優良さんと山田くん?
2010/12/29 21:45 登録: えっちな名無しさん
その後ろ姿を見た時、優良は声をかけようか少し逡巡した。
だが、ちょっと会いづらいという躊躇より優良の中の良識が勝った。
「久しぶりね、山田君」
それは、妹の元カレ、山田の姿だった。
「あ、お久しぶりです。おねーさん」
柔和に答える顔を見て、何故梨香は彼と別れたんだろうと優良は疑問を抱く。
「いや、もうおねーさんって言うのはマズイかな?」
聞いた話だと女性関係が杜撰だとか、だが梨香も言えた義理ではないハズだ。
照れくさそうに話す山田の横顔は好感触こそもてども、別れるような暗い要素は見えなかった。
「いいわよ、おねーさんって呼ばれると私もまだまだ若いって思えるし」
「何を言ってるんですか。おねーさんはまだまだ若いですって」
「またー、最近はそうも言ってられないのよ?」
まあ、結婚と恋愛は違うよね。
山田と軽快に会話を交わしながら優良は心の中で呟く。
だが、男に慣れてないところのある自分でも話しやすい山田を、決して優良は嫌ってはいなかった。
「ところで、今はどうしてるの?」
少し場も温まってきたところで、聞きにくいが一番聞いてみたかったことを優良は尋ねた。
「あ〜、おねーさんはご存知と思いますが」
山田は苦笑を浮かべながら続ける。
「俺、梨香にフラれちゃって」
「そうね・・・」
何と言えばいい分からず微妙な顔をする優良。
「けど」
だが、山田はそんな優良を励ますように声を高める。
「それで俺も目が覚めたんです。生活態度を見直そうと思って」
「えらい!」
安心からか本心からか素直に賞賛の言葉が優良の口から飛び出した。
そんな優良の態度に恥ずかしそうに、だが嬉しそうに目を細めて山田はポツポツと語りだす。
「まあ正直俺のそれまでの生活は褒められたもんじゃなったですから」
「だから手始めに家を出て一人住まいをしながら就職活動に励むことにしました」
(あと、女性関係も整理してるんだけど、これはおねーさんには言わない方がいいか)
山田の態度に気を良くしたのか優良は笑顔で相槌を打っていたが
「それってやっぱり梨香のため?」
かなり核心をついてくる優良の問いに、思わず誤魔化そうかと思った山田だが、
「そうですね。ええ、アイツが俺を振り向くかは分かりませんが、少なくともアイツが付き合った男の中ではいい男でいたいといいますか」
「ハハ・・・・・未練タラタラで情けないっすね」
照れ隠しに笑う山田だが、優良は山田の手を握ると、
「そんなことない! 立派だと思うよ!」
山田の目を見つめて叫ぶ。
あっけにとられた山田だが、伝わる手の温かさと、何より優良の純粋な瞳を魅入られるように見つめていた。
「おねーさんってやっぱ綺麗だな」
思わず心の中の言葉が口から洩れる。知らず知らずのうちに山田も手を握り返していた。
その言葉に思わず自分の状況を思い出したのか、優良が慌てたように離れる。
「も、もう! ヘンなこと行って最後は減点!」
だが、その照れた顔すら山田には魅力的に思えた。
フラフラと近づこうとして、正気に帰る。
(オイオイ、俺は何をしようとしてたんだ? 梨香の姉さんだぞ、人妻だぞ)
自身の邪念を振り切るように頭を軽く振って、意地の悪い笑顔を浮かべる。
「や、しまった。つい本音がでちゃった」
「もう、そんなに口が軽いと信用されなくなるよ」
さっきの状況をウヤムヤにしようとおどけたが、優良が乗ってくれて山田はホッとする。
このままだと変な空気になりかねないと察した山田は話を切り上げることにした。
「じゃあ、俺は用がありますので」
本当は無い、が話を打ち切る理由としては妥当なところだろう。
「そう、じゃあ一人暮しなんだから体に気を付けてね」
優良も微笑んで送り出してくれる。
イカンイカン、さっきは変な空気を作ってしまった。山田は心の中で反省する。
やはり、最近女を断ってるからだろうか。
そういえば、おねーさんの言うように最近食事もバランス悪いよなぁ。
今朝もロクに食ってないし、あまり睡眠時間も・・・・・・・。
そこまで考えた時、山田は急に体が重くなるのを感じた。
あれ? と思う間もなく、体が地面に近づく。
視界が狭まりながら閉じてゆく中で、山田は誰かの叫びを聞いた気がした。
「ハッ!」
山田が目を覚ました時、そこは知らぬ部屋だった。
ダブルベッドの上に寝かされていたようで、軽く体にタオルケットが被せられている。
着物は、さっきと違いパジャマになっている。
「これって」
見覚えのある柄に、山田の記憶が刺激される。
部屋も改めて見回して見れば見知らぬわけではない。
「ここってもしかして・・・・」
こぼれた呟きに呼応するように、パタパタとスリッパの音がして優良がひょいと顔を見せた。
「あ〜、やっと目が覚めた」
先程とは違い、エプロン姿の優良に少し胸のざわめきを感じながら山田は問いかける。
「俺? どうしたんですか?」
「覚えてないの?」
そんな答えが返ってくるとは思わなかったのか、優良の方が不思議そうな顔をして聞き返す。
「ええ、さっぱり」
「え〜と、倒れたところは?」
「微かに覚えてます」
「あの後、助け起こして救急車呼ぼうとしたんだけど、山田君が止めるから呼ばなかったの」
「あ〜、保険料払ってなかったからかな」
「でも、放っておけなくて、なんで倒れたのか聞いたら『ハラが・・・へった』って死にそうな声で返すもんだから何とか肩を貸してここまで運んだの」
「ココ、おねーさんたちの家っすよね?」
「そう。そして、ご飯出来るまで休んでなさいって言ったら。そのままコトンと」
「うわー、全然覚えてないや。でもこのパジャマは?」
「渡したらいつの間にか着てました。真さんのだけど丁度あってるみたいね」
「う〜、何から何まですいません」
「いいわよ。でも、何で倒れたりしたの?」
「あ〜、その、最近独り暮らしで食事とか生活が乱れてたのかも」
「もう、独り立ちするのは偉いと思うけど、それで倒れちゃ意味ないでしょ」
「返す言葉もないっす」
「私を心配させたお詫びとして今晩は夕食食べて行きなさい」
「ハイ、おっしゃる通りに・・・ってええ、そりゃ悪いっすよ!」
「反論は認めません。こうでもしないと私が心配なんだから」
「でも・・・・いえ、すいません、お世話になります」
「コラ、こういう時はすいませんじゃないでしょ?」
「・・・そうですね。ありがとうございます、おねーさん」
「よろしい!」
(やっぱ、おねーさんは綺麗だなぁ)
満面の笑顔で返す優良に、山田は見とれていた。
「じゃあ、ちょっと寝汗かいてるからシャワーでもどう?」
と山田に勧めて、優良は寝室を後にする。
さっき言ったことは本当だが、一つ山田には隠していることがあった。
それは着替えの時。
途中で力尽きたのか、山田は上半身だけで下半身はパジャマを履いていなかった。
山田の様子を見に来た優良が履かせたのだが、その時、寝ぼけた山田が抱きついてきた。
「ちょっと、山田君。起きなさい!」
優良は慌てて引きはがそうとしたが、
「りか、りかぁ・・・」
山田が寂しそうに呟くのを聞いて、胸の奥が切なくなり、思わず抱き返していた。
赤子のようにしがみつき、梨香の名を呼ぶ山田は優良の母性本能をくすぐる。
だが、一方で抱きしめられた時の体臭や腕の強さは紛れもなく大人、しかも優良の知らない男ということが、優良の胸をざわめかせる。
(これは子供をあやしているようなものなんだから)
優良は心の中で言い訳しながら、山田の背中を愛しそうに撫でつける。
すると、山田は優良を抱きしめる腕に更に力を込める。
「あっ!」
体が密着して、優良の足が山田の股間に触れた。
(あ、熱い・・・・・・)
その存在感と熱さに一瞬で心を奪われそうになる。
まるで、足に全神経が集まったように敏感になる。
トランクス一枚を隔てたそこに、確かな男のモノが感じられた。
(すごくかたい・・・もしかして真さんより)
思わずそんな考えが浮かんだ自分を戒めるように、首を振ると優良は山田にできるだけ優しげに囁きかけた。
「ねえ、山田君、起きて。私は梨香じゃないから」
「ん〜」
「あんっ!」
いやいやをするように首を振る山田の顔に、丁度乳房を撫でる回される形になり優良は跳ねる。
(や、やだ、乳首たってる?)
ブラの擦れる感触で自分の乳首がどうなってるかを感じ取り優良は愕然とする。
(そ、そんな、真さんじゃないのに)
思わず呆けた優良の隙をついたように、山田は優良と共にベッドに倒れ込む。
「きゃ!」
悲鳴を上げながら優良も倒れ込む。
思わず身を固くした優良だが、それ以上は山田は何もしてこなかった。
「へ?」
というか、すかーすかーと軽い寝息を立てながら熟睡していた。
いつの間にか、拘束していた腕の力も抜けている。
何とかベッドから這いだしながら、ベッドの山田を振り向く。
「寝ぼけてたのよね?」
だが、優良の問いに応えるはずもなく、山田は安らかな寝顔のままだった。
その暢気な顔に思わず鼻をつまんでやりたくなったが、何とか思い直して寝室を後にする。
(寝ぼけてたんだから、特に意味は無いんだから。事故なんだから)
何度も自分を納得させるように心で呟く。
だが、よみがえってくるのは、山田の腕のたくましさと股間の熱さ。
そして否定しようとしても浮かび上がってくる自身への問いかけ。
(あの時、山田君が寝ぼけてなかったらどうなってたんだろう)
「や、やだ。また思いだしてる」
気付けば再びさっきのことを思い出して、料理の手が止まっていたことに気付く。
「もう、あれは事故よ事故」
確かめるように口に出して呟く。
「そんなことより、山田君に精のつくもの作ってあげなくちゃ」
「精の付くって・・・・・精よね。もうだめダメ!」
「今日の私はおかしい。それより今は料理料理」
気を取り直すようにスーパーで買った袋を持ち上げたその時、袋の影で何かが動いた。
「キャー!!」
山田が優良の悲鳴を聞いたのはシャワーを浴びている時だった。
そのただならぬ叫びに体も拭かずに、タオルを腰に巻いただけの姿で駆け付けた。
「どうしたんです!?・・・っとと!?」
扉を開いた山田の胸に優良が飛び込んできた。
「ゴ、ゴキ!・・・いやぁ!」
叫びながらぎゅうぎゅうと抱きついてくる。
「ちょ! 待った、落ち着いておねーさん!」
素っ裸の胸に優良の柔らかなものが押し付けられて、驚きとは別の意味で心臓の鼓動が早くなる。
惜しい気持ちもあったが、何とか優良を引きはがして辺りを見ると、予想通りゴキブリの姿があった。
手元にあった新聞紙を丸めて一閃。ティッシュでくるんで処理した後、未だ座り込んでいる優良に笑顔を向けた。
「もう大丈夫ですよ、おねーさん」
「ほ、ホント?」
涙目で見上げてくる優良の姿に思わず引き込まれそうになりながらも、何とか山田は威厳を見せて行った。
「まあ、俺にかかればこれくらい大したことじゃないですよ」
「う〜、ありがとう山田君。私はどーしてもアレは苦手で」
「まあ、しょうがないですね。男だって苦手なヤツいますし」
「恥ずかしいところ見せちゃった」
「可愛かったですよ?」
「も、もうそんなこと言って・・・でもアリガト」
本当に可愛かった。山田は心の中で繰り返す。
それに、抱きつかれた時の胸の大きさと柔らかさは・・・。
などと不埒なことを考えた罰か、ムクリと隆起したペニスに押されるようにかろうじて止めていた腰のタオルがハラリと落ちた。
丁度、座り込んだ優良の目の前に山田のたくましく勃起したモノが晒されることとなり・・・
「キャー!!」
「す、すいません!」
山田は股間を隠しながら浴室へ逃げ帰った。
取り残された優良は未だに激しく脈打つ鼓動に胸を押さえていた。
(さっき助けてくれた山田君はちょっと格好良かったかも。それに)
(いま、一瞬見えた山田君のアレ・・・)
(すごく、大きかった。ビクンビクンって脈打ってた)
(もしかして私を見て? まさか?・・・でも)
激しい心臓の鼓動に押されるように、口から悩ましげな溜息が漏れた。
その後、さっきのことは無かったようにふるまう二人だが、どこか二人の間にはギクシャクとした雰囲気が漂っていた。
その空気は一家の主人である真が帰ってくることで払拭された。
山田が家にいることに帰ってきた当初は驚いた真だが、話を聞くと快く夕食への同席を同意してくれた。
「いや〜、すいません。御馳走になっちゃって」
「いいよ、君とは久しぶりだし。そんな状況とあっては何もしない方が目覚めが悪い」
「お世話になります、おにーさん」
などと、山田と会話をしていた真だが、ふと思いついたように切り出してきた。
「そうだ、ついでというわけじゃないけど、ちょっと3日ばかり泊っていってくれない?」
「え!?」
その言葉に反応したのは言われた山田ではなく、隣に座る優良だった。
優良本人も自分の声に驚いてるのか、恥ずかしそうに真に続きを促す。
「え・・・と、どういうことですか?」
「ウン、ちょっと明日から出張なんだ。だから優良さん一人にするのも危ないかなって思ってさ」
「あの・・・いいんですか、俺なんかが泊って?」
「勿論! 変な遠慮はナシだよ山田君!」
いやそう言う意味じゃないんだけどなぁ、と山田は心の中で返しながら、もう一人の家主、優良の方に視線を向ける。
優良はしばし、ためらっていたが、
「えと、山田君さえよければ」
もじもじと山田の方を見ずに答える。
「勿論、お世話になります!」
対して山田は満面の笑みで答えるのだった。
「そうだ、今度の出張は梨香ちゃんと行くんだよ。ついでに、どれだけ山田君が頑張ってるか伝えておこうか?」
「止めてくださいよー。人の助けがなくたって俺は振り向かせてみせます」
「お、言うねー」
盛り上がる男性陣のそばで、優良は一人胸の中で不安を抱えていた。
その夜。山田は居間に布団を敷いて寝てもらい、夫婦二人はいつものダブルベッドで横になっていた。
だが、優良は寝付けなかった。
頭に浮かぶのは山田のトランクス越しの熱さ、そして目の前で見た大きさ。抱きついた時の体の硬さ、力強さ。
ベッドにも山田の男の匂いが染みついている気がして、どうしても気持ちが昂って眠気が訪れない。
「ねぇ・・・真さん起きてる?」
仕方ないので真に相手をしてもらうことに決めた。
「んぅ? どうしたの優良さん?」
少し寝入っていたのか寝ぼけた声で答える真に、
「ごめんなさい・・・その・・・抱いてもらえませんか?」
女から誘うなんて恥ずかしいことという観念が優良にはあったが、今は抑えきれそうもなかった。
「ん?珍しいね。いいけど・・・山田君もいるけどいいの?」
「う・・・でも、明日からちょっと会えないわけですし。声は抑えますから」
「そうだね・・・じゃあ、って、ちょっと寝ぼけてるから立ってないんだよね」
「じゃあ、お世話します!」
真の許しを得て、下半身へと飛びつき、パジャマの下を下ろす。
トランクスもずり下げて貪るように真のものを取り出す。
「今日の優良さんは積極的だね」と真の声も聞こえていたが、気にも留めなかった。
だが・・・
「あ・・・」
取り出したモノは小さかった。
まるで、優良では大きくならないとでも言うようにしぼんでいた。
(山田君はあんなに・・・)
思わず真に対して非難めいた言葉を思い浮かべそうになるところで頭を振る。
(何考えてるの。私は真さんの真さんだけのモノなんだから。真さんのことだけ考えていればいいの!)
丹念にモノを舐めまわし、亀頭にキスを降らせていると次第に大きくなってきた。
だが、やはり最大に大きくなっても山田には及ばなかった。
(いいの、私が愛する真さんの、おの・・・オチンチンの大きさなんか)
優良は心の中でそう結論付ける。
だが、優良は知ってしまった。
今まで比較対象を見たことなかったから最高でいられた真のモノが山田より劣るということに。
それで真への愛が減じることは無い。
だが、絶対的だった真への信仰に近い敬意が薄れたのは優良本人すら気付いていない、いや気付こうとしないのかもしれない。
「あの・・・挿れていいですか?」
「え? でもまだ優良さんへの愛撫が」
「えと・・・恥ずかしいですけど舐めてるだけで濡れちゃってて」
「アハハ、優良さんが感じやすくて僕は嬉しいよ」
「も、もう・・・」
曖昧な笑顔を真に返す優良だったが、そんなに濡れた原因は分かっていた。
(私、山田君のこと考えてたからこんなに?)
人妻としてあり得ない不貞。だから、真とのセックスの快感でそれを洗い流したかった。
はしたないと思いながら、優良は自分が上になって真を受け入れた。
ズブリと自分の中に異物が入っていく感触。
「んぅぅ」
ヒダが包みこみ、相手を体中で実感できる感触。
「ん・・・っく!」
そして自分が満たされる快感。だが
(もっと)
心の中で自分が囁く。
(もっと長かったら、もっと硬かったら)
(例えば、アレのように・・・)
「んぁぁぁ!!」
山田のモノを思い浮かべた瞬間、優良の体に今まで感じたことのない甘い痺れが走る。
「わ、凄い。優良さんの中がうねってる」
喜ぶ真とは対照的に、一瞬でも山田のモノを思い浮かべたことを打ち消すように優良は腰を振り始めた。
「んうぅ!あはぁ!」
ベッドをギシギシと軋ませて真を貪るように上下する。
「あっあっ、優良さん激しい!」
優良の激しさに、真は自ら腰を合わせることもできずに翻弄されていた。
(もう少し、もう少し!)
真のモノを奥深くまで受け入れようと優良は音を立てて尻を打ちつける。
そのたびに、接合部からはにちゃにちゃとねばついた音と、白濁した本気汁がはみ出した。
(まだ、もっと!)
もう少しで子宮の奥まで届く、その時に得られる快感は今の自分を今の妄想から解き放ってくれる。
そう信じて優良は腰を振った。
だが、その願いはむなしく潰える。
「あ、も、もう!」
「え?」
気付けば、真のモノは小刻みに震え、膨れ上がっていた。
だが、発射前の膨張ですら優良を満足させる大きさではなく、長続きもしなかった。
「で、でるっ!」
「あ、あん!」
子宮の奥に浴びせかけられる熱い真の精子は優良の快感を高めてはくれたが、それは優良が望む快感の半分にも満たなかった。
しばらく、射精をして震えていた真のモノが収まると同時に引き抜き、ティッシュで後始末にかかる。
「疲れているところをありがとうございました」
「いやいや、優良さんこそいつもどおり良かったよ」
いつもなら優良の心を温めてくれる会話。
だが、今日だけは優良の心には不満がくすぶっていた。
(せめて、胸とかアソコを触ってくれればもうちょっと気持ち良くなれたのに)
(できれば、もっと長くてたくましくて、そうあの人のように)
自分がとんでもないことを考えていることに気付いて優良は頭を振る。だが・・・
(や、やだ垂れてきちゃった)
先程出した真の精液と歯別のモノが股に滴るのを感じて素早くティッシュをあてがう。
(きょ、今日はおかしなことが多かったからヘンになってるのよ。明日になれば元に戻るわ)
そう、言い聞かせるように心の中で呟いてベッドに戻る。
真はもうすやすやと安らかな寝息を上げていた。
(真さん、ごめんなさい。私、貴方と他の人を比べたりしました)
真に縋りつくように抱きしめる。
(もうそんなことを考えないように、今日は一緒に眠らせてください)
愛する夫の腕の中で優良は休みにつく。
だが、優良は知らなかった。夫婦のセックスの一部始終を覗いていた者がいることに。
「おねーさん・・・」
その人物、山田は爛々と充血した眼差しで優良を見ていた。
少し話は戻る。
寝床をあてがわれた山田だが、昼にに寝たからか、慣れない布団だからか、それとも今日は色々なことがあったからか、眠りは訪れにくかった。
しばらく布団の中で寝がえりを打っていたが、諦めて起き上がり台所で水を飲む。
ふぅ、と軽く息を吐いてトイレにでも行こうかと思ったところで、かすかな声が聞こえてきた。
初めは風の音や外から聞こえる雑音かと思ったが
「ん・・・・ふぅ・・あう」
小さいながらも通夜を帯びた喘ぎとベッドの軋む音で何の音か分かった。
いつもなら苦笑して流す余裕のある山田だが、何故か今日の優良の姿が目については慣れず、気がつけば寝室へを足音を忍ばせながら近づいていた。
(俺は何をしてるんだ? こんなこと、恩をあだで返すようなことを・・・)
だが、心とは裏腹に蚊が付けば寝室のドアの前に立っていた。
「あん・・あぁ」
ドアがしっかり締まってないので、声が漏れてきている。
それはつまり、ドアノブを回さずに少し開けられるというわけで
(ちょっと、ちょっとだけ。見るだけだから)
心の中で誰にともなく言い訳しながらドアを軽く、音をたてないように押す。
心臓の鼓動が早く、鼻息が荒くなる。かつてない興奮を覚えながら、山田はドアの隙間から覗いた。
そこには、真の上で越しを振る女の姿があった。
(おねーさん?)
一瞬、山田には真の上に乗る女が分からなかった。
いや、いつもの清楚な優良と、男を貪るように越しを振る今の優良が重ならなかった。
(おねーさん、夜はあんなに乱れるんだ)
髪を振り乱し、豊かな胸を揺らせながら真の上で踊る優良は、淫靡な娼婦のようだった。
(似てないと思ってたけど、やっぱ梨香の姉さんなんだな)
どこかそれまで性の対象とはしていなかった、山田の中での優良への見方がこの時変わった。
いや、恋人の姉だからと無意識でセーブをかけていた性欲が取り外されたのかもしれない。
(それにしてもおにーさんもマグロだよなぁ)
優良の腰に合わせることもできずに、寝ているばかり。
(あれじゃ、おねーさんは満足できるんだろうか?)
そう思った矢先に、
「で、でるっ!」
もうかよ、と思わず声に出しそうになった山田の耳にかすかに失望が混じった声が届いた。
「えっ!?」
一瞬自分の聞き間違いかと思った。だが
(俺には分かる。あれは満足にイってない)
だから、どうしようというわけではない。知り合いの性生活だ。
そう、心の中では割り切る。
割り切るつもりだったが、何故か心の中では一つの言葉が渦巻いていた。
(おねーさんはおにーさんとのセックスに満足できてないのか)
山田が寝つけたのはそれから2時間後のことだった。
出典:無し
リンク:無し

(・∀・): 14 | (・A・): 13
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