自分の半生でも書いてみるスレその1。

2005/04/04 16:13 登録: れもんぅぉーた。

ある喫茶店にはいる。

普段と変わらない殺風景な景色。

適当な席に腰を下ろし、少しまぶたを落とす。

そっと耳を澄ますと聞こえてくる、主婦の雑談や学生達の笑い声。

ウエイトレスは暇そうに他の従業員と話している。

近くにいたウエイトレスに注文を頼んで一息溜息をついた。

さて、今日は何について話そうか・・・

今日のテーマは『涙の後に・・・』にしよう。

すこし長いけど聞いてもらってもいいかな?

口下手だけど聞いてもらってもいいかな?

・・・

・・





~貴女のことが大好きになった。

だけどこれは恋で終わる、予感。

貴女は私より好きではないのだから。

許せないけど、とても哀しいけど、

きみはきみの道歩いてここまで来たのだから、

仕方なかったのかもしれない。~



人の捕らえ方、考え方は随時更新されていくと思う。

それは、突如訪れる変化によって揺れ動く作用であり、

変化の無い環境に居れば、その思想は更新されていくことは無い。

これは生物全てに、いえることだろう。

恋愛否定組であった私もその一人でした。

よく昼のドラマで恋愛ドラマをよく見るのですが、

どのドラマも素敵だと感じます。

自分に欠けたモノがそこにはいつも溢れているから。



いつからこんな考え方をするようになったのだろう。

始まりはなんだったのだろう。

~様々な人達と出会ってから。~

~優しさと裏切りの回数をたくさん経験してきてから。~

~子供のころに酷い仕打ちにあってきてから~

全てが要因でありつつ、それでいて不確かなものでもある。



バイト先でその少女と出会った。

すこし和風の面影がある少女、普段どこにでもいる中学生だ。

その少女はある施設の仲間で、私もその少女もその施設で育った。

いわゆる『学童』というモノだ。

再会、という形であるのか、それとも偶然か。

懐かしいなと思い、軽く会釈をした。

もどろもどろしながらも、少女も挨拶してくれた。

『お酒の旅、お一人様ご案内〜』

「ほぇ・・・ お酒飲めないですよ!」

『飲むの俺、金払うの君、よろしく!』

「えぇ!?」

恥かしがりながら、その場から逃げていく少女。

今日もいい仕事をしたなと少し誇らしくなった。

旧友と出会う喜び、私もその施設で育ったんだと、思わず顔がにやけてしまう。

次の日もその少女は来てくれた。

その時間帯は忙しかったので、あまり話せなかったけれど、楽しかった。



また次の日も来てくれた。

どうやら少女の友達も居るようだ。

『今日は友達も一緒だねぇ』

「はい!Kちゃんです!」

『名前聞いてないけど先に言うなんてうぶだねぇ』

「ほぇ・・・」

売場長に見つかるまで、コソコソ隠れて話をしました。

「そろそろ買い物いこうか?Kちゃん」

「うん」

「では失礼しますね。」

といって、二人の少女はバイト先から去っていく。

私は笑顔で(にやけ顔で)手をふっていた。

「あんた、幸せそうな顔してるね。」

『ん・・・? 俺は不幸な人間があってるのか?』

「別に。」

それから、バイトを続けていると、先ほどのお友達さんがこちらにやってきた。

「あの・・・ 少しいいですか?」

『うん? うら若き乙女がこの下僕に用とは、土下座でもするか。』

「いや、いいです。」

回避されちゃった・・・ ちぇっ

「実は、、 あいつ貴方のことが好きなんですよ・・・」

ダルい・・・ そう感じた。

相手には失礼だと思ったけど、実際何も感じなかった。

少しの動揺の次に、不思議に何も感じなかった。

「で、もしよかったらアドレスここに書いてもらってもいいですか?」

人は付き合う間は幸せ、そしていつか別れる。

なら、初めから付き合わない方がどちらも幸せではないのだろうか。

断るか。

『俺も好きだって伝えといてください!アドレスはこれです。』

貴方何してるんですか!残念!!

馬鹿みたい。



~貴方のことが大好きになった。

だけど貴方は私より好きでないという矛盾。

許せないけど、とても哀しいけど、

私と貴方出会った奇跡信じたい。~

ひょんなことで、付き合い始めた私と彼女。

散々、恋愛否定組をしていた自分だったけど、恋してみようかなと思ってみた。

単なる気まぐれ。

だけど、彼女と結婚するつもりだった。

遊びで付き合うことは嫌いだったから。

気まぐれなのに、本気という矛盾。



初めてのデートはクリスマスイブだった。

私が誘った。

思ったよりバイトが長引いて、遅刻するはめに。

初めてなのに遅刻、最低。

彼女は公園で待っていた。

『ごめん、寒かった?』

「平気。」

どう転んでも寒いはず。

そこで缶ジュースを二つ買った。

『ほれ・・・』

「・・・ありがとう」

缶に触れたところが妙に温かい。

前日の雪ののこりが公園のところどころに塊として残っていた。

冷たい風が身体にあたる。

それからくだらない雑談をした。

『ごめんな。 気の利いたデートスポットにもつれていけなくてさ。』

「ううん。」

『ここで、雪ふったらむちゃくちゃロマンチックだよな・・・』

「うん・・・。」

ほぇ・・・

雪がふってきた。

本物の雪だ。

『祝福・・・されてるな』

「うん・・・。」

『ずっと・・・続けばいいのにね。』

「そだね。」

素直に思った。

本当に、永遠に続けばいいのに・・・って思った。

それは、ぬくもりを感じたいから?

それは、ひとときの幸せだと知っているから?

だけど、不思議。

今の自分、そんな理屈なんてどうでもよく思える。

それが大事だとも思った。

ただ、一緒にいたい。 それだけが理由でいいんだと、

そう感じた。



何回かデートをしたある日、

バイト先で彼女とメールをしていた。

こっそり倉庫で隠れてメールすることが私の日課になっていた。

『今日、会える?』

「・・・うん。」

『俺のこと好き・・・?』

「大好き。」

ほぇ・・・。

不思議、いつのまにか私は彼女に夢中になっていた。

失うと、どんなに辛いのかもう知ってるのに。

もう無理だってわかっているのに。

馬鹿みたい。

・・・馬鹿だからいいか。

止められない自分がいた。

『今度会った時にキスしてもいいかな。』

さりげなく、送ってみる。

「・・・うん。」

上機嫌で売場にもどる。

「あんた、いつも幸せそうな顔してるね。」

『ん・・・? 俺は不幸な人間があってるのか?』

「別に。」



デートスポットは神社。

カラオケとか映画とかよりも、実に経済的だ。

人通りも少ないし、かなりお気に入り。

二人で・・・語れるからかな。

彼女と二人きりになれるから好きなのかも。

気のすむまで雑談をした。

一つ思うけど、いろんな愛しかたがあると思う。

カラオケや、映画にいったりもいいし、神社で話すこともいいと思う。

私達はごみごみしたところはあまり好きではない。

だからといって、そういった施設を嫌がっているのでもない。

いろんなムードがある。

それだけだ。

夕暮れになる。

あたりは朱に染まった夕日が一点と。

『帰えろっか?』

「・・・うん。」

振り返る彼女が素敵で・・・

ふっと視線があって・・・

それで・・・

そっと唇にキスをした。

そっと目をつむる一つのカップル。

今日もどこかで、同じことをしているカップルがいるのだろうか。

そんなことどうでもいい。

俺は、、こいつが大好きだ。



それから、何回キスしたのだろう。

日は既に暮れていた。

私は彼女の手をそっと握った。

彼女も握り返してくれる。

恋をして、初めて、生きる意味を知る。

どこかで聞いたことのあるような言葉が、流れてきた。

私はそうは思わない。

今までその言葉を殺して生きてきたのだから。

けど、たった今その世界に入り込んだ私。

未知なる世界。

だけど、こんな世界でもいいかなとそんな錯覚に陥る。

馬鹿だな・・・。

ぎゅっと握る。

「・・・」

ぎゅっと握り返される。

『サンキュな』

「うん・・・。」



それから数日のことだ。

メールが急に送れなくなった。

急なことだから解らなかった。

メールアドレス変えて、そのまま送信するの忘れたのかな。

彼氏にそんなことがありえるのか。

それからもずっとメールを送っても帰ってくるのはエラーメール。

受験生だから、ケータイ取り上げられたんだよきっと。

そういい聞かせて、ひたすら待っていた。

気持ちは揺れ動かなかった。

私は、本当に好きだから。

大切な人信じれずに、何を信じろって?

私の考えを根本から壊してくれた人だから。

だから・・・。



何回転んだんだろう。

何回泣いたんだろう。

何回怖くなったのだろう。

何回他人を傷つけたのだろう。

何回も転んだ。

何回も泣いた。

何回も怖くなった。

何回も傷つけて、傷つけられた。

数ヶ月の間、私は彼女と連絡をとらなかった。

その間に、いろいろな物語があおったがそれはまた別の話。

この数ヶ月で私はかわってしまった。

いい意味でも、悪い意味でも。

それでも必死に生にしがみついた部分は素敵だと思った。

発狂もした。

おちこぼれだといわれた。

死ねといわれれば、生きろともいわれた。

全ての言葉一つに傷つき、病院にいった。

一番の敏感は母親だったのだろう。

精神病院と脳神経科につれてってくれた。

ネットの友達もいろいろアドバイスをしてくれた。

けどね・・・

もうだめなんだよ。

慰めか、優しさ、どっちもだめなんだよ。

電話する勇気も無くなった。

もとから電話で話すのは嫌いだったし、さらに嫌いになった。

今年の冬は、一人で過ごすのかな。

想いだすと涙がでてきそうになった。

でも、泣かなかった。

こんなところで泣くのは恥かしかったから。

神社にいってみる。

せみが鳴いている。

うるさい。うるさい。うるさい。



無気力な生活を送っていると電話がかかってきた。

「ちょっと!セクハラ!あんた何したのよ!」

『はぁ?』

間違い電話か、眠いな。

「〜知ってるのでしょ?」

『あ、あぁ・・・』

彼女の名前だ。

「ちょっと、〜にセクハラしたでしょ?あいつどれだけ困っているか」

『身に覚えが無い。ここ数ヶ月あってないんだぞ!』

「はぁ?わけわかんない!あんた女の子をえさにして酷いよ!!」

『・・・何?』

えさ?自分が?遊び相手で付き合ってたとでも?

『ここで話しても拉致があかないだろ。公園で話さないか?』

「・・・え?」

『電話だと聞こえずらいしお金もかかる、公園でじかに話そう。俺も聞きたいことあるし。』

「わかった。逃げたら承知しないよ」

『馬鹿いえ。じゃあまたあとでな』

誰?と母親が聞いてくる。

母親は相手の発言態度に腹をたててるようだった。

『ちょっと急用ができた。いってくる。』

・・・

・・



公園に行くと誰もいなかった。

ひたすら待ち続ける。

虫がたかってくる。

どうやって謝ろうか。

それだけだった。

『・・・久しぶり』

「・・・ぁ・・」

彼女は震えていた。

彼女の友達だろうか、代わりに側に居て大丈夫となだめている。

本来なら、私がしないといけないのに、してやれないのか・・・

『・・・・・・』

「・・・・・・」

話が続かない。

『長くなりそうだから、座りたかったら座ってくれ。』

「・・・・・・」

『彼女の友達さん、あんたから話してくれないか?どうしてこうなったかを』

怖かった。

彼女は震えていた。

怖かった。

ただ震えている。

怖すぎた。

優しい面影がなく、震えている。

私のせいか・・・ また怖くなった。

「あなた・・・本当にセクハラしたの?」

不思議そうに聞いてくる。

『キスはした、抱きしめあった。だが、お互いの了承があった』

「強制でしょ!セクハラじゃん!」

「ち・・・がぅ・・の・・・」

彼女が一瞬だけこちらを見て友達さんに言う。

私は今まで自分が被害者で乗り越えてきた。

なら、彼女は?

とっくに新しい彼氏を作って楽しんでいたと思っていた。

それでもいいと思っていた。

なのに、ここにいる少女は・・・

「ちがぅの・・・」

『・・・・』

こんな少女に私がしたんだ・・・

『俺のせいだ・・・ 俺が全て悪い』

「ほら!やっぱり!あんた謝りなさいよ!!最低な行為だよ!!」

私は被害者ぶって、あいつを思いやってなかった。

信じてやるといって、守ってやるっていって、

なのに・・・

「ちがぅの!」

「・・・」

「ほんとぅに・・・ちがぅの・・・ 学校と私のせぃなの・・・」

「・・・え?」

「ほんとぅに・・ちがぅから・・・・」

『・・・友達さん、二人で話がしたい。いいか?』

「・・・ぇ・・・・・・」

彼女がこちらを見る、そして友達を見る。

・・・ここに人を信じれなくなった人間が二人。

「ほら、大丈夫私も近くから見てるからね。」

それでも、あまり気の進みそうな発言はしない彼女。

数十分の説得の結果ようやく二人になれた。

といっても数メートル先で友達が見ているという条件つきで、

『最初に、ごめんな。』

「・・・・ぅん・・・。ぅちも・・・・ご・・めん・・」

『それと、どうしてメールが拒否されたか聞いてもいい?』

「ゎたし・・・男性・・恐怖症に・・・なった。」

『そうか。気がついてやれなくてごめんな。』

「・・・・ぅん」

ままならぬ会話、途切れ途切れの会話。

それでも、不思議に思ってたことをお互いに聞きあった。

『俺は今でもおまえが好きだった。』

「ひとつ・・・ぃってもぃぃ・・・?」

めったに聞かない彼女からの質問。

『あぁ・・・』

「・・・・・・れてくださぃ・・・」

一瞬何を言いたかったのか聞き取れなかった。

声が小さかったから。

だけど、その瞳は私を見ている。

可愛い、哀れ、そんな瞳だ。

なんとなくわかった。

あいつは、『別れてください』といったのだろう。

だから・・・

これ以上縛るのは嫌だから・・・

『ごめんな。今まで。ありがとうな。うん、わかった』

「・・・・・・ぁりがとぅ・・」



~貴女のことが大好きになった。

だけど貴女は私より好きでないという矛盾。

許せないけど、とても哀しいけど、

私と貴女出会った想い出ずっと忘れたくない。~

そうして一つの物語は幕を閉じる。

今は友達という関係で、少女の男性恐怖症を治そうと必死でいる。

将来の夢も決まった。

私は『精神保健福祉士』になりたい。

長かった恋は終焉を迎え、また新たな出会いを求めて旅人はさまよう。

私もその道の途中にいるのだろうか。

夜桜の下で酒を持ち私は思う。

"わたしは憎み、かつ愛す。

どうしてそんなことができるのか、

君はたぶん聞くつもりだろう。

わたしにもわからない。

ただそういう気持ちになるのを感じ、苦しむのだ。"

と。

今でも、うじうじしているのはみっともないと思う。

だけどもう少しだけ、余韻に浸らしてほしい。

夜桜の下で酒を飲むたび、想い出すのだから・・・



ふぅ・・今日はこのくらいでいいかな。

相変わらず聞こえてくる、話し声・・・

すでにレモンティーは冷めていた。

私はそれを一気に飲みほすと、カウンターの方に向かっていった。













































(・∀・): 34 | (・A・): 53

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