外国人3
2010/06/29 17:50 登録: えっちな名無しさん
クリスだけで終わらすつもりだったがもうちょい書く。
唯一あったプチ修羅場。
ベトナム人のカンが台湾人の杏に手を出しそうになった。
ストーカーとはちょっと違うのかもしれんが、サークルで集まった時にはカンがやたらと杏にいちゃつこうとする。軽いボディタッチしたりとかそんな感じ。カンはいわゆるチャラ男だったがあんまり節操がなくてサークル内では嫌われてた。特にレベッカはあからさまに嫌ってた。
ある日、杏が泣きながら電話してきた。泣いてる上に台湾語だからわけからん。とりあえず落ち着いたら電話して欲しいと伝えたが、電話切ってすぐかかってきた。要訳すると、カンが「やらせろ、お前も好きなんだろ?」みたいなことを杏に言ったらしい。カンは軽いノリでたまにこういうことを言う奴だったんだが、杏はもともと男が苦手だったし、俺にもあんまり心を開いてくれてなかったから、このカンの言葉が相当きつかったようだった。すぐに杏のアパートに向かって慰めることになったわけだが、まぁ大変だった。泣き喚くわ、俺に八つ当たりするわ。でも杏の泣き顔とホッとして見せた笑顔に撃沈してしまったわけですよ。
とりあえず、俺はクリスとコウキに相談。結論から言うと、「カンは自重させるべ。」ということに。カンを俺宅に呼び出して3人で説教タイム。カンは普通に「今日は何かあるの〜?」って楽しそうにやってきたんだがさすがに空気は読めたらしく、すぐに杏の件だと悟った。
カン「あーごめん」
コウキ「そういうこと言うのはどうかと思う。」
カン「だって杏かわいいからSEXしたくなるじゃん。」
コウキ「かわいいとかそういうことじゃなくて、女の人にそういうこと言うのはダメ。」
カン「なんで怒ってるの?コウキひょっとして杏が好き?」
コウキ「んあああああ!!!!」
コウキブチ切れ。短気すぎる。いきなりカンに殴りかかった。ところがカンは喧嘩慣れしてるのかヒョイっと避けた。クリスがコウキを羽交い絞めにして落ち着かせる。俺はカンとにらみ合い。
俺「カン、座れ。」
カン「・・・。」
俺「お前は悪気なくても杏は傷ついた。それは謝るべきじゃないの?」
カン「・・・。」
俺「俺は別に怒ってないよ。でもこのままお前が杏に謝らずに、また誰かを傷つけるようなことしたら俺は友達やめるから。」
カン「・・・。」
俺「わかった?」
カン「○○の日本語よくわからない・・・」
俺「ですよねー。」
カン「でもなんとなくわかった。杏に謝る。」
俺「そっか・・・よかった。」
結局、その場で杏に電話して、カン自身が謝罪の言葉を伝えた。杏も、もう気にしてないって言ったらしい。
カンが後から言っていたが、俺の話し方が自分の爺さんが怒ってるときと似てたらしい。カンの爺さんは事故で亡くなってるんだが、なんだか俺に爺さんが乗り移ってるみたいで、ハッとしたんだと。
それからカンはちょっとだけ大人しくなった。少なくとも、サークルでは軽口叩くことはなくなった。まぁ外ではよろしくやってたみたいだが。
カンとコウキは仲直りした。カンがコウキに謝って、コウキもカンに殴りかかったことを
謝った。
杏がレベッカにも相談していたため、カンの事件はサークルで広まった。
でもカンがサークルのメンバーに今までのことを含めて素直に謝ったから大事にはならなかった。みんな優しかった。ただ一人を除いて。
トンは空気が読めなかった。カンをボロクソに罵っていたらしい。ハッサンが滅茶苦茶怒ってた。トンとハッサンは同じ国民なのに、これで溝が生まれた。俺が仲介に入ろうと思ったが、トンは話を聞いてくれなかった。「なんで日本人に怒られないといけないのかわからない」って。別に怒ってなかったんだけどね。ハッサンが俺の気持ちを汲んでくれて、トンに和解を申し出たけどこれも断られた。結局トンは気づいたらサークルからいなくなってた。
トンが辞めて数日後にロベルトが加入した。ロベルトは短髪ガチムチ系のイイ男。クリスが「奴はゲイだ」ってニヤって笑ったのが逆に怖かった。ロベルトは兄貴的ポジションにすぐ収まった。日本に住んでたことがあって、福岡の地理にやたらと詳しかった。日本語も上手くて、俺は九州出身だったこともありすぐに仲良くなった。ロベルトは杏にも優しかった。俺はちょっとだけヤキモチを焼いたがコウキの嫉妬っぷりに比べればなんてことなかった。ぶっちゃけロベルトにとって杏は妹みたいな存在なだけであって、数ヵ月後にはアスカたんはぁはぁになるんだからべつに嫉妬もくそもなかったんだけどね。ロベルトは牛飼いで視察と研修のために来日したばかりだった。「日本の牛は素晴らしい。肉質がまるで違うんだ。俺は世界で日本の牛が一番美味いと思っている。」みたいなことを熱弁してた。口締疫の話を聞いたらきっと悲しむと思う。
ある日、ロベルトがうちに遊びにきた。その時は先にクリスも来てたんだが、ガンダムを見て「子供だなぁ〜」って笑ってた。でも俺が持ってたエヴァの単行本を見て、「日本の漫画は絵がいいね。気に入った!」って言ったんで次にエヴァのエロ同人(いづるみだっけ?)を見せたら顔を真っ赤にして沈黙。「これはなんなんだ・・・素晴らしくないか?」と言いつつ同人本に見入ってた。その日からロベルトは二次元の住民になりますた。ロベルトとは数ヶ月の付き合いだったったけど、これほどの高スピードで二次元に感化される人も珍しいと思う。
最後に杏の話。帰国前日にうちに来いって電話してきた。そこで明日帰国することを伝えられた。すごくびっくりしたし、悲しかった。そりゃ好きだったからねぇ。んで思わず告白してしまった。杏は泣きながら抱きついてきた。んでいきなりキス。心臓飛び出るかと思った。キスの後、杏が「私はここまでしかできない。でもありがとう。」って。あ〜俺振られたんだなって勝手に思ってしまった。とんでもない勘違いだったんだけどね。その後は、一緒に飯食ってyahooのメアド交換して、またいつかねって・・・。
杏が帰国して数日後。yahooに杏からメールがきてた。内容は日本でお世話になりましたってこと、あのサークルの皆に出会えたこと、俺に出会えたこと、相談にのったあの日から俺のことが好きだったこと、俺の告白は嬉しかったけど帰国前日で答えられなかったこと・・・。俺号泣。なんでもっと早く告白しなかったんだろうって悔しくて悔しくてたまらなかった。返信メールには俺も杏に出会えてよかったことと、杏には幸せになってもらいたいってことを書いた。それに対して返信はなかったよ。それから2年して突然杏からメールがきた。結婚することと、子供が生まれること。子供の名前に俺の字を使ったこと。胸が苦しかった。もう好きではなかったけど、なんか苦しかった。子供に俺の字を使ったってのはちょっとびっくりしたけどね。俺は「遠い空から杏の幸せを願ってます」なんて気持ち悪いメールを返した。それからメールはない。ないほうがいい。
外国人もやっぱり同じ人間だなぁ〜
出典:コウキは杏に告白した。
リンク:振られた

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