マスターベーションなのだ

2010/08/27 20:04 登録: えっちな名無しさん

訃報とはいつも突然やってくる。妻が「うぁお」と声を上、画面を見ると赤塚不二夫先生崩御のニュース。崩御とは王や天皇を敬ってその死をいう語だが、ギャグマンガの王様だもの、使ってもよいだろう。

学生の頃、学校に赤塚不二夫先生がやって来た。

先生は酔っぱらって、ほとんどまともな話をすることはなかったが、手塚治虫の話をするときだけ、「アル中の赤塚不二夫」ではなく、永遠の手塚ファンとして「ロストワールドを読んだときの衝撃は……」と、手塚治虫を語った。

印象的だったのが馬鹿話をし、みんながひとしきり笑ったタイミングを見計らって「戦争ってのは辛いんだよ」などと一言、小さな声で真剣なメッセージを付け加えた。

講演の中には緊張と緩和がうまく入り交じっていた。学生にとって、世界を見た人の言葉はどれも刺激的だった。

が、ビール片手の講演だった。そう、当時から赤塚先生はバリバリのアル中だった。

質疑応答の時、デリカシーのないやつが「今連載は何をやっているんですか?」と聞いた。おそらく、その時は何の連載もなかったはずだ。すごく悲しそうな顔をして、話をそらしたのを思い出す。悲しそうな顔は、ほんの一瞬だったけれど、アホの質問に痛く傷つけられた様子だった。

先生、脱いでください。

と、誰かが冗談で言ったら赤塚先生は服を脱ぎはじめた。

とにかく、サービス精神の塊なのだ。

先生はあっという間に素っ裸になった。

「やるときは徹底的にだ」

はじめはシェーなどのポーズを取ったり、それなりに平和だったのだけど、酒がまわってぐでんぐでんの酩酊状態になった先生は

「君、そこに立ちなさい」ときれいめの女子学生を前に立たせ

「今から、オナニーをします。最後まで見届けるように」

と、先生は自慰をはじめられた。

どん引きかと思い、周囲を見るとさすがに講師陣(責任問題になる)や女生徒は逃げてはいたが(立派なことに名指しの女生徒は立ち続けた。偉い)、数名の女子と男子生徒は残り、先生の自慰行為を見続けた。ギャラリーは10数名だった。

不思議とやらしいだとか汚らわしいとかは感じず、なんだかとても神聖な行為に見えた。後にも先にも人のマスターベーションを見たのは初めてだ。

数分間、先生は己のイマジネーションと格闘なさっていたが、「駄目だ!いけない」と目に涙を浮かべ残念がっていた。「……クヤシイ!」っと。

先生は本気だった。その真剣さにもらい泣きしそうになった。ちなみに先生はたいそう立派な一物の持ち主でした。


先生のマスターベーションはロックだったし、格好良かった。巨大な蒸気機関車に数年ぶりに石炭を入れ、ゆっくりと動き出すときのような感動を覚えた。





出典: 
リンク:http://gogomonkey.air-nifty.com/go/2008/08/post_f2ae.html

(・∀・): 92 | (・A・): 31

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