引っ越してきた二つ年下の子 5(完結)

2010/08/10 13:39 登録: えっちな名無しさん

605 :9k1Z+XoP0 ◆dLtM7Jdk7U[sage]:2009/08/25(火) 23:09:22.68 ID:XzDvhOU0
23時前に家に送りとどける俺は紳士。

では、ちょっとだけ報告、いきます。


前々から、俺の連休最終日に、食事に行く約束をしていた。
当然のことながら香子は仕事で、しかも遅番だったので、終わるのは8時。
迎えにいくのは、8時半だ。

朝に立てたスレも見事に8時に投下終了でき、この上ない幸先のよさ。

こいつはきっとうまくいくぜ!
そんな高いテンションで、俺は出発した。

香子の職場の前に車を停めると、
既に香子は私服に着替えて、待っていた。

「ごめん、待たせた?」
「ううん、今終わったとこ。」

言いながら、香子は助手席のドアを開けて乗り込む。
今日はドアくらい開けてやろうと思ったのに、素早い動きで先を越された。

香子が車に乗り込むと、車中にいい匂いが拡がった。

「香水変えた?」
「そろそろ秋っぽくw」

なにが夏っぽくてなにが秋っぽい匂いなのかよくわからないが、
いい匂いなので無問題。

高めのレストラン、とかいう話もあったが、残念。
実は、大学の時に俺が働いていたレストランだった。

「いらっしゃいませ。お久しぶりww」

前もって予約はしておいた。店長が自ら、出迎えてくれた。

「ご無沙汰してます。」
「こんばんはww」

香子も、学生の頃から何度か来たことがあるので、店長と顔見知りだ。

今日のこの日は、必ずここに来ようと決めていた。

窓際のいい席を取っておいてくれた。

車のため、お茶で乾杯。
そして、食事に舌鼓をうつ。

「美味しいねw」
「だな。やっぱりここは最高だなw」

リーズナブルで、でも美味しいです。

「実家、どうだった?」
「いや、特に変わりないよw っていうか親父も普通に仕事だったし、土日にやっとゆっくりできた感じかな。」
「お盆休みずれてると大変だね。」
「まーな。」

しかし渋滞に巻き込まれなかったのは良かった。

「なんだか。」
「ん?」

香子が、ジっと俺の顔を見る。

「いつもより、ニコニコしてるね。」
「そうか?」
「いいことあった?」
「そうだなw」

とびきりテンションが上がる仲間達には会えたぜ。


食事も終わり、俺達は店を出た。
そのまま、車で香子を送る。

「あー、明日から仕事だなぁ」
「文句言わない。私は今日も仕事だったんだからw」
「そりゃそーだ。」

そして、あっという間に車は香子の家に着いた。

「今日は、ご馳走様w 次こそは、私が奢るよ。」
「期待してるw」

停まった車中で、別れを惜しむように会話する。
香子にとってはただそれだけだったが、俺にとっては、
もっとも重大なシーンでもあった。

「じゃ、そろそろ帰るかw」
「待って。」

俺は、香子の手を引いた。
こっちは右手だ。

「こっちじゃなく、って!」
「??」

俺は、香子の左手を引っ張ると、その薬指に、指輪をはめた。

「えっ…」

香子は、息を呑む。

「香子、告白したときにも言ったけど、俺は香子じゃなきゃだめなんだ。」

俺は一言一言、噛締めるように言った。
そうしないと、噛んでしまいそうだったから。

「だから、ずっと俺の側にいて欲しい。……結婚してくれ。」

香子の瞳から、大粒の涙が零れ落ちる。

「………嬉しい。ありがとう……」

「それはOKということでいいんですね?」

香子は、黙って頷く。

「や!…った〜〜。」

前に大声で怒られたので、夜でもあるし、小さめに喜んでおいた。

「こーちゃんっ」

香子が半身を伸ばし、運転席の俺に抱きついて来る。

「ありがとう…私、こーちゃんを好きになって良かった。」
「それは俺もだよw 香子、ありがとう……」

そして、言葉は意味を失い、
俺達は唇を重ねた。



そんなわけで、報告は以上です。

なんというか、その…
いやっほーーーーーーーーーーーぅう!!

お祝いコメント、ありがとうございます!


Sはあの後、彼女と別れたりまたくっついたり、別れたり、
別の子と付き合ったりまた別れたりといろいろありましたが、
昨年、最初の彼女と結婚しましたw
しかもあいつ、今、公務員です。ちゃらんぽらんなクセにww

Tは結局合唱部の彼とも別れ、東京の大学にいったそうな。
その後は知りません。高三のときは勉強の鬼で、気にも留めてなかったし(^-^;


埋まる前に一言。

皆さん、朝からこんな深夜まで、本当にありがとうございました。
なかなか全部はレスできなかったけど、ちゃんと全部読んでます。

皆さんの励ましが力になりました。
一文一文に一喜一憂してくれる皆さんのおかげで、最後まで書き切れました。

そして、念願のプロポーズも果たせました。

俺は、幸せ者です。
そして、俺と香子は、幸せな夫婦になります!
どうもありがとうございました!!



---------後日談---------

143 :9k1Z+XoP0 ◆dLtM7Jdk7U [sage]:2009/08/31(月) 22:22:54.77 ID:1WzRwaE0
あまり書き込むのはよそうと思っていたんですが、ちょこっとだけ。

余談ですが、昨日、ご両親に挨拶に行って来ました。
すごく喜んでもらえて、感動のあまりちょっと泣いてしまいました。

式は、来年の初夏になりそうです。


221 :9k1Z+XoP0 ◆dLtM7Jdk7U [sage]:2009/11/02(月) 00:29:21.14 ID:TROf1iQ0
おひさしぶりです、ちょっと報告。

式は来年夏、と言っていましたが諸事情あって
来年春頃に早まりました。
あ、「おなかが目立つ前に」的な理由ではないので安心してくださいww

あ、ちなみに幹事はSですwww


275 :9k1Z+XoP0 ◆dLtM7Jdk7U :2010/05/25(火) 14:10:48.39 ID:BwoNJ7o0
ご無沙汰してます。

新婚旅行でもらった休みのラスト一日です。
嫁は今日から仕事行ってます。サミシス(>_<)

お祝いのレスをくれた皆様、どうもありがとうございました!
式は恙無く終了しました(´▽`)

二次会で酔っ払ったのもいい思い出ですw

せっかくなので、結婚前後のエピソードを三つほど。

後日談のようなものは多すぎると蛇足になりがちですので、
これが最初で最後にしたいと思います。


1.【Sとの飲み会】

年末、Sにスレのことを話して、その後、年明けに地元に帰ったときに二人で会った。

「久しぶり!」
「だな〜、もっと帰って来いよな。」

Sは地元で公務員をしているので、なかなか会えない。
積もる話もある、ということで居酒屋で飲むことになった。

お互いの近況報告、地元の同級生達の様子など、
その辺りのことで盛り上がった後、話はスレの方へ。

「あれ見てて思い出したんだけどさ」

Sはちょっとだけ真面目な顔になった。

「高三の頃、Tとちょっと喋ったことがあったんだよ。」
「Tって、あのT??」
「おう。俺を介して、お前とヨリを戻したそうだった。」
「マジ!?」

驚いた。そんな話聞いたことなかった。

「でも、俺も当時若かったしさ、『今更なに言ってんだ、自分のしたこと考えてみろ!』って追い返しちまった。」
「………。」
「まずかったよな。悪い。」

Sは頭を下げた。

「いや、とんでもない。」

俺はSの頭を引き起こす。

「俺も同じ反応してたと思う…っていうか、正直、受験のことしか考えてなかったww」

それは本当だ。
実際、高三の頃はTのことを恨んだりも未練もなく、むしろ忘れていた。

「確かに、あの時は勉強一辺倒だったもんな、お前www」

そう言ってSは笑った。
Sは言わないが、本当は受験で頭がいっぱいの俺の心を乱さないように、
敢えてTを取り次がなかったという部分もあると思う。

「元気にしてんのかな、T。」

俺もそんなことが思えるくらい、昔の話になっていた。

「ああ、ツレ伝いに聞いた話だと、東京でバリバリOLしてるらしいぜ。」
「なんか、っぽいなw」
「な?www」

今にして思えば、Tは、俺自身気付いてなかった奥底にあった香子への気持ちを感じ取って、
嫉妬したのかもしれない。



2.【衣装合わせ】

香子と一緒に、ドレスを選びに行ったときのこと。
行く前から、ちょっと浮かない顔をしているのが気になった。

「……どうかした?」
「ううん、なんでもないよ」

笑顔を見せる香子だったが、やはりどこか影が落ちている気がした。

到着して、理由はすぐにわかった。

俺はそういうことに無頓着だったから知らなかったが、
最近のウェディングドレスは、ほとんどが腕・肩を出しているものだった。

香子は、夏でもノースリーブや半袖を着ない。
せいぜい、五分袖や七分袖。海やプールにも行かない。

理由は…二の腕の傷痕のせいだ。
家の中で俺に見せることは気にならなくなったようだが、人前では絶対に出さない。

式場に来るまでそのことに気付いてやれなかったのが、悔やまれた。

「えと…長袖のドレスってありますか?」

香子が、仕事の忙しい時期だからとか、いろいろ理由をつけて夏の結婚式から前倒しにしたがったのは、
袖のあるドレスでもおかしくない季節にしたかったのもあったのだろう。

「ありますけど、デザインが限られてきますよ?」
「お若いんだから、もっと肌を見せるようなドレスでも…」

担当の人がいろいろ言ってきたのに言い返したくなったが、
香子がニコニコと聞いているので、黙っていた。香子の方が余程大人だ。

「でも、私、袖付きのものに憧れていて…子供の頃、TVで観て…」

袖付きのドレスを着たい旨を説明する香子の傍らで、俺は目頭が熱くなるのを感じた。

結局、長袖のものと、お色直し用に五分袖のものを選んだ。
五分の方はちょっと腕部分が透けていたが、「これくらいならメイクでなんとかなるっしょw」と、後ほど明るく言っていた。

式場を出て、俺の中には様々な想いが渦巻いていた。
香子が一人悩んでいるのに、気付いてやれなかったこと。
あのときまで、香子はノースリーブのワンピースが好きだったのに、もう着れなくなったこと。
なにより、あの時どうして俺は香子に一人で来させたのか、もっと早く迎えに行かなかったのか、という後悔。
そのせいで、香子は流行りのドレスも着れやしない。

俺が黙り込んでいると。

「こーちゃん。」

香子が俺の腕を引っ張った。

「ん?」

急だったので思わず腕とともに頭と肩が下がる。
その頭を、香子は撫でながら、

「よしよし。」

と、微笑んだ。

「なんだよ〜」
「泣き虫こーちゃんを慰めてあげたのw」

泣いてないわ…って言いそうになったが、なんか目が潤んでる自分に気付いた。
なんで俺の方が慰めてもらってるんだ、本当に泣きたいのは香子なのに。
自分が情けなかった。

「香子……ごめん。」

たくさんの意味を込めた、『ごめん』。

「私、幸せだよ? だからいーの。」

香子は微笑みのまま囁いて、そのまま俺の腕を引っ張って歩き出した。
俺を引く香子の背中を見ながら、「この笑顔だけはもう二度と絶やさせない」と密かに誓った。



3.【二次会】

SとSの奥さん、そしてブラバンの後輩(香子にとっては先輩)が幹事をしてくれた二次会は、
恐ろしく盛り上がった。
俺はもう何杯飲まされたか分からない(^-^;

そして二次会の半ば、
先ほどの結婚式で撮ったばかりの写真をスライドショー。

うんわかるよ、カメラマンの気持ちはわかるよ。
わかるけど、いくらなんでも香子ばっかりすぎじゃね?
俺あんまり写ってないorz

スライドの合い間によってくるS。

「いやー、香子ちゃん綺麗だなぁー。ガキの頃もっとアピールしとけば良かったww」
「カメラマンはお前かー!!」


そんなこんなで飲まされているうちに、記憶はおぼろげに。

気付いたら、ホテルの部屋で寝てる始末。
傍らで、香子とSの奥さんが楽しげに喋っていた。

「あ、起きた?」

良かった機嫌は悪く無さそうだ。

「あれ…Sは?」
「あっち。」

奥さんが指し示した方を見ると、部屋の真ん中の床で寝ているS発見。

「じゃ、新郎も目を覚ましたし、そろそろ帰ろっかw」

笑いながらバシバシとSを蹴る奥さん(^-^;
うん、中学の頃はもっとおしとやかだったんだけどなぁ。

「う、うーん…」
「はいはい邪魔者はさっさと行くよ。」
「ど、どうもお世話になりました。」
「いえいえ。あ、香子ちゃんメール頂戴ねw」
「はいーww」

Sは奥さんに引っ張られながらも、なんとか立ち上がりフラフラと部屋を出て行った。
まあ同じホテルに泊まってるんだけどね。


以上で、後日談の締めとさせていただきます。

そして、ここへの書き込みもこれが最後になるかと思います。

思えばスレを立てたのが去年の夏。
それからもう9ヶ月。

当時支援してくださった方々、
曲を作ってくれた方々、
まとめや、動画を作ってくれた方々、
今でもこのスレにレスしてくださる方々、
皆様、本当にありがとうございました。

これからも、香子と二人で仲睦まじく暮らしていきますので、
心の片隅に「そういえばあんな奴らもいたなぁ」と覚えておいていただければ、幸いです。
私も、このスレのことは一生忘れません。


皆様の幸せを、いつまでも祈っております。



出典:引っ越してきた二つ年下の子
リンク:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1251191097/

(・∀・): 322 | (・A・): 88

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