母との入浴
2010/11/09 15:06 登録: えっちな名無しさん
病院の婦長をして、病気知らずだった母が癌告知をされた。本当に風邪のひとつも引かず、朝の5時から夜の7時まで毎日働き夜勤もバリバリこなす母親で、本人もそれを自慢していた。
長く勤めていた病院の院長に裏切られ、失意の中それでも母は何とか近所で雇ってくれる病院を見つけてぺーぺーから仕事を始めたその矢先。子宮筋腫だと診断。
しかし、勤めたばかりだと母は手術を先送りにしていた。
少し放っていたらあまりの痛みに救急車で運ばれた。癌だった。誤診だった。
それでも母は気丈に大丈夫!!を繰り返していた。
そして、術後にの医師からの説明。ステージの話になって、母は青ざめていた。
癌センターでも働いていたから自分の状態や先がわかるだけに、残酷過ぎた告知だった。
母は「治療は受けたくない。」と言い張っていたが、何とか説得して受けてもらった。
辛い治療の中、それでも母は強く生きて泣かなかった。弱音も吐かなかった。
カリメロ〜と笑いながら、治療時につけるヘルメットを被っていた。
そんなある日、帰宅した母と久しぶりにお風呂に入った。
母の背中を流し、髪を洗おうとすると、髪がズルリと抜け落ちた。
後頭部の髪を見た瞬間、今まで泣かなかった母親が号泣した。
「辛いのも耐えれた。死にも向き合ってきた、でも、髪が…怖いよ。」
母親のそんな弱い姿を目にするのは初めてだった。泣きじゃくって背中を丸めていた。
小さくなった母親の背中に、私は「また綺麗になるよ」としか言えなかった。
癌だということをはっきり認識したのかもしれない。
身を粉にして働きながら、自分の服ひとつ買わなかった母。
休日も父より私達より早起きして、家事を完璧にこなしていた母。
部下から尊敬され、辞めた人たちからもたくさん手紙が来る母。
母はずっと強くてずっと居てくれるものだと思っていた。
そんな中、闘病中に兄が自殺未遂を起こした。兄は心が少し弱かった。
でもまさか、こんな時期にそんなことをしでかすとは思わなかった。癌が兄の心も蝕んだ。
母から泣きながら電話があり、急いで戻ると警察が居た。簡単に現場に言った後、病院に行った。
たくさんの人がいる待合室で、二日間は危ないから待機しておくようにと言われた。
母は辛い体なのに、そこを離れなかった。何も言葉を発しなかった。
結果兄は助かって、病院をたらいまわしにされ(それも母が見つけた)今は施設に入っている。
それでも母は誰にも愚痴も弱音もはかず、兄に送金しつつ社会復帰に頭を悩ませています。
神様がいるなら聞きたい。
どうして母ばかりがこんな思いをしなければならないのですか?
どうして母を静かにさせてくれないのですか?
私はずっと学校での行事などにも全て参加できなかった母を恨んでもいた。
お金ばかりせびって「金払えば子供は育つかと思ってんのか!!」と稼ぐ事の大変さも思わず言っていた。
自分が結婚して働いている今、母親の偉大さが理解できた。
お母さん、あなたは私にとって世界一の母親です。
まだまだ学びたいことがたくさんあるから、もっと生きてください。お願いします。
あなたの子供で良かった、また私を産んでください。
短い髪を綺麗に整えた母は、しびれの副作用と戦って今日も生きています。
そして今まで口もあまりきかず、軽蔑していたお父さん。
背中に色んなものを背負いながら無口に真面目に仕事をするあなたも、私の誇りです。
まとまっていなくてすみませんでした。
ここに書くことで、自分へ喝を入れなおしたいと思います。
出典:2ch
リンク:2ch

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