挿入
2010/05/06 04:37 登録: えっちな名無しさん
中学生の頃、俺のオカズは専らエロ小説だった。
理由は簡単だ。童顔の中学生が堂々と買えるのはそれしかなかったからだ。できるだけタイトルや表紙がそれっぽく見えないものを選び、何食わぬ顔で他の本に紛れ込ませてドキドキして買ったものだった。
色々な小説を読んだが、どの小説にも必ず使われていたのは「挿入」という言葉だった。ち●こをま●こに入れる行為そのものが「挿入」という言葉で表現されているのだと、なぜか「挿入」という言葉に異常に興奮してしまった。
当時、俺はMという女に片思いをしていた。厨二病を患っていた俺の脳内は、程無くして「Mに挿入したい」というフレーズで支配されるようになっていた。
しかし、俺は本当の馬鹿だった。「挿入」のことをずっと「そうにゅう」ではなく「きにゅう」と読むと思い込んでいたのだった。
こうなると厨二病は止まらない。今度は「きにゅう」の同音異義語に興奮し始めた。そうだ「記入」だ。他人が「記入」という言葉を発する度に異常に興奮するようになっていた。銀行などに行き、キレイなお姉さんを見つけては、わざと「これはどこに記入するんですか?」と尋ね、「ここに記入して下さい」というフレーズをゲットしていた。俺の脳内では、それは「私のま●こに貴方のち●こを入れて下さい」と意訳されていた。脳内テープレコーダーに録音し、何度も脳内再生してオカズにしていた。
そんな俺が授業中にまで興奮する出来事があった。英語の参考書の中で「挿入句」と書かれていたからだ。しかも、Mが教師から当てられ、そのページを皆の前で音読するというものだった。いよいよ、彼女の読みが「挿入」という言葉に近付いてきた時、興奮はMAXになった。
彼女が「きにゅう」といういやらしい言葉を発するその一瞬を逃すまいと、脳内テープレコーダーのマイクの感度を極限まで上げていた俺の耳に飛び込んできたのは、「そうにゅう」という言葉だった。思わず「うえぇ?」と志村けん風味の声が出てしまい、教師から怒られた。
ようやく、そこで始めて自分の読みの間違えに気付いた。辞書でも調べた。完璧に俺の間違いだった。勘違いのオカズで既に300回以上はシコっていたので、900億の我が分身が無駄死にしたことになる。その日、戦死した900億の同胞を供養するため、今まで買った小説を全て駅前の白ポストに投函した(余談だが、白ポストって絶対リサイクルBOXだと思う。偉そうなおっさんが、「こんないやらしい本が出回っているとはまことにけしからん、出版社に抗議するために隅々までチェックしてやる」なんて言いながら持ち帰りしているに違いない)。
絶対俺以外にも「挿入」を「きにゅう」と読んでいる奴は必ずいるはずだ。俺はこれ以上被害者を増やしたくない。俺の投稿で間違いに気付いた人がいたら感謝してくれ。
出典:15の俺
リンク:15の俺

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