後輩ちゃん
2010/07/18 01:17 登録: えっちな名無しさん
某日、剣道の市大会があり、そこに俺は呼ばれた。
前日に「明日試合です! がんばります!」
とメールで後輩に言われ、これは応援に行くしかないだろう、と思い、応援に行くことを決めた。
中学を卒業して、何カ月か経っていて、後輩たちとはあっていなかった。
それぞれの変化が気になってはいたし、いい機会だと思った。
当日、前日にけがをして午前中は病院で2時間待ちをくらった。
その後、後日行われる大会のために学校から防具を持ち帰り、
家に運び終えると、制服の上だけを着替えて、会場へ向かった。
その日の最高気温は32度だかなんだかで、とても暑かった。
姉御(高校の知り合い)と「暑い〜」というメールをさんざん繰り返していた。
会場の最寄駅で降り、会場へ向かう。
ここへは何回か来たことがあったので、そんなに迷うこともなくいけた気がする。
会場へ入ると、むわっとした熱気と、剣道の防具のにおいが、一気に俺を襲う。
まぁ、慣れっこなので、どうってこともなかったのだが。
どうも、すでに団体戦は終わったらしく、わが母校は、おしくも準優勝だったのだという。
フルメンツそろわないでよくあそこまでやった、と思う。
それから母校の後輩の応援をし、昨日メールをくれた後輩のもとへ。
試合の前らしくすでに面をつけて座っていた。
「うーっす」
「あ、センパイ、こんにちわ」
これから試合?と聞く前に
「もうすぐ試合なので見て行ってくださいね♪」と後輩。
この子は読心術でも心得ているのか。
同い年の知り合いとも合流し、個人戦を観戦。
見事に後輩は勝ち、母校の後輩も無事に勝っていった。
結局結果は、男子の個人では母校から3人、女子は1人だったはずだ。
よく市ビリ校からここまで上り詰めたものだ。
団体は男子準優勝、女子は3位だった。
おしくも後輩は、どちらにも入っていなかったが、それでも明るかった。
「お疲れ」
「あ、お疲れ様です」
にっこり、と文字通り笑う後輩。
「あ、これ姉御」
携帯の画像フォルダに入っていた姉御の写メを見せる。
「きれいですね」
「あとこれ。 抱きつかれてるほうが姉御」
「かわいいですね、姉御」
ちなみに姉御とはいいお友達です。
ええ、いいお友達ですとも。
「よし、何でも質問してもいいぞ」
後輩が何となくおちこんでいるようにも見えたので、何か質問をさせてみることにした。
何かしら疑問は持ってくれているはずである。
「わんこと姉御、先輩はどっちがタイプですか?」
「わんこ」
わんこというのは、んー言い現わすのが難しいが、彼女のような存在。
つきあってはいないが、両方が両方の想いを知っている。
束縛されるのが嫌、とお互い意見が一致し、つきあってはいない。
「センパイ的に姉御はどんな人ですか?」
「いいお友達です」
「センパイいつの間にそんなリア充に?」
「リア充じゃねぇからww」
と、そんな会話をして。
「そういえば姉御が初めてなんだよね、俺の下の名前を保護者とか先生以外で呼んでんの」
「え、そうなんですか?」
「うん」
「カズキ(偽名。そばに武装連金があったので…)」
「ん?」
「私、先輩の二人目ですね♪」
思わず、後輩をかわいいと思ってしまった瞬間だった。
「今度からカズキ先輩って呼びますね!」
「あー…うん」
何で名前? いや、まぁいいや。 かわいいから許した。
「あ、そうそう! 22日に県央です」
「応援行くね」
「来てくださいね、カズキ先輩♪」
と、言って自分の学校に戻っていった。
まぁ、そうは言われたものの、それからも苗字呼びなんですけどねー。
出典:オリジナル。
リンク:だからオリジナルだt(ry

(・∀・): 60 | (・A・): 53
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