地方のスーパー

俺は地方のスーパーで働いてるんだ

心霊現象がよくある店で地下に精肉の加工場があるんだが
5時になると必ず作業をやめて売り場にでてくるんだ
何でも5時以降に切った肉は2時間足らずで黒く変色してくるそうだ

他にも女の霊を見ただとか自動ドアがかってに開くだとか
水道水の味が変わる日があるとか…

もう いたる所に盛り塩がしてあって いるだけで気が滅入る様な店だった

でも俺は霊が見えるわけでもないし　
少し皆が敏感になりすぎじゃないかと思っていたんだ

そんな俺にもついに怪現象に遭遇したんだ

アイスクリームが溶けていると　バイトから言われ
冷凍庫のファンが凍って動かなくなったんだと思い

氷を溶かそうとバイト3人を引き連れバケツにお湯を入れて向かったんだ
溶けたアイスを捨て　底の鉄板をどかした時　腰がぬけるほど驚いた。

ファンは凍って動かなかったのではなく
ものすごい量の髪の毛が絡まって止まっていたのだ。

バイトの1人は金切り声をあげ残りのバイト２人もしゃがみこんで動けなかった

他の社員も悲鳴に駆けつけてきたのだが皆　言葉を失っていた。

夕方でお客もそこそこ入っていたので人だかりができてしまったので
髪の毛をファンから取り除きにかかったのだが
絡まっててとても外れそうにない

仕方がないのでカッターナイフで切りながらバケツに入れて取り除いた

俺はここまでしかしていないが
店長がバケツにてんこ盛りの髪の毛をお客に見られないように雑巾で隠しそのまま神社にもっていった
焼いてもらったらしいのだが…

もう何年もたってあまりその話を皆はしなくなったが
いまだに　あの髪の毛の感触は手が覚えてる。

出典：ＶＩｐで百物語
リンク：http://vip100.otogirisou.com/pindex.html