冬の思い出
2010/09/03 06:10 登録: えっちな名無しさん
ちょっと前まで付き合っていた彼女との、高校生の時の話。
彼女と俺は並んで歩く時、いつも互いの位置関係が決まっていた。俺が右を歩いて、彼女が左。んでもってそれぞれ鞄を掛けてない側の手を繋いで歩くのが、なんとはなしに二人の暗黙の了解みたいになっていた。
寒さの厳しい冬のある日、高校帰りに俺んちの近所にある公園でちょっと寄り道をした帰り、駅まで彼女を送る道中での出来事。
その日も高校生カップルらしく手を繋いで歩いていたんだが、体温がやたらと外気に左右されやすい俺の手は、それはそれは冷えきっていた。
元来寒がりだった俺はふと思いついて、自分のコートのポケットに、繋いだままの彼女の手ごと自分の手を突っ込んでみた。
寒がりな俺の行動を可笑しそうに笑ってる彼女に笑い返しながら(いやーあったけーなこれ、いーかもしれないw)なんて事を考えていると、ふとBUMPの「スノースマイル」って曲を思い出した。(ちなみに俺と彼女は当時どっちもBUMPのファンでした。ベタな高校生だよねw)
俺は思いつくままに歌い出しの部分を小声で歌った。
俺「♪冬が寒くってほんとに良かった〜 君の冷えた左手を〜・・・あ」
そして気付いた。歌と立ち位置逆だし。そもそも冷えてんのは俺の手だし。
急に歌を止めた俺を見て一瞬「?」という顔で見てきた彼女もすぐに俺の間違いに気付いたらしく、横でクスクスと笑っていた。俺もそれにつられたのとちょっと恥ずかしいのとで、同じようにクスクス笑っていた。
変なツボに入ったのか、しばらく何も言わずにクスクス笑いながら歩く彼女と俺。
すると突然、彼女が俺のポケットから繋いだままの手を引っこ抜き、そのまま「ズボッ」と自分のコートの右ポケットに手を突っ込んだ。
今度は俺が「ん?」と思って彼女の方を見ると、
彼女「・・・♪ボクの右ポケットに〜 お招きするための〜 この上ない程の理由になるから〜・・・」
と、得意げな顔をして、俺の後を引き継いで歌い出した。
ああなるほど、彼女から見れば歌詞の通りになるのか。と、得意げな顔して歌う彼女を可愛く思いつつ、そのまま二人で歌いながら彼女を駅に送り届けました。
その後別々の学校に進学し、付き合いだしてから三年程立った頃、色々とあってその彼女とは別れてしまいました。ですが、たまには連絡を取り合ってマンガの貸し借りをしたりする、良い友人として今もそこそこ付き合いがあります。
最近夜が涼しくなってきてなんとなーく思い出したので、書いてみました。
出典:自分の体験談から
リンク:読みにくい文章で申し訳なかったです。

(・∀・): 166 | (・A・): 46
TOP