聖女とのふれあい

2010/11/05 10:10 登録: えっちな名無しさん

数年ぶりに訪れた屋敷は、当時の面影を残していた。
この屋敷の主人は、親と死別し行くあての無かった幼い私を受け入れてくれた。
屋敷の娘が、私を見て哀れんでくれたのだ。
私は今、当時を思い出し、再びこの地を訪ねてきた。
すると庭先で、一人の女性と遭遇した。どこか見覚えのある姿だった。
間違いない。あの時の彼女だ。私は懐かしさに心が踊ったが、あの時とは違うことが一つあった。彼女の手の中に、銃が握りしめられていた。
彼女は私に銃口を向けた。何があったというのか。私は訳が分からず戸惑うばかりだった。
すると彼女は、すぐに銃を私からそらし、空に向け2、3発撃ち放った。そしてこう言った。
「おかえりなさい」

その後私は、その屋敷の中で色々とご馳走になり、辺りをうろついていたが、緊張が解けたせいか、うとうとと眠ってしまった。
どのくらいの時が経ったのだろう。気が付くと私は網で捕らえられ、身動きが取れなくなっていた。
周りでは、見知らぬ男達が私を睨みながら何やら騒いでいる。
ああ、そうか。
私は彼女の忠告通り、あの時森へ帰るべきだったのか。
そう思った時、私に向けられていた猟銃が火を吹いた。


出典:聖女とのふれあい
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