ダルフール紛争

2010/06/03 12:21 登録: ロボ

ダルフール紛争は、スーダン西部のダルフール地方で、2010年現在も進行中の紛争。

特に近年はスーダン政府軍とスーダン政府に支援された「ジャンジャウィード」と呼ばれる民兵が、地域の非アラブ系住民の大規模な虐殺や村落の破壊に発展したものである。

この紛争で2003年2月の衝突以降、2006年2月時点での概算で18万人が既に殺害され、現在進行中の民族浄化の事例として広く記述されている。


監視チームは、アラブ人の村が手つかずで残された一方、非アラブ人の村が選ばれていると報道した。
「焦げ付いた地域のすぐ傍でアラブ系の居住地は人が住み、燃やされず、機能した状態で残されて点在している。
幾つかの地点ではフール人の村とアラブ人の村は500mも離れていなかった」(2004年4月25日の国連組織間報告書より引用)
さらに2004年5月15日の『エコノミスト』誌によれば、ジャンジャウィードは「多数のモスクにも放火し、破り捨てたクルアーンの紙切れの上で排便した」といわれる。

双方が民間人に対する大量虐殺・略奪・強姦を含む人権侵害に関与したとして非難されている。

しかしながら、直ちに優勢を得たのは武装で上回るジャンジャウィードの方だった。

2004年の春までに(ほとんど非アラブ人口の)数千人が殺され、100万以上の人々が家を追われ、その結果、地域に大きな人道上の危機が引き起こされた。

独立系の監視者は、ユーゴスラビア戦争時の民族浄化よりも戦術が多様化していることに注目したうえで、ダルフールの遠隔性により数十万人が事実上援助から切り離されていると警告している。

国際危機グループは、飢餓と疾病により35万人以上が死の危機に瀕していると報道した。



2004年8月10日、国連人道問題調整事務所は、スーダン政府軍がヘリコプターによる空爆でジャンジャウィードと連携し新たな住民攻撃を行ったと報告した。

スーダン政府はこの紛争を「単に小競り合いだ」とし、大統領は、「ダルフールに対する国際的な懸念は実際はスーダンがイスラム国家であることを標的にしている」と語った。

スーダン政府は、物資などの支援を求めながら、「東アフリカの国の内政問題に干渉しないように」英国およびアメリカに警告し、自らがどんな軍事援助をも拒絶するだろうと語った。

2004年8月に、AUは停戦監視団を保護するために150人のルワンダ共和国の部隊をダルフールに送った。

しかし決定時には「部隊の権限は、民間人の保護を含んでいなかった」が、ルワンダ共和国の大統領ポール・カガメは、「もし民間人がそのとき危険な状態にあることが確証されれば、私たちの軍は確かに介在し民間人を保護するために兵力を使用するだろう」と宣言した。

2006年1月20日、分裂したSLAミナウィ派のみがスーダン政府と和平合意に応じ、ミナウィ派はジャンジャウィードや政府軍と共に住民を攻撃するようになった。

2008年5月6日、ロイター通信などによるとスーダン政府軍はダルフールの小学校と市場をアントノフ機で爆撃、7人の子供を含む14人が死亡。



国際的な反応と対応

2004年

状況が深刻化するにつれ、災厄が迫っているという警告が発せられた。

国連事務総長は、ダルフールでの大量虐殺の危機は「ぞっとさせられるぐらいに現実的」だと述べた。ジャンジャウィードによる作戦の度合いも、(スーダン政府によっては強く否定されるものの)ルワンダのジェノサイドと比較されるに至った。

BBCによれば、推測では紛争の終結には少なくとも15,000人の兵士が必要であるが、どの国も兵士を送ろうとはしない。

9月18日、国連安保理は制裁を警告する決議案を賛成11、棄権4(アルジェリア、中華人民共和国、ロシア、パキスタン)、反対0で可決した。

中華人民共和国とパキスタンはスーダンに石油権益を持つため難色を示していた。

2007年

4月-映画監督のスティーヴン・スピルバーグは、中華人民共和国の国家主席に紛争を収拾させるため、スーダン政府に圧力をかけるよう書簡を送った。

スピルバーグは北京オリンピック組織委員会芸術顧問に要請されていたが、この紛争に対する中華人民共和国の対応を批判して2008年2月辞退した

5月10日、アメリカ合衆国の上・下両院の100人以上の議員が、ダルフール紛争に対し中華人民共和国が行動を起こすよう呼びかける書簡に署名を行った。

6月4日にコロンビア大学のマフムード・マムダニは「ダルフールを救え」同盟のキャンペーンや米国による制裁のあり方を現地の援助を危機に陥れるものとして非難し、同じような犠牲者の発生しているイラク戦争や米国の同盟者であるウガンダとルワンダにより犠牲者数では10倍以上の虐殺が行われている第二次コンゴ戦争をジェノサイドと呼ばずダルフール紛争のみをジェノサイドと呼ぶ米国などによるジェノサイド呼称の政治利用を批判した。

2008年

6月5日、国際刑事裁判所の検察官は国連安保理において第7回目となる定例報告の中で検察官は、スーダン政府の安保理決議不履行を強く非難。

安保理に対して以下の要求が含まれる議長声明を発出することを要請した。 

スーダン政府に対し犯罪の実行を取り止めさせること
指名手配中の両被疑者の逮捕を求めること
各締約国に協力と支援を求めること
決議1593の履行を要請すること
7月14日、ICCのモレノ=オカンポ検察官は、スーダンのオマル・ハッサン・アフメド・バシル大統領の逮捕状を予審裁判部第1法廷に請求したことを発表した。訴状では過去5年にわたりダルフール地域において行われた集団殺害、人道に対する罪、及び戦争犯罪について、バシルに刑事責任があるとしている。

2010年

1月11日にスーダンの大統領が軍事上のトップを辞任したのを国営通信及びアラブ首長国連邦の 衛星テレビ局が報道した。

辞任の理由や後任の人事などは明らかにされていない。



中国による支援

中国はダルフール紛争に対して武器を援助し、石油取引からの収入の80%以上を虐殺を実行するジャンジャウィード用の兵器購入にあてており、攻撃用ヘリ、装甲車、小火器などの兵器はほとんどが中国製である。



原油獲得のために、スーダン政府およびジャンジャウィードによる民族浄化を黙認するどころか、積極的に支援している。



また国連軍派遣に対しては中国の拒否権によって妨害されている。



バシールには常任理事国の中国またロシアという後ろ盾がおり、スーダンでは中国との関係は密接であり、アメリカはこれらの国との全面衝突だけは避けているためにバシールを逮捕できる可能性は低い。

出典:現在進行中・・・
リンク:次の投稿で一段落なんだけど、次用のネタが足りん・・・

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