兄貴から聞いた洞窟の話。

2010/04/05 17:16 登録: えっちじゃない名無しさん

知り合いの兄貴に聞いた話。
たぶん嘘だけど、面白かったから書いてみる。
                  
俺&友人→凡人
兄貴→我らが兄貴 細マッチョなジャイアン
A→兄貴の友達 坊ちゃまイケメン
B→兄貴の友達 頼もしいイケメン
                  
兄貴達が小学4年の頃の話。夏休みに三人でAさんの実家へ遊びに行ったらしいんだが、すごく田舎だった。
Aさんの家はお金持ちで、小学生のAさんはピアノとかやらされていた。ソナタ(だっけ?)っていう教本あたりまでやってて結構上手いらしいが、詳しくは良く分からん。
ただ、Aさんは身なりも綺麗なお坊っちゃんだったと言うこと。主に顔面と雰囲気が。
                 
兄貴達はAさんの広くてデカい実家の掃除の手伝いをしていた。婆ちゃんが優しい人で、ご褒美にスイカくれたりしたんだって。
              
でも、兄貴はすぐに飽きてしまった。
だから休憩も兼ねて探検に行くことになった。
学校の横の森の中を通って戻ってくるという、簡単なルート。
兄貴→先頭、A→真ん中→、B→最後尾 という列になって三人は歩き出した。兄貴は途中で武器として、木の枝を手に入れた。
        
暫く歩いていくと、崖に出た。普通なら引き返すが、崖の上のジャイアンは「ここを降りたら、宝箱とかありそうだ」と思ったらしい。


兄貴「ここ降りるぞww」
A「危ないから駄目に決まってるだろ」
兄貴「きっと大丈夫ww」
B「一旦帰って、下調べしてからにしよう」

Bさんの意見に従い、一旦帰宅。
婆ちゃんに気に入られているBさんがさり気なく聞き出したらしい。
   
B「森の中の崖って、下には何があるん?」
婆「何も無いよ」
B「じゃあ、降りてもいい?」
婆「危ないから駄目」
B「大丈夫だよ」
婆「駄目。」
B「なんで?お化けとか出る?お化け出るんやったら、怖いし行かないんだけどな」
婆「うん、お化け出るかもね」
B「じゃあ、どんなお化け?」
婆「…………昔、神様がおったんやと。」
B「今は?行ったらバチ当たる?」
婆「うん。引きずり込まれるよ」
B「そっか。じゃあ行かないよwww」
     
というわけで、三人は当然のように再出発。神様見てやろうぜ!っていうノリだったらしい。
   
崖まで来た三人は、なだらかな所を探して下に降りた。
崖の下は凄かったらしい。湖みたいになっていて、クラゲの死体が沢山浮いていたとか。
     
何かを探して歩き回る三人組。
すると、Bさんが何か発見した。
     
B「洞窟があるぞ」
兄貴「よし行くかww」
A「おい、駄目だって」
兄貴「Bからも何か言ってやれww」
B「来ないと、お化けに喰われるぞ」
  
二人に説得され、Aさんも一緒に行くことに。

洞窟は湿っぽくて小さかった。兄貴はすっかり神様探し気分でワクワクしていたらしい。
     
入り口から300mくらい進むと、行き止まりについた。しかし、左に曲がり道が続いている。
入り口からは光が入らないため、その曲がり道は本当に暗かった。
さすがに兄貴も不安になったが、今更引き返せない。
    
左に曲がった兄貴達は、迷わないように三人で手を繋いで進んだ。
 
だけど、5歩くらい歩いた所で悲鳴を上げて転ぶAさん。

兄貴「何してんだよww」
B「早く立てww」
A「あ゛ーーーー!!!!離せ離せ離せ離せーーあ゛ーー!!」

半泣きになって叫ぶAさん。
兄貴とBがAを引っ張って立たせようとするも、Aはジタバタ暴れる。
 
B「どうしたんだよ!」
A「足!!掴まれてるんだってば!あ゛ーー離せーー!!」
  
兄貴とBには何も見えない。
仕方ないからBがAを抱っこする形で引きずって曲がり道から抜け出した。その間もAは叫び続けていたらしい。
 
兄貴とBも、Aの狂いぶりとシャウトに吃驚してしまい、三人で慌てて洞窟を飛び出した。
漸く落ち着くA。もう夕方だったため、崖をよじ登って走って帰宅。

         
夕飯を食った後、三人で風呂に入る。「AさんBさんと共に入浴する兄貴」という光景は若干気持ち悪いが、小学生だからセーフとしよう。できすぎ君(×2)とジャイアンが風呂に入ってると思ってください。
風呂場の中で、再びAがシャウト。

A「う、わわわわわ!!」


兄貴とBさんが見ると、Aさんの足首が紫色に爛れていたらしい。内出血しているような感じだと思う。
でも大人に相談したら洞窟探険がバレて怒られるから黙っていた。

     
その後、アイスを食ってAの部屋で三人で寝た。
疲れたのか、直ぐに眠るAさんと兄貴。中々寝れないBさん。
夜中に、突然めそめそと泣き出したAさん。ジャイアンは起きない。
  
B「どうした?腹痛い?」
A「寒い」
B「腹冷えた?」
A「寒い」

夏休みなのに寒いとかあり得ないと思ったBさん。漸く兄貴が起きてAさんに事情聴取。
  
兄貴「人の安眠を邪魔するなww」
A「寒い寒い寒い」
兄貴「嘘つけ。こんなに暑いのに」
A「暗い暗い暗い暗い寒い寒い」
兄貴「そりゃ夜だもんなww」
B「なんか、変じゃね?」
兄貴「寝ぼけてるんだろww」
 
グズるAさんを慰めるBさん、再び眠るジャイアン。
   
翌朝、Aさんは夜中のことを覚えていなかったとか。Bさんと兄貴の話し合いでは、Aさんに神様が乗り移ったんだろうということになった。
  
ただ可笑しなことに、あんなに洞窟探険を嫌がっていたAが「今日もあの洞窟に行こう!行きたい!見たい!会いたい!」と何度も言っていたそうだ。
二人は、行ったら何か起こる気がして行かなかったらしい。
  
翌年、小5になった兄貴たちは再びAの実家を訪れた。Bさんが爺ちゃんに「あの洞窟の下には何があるん?」って聞いたら、笑いながら「男は行ったらアカンぞ、引きずり込まれるからなww」と言ったらしい。
   
後日、兄貴に「あの話って本当っスか?」って聞いたら「さぁね」って言われた。
けど嘘だと思う。
Aさんに聞いたら「そんな覚えはない」って言ってたから。


出典:Aさんは
リンク:魅入られた

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