カツオ「憲法9条は改正すべきだよ!」

2010/10/24 00:13 登録: 痛(。・_・。)風

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:23 ID:sPdybR6Y0

サザエはそれを聞き、一度真っ青になった顔がみるみる赤くなった。

サザエ「父さーん!父さーん!?」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:24 ID:sPdybR6Y0
ナミヘイ「けしからん!すぐにカツオをつれて来い!」

ワカメ「ねーねー、憲法を改正ってどういうこと?」

サザエ「あのねワカメ、日本が平和に暮らすために憲法9条があるの。それを改正するってことは、戦争をする国になるってことなのよ」

ワカメ「えー!ひどーい!」

サザエ「憲法を改正するだなんて、まるで軍国主義者よ!」

タラオ「ぐーんこーくしゅーぎしゃーですー」

・・・

ナミヘイ「もう一度聞く。なぜ憲法を改正したいと思ったんだ」

カツオ「日本は主体性がなさすぎるんだ。父さんだって知ってるじゃないか!」

ナミヘイ「何を言うか、日本は世界第2位の経済大国なんだぞ。カツオ、マンガの読みすぎだ」

カツオ「ゴー宣はただのマンガじゃないやい!」

ナミヘイ「ば、ばかもん!」




5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:25 ID:sPdybR6Y0
ナミヘイ「ゴー宣など読みおって!よいかカツオ、ワシらの世代はな、アジアの国々に”迷惑”をかけたことを反省し、
もう絶対に戦争をしないという事を誓って、今までがんばってきたんだ。そのために時として革命の戦士となり、
政府や公権力と戦ったもんじゃ。戦争も知らん子供の分際で、軽々しく改正などというでない!」

カツオ「父さんだって戦後うまれじゃないか」

ナミヘイ「…!! なんじゃと!さっさと出て行け!!」

部屋から出るカツオ

タラオ「あっ!カツオにいちゃん、せんそうはダメですよ!」

カツオ「9条改正はそんなことをするためじゃないよ」

タラオ「いーけないんだーいけないんだー!」

カツオ「ちょっとタラちゃん…!」

タラオ「カツオにいちゃんはぐんこくしゅーぎしゃですー!」

カツオ「!!(姉さん、そんなことまで…) タ、タラちゃん!!」





8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:26 ID:sPdybR6Y0
タラオ「うわーん。ぐんこくしゅぎしゃがおこったですー!!」ピキュルルン…

マスオ「どーしたんだいみんな慌てて」

フネ「ごめんなさいねぇ、折角の休日なのに…実は…」

マスオ「ええーっ!カツオくんそりゃマズいよお…」

カツオ「マスオ兄さんはどう思ってるのさ!今のままでいいと、本気で思ってるの!?」

マスオ「うっ…(まいったなぁ)」

マスオ「カツオくん…あとでちょっと部屋にきてくれないかな?」


☆マスオ部屋

マスオ「おお来たかいカツオくん」

カツオ「で、マスオ兄さんはどう思ってるのさ」

マスオ「うん、これは難しいことだね。正直、僕だって今の憲法が正しいとは思ってないよ」

カツオ「じゃあどうして改正がいけないのさ!」

マスオ「まぁまぁカツオ君…お父さんの世代は、団塊の世代といって、革命に憧れて左翼思想に影響をうけている人が多いんだよ…
だから、お父さんが護憲にまわるのは仕方が無いんだ」

カツオ「そんなの納得できないよ!」




10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:27 ID:sPdybR6Y0
マスオ「そうだねカツオ君…でもね、かならずしも憲法改正が必要という風には言えないよ」

カツオ「え、どうして?」

マスオ「いいかい?解釈改憲って考え方があるんだ。これはね、憲法を今のまま保って、その上で軍備を強化していく。
自衛のための戦争は本来は違憲なんだけど、憲法の解釈を変えて、違憲にしないという立場なんだ。自衛隊同様にね」

カツオ「そんなのご都合主義だよ!憲法をそんないい加減に扱うのはよくない!」

マスオ「それは正論だよカツオくん。でもね、世の中は正論が通るほどあまくないんだよ。だから、ここはひとつ妥協点をさがして…」

カツオ「そんな考えの人たちがいたから未だに戦後処理がおわらないんじゃないか!」

カツオはそういうと部屋を飛び出した。

マスオ「カツオくん…」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:08/10/13 01:28 ID:sPdybR6Y0
カツオ「どうしてわかってもらえないんだろう…」

カツオが公園でひとりでいると、ノリスケが通りかかった。

ノリスケ「お、カツオくん!カツオくんじゃないか!」

カツオ「ノリスケおじさん…」

ノリスケ「どうしたんだいカツオくん、元気がないぞ!」

カツオ「いいたくない」

ノリスケ「なんだーカツオくんらしくないなー。そうだ!今から先生に原稿をもらいに行くんだけど、カツオ君もこないかい?」

カツオ「イササカ先生の?(気分転換にいってみるとするか…)わかった。行く」




18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:30 ID:sPdybR6Y0
☆イササカ邸

ノリスケ「先生ーいい加減に出してくださいよー。こっちは休日返上なんですからー」

イササカ「わーかっとる!あと5分、あと5分で仕上げるから黙っててくれ!」

ノリスケ「お願いしますよー?」

・・・10分後

イササカ「ほら仕上げたぞ、もって行きたまえ」

ノリスケ「たしかに頂戴しました♪」

カツオ「ノリスケおじさんにせがまれるんじゃ、先生も大変だなぁ」

イササカ「わかってくれるかいカツオくん」

ノリスケ「そういえばカツオくん、どうして元気がなかったんだい?」

カツオ「え、いや、あの、その…」

イササカ「どれカツオくん、相談にのろうじゃないか」

カツオ「実は…」




21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:30 ID:sPdybR6Y0
イササカ「ほーそんなことが」

ノリスケ「カツオくんも言うようになったねえー」

カツオ「ボクは絶対に間違ってないと思うんです。」

イササカ「そうだねえ。しかしカツオくん、わたしも父や母から戦争の話をよーく聞いて育っている。その世代のひとから見れば、
戦争はとても恐ろしい事だと思うよ」

カツオ「ちょ、ちょっと待ってください!僕は別に戦争がしたいわけじゃ…」

イササカ「ようく考えてごらん?9条があった”おかげ”で、今まで平和に暮らせてきたんだよ?
戦後日本が戦争をしたり仕掛けられたりしたかい?わざわざ今になって、変える必要なんてないんだよカツオくん」

カツオ「…帰ってかんがえなおしてみます」

イササカ「それがいい」

ノリスケ「……。」




23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:31 ID:sPdybR6Y0
☆帰り道

カツオ「やっぱり僕が間違ってたのかなぁ…」

ノリスケ「いや」

カツオ「え?」

ノリスケ「カツオくんは間違ってなどいない!」

カツオ「ノ、ノリスケおじさん?」

ノリスケ「今の日本は堕落してる!外国にはなめられ、誇りを失っているよ!」

カツオ「はあ…」

ノリスケ「カツオくん!僕は君をみなおしたよ!」

カツオ「じゃ、じゃあやっぱり憲法は改正すべきなんだ」

ノリスケ「それだけじゃないぞ!非核三原則を撤廃し、核ミサイルの保有、さらには、原子力潜水艦や戦略空母の保有、
そして独自の燃料補給ルートを確保し、GPS衛星も打ち上げる!」

カツオ「な、なにもそこまでしなくても」

ノリスケ「甘いぞカツオくん。テロが活発になり、日本の周辺国もどんどん強大になっている。米国が弱体化していく以上、
日本独自の安保確立が必要なんだ!そして、日本国内の売国奴どもを駆逐し、追放せねばなるまい!」

カツオ「ついて行けないよ…」




28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:32 ID:sPdybR6Y0
カツオが帰宅すると、居間に皆が集まっていた。
家族会議である。

ナミヘイ「カツオ、そこに座りなさい」

カツオ「う、うん…」

タラオ「カツオにいちゃんはうけいかでーす」

サザエ「タ、タラちゃんは少しあっちに行ってましょうね。ワカメちょっとタラちゃんと遊んでてあげて!」

ワカメ「はーい」

カツオ「……。」

ナミヘイ「カツオ、憲法改正のための手続きは知っておるか?」

カツオ「こ、国民投票…」

ナミヘイ「左様。しかし憲法改正のための発議は、各議院の総議員の2/3の賛成が必要とされておる」

カツオ「で、でも、今の情勢なら改正案は通るんじゃ…」

ナミヘイ「そんな事を言いたいのではない。日本国憲法という物はだな、硬性憲法といって、そうそう簡単には変更できんのじゃ」

サザエ「そうよ!社民党の福島先生だってそうおっしゃってたわ!」




29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:34 ID:sPdybR6Y0
カツオ「でも60年以上も変わってない憲法なんだから…」

ナミヘイ「良いものだから変わらなかったとは考えんのか!」

カツオ「……。」

ナミヘイ「とにかく、今日はこれでお終いじゃ。カツオにしてはよく勉強しておるとは思うが、歴史ももっと学ばんといかん」

サザエ「そうよ!歴史を学べば、憲法を”改悪”しようだなんて、いえないのーよっ!」ピチッ(デコピンの音)

マスオ「じゃ、じゃあお父さん、将棋でもしませんか?」

ナミヘイ「うむ。久々にやるとするか」


フネ「カツオ、いらっしゃい」

カツオ「母さん…?」




32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:35 ID:sPdybR6Y0
フネ「みんなはああいうけどね、母さん、カツオの考え方だって決して間違ってはいないと思うわよ」

カツオ「え、でも父さんは…」

フネ「あたしだって、戦争はとっても怖いと思うわよ。でもねカツオ、改正を発議する国会議員だって、国民の投票なの。
みんなの意見をそれぞれ尊重しあわないといけないの。カツオも大きくなったら、選挙に参加して発言すればいいのよ」

カツオ「選挙…か…」

☆次の日

ナカジマ「よーうイソノー!」

カツオ「ようナカジマ」

ナカジマ「なんだー元気がないじゃないか」

カツオ「学校についたら話すよ…」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:36 ID:sPdybR6Y0
ナカジマ「へーそんなことがあったんだー」

カツオ「ほんと最悪だよ。晩御飯のときなんかタラちゃんが…」

〜回想〜 
テンテケテンテケ プゥントゥントウン

カツオ「最後のコロッケもーらいー!」

タラオ「あ、まって、ぼくはコロッケをもってないです!」

カツオ「え?」

サザエ「大人気ないわよカツオ、タラちゃんに譲ってあげなさい」

ナミヘイ「左様。タラちゃんは今までくれくれなどと一言もいわなかったじゃないか。なぁタラちゃん」

カツオ「ちぇっ」

タラオ「むぼうびのしょうりですー。むぼうびとしせんげんですー」

カツオ「……。」

〜〜

カツオ「なーんて言うんだもん」

ナカジマ「それはキツいなぁー」




41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:39 ID:sPdybR6Y0
ハナザワ「なーに話てんのよっ!ふたりともっ!」

カツオ「ハ、ハナザワさん!?」

・・・

カツオ「…というわけなんだ」

ナカジマ「まったくイソノはお調子ものだよなー」

ハナザワ「あらーすてきじゃなーい」

ナカジマ「うーん僕は興味ないなー」

ハナザワ「あたしはイソノくんがいいと思うんなら、トコトンつきわうわよ!」

カツオ「い、いいよ別に…」


☆帰り道

カツオ「いやーハナザワさんには参ったよ」

ナカジマ「ほんとほんと、学校のコピー機でビラを作ってくばろうだなんて、ハナザワさんらしいや!」




44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:40 ID:sPdybR6Y0
カツオ「笑い事じゃないよ…まさか本当に刷ってこないだろうなぁ…」

ナカジマ「わからないぞー」

カツオ「もうこの話はよそう…。これで選挙権を剥奪なんてされないよなぁ?」

ナカジマ「選挙?なんだイソノ、選挙なんかにも興味があるの?」

カツオ「う、うん。まぁね。民主主義ってやつさ」

ナカジマ「ふーん。選挙かー。ウチの親は毎回必ず行くよ。僕も大人になったらそうするつもりさ。」

カツオ「へーえらいなーナカジマん家は。」

ナカジマ「まぁね」

カツオ「あ、そうだ、この後野球しない?家にはいづらくてさ…」

ナカジマ「え、野球?あ、ごめーん。この後用事があるんだ」

カツオ「用事?お前に用事なんかあるのかよー」

ナカジマ「今度君も来ない?”座談会”っていうんだけど。」




50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:41 ID:sPdybR6Y0
カツオ「え?え?」

ナカジマ「カオリちゃんもいるぞー。そうだ、今度の選挙でさ、応援してる人がいるんだけど…。」

カツオ「うわああああああああ」

ナカジマ「おーいイソノー。…行っちゃった。変なイソノ」

・・・

カツオ「はぁ、はぁ…まさかカオリちゃんまで…ぐぅっ」

裏のおじいちゃん「なんじゃカツオくん、息を切らして」

カツオ「う、うううううっ」

裏のおじいちゃん「ほれほれ泣くでない。ほっほっほ、家へあがって行きなさい」


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:43 ID:sPdybR6Y0
裏のおじいちゃん「なるほどのう。それは大変じゃったのう」

カツオ「話したらすっきりしました。ありがとうございます」

裏のおじいちゃん「いやいや、なんのなんの」

カツオ「そういえばおじいちゃんは、戦争を体験されたんですよね?」

裏のおじいちゃん「そうじゃとも。この辺も空襲をうけてのお、家族みんなで避難したものじゃ」

カツオ「おじいちゃんは、憲法を改正しようだなんて聞いて、怒らないんですか?」

裏のおじいちゃん「ワシは確かに戦争を体験して、嫌な思いもたくさんした。じゃから、平和を望む憲法は本当にありがたかった。
しかし、ワシはもう年寄りじゃ。戦争ももう昔の事になってしまったのかもしれん」

裏のおじいちゃん「じゃからという訳でもないが、若い人がそう考えるのなら、そのほうが時代には合っているのかもしれんと、
思ったのじゃよ」

カツオ「でも、改正したらまた戦争が…」

裏のおじいちゃん「カツオくんがそんなことを望んで改正をしたいなどと、ワシはこれっぽっちも思っとらんよ。カツオくんは
誰よりもやさしい子じゃからのう」

カツオ「おじいちゃん…」



62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/10/13 01:44 ID:sPdybR6Y0
裏のおじいちゃん「もっと自分に自信をもつのじゃ。さ、そろそろお家が心配するぞ」

カツオ「うん。じゃぁ帰ります。今日は本当にお世話になりました」

裏のおじいちゃん「またの」

・・・

裏のおじいちゃん「カツオくんは帰ったか。…しかしのう。戦争は本当に辛い体験じゃった。やさしい子には、戦争は辛すぎる」

裏のおばあちゃん「ただいまあ」

裏のおじいちゃん「おう、おかえりばあさん」

裏のおばあちゃん「誰かきてたんですか?」

裏のおじいちゃん「ああ、ちょっとな。それよりも、今日も平和だのうばあさんや」

裏のおばあちゃん「そうですねえおじいさん」

 -END-


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