国道
2010/11/14 08:55 登録: えっちな名無しさん
スピード違反を取り締まっていた巡査は、やたら速度の遅い車を発見し、
かえって危険なため停止させた。中には八十歳くらいの女性が五人くらい乗って
いたが、運転していた老婆以外は皆、目を見開き真っ青な顔色をしていた。
運転席の老婆は、不思議そうに尋ねた。
「お巡りさん、私はいつも標識どおりの速度で走っていますよ。今だって
標識どおりの21キロで走ってたんですから」
巡査は事情を理解し、微笑みながら言った。
「お婆さん、あの標識の21というのは国道21号線という意味ですよ」
その言葉を聞き、老婆は恥ずかしそうに答えた。
「あれま、そうでしたか。それは失礼しました」
巡査は老婆に運転に気をつけるように言ってから、一つ、気になっていることを口にした。
「なぜ他の四人の方々はさっきから一言も喋らないのですか?何だか全員
放心状態のように見えますが・・・」
すると、運転席の老婆が答えた。
「さっきまで、みんなで楽しくお喋りしてたんですけどね。国道285線に入るまでは」
出典:婆さんは
リンク:「国道」を知ってた
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