嘘喰い「へぇ、ここが『希望の船』エスポワールか……
2010/05/30 01:17 登録: えっちな名無しさん
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:00:47.74 ID:PMY7O17H0
貘「限定ジャンケン……。ハハッ、何だか面白そーだね」
カイジ「何だ、あいつ……?」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:01:29.73 ID:PMY7O17H0
カイジ(あの歳で全部白髪とは……。やっぱ苦労してんのかな……」
貘「ねーねー、黒服のおじさん。ここ売店ないの?」
カイジ(きっと金がなくって、やむにやまれずこの船に乗ったんだろうな。可哀相に……」
カイジ(ん? 誰か近づいていったぞ……」
船井「こんにちは、斑目はん」
限定じゃんけん
参加者それぞれに、星3つと、グー、チョキ、パーの3種4枚ずつ、計12枚のカードが配られる。カードを1回につき1枚使用して、他の参加者とジャンケン勝負をし、勝つと相手の星を1つ貰える(あいこは星の移動は無し)。
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:03:28.72 ID:PMY7O17H0
貘「ん? あんた誰?」
船井「俺は船井や。あんたさっき、軍資金調達のときに名乗っとったやろ? いやぁ、あんさんからは他の連中とは違う気配を感じとってな」
貘「ふーん……? で、何の用?」
船井「実はな……この限定ジャンケン……必勝法があるんよ」
カイジ(えっ!? 必勝法……?」
貘「へぇ、そんな方法あるんだ」
船井「くふふ……。この限定ジャンケンのルールは覚えてるやろ? どうすれば勝ち抜けか……」
カイジ(えーっと……何だっけ……」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:05:24.18 ID:PMY7O17H0
貘「今、俺たちが胸につけている星を3つ集め。カードを使い切る……だよね?」
船井「そう! 3つ! 3つっちゅうとこがミソなんや! そして今、俺たちがつけている星はすでに3つ……」
貘「つまり、現状維持でいいってことか」
船井「そのとおり! あんた、やっぱり頭の回転が速いな」
カイジ(……ん? どういうことだ?」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:07:13.79 ID:PMY7O17H0
船井「運否天武にかけてリスクを負う必要なんてない。現状維持! 仲間内であいこを続けて、カードを使い切ってしまえばええんや!」
貘「ふーん。それで?」
船井「それで……って何や。明らかやないか。俺とあんたであいこを続け、カードを使い切ろうっちゅう話や」
貘「ははっ……。ははははははっ!」
船井「な、何や? 何がおかしいんや?」
カイジ(えっと、仲間内でずっとあいこだから……えーっと……)
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:08:27.82 ID:PMY7O17H0
カイジ(あっ! た、たしかに、それなら簡単にカードを消費できる!」
カイジ(閃きっ……! 圧倒的閃きっ……! 俺は、このゲームのとんでもない抜け道、バイパスを発見したっ……!」
カイジ(神様っ……! ありがとうございます……! ありがとうございます……!」
貘「だって、そんな話、ありえないでしょ」
カイジ(そう、ありえない! ……え?」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:09:17.24 ID:PMY7O17H0
貘「仲間内って言うけどさ、俺はあんたと今日初めて出会ったんだよ?」
船井「……ッ!」
貘「あんたが約束を破り、出すカードを変えて勝負してくる可能性もあるじゃん」
船井(こいつ……!」
カイジ(そう言われれば、たしかに……」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:11:08.91 ID:PMY7O17H0
船井「何やあんた! 俺のことが信用でけんのか!」
貘「まあ、実も蓋もない言い方だけどさ、そうなるよね」
船井「こ、このガキィッ!」
貘「んー……、大声上げたって変わんないよ? 何ならほら、この話、そこのお兄さんにでも持ちかけてみたら?」
カイジ「え、あ、俺?」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:14:29.44 ID:PMY7O17H0
カイジ「いや……あの……俺は……」
船井「チッ……! もうええわ! 貴重な時間を潰した、いにさらせ!」
カイジ(あ、怒って、どっか行っちゃった……」
貘「やれやれ、さてと……」
カイジ「あ、ま、待った!」
貘「んん?」
カイジ「すげぇな、あんた! さっきの話、普通の奴なら絶対に食いついてた!」
貘「いやぁ、それはないでしょ。よほどの馬鹿でもない限り、この程度のこと簡単に気づくって」
カイジ「…………」
貘「それよりさ、一つ話があるんだけど」
カイジ「え?」
貘「実はね……」
貘「思いついたんだよ、このゲーム、もっと簡単に勝ち抜ける方法があるってことに」
13 名前:偽江原 ◆h//NeSexy. []:2010/05/28(金) 00:16:16.55 ID:UUpaRVXR0 ?2BP(2461)
このスレが完結した俺、ブックオフに嘘喰い立ち読みしにいくんだ・・・
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:17:09.58 ID:2C9wn6k90
貘さんほんとは良い人なんです
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:17:19.82 ID:PMY7O17H0
船井(糞ッ……! むかっ腹立つ。あのガキ、簡単に俺の罠を見破りやがって……!」
船井(んん?」
そのとき船井が目にしたもの。
それは、見知った人間がジャンケン勝負をしている姿であった。
加藤「く……!」
貘「ははっ、あんた単純だね。まさか三回連続パーはないって思ったの?」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:17:32.96 ID:PTGdh5YK0
カイジは今すぐ逃げた方がいい
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:18:37.41 ID:PMY7O17H0
船井(あれはさっきのガキ……。相手はリピーターの加藤か……。あの古狸を手玉に取るとは……」
船井(あのガキ……。ひょっとしたら本当に只者やないかもしれん」
加藤「畜生が!」
去っていく加藤を貘はせせら笑いながら眺める。
そのとき彼に近づく一つの影が。
坂井「よぉ、見てたぜ、さっきの勝負」
貘「ん?」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:20:21.25 ID:PMY7O17H0
船井(あいつは……リピーターの坂井」
坂井「なぁ、どうだい、いっちょ俺と勝負しないか?」
貘「えー、どうしよっかな。お兄さん、強そうだし」
船井(あいつに勝つのは至難や……。なにしろあいつは、まず他の参加者を丸め込み、別室に落として、合図をもらっとるんやからな」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:22:54.18 ID:PMY7O17H0
坂井「おいおい、ジャンケンに強いも弱いもあるかよ」
貘「いやぁ、いかにも百戦錬磨って感じだしさぁ」
坂井「あはは、面白い奴だなぁ。おだてたって、何も出ないぜ」
貘「えー、でもぉ」
貘「本当に……イカサマとかしない?」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:25:51.91 ID:PMY7O17H0
坂井(……こいつ……」
船井(ホッ! やはり鋭い奴や!」
坂井「ば、馬鹿野郎。イカサマなんかどうやってするんだよ」
貘「んー……」
坂井「さあ、決めろよ! やるのか、どうなのか!」
貘「わ、わかったよ……。じゃあ、やろうか」
船井(おや? 意外にあっさり受けよったな……」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:26:56.34 ID:PMY7O17H0
坂井「よし、ならカードを決めな」
貘「ん……。どうしようかなー。これかな? それともこれかな?」
坂井(チッ……早く決めやがれ……」
貘「こっち……いや、こっちか?」
坂井(お前が決めないと、こっちがチェックできねぇんだよ……」
うろうろと迷う貘に、苛立つ坂井……!
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:27:37.17 ID:OCK31ipD0
嘘喰いとやり合えるのなんてアカギか天才策士金糸雀様位だな
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:30:49.03 ID:PMY7O17H0
そして、約二分後……!
貘「よしっ、これでいこう」
坂井「決まったか」
貘「ああ、決めたよ。チェック」
船井(どれどれ……あいつのカードは何や?」
コンコン……
坂井(パー、か……!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:32:44.11 ID:PMY7O17H0
坂井「よし、チェックだ」
貘「セット」
坂井「セット」
船井(何や……あっけなかったな」
坂井(所詮は青二才の若造よ……! 吠え面かきやがれ……!」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:34:20.28 ID:PMY7O17H0
坂井「オープン!」
坂井のカードはチョキ! そして……
船井(おお!」
坂井「ぐっ……!?」
貘のカードは……グー!
坂井「ぐうぅぅぅぅぅぅぅぅ!?!?!?!?」
船井(おやおや、何とまあ……いい顔をするじゃないか」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:37:15.95 ID:PMY7O17H0
坂井「ば、ば、ば、馬鹿な! こんなはずは……!」
貘「こんなはずは……何? 予定と違っちゃった?」
坂井「うぐっ!」
貘「こっちのチェックを長々と待ち続けるあんたの態度……。もう見え見えなんだよ、イカサマの内容もね」
坂井「貴様……!」
貘「イカサマなんかしないなんて言っちゃってさ。あんた……」
カリッ
貘「嘘つきだね!」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:39:28.81 ID:PMY7O17H0
惨敗し、意気消沈の坂井、すごすごとその場から立ち去る……!
貘「さてと、お次は……」
船井「よ、よおっ、斑目はん!」
貘「あれぇ? あんた、さっきの……」
船井「い、いやぁ、さっきはついカッとなって、悪かったな」
貘「んーんー、いいよ別に。気にしてないから」
船井「それより、あんた、大したもんやな。あの坂井をやり込めるなんて」
貘「そぉ?」
船井「けど、わからんのや……。あのときあんた、間違いなくパーを持っとった。そのパーが、突如グーに変化するなんて……」
貘「ああ、あれか。あれは……」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:43:38.82 ID:PMY7O17H0
貘「マジシャンが使うパームってテクでさ。まあ、要するに、手の中にカードなんかを隠し持つんだよね」
船井「ふむ……?」
貘「俺はあのとき、カードを2枚重ねて持っていたんだよ。上がグー、下がパーになるようにね」
船井(ん……? あ、そうか!」
貘「そうすると、後ろの奴にはパーしか見えない。そしてセットするときに、親指で下のカードをすり抜いて、手の中にパームした」
船井「するとテーブルには、上に重なっとったグーが残るっちゅう寸法かい」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:47:36.69 ID:PMY7O17H0
船井「いやぁ、大したもんや、さすがやで」
貘「別に? それほどでもないけど」
船井「いやいや、あのわずかな時間で坂井のイカサマを見抜き、それを逆手にとって切り返すとは、まさに神業や」
貘「そっ……。まあ、どうでもいいけど」
船井「なあ、あんたの勝負、もうちょっと拝ませてもらいたいわ、これから観戦者として、あんたに付き添っとってもええか?」
貘「ん? ま、好きにすれば?」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:49:47.06 ID:PMY7O17H0
その後も貘は圧倒的強さで勝ち続ける……!
古畑「まいった」
安藤「負けた」
北見「やられた」
気がつけば、貘、怒涛の連勝で星の所持数、脅威の11個……!
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:51:17.73 ID:PMY7O17H0
船井(すごい……! このガキすごすぎるで……!」
船井(圧倒的実力……! 神か、悪魔か……!」
船井(しかし……」
船井(待っとったで、このときを……!」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:52:19.37 ID:PMY7O17H0
船井「斑目はん、さすがでんな」
貘「ははっ、あんた、本当に他人を人を褒めるのが好きなんだね」
船井「どや? ここらで一発……俺と勝負っちゅうのは?」
貘「えー、でもぉ……」
船井「おい……ごちゃごちゃ抜かすな……!」
貘「へ?」
船井「オドレは俺と勝負するんじゃ、絶対にな……!」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:54:08.19 ID:PMY7O17H0
貘「あのさ、いきなりどうしちゃったわけ?」
船井「勝負は星の3個賭け。俺の持っとる分、全部賭けるわけや」
貘「おいおい、人の話を……」
船井「この勝負、受けんかったら……。あんたの所持カードが全部チョキであることを周りに言いふらすで」
貘「……ッ!」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:56:00.53 ID:PMY7O17H0
船井はずっと貘の勝負を見てきた。
そしてそのとき、貘が使ったカードをしっかりとカウントしていたのだ。
貘の使ったカードは、順序はともかく、パー1枚とグー3枚。
そして、その前に、坂井との勝負でグーを使っている。
さらに、その直前、貘が加藤に吐いた台詞……。
貘「ははっ、あんた単純だね。まさか、三回連続パーはないって思ったの?」
この台詞により、すでに貘はパーを3枚使ったことを、船井に悟られてしまっていた……!
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 00:58:58.00 ID:PMY7O17H0
船井「つまり、あんたの所持カードはチョキ4枚……。これが周りに知られれば、4連敗は必至」
貘「う……!」
船井「ちゅうことは、どの道、あんたは星を4つ失うことになる。なら今、このとき俺に負けて、3個星を譲ったほうが傷が浅いっちゅうこっちゃ」
貘「ぐ……うっ……!」
船井「さあ! この勝負、受けてもらおか!」
船井(ふくくくく……! 負けて3個星を譲ったほうが傷が浅い? ダラスケが!」
船井(それで済む、思うとるんかい。この勝負が終わっても、状況は変わらんのや。何度でも脅しをかけて、オドレの星、ごっそり奪ったるわ!」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 01:00:49.20 ID:PMY7O17H0
貘「わ、わかったよ……。星3つ賭ける」
船井「くかかかかか! 物分りがええやないか。よう覚えとけ。この船井様こそが、真のギャンブラーっちゅうことをな!」
貘、苦悶の表情を浮かべながら、カードを手に取る。
それを見て、船井の頬肉が、不気味に引きつった。
船井「チェック、セット」
貘「チェック……セット……」
船井「オープン!」
船井のカードは……グー!
船井「さあ、そっちも開けや」
貘「えっと……待って。ちょっと待って」
船井「何や、往生際が悪いで。早くオープンせんかい!」
貘「ま、待って、本当に、ちょっとだけ待って……!」
貘「カリ梅……食べるだけだから」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 01:02:52.75 ID:PMY7O17H0
カリッ
貘「オープン」
開かれた貘のカードは……
船井「えっ……」
パー!
船井「なっ……パァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?!?!?!?!?!?」
貘「避けろ! ってか?」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 01:04:52.62 ID:PMY7O17H0
船井「んばばだだんだじゅだだおば!?」
貘「へぇー、いいねぇ。そんな顔するんだ、あんた」
船井「こんな……ありえ、ありえ、ありえ、ありえありえありエヘエヘエヘエヘエヘエヘエヘエヘ……!」
まるで狂人のように右往左往しつつ悶える船井……!
そのとき、彼の視界の隅に、ある男の姿が映った。
船井「あ……?」
カイジ「マルメラうめぇwwwwww」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 01:08:21.22 ID:PMY7O17H0
>>64ありがとう
それは、勝ち抜けた者が待機するスペースでくつろぐカイジの姿……!
貘「あらら、気づいちゃった?」
船井(あの男は、最初に出会った……」
船井(そういや、あれ以来、奴の姿は会場のどこにも見当たらんかった……」
船井(いったい、あの男はいつの間に……」
貘「あの男はいつの間に勝ち抜けたのか……って思ってる?」
船井(……ッ!」
貘「教えてやろう。彼は、俺に出会った直後に、一抜けたんだよ」
貘「俺に、所持カードをすべて譲り渡してね」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 01:09:53.53 ID:EKYCqoeZP
カイジの使い方ワロタw
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 01:10:23.24 ID:PMY7O17H0
〜回想〜 (背景、ベタ塗り)
貘「思いついたんだよ、このゲーム、もっと簡単に勝ち抜ける方法があるってことに」
カイジ「どんな方法だ?」
貘「ゲーム開始直後、他人に自分のカードを全部渡しちゃえばいいんだよ」
カイジ「ええええええ!」
貘「そうすりゃ即効でカードは消費完了。星3つキープして最速クリアだ」
カイジ「た、たしかに……けど……」
貘「まあ、普通はこんな方法成立しない。カードを全部引き受けてくれるようなお人好し、そうそういるもんじゃないからさ」
カイジ「も、もしかして……」
貘「そう。あんたのカード、この俺が全部引き取ってやるよ」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 01:12:26.61 ID:PMY7O17H0
貘「そうして彼は俺にカードを譲り、現在勝者の空間でくつろいでるってわけさ」
船井「それで……お前はあいつから貰ったカードを使い、俺の目を欺いたっちゅうことか……!」
貘「そういうこと。まあ、タイムリミットが近づいて、もしカードが余りそうだったら、星3つ未満でカードゼロの奴に売るなり譲るなりしてやればいい」
船井(こいつ……何ちゅう悪魔じみた発想を……!」
貘「勝負できなきゃ別室行きは確定だ。いくらでもカードはさばけるさ。さてと……お迎えが来たようだ」
そのとき、船井の背後から近づく黒服の影……!
船井「ヒッ!」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 01:14:11.85 ID:PMY7O17H0
貘「んじゃ、星3つ、ごちそうさまっ」
船井「ヒィィィィィッ!」
黒服に肩を掴まれ、涙と小水を漏らしながら、船井は全身を震わせる……!
貘「惨めだね。まあ、俺に勝負を挑んだ時点でこうなることは確定だったのさ。真のギャンブラー? 馬鹿も休み休み言え……」
貘「お前はただの…… 大 嘘 つ き だ 」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/05/28(金) 01:15:27.26 ID:M530XRQB0
これは嘘喰い好きにはたまらないスレ
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 01:17:01.00 ID:4hbUuMoz0
カイジwwwwwwwwwww
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 01:17:16.95 ID:PMY7O17H0
その後、連行された船井は、別室からその後も連勝を続ける貘の姿を眺めることとなる。
斑目貘……別名、嘘喰い。
奴は、すべてを喰らう喰奴!
貘「ふぅ、終わった終わった。まあ、館越え前の肩慣らしにはなったか……いや、そんなこともないか」
カイジ「おおっ、あんた、勝ち抜いたのか! って……その星の数!?」
貘「やぁ。お互い、無事に済んでよかったね」
カイジ「ああ、あんたのおかげだぜ。俺、今、猛烈に感動してんだ。まるで、生まれ変わった気分だ」
貘「へぇ、それはそれは」
カイジ「俺、これから真面目に働くよ。金輪際、借金もギャンブルも、絶対にしねぇ! 絶対にだ!」
貘「ははっ……何言ってんだか……。あんたさ……」
貘「嘘つきだね」
嘘喰いinエスポワール (了)
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 01:18:38.29 ID:PMY7O17H0
これで終わりです。支援してくれた皆様、ありがとうございました。
このスレは思いつきで立てちゃったので
鉄骨渡り編とかは考えてないです。
また思いついたら書くかもしれません。
ありがとうございました。
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 01:19:15.69 ID:c8g7G9fs0
楽しかった おっつー
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/05/28(金) 01:19:47.40 ID:M530XRQB0
楽しかったぞ!続編期待しとるよ
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/05/28(金) 01:21:17.19 ID:aVrp+ErY0
全然閃かないカイジw
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/05/28(金) 02:14:25.02 ID:ZlkGo/xo0
面白かったなあ
賭博腰巾着カイジと嘘喰い
出典:2
リンク:2

(・∀・): 96 | (・A・): 97
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