波平「時効まであと一週間か…」
2010/10/24 00:21 登録: 痛(。・_・。)風
1 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 22:50 ID:HnXRCF5mO
波平「あれからもうそんなに経つんだな…」
フネ「長かったですね…」
波平「いつ警察の手が私達に伸びるか心配ではあったが」
波平「あと一週間、あと一週間の辛抱だ…」
テレビ『未解決事件ファイル、続いては×年前に起きた少女誘拐事件について…』
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2 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 22:52 ID:HnXRCF5mO
波平「サザエには悪いとは思うが、やつはまだ私達のことを実の両親だと思っている」
フネ「血液型が一緒でよかったですね…」
波平「全ては若かった私達の過ちからきている」
波平「あれはサザエが我が家にくる前か」
フネ「お父さん、その話は…」
波平「真面目に生きてきて、かつ若く力を持て余した私達は」
波平「毎晩のように隣の伊佐坂先生夫婦と…ら…乱交を繰り返していた…」
フネ「嗚呼…」
3 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 22:54 ID:HnXRCF5mO
フネ「お父さん、その話はもうイヤですわ」
フネ「忘れたいんです…」
波平「自分の過去から目を背けてはならん」
波平「伊佐坂先生の首筋のほくろに口付けをするのが好きなお前だったではないか」
フネ「いやあああっ!」
波平「過去は変えられん、誰にもな…」
フネ「嗚呼…許して…許してください…」
波平「ワシだってそうだ。おカルさんの身体をまるで野獣のように貪った」
波平「四人で自慰を見せあったこともあったな」
フネ「ひいい…」
5 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 22:56 ID:HnXRCF5mO
波平「誰しも若さゆえの過ちがあるとはいえ、あの時の私達はどうかしていた…」
波平「そして…常々子供が欲しいと思いながらもなかなかできない私達は」
波平「日夜続けられたあの乱交のせいでフネの身体がボロボロになり、子供ができないのではと考えた」
波平「フネ…お前は一晩に15回絶頂を迎えないと満足できない身体だったからな」
フネ「…お父さんだって…おカルさんにお尻の穴をいじられるのが」
波平「子供ができないことに不安を抱き、ついに追い詰められた私達は…」
波平「やってはならんことに手を出してしまった」
フネ「人様の子を…拐う…」
6 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:00 ID:HnXRCF5mO
波平「あのときの私達はノイローゼにかかっていた」
波平「生めよ増やせよの時代…子供ができない夫婦に対する視線は冷たかったからな」
波平「公園で無邪気に遊んでいたサザエを、私達は誘拐した」
波平「サザエはそのショックにより記憶が閉ざされてしまい、私達を本当の両親だと信じ込んでしまった」
フネ「可哀想なサザエ…」
波平「最も衝撃的だったのはそれから数年後…フネがカツオを身籠ったことだ」
波平「フネはきちんと子供を作れる身体だったのだ」
7 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:03 ID:HnXRCF5mO
波平「その後には順調にワカメを身籠り…」
波平「サザエだけが血の繋がりがない子供になってしまった」
フネ「で、でも!」
フネ「私達は分け隔てなく愛情を注いできたつもりです…!」
波平「わかっておる。わかっておるよ…」
波平「これからもずっと、サザエは私達の子供だ」
波平「あと一週間…私達の罪は終わる」
フネ「うう、サザエ…」
ガラッ
タラヲ「その話、しかと聞いたです」
13 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:07 ID:HnXRCF5mO
波平「!?」
フネ「タ、タラちゃん!?」
タラヲ「そんなことがあったですか〜…さすがの僕も驚いたです」
波平「い、いつからそこに…?」
タラヲ「最初からずっといたですよ」
フネ「ち、違うのよタラちゃん…これは…」
バシッ
タラヲ「さわんなババア。実のおばあちゃんじゃないくせに」
18 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:10 ID:HnXRCF5mO
フネ「タ、タラちゃん!?」
タラヲ「ああ〜ショックですゥ〜おじいちゃんとおばあちゃんが本当のおじいちゃんとおばあちゃんじゃなかったなんてェ〜」
タラヲ「傷付いたですゥ〜トラウマですゥ〜」
波平「聞かれてしまったからには仕方ないが…タラちゃん、それは違うぞ」
波平「たとえ血の繋がりは無くとも、タラちゃんは私達の可愛い孫だ…」
タラヲ「綺麗事を言うなです!」
波平「!」
タラヲ「こんな話…みんなが知ったら悲しむですねェ〜」
フネ「タラちゃん…」
23 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:13 ID:HnXRCF5mO
波平「頼むタラちゃん、このことは内緒に…」
タラヲ「もちろんです。心配しないでください」
タラヲ「家族がバラバラになってしまうなんて僕だってイヤです」
タラヲ「今まで通り何もなかったように…みんなで暮らしていきたいですよ」
フネ「タラちゃん…」
タラヲ「でもふとしたはずみでポンと口に出すかもしれないです。子供は口が軽いですよ」
タラヲ「そうですねぇ…新しい三輪車でもあれば口が重くなるかもしれないですゥ」
27 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:16 ID:HnXRCF5mO
数日後
サザエ「あら、タラちゃん?」
タラヲ「なんですか?」
モグモグ
サザエ「そのお菓子はどうしたの?」
タラヲ「買ってきたですよ」
サザエ「お金はあったの?」
タラヲ「おじいちゃんからもらったですゥ」
サザエ「でもそのお菓子…一箱500円くらいのものでしょ?」
タラヲ「そうなんですかァ? お金のことはよくわからないですゥ〜」
モグモグ
サザエ「変ね…お父さんがタラちゃんに500円なんてお金持たせるとは思えないし…」
フネ「…」
31 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:19 ID:HnXRCF5mO
ピヨピヨ
サザエ「あら、その靴…」
タラヲ「おばあちゃんに買ってもらったですゥ」
サザエ「母さん、タラちゃんはこないだ靴を買い換えたばかりよ」
フネ「あ、あら…そうなのかい? わからなくてねぇ…」
サザエ「三輪車も新しくなってるし…」
タラヲ(おばあちゃん、今晩は焼肉が食べたいです)
フネ(で、でももうカレーの準備を…)
タラヲ(僕は、焼肉が、食べたい、で、す)
フネ(…わかったわ)
35 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:22 ID:HnXRCF5mO
波平「ふう…」
ノリスケ「お父さん、お疲れ様です!」
波平「なんだ、ノリスケか…」
ノリスケ「どうですか、一杯!」
波平「いや、遠慮しておくよ」
ノリスケ「あれ、もしかして禁酒ですか?」
波平「まさか…今月はちょっと厳しくてな」
波平(三輪車を買ったからな…)
ノリスケ「なんだ、お父さんの奢りで飲もうかと思ったのに〜」
波平「…はあ〜」
ノリスケ「…」
36 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:25 ID:HnXRCF5mO
ガラッ
波平「ただいま…」
サザエ「お母さん、どうしてなの!?」
フネ「仕方ないじゃないの!」
波平「な、なんだ!?」
カツオ「大変だよ、父さん! お母さんとお姉ちゃんがケンカを!」
波平(まさか…あのことがバレたのか!?)
サザエ「お父さん! 私がカレーの準備してたのに母さんが焼肉食べようって!」
フネ「た、食べたかったんだから仕方ないじゃないの…」
波平「…チラッ」
タラヲ「…」
波平「…いいんじゃないか…たまには焼肉も…」
40 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:28 ID:HnXRCF5mO
サザエ「お父さん!?」
波平「久しく贅沢もしてなかったじゃないか…たまにはいいだろう?」
サザエ「そんな…」
波平「風呂に入ってくる…」
カツオ「わあい、今日は焼肉だあ!」
タラヲ「おばあちゃん、お肉は買ってきたですか?」
フネ「…え、ええ」
タラヲ「…オーストラリア産、ですか。まあいいです」
42 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:30 ID:HnXRCF5mO
タラヲ「明日はお寿司をよろしくですゥ」
波平「ぐ…!」
フネ「あなた…」
波平「耐えるんだ、フネ…」
波平「タラちゃんだっていつかはわかってくれるさ」
波平「あの子だって被害者なんだ」
その夜
フネ「zZZ」
ゴソゴソ
フネ「ん…?」
45 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:33 ID:HnXRCF5mO
ゴソゴソ
フネ「タ、タラちゃん!? なにを…むぐぅ」
タラヲ「しっ! 静かにするです! おじいちゃんが起きるです!」
フネ「な、何を…」
タラヲ「僕は子供だからさみしがり屋ですよォ」
タラヲ「おばあちゃんって年齢の割には身体がたるんでなくて…暖かそうですねェ」
バリッ
フネ「きゃっ…!」
フネ「や、やめなさいタラちゃん! 私達はおばあちゃんと孫なのよ!?」
タラヲ「うるさいです! 伊佐坂先生には簡単に抱かれたくせに!」
タラヲ「メス犬は大人しく足を開くです…!」
フネ「あなた…助けて…嗚呼ッ…!」
48 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:36 ID:HnXRCF5mO
翌日
フネ「…」
タラヲ「おばあちゃん」
フネ「ひっ…!」
タラヲ「今晩もよろしくですよ…」
フネ「…」
フネ「私は…あの子をこれからも孫だと思って生きていけるのかしら…」
波平「どうした、フネ」
フネ「…なんでも」
波平「…もう明後日には時効か。もうすぐだな」
テレビ『ニュースです。神奈川県で祖母が実の孫を殺害するというショッキングな事件が…』
フネ「…」
51 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:39 ID:HnXRCF5mO
夜
タラヲ「はあはあ…うっ!」
フネ「…」
タラヲ「ふう…よかったですよ、おばあちゃん。妊娠の心配がないと中出しができて楽ですねェ」
波平「んん…」
波平「フネ…なにやって…」
タラヲ「!」
波平「タラちゃん? 何を…むぐぅ!」
タラヲ「静かにしないとあのことバラすですよ」
波平「むぐ…フネ、なぜ裸で…まさか!」
タラヲ「おじいちゃん、最近おばあちゃんを抱いてなかったんじゃないですか? 全然濡れないですよ」
波平「ぐ…ぐぐ…!」
波平「があああああ!!!」
タラヲ「!」
55 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:42 ID:HnXRCF5mO
ガシッ
タラヲ「な、何をずるでず…!?」
波平「貴様なぞ…貴様なぞ…!」
タラヲ「ぐああ…」
フネ「やめて、あなた! 相手は孫よ!?」
波平「どうせ血の繋がりはないんだ! そんなの孫じゃない!」
タラヲ「が…そ、それを…お母さんの前で言ってみるです…!」
波平「…!」
バッ
タラヲ「ゴホッ…ゴホッ…!」
波平「あ…あ…」
タラヲ「自分の孫に手をかけるなんて…それがあんたの正体です…!」
58 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:45 ID:HnXRCF5mO
波平「う、うわああああ!」
フネ「あなた、あなた…」
タラヲ「さっきのことは忘れてやるです。もう僕に逆らったらダメですよ」
タラヲ「僕が死んだら泣くのはあんたの娘です」
波平「わ、わしは…」
フネ「お父さん…私はお父さんの味方ですよ」
波平「フネ…フネ…!」
フネ「私が耐えればいいだけなんですから…」
タラヲ「全く…老人はキレやすいから怖いです」
59 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:48 ID:HnXRCF5mO
翌日
ワカメ「うわあああん!」
フネ「あら、どうしたのワカメ」
ワカメ「ひっく…学校で苛められたの」
ワカメ「男子がね、お前の首筋のほくろ変な形だなって」
フネ「…!」
波平「なんだ、最近の子供はほくろ程度で…」
波平「ん…首筋のほくろ?」
フネ「あ…」
波平「ワカメ、そのほくろ見せてみろ」
フネ「あなた、ダメ!」
61 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:51 ID:HnXRCF5mO
バッ
波平「こ、このほくろは…」
フネ「嗚呼…」
波平「…フネ、ちょっと来い」
フネ「あなた、違うのよ。これは」
波平「いいから来なさい!」
波平の部屋
波平「ワカメの首筋のほくろ…あれは伊佐坂先生の首筋のほくろと全く同じ形だ」
波平「どういう意味だ、フネ」
波平「まさか…あれからも伊佐坂先生と密通していたのか…!」
フネ「うう…うわあああああ!」
66 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:54 ID:HnXRCF5mO
波平「泣いていてもわからないだろう!」
フネ「ごめんなさい、あなた! ごめんなさい…!」
波平「子供ができないと苦しんだあの日から、伊佐坂先生のところと肉体関係は持たないと誓ったはずだ…!」
波平「ワカメの首筋のほくろは…お前が口付けをするのが好きだったあのほくろ…!」
フネ「出来心だったの…カツオが生まれて舞い上がっていたのよ…!」
フネ「伊佐坂先生に誘われて、最初はお茶だけだったのに…あのチョビヒゲをみると子宮が疼いて…」
波平「お前だけは私の味方だと思っていたのに…!」
波平「血の繋がりがあるのは…カツオだけになったのか…」
フネ「ごめんなさい…ごめんなさい…」
70 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/05 23:57 ID:HnXRCF5mO
ワカメ「どうしたの、お父さん」
波平「なんでもない…なんでもないんだ…」
ワカメ「お母さん、泣いてるわ?」
波平「お前が苛められたのが悔しくて泣いてるんだ」
ワカメ「お母さん…元気出して? 私、もっと強くなるから!」
フネ「ワカメ…ワカメや…」
波平(なんていい娘だ…血の繋がりはなくともこの娘は私達の娘だ!)
パチパチパチ
タラヲ「おーおー、泣ける親子愛ですゥ」
74 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/06 00:00 ID:ftkqvPjxO
波平「!」
フネ「タ、タラちゃん!」
波平「まさか、今の話…」
タラヲ「えーっと、ワカメお姉ちゃんの首筋のほくろはァ、伊佐坂先生の」
波平「タ、タラちゃん!!」
ワカメ「?」
タラヲ「冗談ですよォ。でもまたひとつ、秘密を知っちゃったですゥ」
タラヲ「愛情たっぷり注がれたワカメお姉ちゃんはきっと素晴らしい大人に育つですよォ〜」
タラヲ「ねェ?」
76 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/06 00:03 ID:ftkqvPjxO
時効九時間前
波平「やっと罪の呪縛から逃れられたというのに…次はタラちゃんの呪縛か…」
波平「私達は過ちから逃れられないのか…!」
フネ「これはきっと罰なのよ…」
波平「フネ…私達は一蓮托生だからな」
フネ(罰…どうせ罰を受けるなら)
フネ(この手は最後まで汚しきってみせるわ)
タラヲ「おばあちゃん、おやつまだですか?」
タラヲ「今日のおやつは空輸した北海道ルタオのドゥーブル・フロマージュの予定ですよ」
フネ「そうね…ちょっと待ってね…」
79 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/06 00:06 ID:ftkqvPjxO
フネ「はい、これよ」
タラヲ「わあい、いただきますです」
タラヲ「あ、あとで遊びにいくから二万くださいですよ」
ムシャムシャ
フネ「…」
タラヲ「ふむふむ、なかなか濃厚な味わ…い…」
タラヲ「…ぐっ!?」
タラヲ「があっ…オエエエエ!」
波平「タ、タラちゃん!?」
フネ「…」
84 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/06 00:09 ID:ftkqvPjxO
タラヲ「あああっ…があっ…!」
タラヲ「バ、ババア…! 何を仕込みやがったですか…!?」
フネ「ただの殺鼠剤よ…」
波平「フネ!?」
フネ「幸せを食い荒らすネズミを仕留めるには…こうする以外ないじゃないの…!」
タラヲ「ぐ…水…!」
ゴクゴク
タラヲ「オエエエエ…ゲロゲロゲロ!」
タラヲ「ふう…なんとか胃の中の物を吐き出せたです…」
タラヲ「僕をついに怒らせたですね…もう許さないです…!」
ダッ
90 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/06 00:12 ID:ftkqvPjxO
フネ「あっ!」
波平「タラちゃん、どこに…!?」
タラヲ「お母さん! お母さん! 聞いてほしい話があるです!」
波平「しまった…!」
サザエ「あら、どうしたのタラちゃん?」
タラヲ「お母さん、よく聞くです…」
タラヲ「お母さんはおじいちゃんおばあちゃんの…本当の子供じゃないですよ!」
フネ&波平「!!」
95 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/06 00:15 ID:ftkqvPjxO
サザエ「何を言ってるのタラちゃん?」
タラヲ「信用できないというならこれを聞いてみるです!」
ポイッ
サザエ「これは…?」
タラヲ「レコーダーです…おじいちゃんとおばあちゃんの会話が録音されているですよ!」
波平「しまった…!」
タラヲ「ついでを言うならワカメお姉ちゃんもおじいちゃんの実の娘じゃないです!」
タラヲ「この家族は嘘っぱち、作り物、紛い物の偽家族ですよ!」
サザエ「…」
サザエ「…知ってたわ、そのことは」
100 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/06 00:18 ID:ftkqvPjxO
タラヲ「えっ…?」
フネ&波平「!?」
サザエ「マスオさんと結婚するときにね…戸籍を調べたの」
サザエ「私、養子扱いになってた…」
波平「そ、そんな…」
タラヲ「知ってて何故…お母さんは本当の家族じゃないんですよ!?」
サザエ「たくさんの愛情を受けながら育ててもらったんだもの血の繋がりなんて関係ないわ」
サザエ「それに…そんなことを言ったら、タラちゃんだって偽物になるわよ」
タラヲ「えっ…」
サザエ「落ち着いて聞いてね、タラちゃん…あなたは私とマスオさんが拐ってきた子なのよ」
110 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/06 00:21 ID:ftkqvPjxO
タラヲ「…!?」
波平「え…あ…?」
フネ「そん…な…」
サザエ「私達、新婚時はお父さん達と別々に暮らしていたでしょ?」
サザエ「そのときわかったんだけど…マスオさんは無精子症なんですって」
サザエ「初孫を楽しみにしてたお父さん達の期待を裏切りたくないし、私達自身子供が欲しかったから…」
波平「…私達は自分達がああいう状況だったから、お前らに過剰な期待をしたのかもしれない」
波平「それが…お前らを苦しめることになるとは…!」
タラヲ「そんな…そんな…」
タラヲ「僕も偽物…僕も偽物…!」
タラヲ「僕も僕もぼくぼくぼぼぼ…う、うわあああああああ!!!!!」
117 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/06 00:24 ID:ftkqvPjxO
サザエ「タラちゃん…」
バシッ
タラヲ「さっ、触るな!」
タラヲ「本当の母親じゃないくせに! 偽物のくせに!」
タラヲ「みんなみんな作り物だ! あれも、これも、この家族はみんな紛い物だ!」
タラヲ「家族じゃないんだ! 家族の形をしただけの他人なんだ! あはははははは!!」
サザエ「ううん、そんなことはないわ…」
サザエ「私もマスオさんもタラちゃんを実の子供と同等かそれ以上に…もちろんお父さんお母さんも愛しているわ」
タラヲ「き、綺麗事を言うなです!」
サザエ「たしかに綺麗事かもしれない」
サザエ「でも気持ちに嘘はないわ…この家族はたしかに、愛しあってる家族よ」
タラヲ「あ…あ…あんたは…残酷だ…!」
タラヲ「僕に…この偽物だらけの家族の中で…家族で居続けろというんですか…」
121 :んん… ◆Miwikigs4M [age]:08/10/06 00:27 ID:ftkqvPjxO
サザエ「当たり前じゃないの…ね、お父さん。お母さん」
波平「あ、ああ…」
フネ「…」
タラヲ「あ…あ…」
タラヲ「お母さん…お母さん…!」
サザエ(私達にはこれからたくさんの艱難辛苦が待ち受ける)
サザエ(それでもあの子は息子であり続けてくれるだろうか…)
サザエ「こ…」
サザエ「この番組は…」
サザエ「東芝の提供でお送りいたしました」
タラヲ「またねー」
完
出典:
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(・∀・): 152 | (・A・): 124
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