知的障害者の小学生
2010/10/05 14:40 登録: えっちな名無しさん
その学校では週に一度、給食の時間にタッちゃんがやってくる。
養護学校のおばさん先生と一緒にやってくる。
タッちゃんは毎回、かならず暴れる。
小5の男の子が本気を出すと、既におばさん先生より強い。
私は転校生だった。初めてタッちゃんを見た時、怖くて怖くて、クラスのみんなのように黙って着席していることなんて出来なかった。
暴れているタッちゃんは、とても人間には見えなかった。一瞬でパニック状態に陥り、身体が逃げだしていた。
タッちゃんは逃げる私を追いかけ、背中を拳で殴った。衝撃で呼吸が止まった。恐怖で目の前が白くなったり黒くなったりした。
私を殴り終えたタッちゃんは、きちんと着席している他の子たちの背中も次々に拳で殴った。勢いをつけ体重をかけ全力で殴った。
殴られた女の子の半分くらいが泣いた。私も無意識のうちに泣いていた。男の子はみな黙って我慢していた。
給食の時間が終わるとタッちゃんは、おばさん先生と一緒に養護学校に帰って行った。
その学校では、それは仕方のないことだった。
その学校の小学五年生たちに漂っていたものは、諦めだった。
逃げたり、怖がって騒いだりするのは転校生である私だけで、他の子たちは週に一度殴られる環境に「適応」していた。
親が転勤族だったのでその小学校からは半年で転校したけれど、今でもあの恐怖感は深く私の心に残っている。
追いかけられて背中を殴られた痛みと恐怖も、おとなしく着席しては殴られているクラスメイトたちの諦めの表情も。
あの場では、タッちゃんこそが一番の強者だった。
タッちゃんは「かわいそうな子」なので、「かわいそうでない」私たち健常の子供や先生たちに対して、何をしても良かった。
健常者にタッちゃんを殴り返す権利は無い。それどころか避ける権利すら無い。なぜならそれは「差別」だから。
私は「社会的に認められた弱者は、強者になるんだ」ということをそこで学んだ。
高齢者。女性。在日。部落。うつ病。人格障害。アスペルガー。
「社会的に認められた弱者」がどんどん広がっている。
「弱者の特権」を欲しがる醜い人々。
タッちゃんが増えていく。
タッちゃんなんて、生まれてこなければよかったのに
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