タックル姫

2010/10/06 00:04 登録: えっちな名無しさん

オレは、カメラマンをしている。

ある小学校の卒業アルバムを担当している。
5年やっている。少人数のせいで、一人一人の名前を覚えることが出来る。

特別な女の子がいた。1年目の娘。名前はトモ。
リーダー格の女の子だけど、特別カワイイわけではない。
でも、全然悪くはなかった。明るい性格でみんなからも好かれてた。
オレとは何か遠い親戚だったみたいで、何かといろいろ付きまとってきた。
その時は、アルバムの仕事ははじめてだったので、そばにいたトモにいろいろ
聞いてたと思う。結構トモの存在で助かってたんだけど、今では思える。
ただ、他の子どもたちのこともあるので、トモだろうが不公平はしなかった。

だから、無愛想なオレに不満はあったと思う。
オレの姿を見ると、タックルしてくるようになった。
ジャンボ鶴田のジャンピングニーと越中のヒップアタックの中間の態勢でタックル
してくる。はじめは、弾き飛ばしてたんだけど、そんなトモを見て他の子どもたち
も冗談でやってくるようになった。「どけよ、クソチビ!」そうやって完全に迷惑
がっているオレを見て、笑ってるトモがいる。

トモは無事卒業。たまたま、彼女らの卒業写真を撮る仕事があったので、
その時には、トモから「オレさん、一年間ありがとうございました」て言われた。

今、普通に継続させてもらっているが、はじめの年にトモがいて良かったと思う。
それ以降、仕事でガキに関しては迷うことなかったから。
その後、トモが通う中学校に仕事で行く機会があっても、「オレさん!」て手をふる。
街中で偶然会っても手をふる。

「恥ずかしんで、街中は止めてくれ」
トモ以外の卒業生も手をふるようになったから。

月日は流れて、何年か経った。
オレ、いい年こいたオッサン。5年前から常連のお客様に支えられてしのいでいる。
タバコを買いに、いつものコンビニでちょっとだけ立ち読みしてたら、
いきなりタックル!オレ、あまりに不意をつかれたんで、ブッ飛んだ。

「何〜、」
目の前に、ミニスカートのメチャメチャカワイイ娘。
「覚えてる?」
「トモじゃん、忘れるわけないじゃん」

「だと、思った」

その後、チャライ彼氏みたいなのが登場して、この日は
これでお終い。

続きは、そのうち。

出典:実話
リンク:実話

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