気で骨が折れそうですので止めてください・・・」
髭将軍「ふあはははははは骨に芯入れとけよ!!!!!!」ゲラゲラ

 ・・・パタパタパタパタ

部下1「しょ〜ぐ〜んそんなに急がないで下さい、ワタクシ追いつきませんわ〜」ゼェゼェ
髭将軍「うるせぇ!!!お嬢ちゃんの一大事に素早く駆けつけなくてどうする!?!?!?」
髭将軍「我々の存在意義が無くなるだろおおおがアアアアアアアア(以下エコー」

ビリビリ・・・ビリビリ・・・

側近1(・・・・・・・城が壊れる前に話を終わらせましょう・・・)
側近1「人間の軍がこの魔界に押し寄せてきているのは、もう伝わってますよね?」
髭将軍「おうよ!!!!!何でも強烈な武器を持っているって話じゃねえか!!!!!」
側近1「ええ、人間達は魔力を消す武器を開発したようです」
髭将軍「ぬわぁあああああんだとおおおおおおおおおおおお(ry」ビリ・・・ビリ・・・
部下1「それはどのような形の武器なんですか?」
側近1「報告によると定まった形は無く、普通の武器に呪文を貼り付けた物のようです」
側近1「敵と対峙した時に自動的に魔法が発動するのだとか」
部下1「うわぁ・・・魔力消去呪文は前からありましたけど、物に付けることは出来なかったのに・・・」
髭将軍「魔法使いだげじゃねぇで一般人も使えるようになったあって訳かあああああ!!!!!」
側近1「そういうことです」


630 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 10:45:18 ID:9fzGiaLb

側近1「ですから魔法が使えるのは人間と対戦する前、だけです」
側近1「地の理はこちらにあります。それを存分に活用して下さい」

側近1「話は以上です。・・・・・何か質問は」
部下1「大丈夫です。油断せず全力で敵を倒します」ビシッ

髭将軍「いよっしゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!」

ビリビリビリ・・・ビリビリ・・・・・・・

側近1「・・・・・・」
髭将軍「久しぶりに血が滾るぜええええええええええええ!!!!!!」オオオオオオオオオ
髭将軍「行くぞ!!!!!部下1!!!!!進軍じゃあアアアアアアア!!!!!!!!!」

 ズシーン!!! ドスン!! ズシーン!!! ドス!!

部下1「ああん待ってください、将軍!何でいつも置いてくの〜〜〜〜〜っ」

 パタパタパタパタパタ・・・・・・・

側近1「・・・・・・」キュポッキュポッ
側近1「ふぅ・・・」
側近1「あの人と喋る時は耳栓しないと鼓膜が壊れてしまいます」グシグシ


631 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 11:22:58 ID:9fzGiaLb

 ひょこっ

側近妻「話は終わりましたの? あなた」コツコツ
側近1「ええ、あの調子ならきっと人間を蹴散らしてくれるでしょう」
側近1「暫く御無沙汰でしたからねぇ、軍は・・・・・・・」
側近妻「でも大丈夫ですの? 魔王様を人質に取られてますのに、進軍するなんて」
側近1「問題無いです。第一魔王様を殺そうが殺さなかろうが奴らは魔界を蹂躙するつもりです」
側近1「ならば速急に倒して被害を少なくした方が良いでしょう」
側近妻「・・・・・・」
側近1「・・・まぁあの方が死ぬだなんて全く想定してないんですけどね」
側近妻「・・・随分と信頼なさっていますのね・・・」
側近1「信頼というより体験でしょうか・・・何度も死線を彷徨ったりしましたが結局、生きてますので」
側近妻「・・・・・・」
側近1「首刎ねられたり心臓?いだりしたぐらいじゃ死にませんよ、魔王様は」
側近妻「・・・・・・」
側近1「・・・さて、私も動き始めましょう。少し人間界に行って来ますので留守番よろしくお願いします」
側近妻「魔王様を救出しに行きますの?」
側近1「違いますよ、メイドの方を助けに行くのです」
側近妻「えっ」


632 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 11:39:12 ID:9fzGiaLb

側近1「勇者は返して貰いましたが、メイドは返して貰えなかったでしょう」
側近1「彼女は容姿が綺麗ですからね。良からぬ事をされる前に助けなければ・・・・・・」
側近妻「ま、魔王様は助けなくて良いのですかっ?;」
側近1「魔王様は全然大丈夫でしょう。か弱い彼女の方が心配です」
側近妻「で、でもっ・・・」
側近1「仮に魔王様を助けに行ったら、殴られてしまいますよ。あの方は地位が基準じゃありませんから」
側近妻「・・・・・・」
側近1「私もそれに従うまでです」


633 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 12:30:42 ID:9fzGiaLb

 ひょこっ

側近娘「とーさま〜〜〜〜〜」パタパタ
女勇者「・・・・・・」

側近娘「私も人間界に遊びに行きたいです〜」くい
側近1「私は遊びに行くんじゃないんですよ?あなたは城で大人しく留守番してなさい」
側近娘「むー!行きたい〜〜〜〜〜〜っ」ぐい〜〜〜〜〜
側近1「服が伸びるから止めなさい;」

女勇者「あ・・・・・あたしも行きたいっ!!!」

女勇者「あたしの所為で魔王とメイドは捕まってしまったんだ・・・・・」
女勇者「あたしが・・・何も考えずに人間の軍に突っ込んだからっ・・・」
側近1「あなたは何も悪いことなどしてませんよ、いずれ人間達は来ると知っていましたし」
女勇者「でも、魔王が人質に取られたのはっ・・・・・」
側近1「あの方は多分人質に取られたなんて思ってないと思いますよ?」
女勇者「ふぇ?」
側近1「むしろ公式で人間の国に遊びに行けたことを喜んでいるんじゃないでしょうか」
側近1「いつもお忍びでしたからね・・・・・”魔王”として人間界に入れたことを少し楽しんでいるような気がします」
側近娘「やっぱり遊びにいってるんじゃないですかっ」プンプン
側近1「あなたの場合は遊びにならないんです」ぷに

女勇者「・・・・・・」
側近1「・・・・だから、大人しく待っていて下さい。それに魔王様は・・・・・・・」
女勇者「・・・?」
側近1「・・・・・いえ、これは飽くまで憶測ですからやめておきましょう」
女勇者「・・・・・」


634 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 13:38:33 ID:9fzGiaLb
側近1「もし人間達が近くまで攻めてきたら、地下通路から逃げて下さい。絶対に抵抗してはいけません」
側近妻「・・・・・わかりました」
側近娘「・・・・・」ブー
側近1「そんな剥れないで下さい。何か面白そうなものがあったら買ってきますから」
側近娘「・・・絶対にですよ?」
側近1「はい」にこり

側近1「では、暫くの間城のことをよろしくお願いします」

 カツコツカツコツ・・・・・・

側近妻「・・・・・」
側近娘「父様も行っちゃった・・・・・」
女勇者「・・・・・」

側近妻(・・・・・大勢いる軍よりも、一人を信じるんですか・・・)



635 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 14:27:48 ID:9fzGiaLb

〜冥界門付近〜

勇者「・・・だんたん来る奴減ってきたな」
二代目「やっと対策を取り始めたか・・・・・随分手間取ったものだ」

ガチャガチャ

「悪かったわね、手間取って」

勇者「・・・・・」
二代目「・・・・・」

旧メイド「ふぅ・・・こんなものかしらね」ガッチャ ガッチャ

勇者「あの・・・・・メイドさん?」
旧メイド「何よ」
勇者「その背中に背負っているモノは何ですか?」
旧メイド「見ての通りよ、武器に決まってるじゃない」ガッチャ ガッチャ
勇者「な、何ゆえ・・・?;」
旧メイド「はぁ?魔王様を助けに行くに決まってるじゃない」
勇者「は」


636 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 14:30:39 ID:9fzGiaLb
旧メイド「何よ、助けに行かないの?元:亭主の癖に」
勇者「元はいらんっ!ていうかどうやって助けに行くんだよ」
旧メイド「門を潜って、人間界に行きゃあいいじゃないよ」
勇者「は? そんなの無理に決まってるじゃないか」
旧メイド「・・・・・」
勇者「・・・・・」
旧メイド「・・・・・( ´ー`)プッ」
勇者「・・・!?」


637 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 14:55:05 ID:9fzGiaLb

旧メイド「愛が足りなさ過ぎるわ、こんなことでへこたるなんて。何故こんな男を魔王様は夫にしたのかしら」ハンッ
勇者「なっ・・・」
旧メイド「それともあわよくば死んで欲しいとでも思っているのかしら?」クスッ
勇者「っんな訳無いだろう!!!」ガッ!
旧メイド「あら、図星? そうですわよね?死んだらずっと傍にいられますものねぇ?・・・このっ下衆!!!」ドカッ!
勇者「〜〜〜〜〜っ!!!」ビキビキビキビキ

二代目「清清しいほどムカつく女だな・・・逆に惚れてしまいそうだ」
側近2「まぁ中々いないでしょうね、あそこまで愚痴を隠さない女は・・・」
二代目「・・・お前もあの女くらい逞しかったら良かったのにな」
側近2「ガガーン」


638 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 15:43:21 ID:9fzGiaLb
勇者「もうっぜってええええ許さねぇええ!!!」シャキーンッ
勇者「女だからって甘く見てたがコレだけは許容出来ねぇっ!!!!!」
旧メイド「ハッ!私が女だからって侮ってた訳ぇ??人間の男って随分驕った生き物なのね? ダサッ!!」
勇者「うるせぇ!!!人間の女はお前みたいに野蛮で凶暴な奴はいないんだよ!!!!!」ヒュンッ!

 ガギィイイイン!!! バキッッ!! ドカッッッ!!!!

二代目「・・・ついに始まったな」
側近2「ああ死んだばかりの人が巻き込まれてる・・・・・どこに行っても災難だなぁ」


639 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 16:49:27 ID:9fzGiaLb

門番A「ちょっとちょっとあんたら!!!こんなところで暴れないでっ・・・」
旧メイド「喧しいわねぇ!!!!」ドカッバキッ
門番A「?ドゥフッッッ!!!」

 ドオオオオン・・・・!

門番B「ここは死者の出口だぞ!!!来たばっかりの人が沢山いる場所なんだからもう少s」

 ドカドカバキバキ バキッ

        ドオオオオオオオン・・・・!

二代目「おお、遂に門番にまで手を掛けたか」
側近2「・・・あんな巨体を投げ飛ばすなんて・・・・・ご愁傷様です・・・」


640 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 16:51:07 ID:9fzGiaLb

勇者「だあああああああああ大人しくくたばりやがれこのアマッッ!!!」
旧メイド「台詞が完全にチンピラAになっているわよ勇者!!!とても物語の主人公とは思えないわ!!!!!」ホホホホホホホ
勇者「ぬ ぬ ぬ ぬ ぬ ぬ ぬ・・・・・っ!」←※一応この物語の主人公のつもりです。
旧メイド「これでも喰らいなさい・・・”業火術”!!!!!」

 ゴオオオオオオオオオオ!!!!!

勇者「っこんなもん喰らうかあああああああああ!!!!!」

 パシンッ!
       ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

二代目「炎を弾き飛ばしたな」
側近2「あ」

<ドンッ!

  ジュワアアアアアアアアアアアアア・・・・・

二代目「・・・炎が当たって」
側近2「門が溶けてしまいましたね・・・」


641 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 17:16:23 ID:9fzGiaLb

 おい・・・・

     ・・・門が開いてるぞ・・・・・・・・

二代目「・・・・・・」
側近2「・・・案外冥界の門って脆いんですねぇ・・・・・」

勇者「門が・・・・・壊れた」
旧メイド「好都合だわ!!!・・・さっさと魔王様を助けに行かなくては・・・!」ダダッ
勇者「あ、おいっ・・・」

旧メイド「よっ・・・!」

  シュンッ!

勇者「消えた・・・」


642 :創る名無しに見る名無し :2010/02/19(金) 17:24:29 ID:9fzGiaLb

   ・・・・潜れたぞ・・・・・・
            ・・・・・・もう一回・・・・・あの世界に・・・・
 そうだな・・・・・家族に最期の別れを・・・・・・
  

二代目「・・・・・」
側近2「みんなどんどん出てって行きますね・・・・・これは現世で混乱が起きるんじゃ」
二代目「我も行くか」スクッ
側近2「え」

二代目「勇者、お前も行くだろう?」
勇者「え・・・あ・・・・・・うん・・・」
二代目「呆けた顔してないでさっさと行くぞ」タッタッタッタッ
勇者「・・・・・」


下っ端1「・・・我々も行くぞ!!!」

 「「「「「おー!!!!」」」」」

下っ端大勢「「「「「「魔界の栄光を守るために!!!」」」」」」

 「「「「「いざ!!!!!」」」」」

  ドタドタドタドタドタドタ・・・・・

 ・・・・・・・・
      ・・・・・・・・


643 :創る名無しに見る名無し :2010/02/20(土) 02:43:07 ID:XnOvYA3t
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・

魔王「・・・・・」
魔王「・・・・・ん・・・・・」パチ
魔王「・・・ここは・・・・・」
魔王「そうか・・・・確か薬で眠らされて・・・・・・」
魔王「うぅ・・・体がなんかだるいぞ・・・・・」ムク・・・
魔王「ん・・・?」

 ジャラ......

魔王「・・・・・」
魔王「・・・ふっ・・・しっかり呪文付きか」
魔王「しかもベッド上って・・・・・・まさか・・・・・」

 ガチャリッ

魔王「・・・・・」

王族騎士「ご加減はいかがかな? 魔王殿」カツコツ...

魔王「・・・・・」

王族騎士「少々キツめの薬を使ってしまいましたが、貴女にはこのくらいが良いかと思われまして」
魔王「・・・・・お蔭様で最高の目覚めだ、人間殿」
魔王「ご丁寧に寝室まで用意してくれるとは、中々親切じゃないか」
王族騎士「ふっ・・・」


644 :創る名無しに見る名無し :2010/02/20(土) 02:47:19 ID:XnOvYA3t

  ギシッ・・・

王族騎士「・・・うむ、少し年は食ってるがいけそうだな」くいっ
魔王「・・・・・・(コイツ金○千切ってやろうか)」
王族騎士「まさか魔王がこんなナリをした、しかも女だとは考えもしなかった」
魔王「人間は男尊女卑の傾向があるからな。残念ながら魔族にそんなものは無いのだ」
王族騎士「ふん、女が上に立つと碌なことが起こらない」
王族騎士「現に貴女はこうして敵の陣地に捕虜として捕まっている」
王族騎士「貴女の統治している魔界は一月もしない内に攻め落とされるだろう」
魔王「・・・・・・・」
王族騎士「・・・何だその顔は」
魔王「なのに何故私の力を欲しがる? やはり”魔王”の力を肖りたいのか?」
王族騎士「仮にも魔族のトップに立っていた魔物だ。その力を欲して当然だろう」
魔王「卑しい人間め、どこまで貪欲で下劣なんだ」

 ッガ!!

魔王「・・・・・」つぅ...
王族騎士「口は慎め、ケダモノ」
王族騎士「こちらは貴様の命を握っているのだぞ」
魔王「・・・ハッ・・・・・・笑わせる・・・」
魔王「武器が無ければ自分を守ることも出来ない人間風情が、私を手篭めにしようと言うのか」
王族騎士「そうだ、人間には頑健さが足りない。だから魔物からその力を貰う」
魔王「貰う?奪うの間違いじゃないか? それにそれでは人は人でなくなってしまう」
王族騎士「違う、これは進化だ」

王族騎士「これからの世を生きるためには、どの国よりも発展しなければならない」

王族騎士「我々はその第一歩を踏み出すのだよ」ギシッ・・・

 .......ジャラ......  ジャラ......


645 :創る名無しに見る名無し :2010/02/20(土) 22:43:23 ID:XnOvYA3t

〜人間界にて〜


 ふよ〜 ふよ〜

勇者「うおおっ体がめっちゃ軽い!!」フワッ フワッ
二代目「やはり肉体が無いと重力の影響を受けなくなるのだな」ススー…
側近2「まぁその代わりこの世に与える影響力も少なくなるんですけどね〜」フヨフヨ

二代目「・・・で、魔王が捕らえられている国はどこにあるんだ?」
勇者「まずココ何処だろ?」キョロキョロ
側近2「私は人間界へ来たこと無いので・・・・・・」
二代目「我もだ」
勇者「えっマジで? 人間の国へ遊覧とかしたことないの??」
二代目「んなもん興味ないわ」
側近2「無いですね・・・特に必要なかったので」
勇者「そうなのか・・・魔王が良く行ってたから結構他の魔物も行き来しているのかと思ったよ」
二代目「アイツが酔狂なだけだ。興味を持ったものには何にでも手を出すからな」
側近2「元来、魔物は娯楽を求める生き物ではありませんから魔王様は特殊な方なんですよ」
勇者「へぇ〜・・・」


646 :創る名無しに見る名無し :2010/02/20(土) 22:59:42 ID:XnOvYA3t

二代目(ま、だからこそ人間の男が気に入ったんだろうな・・・・・)

勇者「・・・じゃあ俺しか人間界の構造はわからないってか」
側近2「そう言うことになりますね」
二代目「頑張って探したまえ。元:嫁のためのだろ」
勇者「だから”元”はいらんっ! ちきしょ〜っ愛の力で探し出してやんからな!!!」

 ふよ〜 ふよ〜



647 :創る名無しに見る名無し :2010/02/20(土) 23:15:54 ID:XnOvYA3t
。o0○


〜それから約1時間後〜

 ふよ〜 ふよ〜

勇者「・・・・・・」
二代目「・・・・・」
側近2「・・・・・」

二代目「・・・おい」
勇者「・・・何」
二代目「先ほどから景色が変わらないのは気の所為か」
勇者「気の所為だ」
二代目&側近2「・・・・・・・・」

二代目「・・・おい」
勇者「・・・何」
二代目「・・・ずっと森林ばかりなのは気の所為か」
勇者 「気の所為だ」
二代目&側近2「・・・・・・・」

二代目「・・・おい」
勇者「・・・何」
二代目「・・・お前の愛は偽者なのか」
勇者 プチッ

勇者「っちくしょおおおおおおなんで見つからないんだ!?!?」ミツカラナインダーナインダー…

二代目「やっと迷っていることを認めたか」
側近2「困りましたね・・・」


648 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 00:48:40 ID:pC6YlDOm

側近2「魔王様は女性ですから・・・」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ・・・ガシャンガシャン!!

モブ1「ふへへへ・・・なかなかイイ女じゃないか」ベロリッ
魔王「や、やめろっ!私に触るなっ!!!」
モブ2「でも体は正直みたいだぜ?ほれほれほれほれっ」クニクニ
魔王「い、イヤッ・・・・ああっ・・・・・!」

  アア〜〜〜〜〜〜〜っ・・・・・

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


側近2「なんてことに・・・・・」アワアワ

勇者&二代目「「絶対に、無い」」


649 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 00:49:33 ID:pC6YlDOm

勇者「どっちかって言うと」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ・・・ガシャンガシャン!!

魔王「ふはははははははもっと喘げ人間風情が!!!」ゲシッゲシッ!
モブ1「あぁんやめておくんなんしぃいいいいいいいいいいい」ビクンビクンッ
魔王「ほれほれココが良いんだろっ!?!!ホレホレホレホレ(ry」グニグニッ!
モブ2「アーッ!!!」

 アーッハッハッハッハッ アーッハッハッハッハッハ・・・・・・・・・・

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

二代目「・・・だろ」
勇者「あーぁ俺の嫁なのによぅ・・・」イジイジ
二代目「いやもう、未亡人だから」


650 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 00:51:02 ID:pC6YlDOm

勇者「っそれでも嫌なんだ!!もし・・・他に好きな人とかが出来てたら・・・耐えられない・・・」ズーン…
側近2「だからあまりココに来るの乗り気じゃなかったんですね」
二代目「最悪だなぁ嫁の一大事に」

勇者「だってよぅ俺は今だに思い出すことなんて無いほど常に想ってるのに」

勇者「アイツがもし、別の奴を愛していたら・・・・・・」

勇者「しかも魔王、愛に関してかなりフリーダムだしっ 全てが対象者になっちゃうしっっ」

勇者「誰かと愛し合っていた日にゃ・・・・・・・・・・・・・」

勇者「・・・あぁ死ねる・・・・・ぜったいしねる・・・・・・・・」ズズズーン・・・
二代目「もう死んでいるじゃないか」
勇者「うあぁんっ・・・まお〜〜〜・・・・・・」シクシク・・・
二代目「まぁ・・・奴は死んだ夫に操を立てるタイプには思えんからなぁ・・・・・」
側近2「保証は無いですねぇ・・・・・」
勇者「涙が出ないのが恨めしい・・・・・」ヒック ヒック


651 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 01:00:00 ID:pC6YlDOm

二代目「まぁ取り合えず、人間の国を探さなければ何も始まらんわな」キョロキョロ
側近2「うちの嫁は何処に行ったんでしょう・・・無事城を見つけたのでしょうか」キョロキョロ
二代目「あんたの嫁さんは何の迷いも無さそうだから、辿りつけてそうだな」
側近2「ははは、1〜100くらいまでは魔王様で埋め尽くされてるでしょうから」ケタケタ
二代目「・・・お前・・・ソレ自分で言ってて空しくならないか・・・?」
側近2「?」

勇者「・・・・・・・・・魔王・・・・・・」


652 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 01:27:43 ID:pC6YlDOm

〜とある王国の宮殿:地下牢〜

魔物「くっそ・・・っ 放せっ・・・!!」ジタバタ
軍人1「うっせ小僧!!大人しく牢屋にでも入ってな!!!」

 ドカッ!!!

魔物「うわぁっ!!?!」
 
           ドサッッッ!!

牢番1「・・・何だ今度は男か」
牢番2「うへぇホント魔物ってカンジだな、アイツ」

メイド「・・・! その声は魔物くんっ!?」ジャラ・・・
魔物「えへへ・・・ごめんなぁメイドちゃん・・・助けようと思ったんだけど、捕まっちゃった・・・」

軍人2「お前ら!ちゃんと見張っておけよ!!」
牢番1&2「「へーい」」


653 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 02:53:36 ID:pC6YlDOm

メイド「魔物くん、声に元気が無いけど大丈夫?」
魔物「あはは大丈夫だよ・・・・・ったく、牢屋くらい一緒にしてくれてもいいのになぁ」
メイド「せっかく逃げ切れたのだから、私なんか放っておいて良かったのに・・・・・」
魔物「何言ってんだよ、俺がメイドちゃんを見捨てるわけ、無いじゃんか」
メイド「見捨てる見捨てないとかじゃなくってっ・・・・・」
魔物「・・・・・」
メイド「・・・でもありがとう、助けに来てくれて・・・私、寂しかった」
魔物「うん・・・」

牢番1「・・・・・」
牢番2「あーあ、お熱いこってよぅ」
牢番1「・・・・・」スクッ...
牢番2「・・・お?」

ガチャッガチャンッ

 ギィィイイイイイイイイイ・・・・・

牢番1「・・・・・」

メイド「・・・・・」

牢番1「・・・・・」ニヤッ

メイド ビクゥッ


654 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 02:56:13 ID:pC6YlDOm

牢番2「おいおい牢番さん、勝手に開けちゃ駄目でしょーがぁ」ニヤニヤ
牢番1「何言ってんだよ牢番くん、これも我々の仕事の一つだったろう?」ニヤニヤ
牢番2「そぅでしたねぇ・・・・・」ジトリ...

メイド「やっ・・・いやっ・・・・」ガタガタ

魔物「・・・!?」
魔物「ってめぇら!!!メイドちゃん手ぇ出したらタダじゃおかねぇぞ!!!!!」ガシャンッ!ガシャンッ!!

牢番2「うるせぇガキは放っといて・・・」ニヤニヤ
牢番1「嬢ちゃん本当イイカラダしてんなぁ・・・・・」ムニムニ
メイド「や・・・っ」

メイド「やめてぇえええ〜〜〜〜〜っ!!!!!」


??「ちょっとぉすみませ〜〜〜んっ」カツコツ


牢番1「・・・んあ?」

メイド「!」


655 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 03:00:26 ID:pC6YlDOm

貴婦人?「何だか〜道に迷っちゃってぇ〜〜〜」カツコツカツコツ
牢番2「はぁ?」
貴婦人?「ここは一体何処ですか〜? 私、自分の部屋に戻りたいですぅ〜」シクシク...
牢番1&2((何でこんなところに貴婦人が・・・・・・))

メイド(こ、これは・・・この喋り方は・・・・・・)

魔物(姿は違うけど、間違いない・・・・・・)

魔物&メイド((側近娘ちゃんだ[わ]・・・・・・・・・))
      
貴婦人モドキ「牢番さぁ〜ん 教えてください〜〜っ」くいくい
牢番1「えぇっ?;」
牢番2「何でこんなとこに迷い込むんだよ・・・・・;」

魔物&メイド((絶対ばれる絶対ばれる絶対ばれる絶対ばれる絶対ばれる絶対ばれる))

貴婦人モドキ「私帰る道わかりましぇ〜ん・・・」ウルウル
牢番1「・・・ったく、しょーがねーなー・・・・・・」ヨイショット...
牢番1「牢番2、俺ちょっとこの人連れてくから一人で見張りしといてくれ」
牢番2「えぇ〜・・・」

魔物&メイド((ええええええええええええ?(゜Д゜;)えええええええええええええええ))

貴婦人モドキ「イヤですわっこの人も一緒じゃないと〜」くいくい
牢番2「はぁ!?」
貴婦人モドキ「だって男の人と二人っきりだなんて〜何されるかわかんないじゃないですか〜」チラリ

メイド「・・・(゚Д゚)ポカーン・・・」

牢番1「・・・チッ」
牢番1「じょーがねー・・・お前も行くぞ」ぐい
牢番2「お、おうよ〜・・・」スクッ...

 カツコツ カツコツ カツ コツ   カツ コツ..........

メイド「・・・・・」
魔物「・・・・・」

メイド(ば・・・バレなかった・・・・)ポカーン・・・
魔物(ていうかこの場合、三人の方が危険じゃないか?;)


656 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 03:27:22 ID:pC6YlDOm

 サササササッ

女勇者「ふたりともっ! 無事か!?」ガシャンッ

メイド「勇者ちゃんっ」
魔物「お前っ・・・助けに来てくれたのか!?」

女勇者「待ってよっ 今出してあげるからっ・・・」
女勇者「”灼熱魔法!”」

 ・・・・・シーン・・・・・・・・・

女勇者「あっあれっ?;」
女勇者「も、もう一度っ ”灼熱魔法!”」

  ・・・・・シーン・・・・・・・・・

女勇者「あ・・・あれぇ?;;;」

メイド「勇者ちゃん・・・」
魔物「きっとこの檻には魔法を使えなくする呪文が掛けられてんだ・・・・・」

女勇者「くっくそうっ・・・コレが駄目なら・・・っ」

<・・・おい!侵入者が出たぞ!!

<早く檻を確認するんだ!!!! ドタバタ...

女勇者「?ゲッ! バレたっ!?」

メイド「勇者ちゃんっ! 早く・・・っ!!」
魔物「バレなかったのが不思議なくらいだっだしな・・・・・」


657 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 03:31:14 ID:pC6YlDOm

 カッ カッ! 
        カッ カッ!! 
               
                カッカッカッカッカッ!!!!!

軍人1「っ・・・ いたぞ!!! もう一人の侵入者だ!!!!! 」カッカッカッカッ
軍人2「奴を捕まえろっ!!!!!」

女勇者「うげぇえええええええええええええ;;;;;」

メイド「勇者ちゃんっ! 逃げて!!!」ジャラジャラッ
魔物「お前まで捕まるぞっ!?」

女勇者「っ・・・くそぅっ! こうなったら・・・・・!!!」ダダッ

メイド「!? 勇者ちゃんっ!?!?!?」
魔物「あ、あいつ・・・っ!!?!;」

<てりゃあああああああああっ!!!

<うわっなんだ貴様!!!
<こんなのこうしてくれる!!!  バシーンッッッ

<うあぁっ はっはなせっ・・・!やめろおおおおおおおおお(ry

メイド「・・・・・」
魔物「・・・・・」


658 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 03:55:57 ID:pC6YlDOm
。o0○

魔物「・・・・・で」

女勇者「・・・」ムスッ
側近娘「えへへ〜」

魔物「結局こうなると・・・・・」ハアアアァ〜・・・
女勇者「うるせぇ! お前には言われたかないやいっ!!」プンスカっ!
魔物「大体お前は単細胞過ぎんだよ、二回も同じことするなんて学習能力ないなぁ」フッ
女勇者「やかましいわあああっ!!!;」

側近娘「でも何だか楽しいね〜っ 滅多に出来ないよ、こんな体験www」ニコニコ
メイド「あなたはある意味大物だわ・・・;」

軍人1「今度こそ大人しくしておけよ」
軍人2「我々が付いているからなぁ」フンッ

魔物「・・・何だか見張りも厳重になっちゃったし・・・・・」
女勇者「ぐぬぬぬぬ・・・ちくしょう・・・絶対上手く行くと思ったのに・・・・・」ブツブツ

メイド(でもあの人達は手を出さなさそう・・・よかったぁ・・・)ホッ…
側近娘「・・・でもねっ」コソッ
メイド「?」
側近娘「そのうち父様が助けにくると思うのっv メイドちゃんを助けに行くって言っていたからっ!」パチーン☆
メイド「そ、そうなのっ?」パアァッ

女勇者「・・・の、わりには遅いよなぁ。手間取っているんでねーの」フンッ
魔物「お前みたいに馬鹿じゃないから慎重に行動しているんだろうな(笑)」
女勇者「ばっ・・・馬鹿って言うn」

軍人1&2「「静かにしろ!!!!!!」」ビシィイイイイッッッ!!!

女勇者「・・・はぁーいっ」ブスッ


659 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 04:37:04 ID:pC6YlDOm

〜とある王国の宮殿:寝室〜


 ガチャガチャッ
            ガチャガチャッ
              
魔王「・・・、よっ」

   パキンッ!

魔王「・・・・・ふぅ・・・」ジャラ...ジャラ...
魔王「やっと全部外せた」パキッパキッ
魔王「無駄に色んな物付けやがって、お蔭で少し苦労したぞ」

王族騎士「・・・・・」

魔王「・・・・・」


660 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 04:39:15 ID:pC6YlDOm

 グイッ

王族騎士「・・・・・」グチャァ・・・
魔王「おうおう、折角の男前が台無しだな」
魔王「でもまさか頭突きしただけで死んでしまうなんて」
魔王「ピクリともしないじゃないかぁこいつ、見た目によらず軟い奴だなぁ」

 ポイッ!

        ベチャッッッ

魔王「すまんな」バサッ
魔王「生憎ながら私には夫がいるのでね、誰かに身を捧ぐわけにはいかんのだよ」
魔王「昔の私なら喜んでたかもしれんがなぁ ハハハハハハハハッ!」

王族騎士「・・・・・」

魔王「っと・・・」
魔王「良く見たらこの服、相当破けているなぁ」
魔王「全く人の服を破りやがって・・・不躾な奴だ」
魔王「仕方ないから、お前の服を着て行こう」するっ するっ

魔王「ふむ・・・なかなか似合うんじゃないか?」ニヤ

王族騎士「・・・・・・」


661 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 04:41:17 ID:pC6YlDOm

魔王「・・・・・」
魔王「ふっ・・・・・・私を侮った地点でお前の負けだ、人間」
魔王「魔力など無くとも私は十分強い」
魔王「身体能力も経験値もお前達とはケタ違いだ」
魔王「人間風情が私の力を操ろうなど笑止」
魔王「お前達はものを考える葦として、生涯生きるために足掻いとけ」

王族騎士「・・・・・」

魔王「・・・・・」

魔王「・・・・・・だからこそ」

魔王「きっと・・・・・・惹かれてしまったんだろうけど、なぁ・・・・・・・・・・」

   ギィイイ・・・・
               バタンッッッ




662 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 05:03:37 ID:pC6YlDOm

魔王「・・・さて」
魔王「何処に向かおうか・・・」

貴族「っ! うわああああああ魔物だ!!!!」ドタバタッ
貴婦人「キャアアアアアアアアアア」

魔王「五月蝿い静かにしろ」

 メリッ バキッ バキッ

貴族&貴婦人「「ぅっ・・・」」ドサッッッ

 ・・・・キャ―――――――ッ!!!

                 何だ?
 何故魔物がココにいる!?!?       あいつ王族騎士の服を着ているぞっ・・・・・

魔王「・・・おい」
召使「っ!?」ビク
魔王「この宮殿の王室は何処だ」
召使「あ、あ、あ、あ、あ、」
魔王「早く言え」ギロ
召使「あああ、あ、あの角を曲がって」
召使「し、し、暫くした、ら」
召使「おおおお大きなと、びらが、あります」
召使「そ、そそその部屋の一、番、奥、です」
魔王「分かった。ありがとう」

 ッカッカッカッカッカッカッカ

召使「・・・・・」
召使「・・・・・・・」ペタン

・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・


663 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 05:22:34 ID:pC6YlDOm

〜とある王国の宮殿:王室〜
        
  
 ・・・・・うわぁっ何をする

            ・・・・・だっだれかっぐああああああ・・・・・・・

右大臣「? 何でしょう、外の様子が・・・」
左大臣「もしかして敵でしょうか・・・」

国王「騒がしいな・・・誰だ」

 ・・・こくおうさまっ・・・・・
 
                 ・・・・・・・にげて!!

   ッバン!!!!! 

魔王「・・・・・・・」ギィイイイイイ・・・

国王「・・・・・」

魔王「貴様か・・・国王は」

国王「ああ、如何にも。我れがこの国の王だが?」

魔王「フッ 貴様とは一度話がしたかった」カツ コツ


664 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 06:35:09 ID:pC6YlDOm

国王「・・・話だと? 我れはおぬしになど用は無いが」

魔王「いいや、私は山ほど話したいことがあるね」

魔王「貴様、今年で幾つだ? この国の王は年を取らないと聞いている」

国王「我れは神から選ばれた神聖な権力者なのだ」

国王「その力は未来永劫続き、誰にも犯されることは無い・・・勿論、老化や病気にもだ」

魔王「それは嘘だな」

国王「・・・何?」

魔王「貴様もこの地上で生きている以上、只の人間だと言っているんだ」

魔王「普通、生きている全てのものは時間と共に衰える」

魔王「たとえ神とやらに選ばれていたとしても、だ」


魔王「しかし一つだけ例外がある」

国王「・・・ほう」


魔王「他の命を犠牲にして生きながらえる方法だ」


665 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 06:36:33 ID:pC6YlDOm

魔王「この世界には魔法と言う便利なものがある」

魔王「それを使って他の命をエネルギーとし、自分の命を永らえることが出来るのだ」

国王「ふんっおぬし、何が言いたい」


魔王「・・・今から約三百年前」

魔王「私の元に小さな人間の小僧がやってきた」

魔王「そいつは勇者だと名乗り、私の命を奪いに来たと抜かしやがった」

国王「勇者、か。そういえばその頃だったかな」

国王「ここ数年勇者が我が世界で生まれなくなってしまったのは」

国王「時々怪しげな奴らが妊婦を襲いにやってくるという噂も、その頃立ったはずだ」

魔王「・・・・・」


666 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 06:37:20 ID:pC6YlDOm

魔王「・・・その小僧はな」

魔王「まだ幼いのにも関わらず震えながら何度も私に戦いを挑んできたよ」

魔王「何度も何度も何度も何度も」

魔王「不思議に思ったんだ私は。何故そんなに必死に戦うのかと」

魔王「まるで後ろから何かに追われているかのようにやってくる」

魔王「聞いてみると、勇者達は呪いの所為で40までしか生きられないそうじゃないか」

国王「そうだ、40を過ぎた衰えた肉体などでは魔王を倒せない」

国王「だから鞭を叩くように勇者達を急かすのだ」

国王「世界を救うためなのだ。綺麗事だけで済ませられることだとはおぬしも思ってはなかろう?」

魔王「ああ思ってなど無いさっ・・・それが夫に関わって無ければな!!!」


667 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 06:38:15 ID:pC6YlDOm

国王「夫っ・・・? まさかおぬし、勇者を婿にしたのか」

魔王「ああそうだ!! 命僅かだと知りながらも勇者を夫とした!!!!!」

国王「クッ・・・アハハハハハハ!!!!! 笑わせる!!!!!」

国王「魔王が最大の敵である勇者を花婿にしただとっ・・・?! 何処の茶番だ!!ソレはっ!!!」

魔王「私は夫が生きている間探したんだ!!! 必死に!!!呪いを解く方法を!!!!!」

魔王「でも結局見つからなかった・・・!!! だから聞いた!!!その呪いを掛けた奴らに!!!!」

国王「ほう・・・! ほう・・・・・!」

魔王「そしたら何と答えた思う!?!!?・・・奴らは呪いなど掛けていないと言う!!!!!」

魔王「呪いなどではないっ・・・・・最初から勇者達の命は 無 く な っ て い た  !!!!!」

魔王「貴様だ国王!!!!貴様に勇者達の命は奪われたのだ!!!!!!!」


魔王「私のっ・・・ 私の夫の命を返せぇえええええええええええ!!!!!!!」



668 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 07:29:24 ID:pC6YlDOm

〜とある王国の宮殿:地下牢〜

 ・・・ドオオオオオオンッッッ!!!!!

女勇者「?ぴぎゃっ!?」
魔物「なんだぁ今の!?」

メイド「ビクッ」ギュッ
側近娘「メイドさんのお胸、柔らか〜い」スリスリ

軍人5「な・・・何だ!?」
軍人6「上の方からだったな・・・何が起きたんだろう・・・・・」

 ・・・・・カツコツカツコツ

軍人7「おい、交代の時間だ」

軍人5「? 一人?」
軍人6「二人じゃないのか」
軍人7「何か王室で魔物が暴れだしたらしくてさ、あっちの方に人回してんだ」
軍人5「何っ! 魔物が!?」
軍人6「しかも王室で!? そりゃ大変じゃないか!!!」

メイド&女勇者&魔物「「「・・・・・」」」
側近娘「・・・♪」

軍人7「だから至急、王室の方に向かってくれよ。ココは俺が守っとくからさ」
軍人5「わかった!!すぐに向かうっ・・・おいっ行くぞ軍人6!!国王様の危機だ!!!」
軍人6「おう!!」

  カッカッカッカッカッカッ!!!!!



669 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 07:30:54 ID:pC6YlDOm

軍人7「・・・・・」

メイド&女勇者&魔物「「「・・・・・」」」

側近娘「も〜遅いですよ〜!」

メイド&女勇者&魔物「「「・・・?」」」

側近娘「父様じゃなくて・・・かあさまっ♪」

メイド&女勇者&魔物「「「・・・エエー( Д゚)゚ーッッッ!!!」」」

軍人7改め側近妻「んもぅっ・・・あなた達っ勝手に行動してはいけないってあれほど言ったでしょうが!!!」

側近娘「ごめんなさ〜い♪」

側近妻「真面目に反省しなさい!!!;」

魔物「どっ・・・どうみても厳つい兄ちゃん何だけど・・・」コソコソ
女勇者「だよねぇ・・・」コソコソ

メイド(側近娘ちゃんには何かが分かるのかしら・・・・・)


670 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 07:33:03 ID:pC6YlDOm

 ガチャッガチャンッ

   ギィィイイイイイイイイイ・・・・・
 
側近妻「そして確かこの鍵で手錠が・・・・」

 ガチャガチャッ

       パキンッ
             パキンッパキンッ

側近妻「・・・ふぅ」
側近娘「ありがと〜母様〜〜」ぎゅぅう
側近妻「こらこら・・・この鍵で隣の子も助けてきなさい?」ジャラ...
側近娘「はぁ〜い♪」タタッ

側近妻「大丈夫? メイドちゃん。何もされてない??」
メイド「はいっ大丈夫ですっ」
側近妻「それは良かった」にこり

 ガチャガチャ

       パキンッ
             パキンッパキンッ

側近娘「はいっ♪ 全部外しましたよ〜」ニコニコ
魔物「ふーっ!やっとシャバの空気だぜ〜っ!!」くあぁっ....
女勇者「お前は囚人か」

  ・・・・・ドオオオオオオンッッッ!!!

女勇者「?ぴぎゃっ!?」ギュウゥ
魔物「うおっ行き成り抱きつくなよっ!」ドキドキ

側近妻「・・・急いで出た方が良さそうね」
メイド「魔王様は大丈夫でしょうか・・・」
側近妻「大丈夫よ。・・・あの人がそう言っているのだから」


671 :創る名無しに見る名無し :2010/02/21(日) 16:03:44 ID:pC6YlDOm
〜とある王国の宮殿:近くの上空〜

 ふよ〜 ふよ〜

勇者「や・・・やっと」
二代目「人間の国が見えてきたなぁ」
側近2「ここが魔王様が捕らえられている国だと良いのですが・・・」

 ・・・ドオオオオオオオオンッッッ!!!!!

勇者「っ・・・!?」
二代目「おぉ」
側近2「あの宮殿からですね」

 ・・・ドオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!

勇者「・・・あの宮殿は・・・・・・」
二代目「知っているのか?」
勇者「うん・・・まぁ・・・」
二代目「何だその曖昧な返事は。あまりいい思い出が無いのか」
勇者「・・・・・」
側近2「でもきっとあの宮殿に間違いないですね」
二代目「うむ、破壊活動が行われている訳アリ宮殿なんてそうそう無いからなぁ」
側近2(魔王城はしょっちゅう行われてましたけどね・・・・・)


677 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 00:23:02 ID:8tEL9Ic4

勇者「・・・・・」
二代目「・・・どうした、勇者」

二代目「愛しの彼女が待ってるぞ?」

勇者「・・・・・」


678 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 00:23:56 ID:8tEL9Ic4

 ・・・魔王 何故暴れているのかな

 ・・・俺が原因なのか?
 
 俺が この国の呪いよって死んだから?

 だからそんな無茶苦茶に暴れているのか・・・?

 あんたは この国を恨んでいるのか・・・?


679 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 00:25:03 ID:8tEL9Ic4

勇者「・・・・・」

 誰かを恨む感情など持って欲しくない
 
 それは不幸な者が持つ感情だ

勇者「・・・・・・まだ愛してくれてるってことは嬉しいんだけどね・・・・・」


680 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 00:26:59 ID:8tEL9Ic4

 あんたにはずっと幸せでいて欲しい 笑っていて欲しい

 たとえ他の誰かを好きになって 俺のことを忘れたとしても―――――――

勇者「・・・・・行くか」


勇者「魔王を止めに行こう」



681 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 00:57:21 ID:8tEL9Ic4

〜とある王国の宮殿:内部〜


  ・・・ドオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!


二代目「・・・こっちか」ススー・・・
勇者「急ごう、今にも宮殿が崩壊しそうだ」フヨフヨ-
側近2「急にやる気になりましたね勇者殿」クス
勇者「・・・魔王はきっと、俺にしか止められない」
二代目「ほーぅ随分と自惚れているではないか」クックッ
勇者「魔王はきっと仇討ちのためにこの宮殿へと来たんだ・・・っ」

勇者「だから、俺が止めるしかない」
勇者「俺は魔王にこんな醜いことなどして欲しくないよ・・・っ!!」


682 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 00:58:28 ID:8tEL9Ic4

二代目「・・・・・着いたぞ」ピタッ

  ・・・ガシッ!!!

勇者「・・・っ! 魔王っっっ!!!!!」

  バタン!!!!! 


683 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 00:59:14 ID:8tEL9Ic4

 ・・・ホーッホッホッホッホ!!!  ホーッホッホッホッホ!!!

取り憑かれたメイド「ホホホホホホッッッ!!!!この人間風情がぁあ!!!」ビシンバシンッ!!
原形を留めていない貴族「・・・・・」ピク・・・ピク・・・
取り憑かれたメイド「魔王様に手を出すなど何て無礼者なのかしらっっ!!!!!」ビシンバシンッ!!
取り憑かれたメイド「カラスにでも死肉を貪られればいいわ!!!!!」グッチャッグッチャッ!!!!

 ベチャ・・・ ベチャ・・・

取り憑かれた軍人A「う〜ん、この体だとあんまり美味しく感じねーのが残念だよなぁ〜〜」もっしゃもっしゃ
取り憑かれた軍人B「まぁまたこの感覚を味わえただけでも喜ぶべきなんじゃねwww」むっしゃむっしゃ
取り憑かれた軍人C「だよなwwだよなwww今度は町まで降りて人間のガキでも喰って来ようぜwwwwww」

 ホーッホッホッホッホ!!!  ホーッホッホッホッホ!!!

             アハハハハハハハハハ!!!!!  アハハハハハハハハハ・・・!!!!!


684 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 01:01:00 ID:8tEL9Ic4

勇者&二代目&側近2「「「・・・・・」」」

勇者&二代目&側近2「「「・ω・) ̄_√)゚Д゚)・・・・・」」」

勇者&二代目&側近2「「「・・・っっ お前かよっ!!!!!!!!;」」」


  ドオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!



685 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 01:03:05 ID:8tEL9Ic4

〜とある王国の丘の木の上〜

 カァッ カアッ カアッ
       

 ・・・ドオオオオン・・・・・・

    ・・・ガラガラガラ・・・ガラ・・・・


魔王「・・・・・」
側近1「・・・・・」

 ・・・アホー・・・ アホー・・・
 
側近1「・・・凄い騒ぎですねぇ・・・」
魔王「・・・・・」
側近1「・・・何だか懐かしい光景です」


686 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 01:06:15 ID:8tEL9Ic4

側近1「そんなに落ち込まないで下さい」
魔王「・・・・・」
側近1「とりあえず顔を拭きましょう。まるで某ホラーPVの出演者みたいになっていますよ?」フキフキ
魔王「・・・・・なんか・・・」
側近1「・・・・・」

魔王「・・・・・完全に・・・気が抜けてしまった・・・・・・・・・」



687 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 01:14:21 ID:8tEL9Ic4

〜〜〜〜回想〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 ...ピシッ......

魔王「私のっ・・・ 私の夫の命を返せぇえええええええええええ!!!!!!!」シャキンッ!!

  ピシッッ!!!  
           ッドオオオォォオオオォオオオオオオンッッッ!!!!!

魔王「 ッ!?」

魔王(な、何だっ!? 私はまだ何もしてないぞっ!?)

    ドシャアアアアアアアァァァァァ・・・・・・・・

右大臣「て、天井がっ・・・・」
左大臣「・・・!! 国王様!?!?!?」
国王「ぐ ぁ ・・・・・」ドサッッッ!
左大臣「国王様!!国王様・・・!!!!!」ユッサッユッサッ
右大臣「お、おのれぇっ!!! 国王様に何を・・・!!!!!」シャキィンッ!!

魔王「ぇっ」


 <ホーッホッホッホッホッホッ・・・・・! ホーッホッホッホッホ・・・・!!!
  <やりましたね!メイドさん!!!
<さすがメイドさんっす!!!  <最高っす!!!
 <無駄口叩いてないでさっさと片付けるわよ!!!!!
    <<<<<わかりました!!!!!!

  ガララッ  
         ガラララララッ

取り憑かれた軍人A「よっしゃああああああ!!!!!」バッ
取り憑かれた軍人B「魔界の栄光を守るために!!!!!」バッ バッ
取り憑かれた軍人大勢「「「「「魔界の栄光を守るために!!!!!」」」」」バババッ!!!

取り憑かれたメイド「っさぁあああああ!!! 行くわよおおおっっっ!!!!!」ピシンッ!

 う うわぁ!!!!くっくるなぁあああ!!!!!    ザ シュッ!

  ドカッバキィッ!!!   ひいいいいいぃいいいいたすけてくれえええええっっっ

 メキッ! ベシャ!        ベキャッ     ・・・ブチブチブチッ!
            グチョグチャ!!  ベチャ!!
  メリメリメリメリ・・・・・                ぐああっ・・・

 うわああああぁあああぁあぁああぁぁlああああぁぁぁ・・・・・・   


魔王「 ・・・・・ポ カ ー・・・ン  」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜回想ココまで〜〜〜〜


688 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 01:17:05 ID:8tEL9Ic4

側近1「・・・・・」
魔王「・・・はあぁ〜・・・」ガクッ

側近1「通りで・・・何処かで見たことのある攻撃方法だと思ったら・・・・・」
魔王「お蔭で私は意気消沈だ・・・」ズーン…


689 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 10:14:49 ID:8tEL9Ic4
魔王「いじけてやる・・・・・」イジイジ・・・
側近1「そんな拗ねないで下さい」ぽんぽん
魔王「ハァ・・・」シュン・・・
側近1「でも・・・何故でしょうね? 冥界の門は逆戻り出来ないと聞いてますが・・・」
魔王「知らん、たまたま門番がミスでも犯したんじゃないか?」フンッ
側近1「・・・・・だとしたら・・・」

<・・・あなたーっ!
<とーさま〜〜〜〜〜・・・

側近1「・・・あれ、帰ってなかったんですか」くるっ
魔王「先に帰ってていいぞ、私はもう少しここにいるから」
側近1「・・・そうですか・・・では」ヒュッ

< トンッ


魔王「・・・・・」

魔王「・・・・・」フゥ…



690 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 11:04:53 ID:8tEL9Ic4

 ・・・・・・ドオン・・・・・


魔王「・・・やっと落ち着いてきたな」
魔王「メイドめ・・・私の面目が丸潰れじゃないか」
魔王「普通そこで出てくるか? しかも死んだ奴がだぞ?」
魔王「・・・まぁ・・・そのほうがよかったのかも、知れないが・・・・・」

 何かを憎む感情など持ちたくなかった
 遠い昔 最後に憎しみを持ったのは『自分の境遇』だった
 しかしそんなもの持っていても何も変わらない

魔王「・・・知っていた筈、なんだけどな・・・・・」
魔王「破壊するのが大好きな愉快犯だったらこんなにも空しい気分にならないものの・・・」フッ・・・


691 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 11:32:18 ID:8tEL9Ic4

魔王「・・・・」
魔王「・・・・・・」
魔王「・・・・・・・・」
魔王「・・・・・・やっぱり私に魔王は向いていないのかも」ボソ

勇者「そんなこと言わないでくれよ」

魔王「っ!」くるっ

魔王「ゆ・・・ゆうしゃっ・・・・」
勇者「久しぶり〜・・・もー疲れ t」

 ガッ! ぎゅぅううううぅううううううう〜〜〜〜〜〜

勇者「ぅうおっ! あんたゴースト掴めるのかよっ」
魔王「お前何ですぐに会いに来なかったんだっ!? 何でこんな時に来るんだっ!??」
勇者「いや、そうしたいのは山々だったんだけど色んなことに巻き込まれちゃっ・・・て・・・・・」
魔王「・・・っ・・」ぼろぼろ...
勇者「っ!? な、泣いてんの!? 魔王っ・・・」
魔王「ぅ、うるさいっ・・・すこしだまれっ・・・・っ・・・」
勇者「・・・・・」ギュ・・・
魔王「・・っ・・・っ・・・・」ヒック... ヒック....


二代目「・・・・・我は完全に空気な訳だが」

※側近2は嫁と帰りました。


692 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 11:34:13 ID:8tEL9Ic4

。o0○

魔王「・・・・・」ぐす...
勇者「・・・すっきりした?」
魔王「・・・ぅ・・・・・」チーンッ
魔王(あいつこうなることがわかっててハンカチ置いてったのかな・・・)スビ...
勇者「魔王が泣いている姿なんて初めてみたよ」ニヨニヨ
魔王「・・っ 嬉しそうな顔するな!!///」ベシッ
勇者「あだっ」


二代目「注:肉体が無いので決して痛くはありません。ただのイチャこいてるカップルを表すための表現方法です」
二代目「・・・何だこのカンペは」ペイッ


693 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 13:33:41 ID:8tEL9Ic4

魔王「・・・? そういえばお前、なんか若くなってないか?」
勇者「あぁ、ゴーストになると肉体の最も良い状態で映し出されるらしいよ?」
魔王「ほぅ」
勇者「・・・魔王はやっぱり老けt」
魔王「貴様も大事なところ潰されたいようだなぁ?うん?」モギュゥウウッ
勇者「や、やめてっ痛くはないんだけど視覚的には痛いからっ・・・ていうか、『も』・・・?;」


694 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 13:34:29 ID:8tEL9Ic4

魔王「フンッ ・・・どいつもこいつも無礼者だっ」ツンッ
勇者「でもやっぱり魔王は何時になっても美人だよ」ニコニコ
魔王「今更機嫌取りしても無駄なんだからなっ」プンプン
勇者「髪切ったんだ? 似合ってると思うよ、長い頃も好きだったけど」サラ・・・
魔王「・・・・・」
勇者「ていうかその格好と合いすぎて逆にこっちが悲しくなるんだけど・・・」
魔王「・・・そこら辺の男よりハンサムだろ?」ニヤ
勇者「マジで勘弁してください・・・俺の立場が無いじゃないか・・・」ガクッ


695 :創る名無しに見る名無し :2010/02/22(月) 16:15:35 ID:8tEL9Ic4

二代目「・・・・・」ジー・・・

魔王「・・・・・?・・」
魔王「・・・! ああ!二代目!!」
二代目「忘れるな」
魔王「すまん、昔の記憶はあまり覚えてないんでな」
魔王「それにお前無駄に若返っているじゃないか」
二代目「フンッ それに対してお前は老けたけどな」
魔王「っやかましい!このロリコン!!」
二代目「っ!? ロリコン!!?」
魔王「まだ千年ちょっとしか生きていない私の仲間にセクハラ行為をして
   私達から制裁と言う名のリンチを一晩中受けたくせにっ!」
二代目「何でそこだけ鮮明に憶えているんだっ!!;」
勇者「・・・1000歳でロリ・・・?」


696 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 00:14:14 ID:5C7OiZga
魔王「・・・で、何しに来たんだ貴様」
二代目「なに、お前が人間達に囚われていると聞いたんでな」
二代目「その無様な姿を一目見ようと来たんだが・・・ふむ、目的とは違ったが実に面白い姿が見れたよ」ニヤニヤ
魔王「ぅ、わっ・・・悪いかっ! 私にだってなぁっ好きな人の一人くらい・・・///」カァッ
二代目「まさかお前が唯一の、しかも人間を想ってこんなに泣き喚くとは・・・」ックックックック・・・
魔王「っ・・・くそ・・・よりによってこんな奴に見られるとは・・・・・・・・」プルプル
二代目「イイ土産話が出来たよ、仲間に話すのが楽しみだ」フワフワ
魔王「っ! ちょっちょっと待てっ!! この話は誰にも言わ」
二代目「では我は帰る。達者でな〜〜〜〜〜〜〜ノシ」ススス-・・・
魔王「あぁっ! ちょっとっ!!!;」
勇者(だんだんこの二人の関係性が見えてきたような気がする・・・・・)


697 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 00:18:40 ID:5C7OiZga

魔王「・・・逃げられた・・・あぁ、昔の仲間にはあまり知られたくないのに・・・・・orz」
勇者「別にいいじゃん、どうせあんたが死んだらバレることなんだしさ」ハハハハ
魔王「昔はそういうことにとことん無頓着だったんだ」
魔王「だから何というか・・・・少しの気まずさを感じてしまうというか・・・・」


698 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 00:19:25 ID:5C7OiZga

魔王「・・・魔王になる以前から私は結婚するなどと思ってもいなかったし・・・・・・・・」
勇者「へ〜ぇ?そうなの? あんたモテそうなのに」
魔王「・・・言っておくが私は仲間内では綺麗な方じゃないぞ?仲間にはもっと綺麗な奴がいる」
勇者「へー?」
魔王「だから必然的に私はそういうものには縁が無いだろうと割り切っていたんだ」
勇者「へー・・・」
魔王「・・・・・」
勇者「・・・・・」
魔王「・・・何だ、その気の無い返事は」
勇者「・・・。まぁ、俺が愛していればそれでいいでしょ」


699 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 00:20:07 ID:5C7OiZga

魔王「・・・・・」
勇者「・・・・・」
魔王「・・・」ぎゅぅ...
勇者(幸せだなぁ)


700 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 14:47:47 ID:5C7OiZga

勇者(・・・何となく、少しだけ)
 
 魔王の過去が垣間見えた気がした

勇者(今まであんたを愛してくれる人はいなかったのか、魔王)

 体を曝け出し 僅かな愛を貪る様が目に浮かぶ
 ああだから あんたは

勇者「・・・魔王」
魔王「うん?」
勇者「愛しているよ」
魔王「・・・うん・・・」


701 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 14:49:25 ID:5C7OiZga

勇者「だから魔王も死ぬまで絶対忘れないでね、俺のこと」
魔王「何だ急に・・・死ぬ前はどうせ忘れるんだろとかほざいてたくせに」
勇者「いやぁやっぱりあんたが他の奴を愛しているかと思うと耐えられないや、俺」
勇者「ココに来るのもかなりビクビクだったし」
魔王「馬鹿か、私がお前のことを忘れるわけ無いだろう?」
勇者「・・・真顔で言われると反応し辛いな・・・」ポリポリ
魔王「お前こそ私がいないからって冥界で浮気するなよ?」
勇者「・・・・・」
魔王「・・・なんだそのだんまりは。まさか、してたのか・・・」ゴゴゴ・・・
勇者「いや・・・そういう訳じゃないんだけど・・・・・」
魔王「・・・・・」
勇者「やっぱりそれだけ想ってるとさぁ早く会いたいなぁ、とか考えちゃうわけですよ」
勇者「でもそれって、さぁ・・・・・・・」
魔王「何だ・・・そんなことか」
勇者「その度に自己嫌悪陥ったりしちゃってさぁ〜もう本当申し訳ないよ・・・根性無しだ、俺」
魔王「別にいい。そのくらいで死ぬつもりは無いしな、存分に想ってくれ」
勇者「そっかぁ・・・・・」


702 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 15:38:59 ID:5C7OiZga

魔王「・・・・・」
勇者「・・・・・」
魔王「・・・・・星が、」
勇者「・・・」
魔王「きれいだなぁ・・・今なら天の川も特に必要無さそうだ」
勇者「天の川・・・?」
魔王「側近の娘が短冊を飾っててな・・・」
勇者「今って春・・・」
魔王「そこはツッコミ禁止だ」
勇者「あ、はぃ・・・」

魔王「・・・書いてない願い事も叶うんだな」
勇者「ん・・・?」
魔王「・・・なんでもない・・・・・」


703 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 17:23:45 ID:5C7OiZga

 ・・・あ・・・・・

        ・・いたぞっ・・・・・


魔王「・・・・・ん?」

  バッサッ バッサッ

門番A「・・・あ〜やっと見つけたっ!!」
門番B「アンタっ!さっきはよくも門を壊してくれたなっ!!」プンスカっ

魔王「門・・・? 壊した・・・? ていうかお前達だれ・・・」
勇者「あ〜・・・遂にお迎えが来ちゃった」

門番A「おかげでオレ達は逃げ出したゴースト探すのに右往左往だ!」
門番B「お前もさっさと帰りやがれ!!ばぁーかっ!!!」プンプン
魔王「お前が犯人だったのか・・・ゴーストがやたらうろついてたのは・・・」
勇者「いや元はと言えばメイドが・・・」
門番A&B「「どっちもどっち!!!!!」」ギラッ!
勇者「・・・はぃ・・・」


704 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 17:25:22 ID:5C7OiZga

 ふわ ふわ

勇者「・・・・・」
魔王「・・・・・」
勇者「・・・・・」
魔王「・・・」クス
勇者「?」

 ちゅ

魔王「そんな、寂しそうな顔するな・・・?」
勇者「・・・魔王こそ」
魔王「私はいいんだ、まだ死んでいないから。生者が死者を惜しむのは当たり前だろう?」
勇者「なんだそら、恋人と別れて悲しまない奴なんかいないだろ」
魔王「・・・・・」


705 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 17:27:10 ID:5C7OiZga

魔王「・・・今度会うときはきっと私が死んでからなんだろうな」
魔王「もう暫くは死ぬつもりないから、精々あの世で待ち草臥れてくれ」
勇者「おう」ガッ・・・

 ぐいっ

魔王「!・・・ん・・・・っ・・・」
 

門番A「・・・あついなー(棒読み)」
門番B「パカップルの前では大統領でも空気になるんだぜ?jk」


706 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 17:28:35 ID:5C7OiZga

魔王「・・・っは・・・・」つぅ....
勇者「んーやっぱり感触がないって寂びしいなぁ」
魔王「私はお前が唾液回収してくれないから大変だっ・・・」フキフキ

勇者「・・・・・じゃ・・・」
魔王「・・・・・」
勇者「また、いつの日か」
魔王「ああ」

 ちゅ

魔王「・・・・・」

  ふよ〜 ふよ〜

門番A「・・・だなぁ・・・・・奥さんか・・・」
勇者「・・・・・ですので・・・」
門番B「・・・・・やがって・・・・・」


707 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 17:43:17 ID:5C7OiZga

魔王「・・・・・」
魔王「・・・・・」
魔王「・・・」じわ・・・
魔王「!・・・」フキフキ
魔王「・・・・・っ・・」ぽろっ

魔王「・・・・っ全く・・・年を取ると、涙脆くなる・・・な・・・・・・・・」


708 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 18:59:04 ID:5C7OiZga

〜魔王城〜

 カサリ・・・

側近1「・・・・・ふむ」
側近1「無事撤退させましたか・・・王が亡くなったから暫くは大人しくなりますかね・・・・」

 ・・・てってってってっ

側近娘「と〜さま〜〜〜」トタトタトタ
側近1「何ですか?」
側近娘「これ飾ってくださ〜い」ずいっ
側近1「・・・みんなに書かせて来たんですか?」カサ・・・
側近娘「はいっ♪」にこっ
側近1「どれどれ・・・『もっと強くなりたい』『おやつたらふく食べたい』『モテたい』・・・・・」
側近1「・・・みごとに煩悩だらけですね・・・」
側近娘「願い事なんて裏を返せば全て煩悩ですよ〜」
側近1「そうですね・・・」クス
側近娘「父様は何か無いんですか〜?」
側近1「・・・私ですか?」
側近娘「はい」
側近1「そうですね・・・あなたが人間の国に忍び込むなんて無茶しない子になるなら願いますが」ニコニコ
側近娘「ギクッ」


709 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 19:00:48 ID:5C7OiZga

側近娘「な、何で知っているんですか〜・・・? 母様から〜・・・?」
側近1「母様に聞かなくてもわかりますよ、あんなところにいたら」
側近娘「はうぅ〜・・・ごめんなさ〜ぃ・・・」しゅん・・・
側近1「冒険したい気持ちはわかりますがね、危険ですから二度とこういうことはしないで下さい」
側近娘「はぃ・・・」

 ・・・カツコツ カツコツ 

側近妻「・・・私が怒ったときはなんの反省もしなかったくせに、この子ったら・・・」ムスッ
側近1「まぁこれはあなたにも非がありますよ。何でちゃんと見張っていなかったんですか」
側近妻「ぅ・・・」
側近1「宮殿の中であなたを見かけた時、心臓が止まりそうでしたよ私は」ハァ・・・
側近妻「・・・すみません」
側近娘「・・・父様はいったい何処にいたの・・・?」
側近1「向こうの司令官に化けていました。宮殿の軍人を動かしていたのは殆ど私です」
側近娘「・・・じゃあもう少し早く助けてくれても良かったのに・・・」ムスゥ
側近1「ちょっとしたお仕置きですよ」にこ
側近娘「むーっ!いじわるぅ〜!」プリプリ


710 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 23:12:49 ID:5C7OiZga

側近妻「・・・・・」
側近1「・・・」
側近1(あれ・・・予想以上に落ち込んでますね・・・・・)
側近妻「・・・・・」
側近1「・・・そんなにキツいこと言ってしまいましたか?」
側近妻「・・・いえ・・・」
側近1「・・・?」
側近妻「・・・少しだけ・・・嫉妬しているのです・・・」
側近1「? 誰にです?」
側近妻「・・・・・魔王様に・・・」
側近1「・・・何故?」


711 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 23:16:50 ID:5C7OiZga

側近妻「だってあなたは魔王様のことをとても信頼なさっているではないですか・・・」
側近1「はぁ」
側近妻「それなのに妻である私の言葉はあまり信じてくださらない・・・」
側近1「そんなことないですよ?」
側近妻「そんなことあるんですっ!」
側近妻「仕方ないことだとは思ってますっ 魔王様は強くて逞しくて確かに頼りがいのある方ですから!」
側近妻「でっでも!!そうだとしても嫌なのです!!自分の器量の無さに不甲斐なさを感じてしまうんですっ!!!」
側近1「と・・・とりあえず、落ち着きましょうか?;だんだんヒートアップしてきて・・・」
側近妻「しかもしかも良く考えてみて下さいっ!!あなたは妻といる時間より上司といる時間の方が多いのですよ!?
    嫉妬しない方が可笑しいじゃないですか!!!」
側近1「仕事上それは仕様が無いじゃないですk」
側近妻「わかっていても嫌なんです!!!自分の夫が他の女と一つの屋の下にいるって考えただけで心配で堪らないのです!!!」
側近1「いやあなたも同じ建物の中に住んでいるj」
側近妻「遠くて近きは男女の仲と言うじゃないですか!!!」じわっ
側近1「そんなことで泣かないで下さいっ; ありえませんよ、魔王様にはもう決めた人がいるじゃないですか。それに・・・」
側近妻「それにっ?」グス・・・
側近1「そういうことになったら多分私が女になってしまうんだと思います」キッパリ
側近妻「・・・・・」
側近1「・・・私はそんなの嫌なので全力で逃げますが」
側近妻「・・・」
側近1「魔王様は筋肉質な方が好きなんですよ、将軍みたいな。だから私は完全に範囲外です」


712 :創る名無しに見る名無し :2010/02/23(火) 23:18:58 ID:5C7OiZga
側近妻「・・・あなたは?」
側近1「ん?」
側近妻「あなたはどんな方が好みなのですか」
側近1「え、私ですか?」
側近妻「そうです」
側近1「・・・何故今更訊くのです」
側近妻「答えたくないのですか」
側近1「いや・・・その・・・」
側近妻「ち、ちっちゃくて胸の無い女は好みじゃないのですねっ!?だから最近y」もご
側近1「こ、子供の前でそれはNGワードです・・・」グググ・・・

側近娘「・・・?」



713 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 16:25:27 ID:LrN5K0wo

側近娘「父様・・・母様泣かしちゃだめですよ・・・?」
側近1「ほら、普段空気の読めないこの子でさえ不安そうな顔をしてるじゃないですか。無駄な言い争いは止めましょう、教育に悪いです」
側近妻「む、無駄って・・・」
側近1「先ず他と自分を比べること自体無駄なのです。同じはずないのに違う違うと叫んでも意味の無いことじゃないですか」
側近妻「・・・・・」
側近1「あなたにはあなたの良いところがあります。それをちゃんと見つめて下さい」
側近妻「・・・・・」


714 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 16:48:05 ID:LrN5K0wo

側近1「・・・・・あまりこういうことを言わないから不安になるんでしょうが」
側近妻「・・・・・」
側近1「ちゃんと、ぁ、愛してますよっ?」
側近妻「・・・本当ですの?」
側近1「でなきゃ結婚するわけないでしょ・・・恥ずかしいのであまり言わせないで下さい・・・///」カァァ
側近妻「・・・・・」ちゅ...
側近1「っ・・・ん・・・・・・・」


715 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 16:50:59 ID:LrN5K0wo

 ・・・バンッッッ!!!!!

髭将軍「只今戻って参りましたぞおおおおおぉおおぉぅおおおおおおお!?!??!?」

側近1「え゛」
側近妻「!」

部下1「しょ、将軍・・・もうこんな時間なんだから静かn」
髭将軍「ラブシーンですかなぁあああ?!?!ラブシーンですかなあああああああ!?!?!?」ビリ・・・ビリ・・・
部下1「せっかく魔法で帰ってきたのにコレじゃ意味がn」
髭将軍「我々がいぬ間にお熱いことですなぁあああああああああああああ!!!!!!」オアツイコトデスナー・・・ナァー・・・


側近妻「っ・・・///」
側近1「そ・・・っ」

側近1「そんな大声で言わないで下さいいいいいいいいっ!!!!!/////」


716 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 16:55:13 ID:LrN5K0wo

〜魔王城:中庭〜 

  かさっ・・・ かさっ・・・・
 
   ・・・・〜♪ 〜〜♪

側近娘「さーさーのーはーさーらさら〜・・・♪」

側近娘「のーきーばーにーゆーれーる〜・・・♪」

側近娘「おーほしさーまーキーラキラー・・・☆」

側近娘「きーんぎーんすーなーごー♪♪」

魔王「・・・歌、ちゃんと覚えたのだな」ザッザッ

側近娘「あ!魔王さまっ!」
魔王「一人でこんなところに持ってきたのか・・・?」
側近娘「はい♪」
魔王「大変だったろう?側近に運んでもらえば良かったのに」
側近娘「父様は母様とお取り込み中だったので、生暖かく放置です〜」
魔王「娘に気を使わせるとは・・・まだまだだなぁ、あの夫婦も」フッ


717 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 17:02:11 ID:LrN5K0wo

側近娘「よいしょっよいしょっ」かさっかさっ
側近娘「ふぅ・・・こんなもんですかね〜?」ニコニコ
魔王「あぁ、綺麗だ。飾り付けよく頑張ったな」なでなで
側近娘「えへへ〜」テレテレ

側近娘「・・・あっそういえばっ!」ガサゴソ
魔王「?」
側近娘「これ、勇者ちゃんからです!はいっ」カサッ
魔王「?・・・何々、『迷惑かけてごめんなさい』・・・? 」
側近娘「みんなで願い事書いている時に渡されたのです〜」
魔王「ふっ・・・ 相変わらずヘタクソな字だなぁ」クックッ
側近娘「勇者ちゃん、落ち込んでましたー。今はもう眠っちゃってますが、明日は会って慰めてあげて下さい〜」
魔王「・・・お前は優しいね。時々何考えているかわからないけど、本当いい子だ」なでなで
側近娘「うふふふふふ♪」ニコニコ


718 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 17:13:32 ID:LrN5K0wo

側近娘「・・・魔王さま〜?」
魔王「何だ?」
側近娘「星にはですね〜牛飼いと織姫という星がいるのですよ〜」
魔王「ほう」
側近娘「二人は恋人同士なのですが、年に一度しか会えないのです〜」
魔王「ほう・・・何故だ?」
側近娘「お仕事サボっちゃったから罰として、年に一度しか会えなくなっちゃったのですよ〜・・・」
魔王「そりゃ駄目だなぁ。・・・しかし仕事をサボっただけで年に一度しか会えなくなるとは、少し厳しいような気がするな」
側近娘「そーですねー・・・」

側近娘「牛飼いと織姫は東の方からやってくるんですよー・・・」
魔王「そうなのか」
側近娘「どの季節の星空も綺麗ですけど、やっぱり天の川はロマンがありますよね〜・・・」
側近娘「今はまだ、見えませんが・・・夏が楽しみですー・・・」
魔王「そうだな・・・」にこ


719 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 17:15:02 ID:LrN5K0wo

側近娘「にゅ・・・ふあああぁぁ・・・・・」こしこし
側近娘「・・・ねむくなってまいりました〜・・・」ウトウト・・・
魔王「戻るか。今日は忙しい一日だったし、早く寝たほうが良い」
側近娘「にゅにゅにゅにゅ・・・もどりま、しょう・・・・」ふらふら
魔王「あー・・・私が背負ってやるから、ほら」スッ
側近娘「にゅー・・・ありがとうございまふ・・・・・」ぎゅ...

側近娘「まおうさまー・・・まおうさまー・・・?」
魔王「なんだ」
側近娘「きっと年に一度会えるだけでも、嬉しいことですよね・・・? 悲しいことではありませんよね・・・?」
魔王「・・・そうだな・・・」
側近娘「わたしもいつか・・・そんなこいがしてみたいなー・・・・・」
魔王「・・・・・」


720 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 17:16:33 ID:LrN5K0wo

側近娘「・・・まおうさまー・・・? まおうさ・・・まー・・・・・?」
魔王「・・・なんだ?」
側近娘「まおうさまは・・・あえま・・した・・・かー・・・・・・・」
魔王「・・・え」
側近娘「・・・Zzz・・・」


魔王「・・・・・」
魔王「まぁ決して、織姫などと言うガラではないのだが・・・・・・・ん?」

 カサ・・・

魔王「・・・・。・・・ふっ」

魔王「何だ、書かれていたのか・・・」



 魔王さまが旦那さまと会えますように!

                    そっきんむすめ



                             〜終〜



721 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 17:33:37 ID:LrN5K0wo
〜あとがきと言う名の言い訳〜

続編・・・続編?と疑問に思ってしまう話でしたが、無事(?)完結しました!ヽ(*´∀`)ノヤッホー!
プロットを碌に書かなかった所為か、話がシリアスなのかコメディなのかわからなくなったとです(いつものこと)
最初は本当真面目に書こうとしたんですが、いつもまにかこんなふざけた話に・・・・・・
・・・軽く羞恥プレイです。読み返したらきっと腹の底あたりがムズムズしまくるんだと思います。
まあ、楽しんで書けたからいっか!(姉AAry
・・・え、えっと・・・皆様にも楽しんで頂けたら、幸い・・・です(´д`;)ハチャメチャヤナ・・・

改めてここまで支援&読んでくれた方にお礼を言います(*´∀`*)ノ
本当にありがとうございました!!


722 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 18:29:05 ID:LrN5K0wo

――――――――――epilogue.



 ・・・・カツコツ・・・カツコツ・・・・・・


側近娘「・・・・・」

 キイィィ・・・・・・

側近娘「・・・魔王様」カツコツ

魔王「・・・おお、側近か」
側近娘「御加減は如何ですか・・・?」にこ
魔王「まぁいつもと変わらず、だな。皆はどうしてる?」
側近娘「こちらも何時も通りですよ」
魔王「・・・そうか」にこ


723 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 18:30:00 ID:LrN5K0wo

魔王「・・・・・」
側近娘「・・・如何しました?」
魔王「いや・・・随分長い時を生きたもんだなぁ・・・と・・・」
側近娘「そうですね・・・魔王様は前代の記録も超えましたし、本当に長い時が経ちました」
魔王「・・・勇者という存在も既に伝説となって、もう普通の人間として暮らせるようになったしなぁ」
側近娘「魔物が傍にいることも当たり前になって、人間達も攻めて来なくなりました」
魔王「時々遊びに来る奴はいるけどな」クス
側近娘「特に害を与えなければほっといても大丈夫ですよ」


724 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 18:34:25 ID:LrN5K0wo

魔王「・・・お前も随分大きくなった」スッ・・・
側近娘「はい・・・昔は感じませんでしたが、父様に似てきたと最近感じます」にこ
魔王「ちゃんとあいつの娘だったんだな・・・疑ったりしたが本当に悪いことをした」
側近娘「むー・・・ 私は昔からしっかりした子でしたよっ」プクゥ
魔王「いや、昔から今もボケボケだ」クスクス
側近娘「も〜・・・みんなしてそんなこと言う・・・・・」ムスゥ
魔王「でも本当に良く出来た部下だ、両親も誇りに思っているだろうよ」なでなで
側近娘「・・・はい・・・・」


725 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 18:36:01 ID:LrN5K0wo

魔王「・・・・・次の話何だが・・・」
側近娘「はい」
魔王「実はまだ決まっていなくてな・・・しばらく時間が掛かるかもしれない」
魔王「色々と大変だろうが、宜しく頼むよ」
側近娘「・・・わかりました」にこ


魔王「側近」

側近娘「・・・はい」

魔王「後は・・・頼んだ・・・」

  ・・・すっ・・・・・

側近娘「・・・・・」

側近娘「おやすみなさいませ、魔王様・・・・・・・」


・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・


ゴオォオン・・・・・・ 
            ゴオォォン・・・・・・


勇者「・・・・・」

魔王「・・・・・」

勇者「・・・お帰り、魔王」

魔王「ただいま。・・・勇者」



726 :創る名無しに見る名無し :2010/02/24(水) 18:38:51 ID:LrN5K0wo
・・・今度こそ、終わり。
(*´∀`)ノシSee you! Thank you very much!

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出典:勇者「やいやいやいっ!まおう!!!」
リンク:http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1258163436/

(・∀・): 391 | (・A・): 114

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