チビでデブでネクラな彼女に・・・
2010/11/17 18:12 登録: えっちな名無しさん
「……あら、真菜美?真菜美じゃない!」
そう呼び掛けられて振り返り、私は思わず目を疑った。
久々に会った高校の同級生の祐子は、なんと男と一緒だったのだ。
これが驚かずにいられるだろうか。なんたってあの祐子である。
チビでデブでネクラだった彼女。ビン底のようなメガネに油でギトギトの髪――いやでも思い出されるセーラー服姿の祐子の記憶をなんとか追い払い、私は目の前の光景に意識を戻す。
それはにわかには信じがたいものだった。
ふんわりとパーマがかった明るい色の髪。モデルのような抜群のスタイル。先ほど颯爽と外したサングラスを今は胸元に引っかけ、着ている服はおそらく上から下までブランド物。
祐子の顔は誇らしげで輝いているようにさえ見えた。
私はなんとか動揺を押さえた声で言う。
「ほんと、久しぶりね!えーと、隣の彼は……?」
「ああ、カレ?カレはカレよ。見てわからない?コ・イ・ビ・ト!」
彼女にぐいと腕を引かれながらではあるが、彼はこちらに会釈をした。私の好みではないが、近くで見るとやはりかなりハンサムな顔立ちをしていた。
会釈を返しながら私は考える。どんな話題を振るべきだろうか。聞きたいことは山ほどあったが、ストレートに聞くのもやはり気が引ける。
そんな風に逡巡していた私だったが、しかしお二人さんは急いでいるらしかった。映画の上映時間が迫っているのだとか。結局私はまた電話するとか言って、何も聞けずに彼女らを見送ることになったのだ。
何はともあれ幸せそうで何より、か。
私は祐子の昔と全く変わらない後ろ姿を見やりつつ、あの彼は俳優か何かなんじゃないかしら、とぼんやり思った。
出典:2ch
リンク:2ch
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