優良さんと山田くん?
2010/12/29 21:48 登録: えっちな名無しさん
「いってきます!」
「いってらっしゃい真さん」「いってらっしゃい、おにーさん」
いつもなら真を送る声は一人。だが、今日は山田の声がそこに重なった。
「じゃあ、出来るだけ早く帰ってくるからね、優良さん。山田君もよろしく」
快活に告げる真に二人も笑顔で返すが、内心は穏やかでなかった。
(山田君とふたり・・・)(おねーさんとふたりきり・・・)
二人の頭に、昨日の様々なことが思い浮かんだ。
「さ、さーて、俺も休んでばかりいられないんで何かしますよ」
山田は自分の妄想を振り切るように必要以上に張り切って行った。
「そ、そうね。せっかく若い男の人がいるから力仕事を頼んでいいかしら?」
「お安いご用です・・・でも、その前に一つ気になったことがあるんですよ」
「どうしたの?」
「実は・・・・」
トントントンとリズミカルに金づちが木を叩く音がこだまする。
山田が切り出したのは椅子の修繕だった。
「座った時、傾いてる気がしてたですよ」
「そうだったんだ。普段使わないお客様用の椅子だから気付かなかったわ」
「知らずに出してたらいつか失礼なこと起こってたかも。ありがとう山田君」
「いえいえ、こうみえて俺は小器用なのがウリでして。これくらいは朝飯前ですよ」
「凄いなー、頼れる男の人って感じで」
「そ、そうですか」
優良の邪気のない、だがそれ故にまっすぐな好意を向けられて赤くなる山田。
じゃあ、ここはお任せして、私は天気がいいから布団でも干そうかしら」
そう言って、山田が寝ていた客室へと向かう。
「あ。俺が」と言いかけた山田にいいから、と手を振って布団を持ち上げようとしたとき、ツンと嗅ぎなれない匂いが鼻についた。
(これ、山田君の・・・)
夫のものとは違った汗臭く野性的な匂いに胸の鼓動が速くなる。
枕に顔をうずめようとしたところで正気にかえる。
(な、なにやってるの! 匂いを嗅ぐなんてヘンタイみたいじゃない!)
邪念を払うように勢い付けて布団を持ち上げた、が
「わ!・・・っとと・・・」
勢いを付け過ぎたのか思わずたたらを踏んでよろめいたところで
「おっと、大丈夫ですか、おねーさん」
山田に抱きとめられた。
背中越しに抱きしめられた格好に思わず優良は赤面する。
さらに、布団と山田本人からくる匂いに挟まれ、まるで、山田に体を委ねているような気持ちになる。
(意外と胸板が厚いんだ。それに、腕の筋肉もしっかりしてる)
真とは違う男らしさに、思わずしな垂れかかりそうになる。
(いけない! 何を考えてるの!)
だが、すんでのところで踏みとどまり、
「ありがとう。ちょっとよろめいちゃった」
山田の方を振り向かずに言う。今の顔を山田に見せたくなかった。
「だからこういう力仕事は頼ってくださいって。それに元々俺が寝てた布団なんですから」
そう言って山田は布団を取りあげようとする。
「ダメ! 山田君はお客さんなんだからそれくらいはやらないと!」
なんとなく意地になって優良は布団を話そうとしない。
しばらく押し問答が続いた後、山田は呆れたように溜息をついた。
「やれやれ、おねーさんは変なところで強情なんだから」
「分かってくれた、じゃあ」
優良が勝ち誇ったような顔を見せたが、
「だから、おねーさんごと布団を運ぶことにします」
「え? きゃああ!」
ズンズンと山田の胸板で背中を押されて優良は進むしかなかった。
「ちょっと、あぶなっ、やめて山田君!」
「大丈夫です、転びそうになったら俺が支えますから」
「そういう問題じゃあ、ちょとー!」
山田に密着されて男の匂いに包まれ動悸が激しくなる。
(やっ、腰が当たって!)
たまに腰が当たると昨日の山田の全裸がフラッシュバックして、思わず腰が砕けそうになった。
山田はそのままベランダまで優良を押した後、布団を受け取って干してしまった。
「も、もう、これじゃ私の出番がないじゃない」
口をとがらせる優良だが、山田の顔が見れないほどに動揺していた。
(なんで? なんでこんなにドキドキするの?)
だが、山田はそんな優良に軽く肩をすくめて、
「まあ二人の共同作業ってことにしておいてください」
そう言って戻る山田だが、その実かなり焦っていた。
(ヤ、ヤバかった。あの姿勢のまま続いていたら押し倒してたかもしれねー)
ふざけているように見えた山田の行動だが、実際はかなり切羽詰まった末の行動だった。
それでも、余裕を見せられたのは経験の違いだろうか。
「どーぞ、おねーさん」
醤油のビンを渡す時、山田の手と少し触れる
(あ・・・)
それだけで思わず声が漏れそうになり、優良は口元を引き締める。
(な、なんで? 何でこんなに山田君を意識してるの?)
(そりゃ、お風呂掃除のときに、濡れた体に少し見とれちゃったり)
(さっきのお買いものの荷物持ちやってもらっちゃった時はたくましいな、なんて思ったりしたけど)
(普通のお友達なんだから。しかも、梨香の恋人なんだから!)
(あ、そうか、恋人じゃないんだ、フリーか・・・・って、だから何よフリーって)
「あの、おねーさんどうしたんですか?ハシが止まってますけど?)
山田が怪訝な顔で尋ねてきて、ようやく優良は我に返った。
心配顔の山田を見て少しだけ、優良はこんなに山田を意識してるのが分かった。
(そうか、私が真さん以外の男の人とこんなに近くで一緒にいるのは初めてなんだ)
(真さん以外の男の人・・・真さんじゃない男・・・)
また良からぬ方向へ思考が流れ出すのを振り切るように、優良は切り出した。
「山田君、私午後からエアロビに行ってくるね!」
優良の勢いに面喰って「はあ、お気を付けて」とやや外れた返事を返す山田を尻目に
(体を動かせば、ヘンな考えも飛ぶはずだわ。今日は体動かすぞ−!)
一人意気込む優良だった。
「じゃあ、行ってきます!」
「い、いってらっしゃい」
何故か張り切る優良に少し引きながら引き攣った笑顔を返す山田だったが
「ハイ! じゃあ留守番お願いします!」
優良は気にすることなく、肩で風を切る勢いで出て行った。
「はぁぁぁぁ」
優良が出て行ったあと山田は深い溜息を吐いた。
そのままソファーに座り込み、グッタリと体の力を抜く。
「ヤバかった。何か知らんがヤバかった」
気付けば優良を視線で追っていた。しかも、腰とか胸を見つめている自分に自己嫌悪を抱く。
「やっぱ、昨日あんなところ覗いちまったのがマズかったよなぁ」
ちょっとショッキングではあったが、あれだって夫婦には普通の日常だ。自分だって数数え切れないほどヤっている。
「けど、何故かまぶたに焼き付いて離れないんだよなぁ、クソッ」
「しかも、その影響で優良さんがコッチ見てる気がするし。自意識過剰もいいとこだろ」
ハッと自嘲気味に吐き捨てながら、立ち上がる。
「仕方ねー。体動かしてればピンクに染まった脳も戻るだろ」
奇しくも優良と同じ結論に至る。
「とはいえ、何するかな。炊事はおねーさんに敵いそうもないし、掃除は午前に粗方やってしまったし」
と、そこまで考えてハタとひざを打つ。
「そーいや、洗濯はやってなかったな。それをするか」
思い立ったが吉日とばかりにソファーから立ち上がり、浴室の洗濯かごを手に取ったところでソレを見つけてしまった。
「こ、これは・・・」
思わず見てしまったソレから目が離せない。いけないと思うのだが、首が固定されたかのように動かなかった。
それは下着、女性が身につける三角の布。
「これって、おねーさんの・・・・しかも、多分昨日の夜に履いていた・・・」
「パンツ・・・だよな」
「いや、俺はどうするつもりなんだ」
気がつけば優良のパンツを持ち出してした。
普通の、山田にとってはそう珍しくもないモノだが
(コレ、昨日おねーさんが履いていたヤツだよなぁ)
そう考えると目を離すことが出来ず、ついでに手が伸びて・・・現在に至る。
「いや、もうこれは変態だろ、犯罪だろ」
居間のソファーに座って、机の前に置かれたパンツと対面しながら悩む男、というハタから見ればコメディでしかない状況だが、山田にとっては深刻な悩みだった。
だが、悩む間にも手が伸びて、ゆっくりだが確実に手は近づき、ついに触れた。
「うぁ」
ただの布なのに優良が付けていたという事実が、触角を鋭敏にさせる。
まるで、優良本人に触れるような気持ちになりながら、手触りを楽しむ。
股間の部分を触ると少し湿り気を帯びていた。
(これって・・・いや、でもこれがおねーさんのかは分からないし)
「た、確かめてみるか?」
誰にともなくそう告げると山田は顔を近づけていった。
ヤバい、自分はとてつもなくヤバいことしているという自覚はあるが、止まれない。
ハァハァと荒い息を吐きながら、パンツに鼻を近づけると
「・・・!!」
強烈なメスの匂いが脳天を貫いた。
強い香水を間近で嗅いだ時のように頭がクラクラする。
フェロモンというのはこういう匂いを指すんだな、とボヤけた頭の片隅で考える。
気付けば苦しいくらいに自分の息子が張り付けているのを感じた。
(もう、ダメだ。スイッチ入っちまった)
ズボンをずり下げて、息子を取り出す。
(うわ、中学生の時くらいにビンビンに固くなってやがる)
すでに先走りが滲む肉棒を優良のパンツで包む。
(すいません、優良さん。後で丁寧に洗っておきますから今だけは)
パンツ越しに手を上下させると、思わず声が漏れるほどの快感が走り抜ける。
まるで優良に挿れているような錯覚を覚えながら、オナニーに没頭する山田。
だから、聞こえなかった。外の音が、近づいてくる足音が。
バンと入口の扉が開く。
「おサイフ忘れちゃって・・・た・・・わ?」
戻ってきた優良が見たのはソファーの上で寝そべりながら下半身を丸出しにした山田だった。
「や・・・・え?・・・あれ?」
驚きより困惑、怒りより恥ずかしさが心を支配して、上手く言葉が出ない。
急速に上ってきた血液に顔が赤くなる。
息も荒くなり、めまいがしたかと思うと、視界が急に狭まり腰から力が抜けた。
(あれ? わたし?)
体から力が抜けるのを感じながらどうしようもできずに崩れ落ちる優良の耳に、誰かの叫び声が届いていた。
「ん・・・んぅ? あれ?」
優良が目覚めるとそこはベッドの上だった。
「何で、私はここに?」
何故自分がベッドで寝ていたのか思い出せない。
「あ、おねーさんやっと起きた」
そうしてる内に山田が現れる。
昨日とは逆ね、などと思った瞬間、何故倒れたのか、ここで寝ていたのかをはっきり思い出した。
「あ、あ・・・・あの・・・」
頭に血液が集まって口が上手く開かなくなる。
喉はカラカラに、だがやたらと唾が舌に絡みついてきた。
この状態が続くとまた気を失いそうだと思った瞬間、目の前の山田が土下座していた。
「すいません!」
その突拍子もない行動に、一旦優良の感情が驚きによりリセットされる。
「えと・・・山田君?」
「居候させてもらってる分際で、あんな失礼なことしちゃって本当に申し訳ないです!」
「正直なところ、顔を見せられる立場じゃないんですけど、気絶するのをほっとけないし謝らないと気が済まないから」
「とにかく、俺はここを出ていきます。本当にごめんなさい」
そう言って山田は去ろうと腰を上げた。しかし
「ま、待って!」
思いがけぬ優良の呼びとめに、上げかけた腰が宙で止まる。
止められるとは思わなかったのか驚いた顔で優良を見つめると、優良は微かに視線をそらしながら
「えと、驚いたのは確かだけど・・・その、出ていくことは無いんじゃないかって」
「いやでも・・・・その俺も居づらいですし」
「で、でも・・・山田君は頼まれたんでしょう、真さんに?」
「ええ、まあそうですけど、」
(何で俺は出てけって言われるんじゃなくて引きとめられてんの?)
何故か立場が逆になってしまいうろたえる山田に
「男の子なんだから約束は守らないと」
まだ顔を赤くしながらも微笑む優良。
「いえ、もう男の子って年でも、それに約束とか言うレベル越えてるんじゃないかって思うんですけど」
「そんなことないよ。ビックリしたけど」
「はあ・・・・そうですか・・・ねぇ?」
「事故ってことで済ませない?」
「いえ、そりゃおねーさんがそう言ってくれるなら俺としてはありがたいですが・・・」
何故か残留する方向へ話が言っているようで混乱する山田は一人思う。
(そういえば、俺がおねーさんのパンツ使ってオナってたのは気付かなかったのかな?)
だが、流石にそれを聞く度胸は山田にはなかった。
とりあえず不慮の事故ということで話を付けて、優良はエアロビ教室へ再び出て行った。
(何で私は山田君を引きとめたのかしら?)
優良は歩きながら考える。
(しかも、わ、私の下着を使ってあんなことしてるのに・・・)
(あんなに・・・あんなに大きくして)
(ち、違うわ。そうじゃなくて、何であの時思ったのが山田君にいやらしいとか感じなくて・・・)
(私の下着で大きくなって嬉しいってことなのよ・・・)
山田はショッキングな場面見た優良が着娘のようにショックで倒れたと思っている。
だが、優良は気付いていた。
あの時、考えたのは、あの山田のモノを受け入れたらどれだけ快感が訪れるだろうという興奮。その興奮が失神させたということに。
その残滓が今も、優良の股間を湿らせている。山田がいなければ下着を変えていたくらい、優良の下着は濡れていた。
その後は、二人ともぎこちないながらも何とか普通に接することが出来たが、たまに会話が途切れた時など意識してしまうことも多かった。
「まったく、中学生か俺は」
風呂につかりながら山田はため息をつく。
許してくれた優良のためにも今度こそ邪な目で優良を見ないように気を付けているのに、気付けば目は胸や尻を追っている。
「というか、このお湯って優良さんが入ってたんだよな」
居候ということで風呂は後にしてもらったが、優良を包んだ湯の中にいるということが興奮を呼び起こす。
「ここで、おねーさんが体を洗ったのか・・・・隅から隅まで」
「・・・ってダメだろ俺! 何でそう言う風に考えるかな!」
「やっぱここは一つ抜いて冷静になろう」
昼は発射までいけずに終わったせいか、気付けば下半身が張りつめていることがある。
思考がエロ寄りになるのはそのせいだ、と決めつける。
幸い、これから入る人はいない。換気さえすれば後始末もラクだ。
風呂場であぐらをかいて、山田は決心して自分のモノを握る。
隣の壁一枚隔てたところには優良がいるというギリギリさと背徳感が興奮を呼び起こしたのか、ソレはもうガチガチだった。
思い浮かべるのは、昨晩の優良の乱れた姿。
だが、優良の下になっているのは真ではなく山田だった。
優良の膣の中を想像しながら右手を動かす。
セックスでもそう得られたことのない快感が山田の手を早くさせる。
「ああ・・・おねーさん気持ちいい・・おねーさん!」
思わず声が漏れる。口に出すほど、優良を汚してる様で快感が増した。
頭の中が白くなり、絶頂が訪れると感じた瞬間、
「山田君、呼んだ?」
声が大きかったのか、優良がドアのガラス越しに尋ねてきた。
ヤバい! と思ったが出るものは止められない。
むしろ、優良の声がトリガーとなって山田は発射していた。
びゅくびゅくと精液が自分でも驚くほどの量と勢いであふれ出た。
「あ・・・くぅ・・」
頭が白くなる快感に思わず言葉が漏れる。
マズイと思ったが、その声が山田の苦悶の声に聞こえたのか
「ど、どうしたの!?」
優良の驚いたような声が聞こえ、ドアを開けようとする。
「あ・・・やめ・・・」
山田は制止しようとするが、まだ発射の余韻が抜けきれず声が上手く出せない。
その声に益々危機感を募らせた優良は
「山田君!? とにかく入るね!」
と言ってドアを開けた。
その時の山田の気持ちを簡潔に言えば『終わった』。
「山田君!? だいじょう・・・ぶ・・・?」
勢いよく飛び込んできた優良だが、その声は急激にトーンダウンしてゆく。
「あの・・・その・・・えっと・・・」
いくら性に疎い優良でも、この匂いと山田の下半身の有様を見れば一目瞭然だった。
むしろ、入った勢いをどの方向へ向ければいいか困惑していた。
一方、山田はむしろ開き直っていた。もうここまで見られたらどうしようもないという諦めがあった。
「すいませんでした」
風呂場に土下座して謝る。
「なんか、俺は昼から変になっちゃってて、一発抜けば大丈夫なんて思っちゃって」
「やっぱ、最近女断ってるのがいけなかったんですよ・・・」
「ハハ、梨香のためとはいえ自業自得にもなりゃしねぇ」
うわー、こんな状況で言い訳してるよ、思いながらも口は止まらない。
「俺、最近女性関係を整理してるんですよ」
「だからその分、ちょっと溜まり気味で・・・え〜すいません」
なんかもうグダグダだなと心のどこかで時部にツッコんでいたが
「・・・あ、そうよね。梨香のためよね、梨香のため」
何処か焦った表情で優良が話に乗ってきたので続ける。
「そ、そうっす。梨香のためです梨香のため」
「梨香のためなら仕方ないよね」
「そうっす、そうっす」
(アレ? このままごまかせる?)
「え〜と、そういうわけで見なかったことにしていただけると。とりあえず後始末するんで扉閉めてください」
だが、優良は山田のモノを一心に見続けて行った。
「えと・・・でもまだ大きくなってるけど?」
「うわぁ!」
自分が下半身晒しっぱなしだったことに今更ながら気付いて手で隠す。
「い、いや! これは! そのもう一回くらい抜けば収まるんじゃないかと!」
「・・・見せて」
「・・・は?」
錯乱して思わずヘンなことを口走る山田だが、対する優良の答えに思わず動きが止まる。
「え?・・・おねーさん・・・なんて?」
「見せて、今から山田君が、その・・・するところ」
「えぇぇ!」
「できないの?」
「いえ、出来るかできないかでいえば、出来るんですが・・・」
「じゃあやって」
「でも、何でまた? 男のなんて見てて気持ち悪くないですか?」
「う・・・それはそうだけど。私はそういうの知らないから参考になるかなって!」
「まあ、そりゃなるかもしれませんけど」
「それに山田君は梨香を思って、その・・・スるんだよね? だったら問題ないよ」
「そう・・・ですかねぇ?」
「とにかくやるの、やらないの!?」
「や、やります!」
私はおかしなことをしてると優良は心の中で思う。
だが、風呂場に充満したオスの匂いと発射しても衰えない山田のモノを見た瞬間、優良の中でスイッチが入った。。
後、自分を心配させた山田に対する意地悪もあった。
山田に言った理由は本心ではあるが全てではない。
山田君のを見て真さんへの参考にするんだから浮気じゃないわ。優良は自分を納得させるように心の中で呟く。
だが、優良の瞳は山田の大きなモノを食い入るように見つめていた。
「じゃあ、始めます・・・ってのも変ですが」
一度精液を洗い流して山田は再び肉棒を握る。
一度出したにもかかわらずそれはギンギンにみなぎっていた。
「えと・・・その出したのに小さくならないの?」
優良がオズオズと、だが興味深そうに尋ねてきた。
「えぇ、最近溜まってたってのもありますけど、オナニーに限らず俺は三回くらい出さないと萎えませんね」
開き直った山田は普段なら物おじしそうな優良からの質問にもあけすけに応える。
「さ、三回・・・そういえば真さんも・・・」
「時間にすると三時間くらいでしょうか」
「そ、そんなに!?」
「おや、おにーさんもそれくらいかと思ってましたけど?」
「ま、真さんはそんなに長くは・・・」
「そうですか」
何だか真に勝った気分がして山田の気持ちも高まり手の動きが早くなる。
「そ、そんなに早く動かして大丈夫なの?」
「そりゃ男の弱点だから大事には扱ってほしいですけど、はっはっ、早いほど気持ちいいのは確かですよ?」
(後、おねーさんが見てるからかな興奮する)
「あ、また大きくなった」
「すごい、ビクビクしてる・・・」
「そんなに・・・張りつめて・・・・弾けそうなくらいに・・・」
「あ・・お汁が先っぽから・・・」
「そんなに握って・・・でも気持ちよさそう」
「におい・・・すごい・・・」
悩ましげな吐息混じりに実況する優良の声が山田の耳を刺激する。
気付けば、山田の荒い息と、優良がたまにポツリと呟く山田のモノへの感想だけが風呂場に満ちていた。
いや、汗と精液の混じった匂いも加わり、濃密な性の空間が出来上がりつつあった。
いつしか、山田も優良を一心に見つめながら右手を動かしていた。まるで優良でオナニーするように。
だが、優良も嫌がるそぶりは見せない。
瞳を見つめると興奮からか濡れた瞳で見返してくる。
まるでセックスしてる様な心のつながりを感じた山田の口から、自分でも思いもよらぬ言葉が転がり出た。
「あの・・・少し下着を見せてくれませんか?」
「え?」
流石に優良も怪訝な顔をしたが、山田はおかしいことを言ってる気はしなかった。
「その・・・最後にイクためには具体的な興奮が必要ですから」
「で、でもそんな・・・」
「お願いします!じゃないと俺は最後までイケない!」
ウソである。だが、山田の必死な顔は優良の母性本能を刺激する。
「そ、そんな・・・真さん以外の人に見せるなんて・・・」
「大丈夫! 俺は梨香を思ってやってるから浮気じゃありません!」
ウソ再び。だが、梨香のためという免罪符は山田にとって有効であった。いや、山田だけでなく・・・「
「梨香のため・・・そうよね・・・梨香のためだから」
(そうよ、人助け。それも妹のためなんだから)
優良のとっても理性のタガを外す良い言い訳でもあった。
(それに、山田君は苦しそうだし助けないと)
(真さん、これは浮気じゃないから。でも・・・ごめんなさい)
優良も山田の興奮に当てられて歯止めが利かなくなっていた。
「じゃ、じゃあ・・・」
少しだけ、少しだけならと思いながらスカーートに手をかける。
真以外の男に肌を見せるという、いつもなら嫌悪を感じる行為だが
(人助け・・・梨香のためなんだから)
心の中で言い訳をする優良だが、頬は上気して瞳は潤んでいた。
山田の食い入るような視線がむしろ心地よい。相手が自分を見て興奮してる様は、最近真とのセックスでは感じられない高揚だった。
スカートに手をかけた時、逡巡が心をよぎったが、「お、おねーさん!」という山田の切羽詰まった声に押し切られた。
少し、少しずつだが持ち上がるスカート。
山田の視線が舐めまわすように太ももに注がれ、上にあがってゆき
「ああ!」
「ああ・・・」
ついにその部分が見えた時、二人は同じような言葉を違うトーンで発した。
「おねーさん、凄い、すごくきれいだ!」
山田の手の動きが早くなる。先走りが飛び散り、にちゃにちゃといやらしい音を立てる。
(ああ・・・・見られてる。でも・・・あんなに興奮してる・・・)
後悔と高揚が混じり合った今まで感じたことない興奮に優良は震える。
(いけないことなのに・・・でも、人助けなんだから)
そう言い訳しながらも
「お、おねーさん少し濡れてる」
「いやっ、そんなことない!」
だが、そう言いながらもスカートを上げる手を下ろそうとはしない。
「おねーさん! 最後に、最後にブラも見せて!」
「そ、そんな・・・」
口では拒絶する優良だが、その勢いはさっきより弱い。
「お願い、助けると思って!」
「し、仕方ないよね。助けるんだから・・・」
迷いはさっきより短く、抵抗もなかった。
優良の目に映るのは、目の前で自分の下着を見てオナニーする山田の姿。
心にあるのは、真のことではなく山田がどうすれば悦ぶか。
手を動かすのは背徳よりも勝る快感。
優良が未だ感じたことのない、おそらく真とでは感じることのできない裏切りという甘美な陥穽。
(いけないことなのに・・・すごく・・・気持ちいい)
(いえ・・・いけないことだから?)
熱に浮かされたような虚ろな頭で考えながら、しかし手は着実にボタンを外していた。
ボタンの隙間からブラが見えると山田は「ウッ」と呻いてせがむような目を向ける。
その目にせかされるように、優良は上着を少しだけずらした。
完全にズラさなかったのは良心の呵責だろうか。
だが、頬を赤らめ肩をはだけたその姿は全裸に勝るとも劣らない淫靡さがあった。
「お、おねーさん、エロイ、えろいよ!」
「そんなこと言わないでっ!」
だが、山田は「エロイ」「エロイ」と連呼しながら右手を動かす。
(何で…何でこんなに・・・・あ・・・)
容姿を褒められることはあった。だが本気にしたことも、言う相手に対して特別な感情を持ったこともない、真以外のには。
(でも・・・あ・・・ダメなのに)
何故、山田の言葉にこんなに感じるのか。不貞と分かっているのに、やめられないのか分からない。
(う、うそ・・・こんなに・・・濡れて・・・)
優良は時部の股間から滴る液を感じた。
「おねーさん、おねーさんも感じてるんだね!?」
山田が優良のパンツのシミに気付いたのか動きが早くなる。
(やだ・・・あんなに赤黒く大きくなって・・・出るの?)
優良の視線が山田の膨れ上がった亀頭に注がれた瞬間、風船を針でつついたように先端から白濁が放出された。
「う・・・あ・・・」
ガクガクと震えながら放出する山田のモノをうっとりとした眼で眺めながら
(あんなに・・・出てる・・二度目なのに、凄い)
(そしてこの匂い・・・何だかヘンな気分に・・・)
(まだ出てる・・・あれを受け止めたらどんな気持ちなんだろう)
(お口だったらこぼれちゃうかも。お鼻まで匂いがこびりついて喉にネバついて絡みつくんだわ)
(お腹だったら・・・熱いのが中にいっぱい・・・って!)
とんでもないことを考えてきたことに気付く。
(ダメよ! 何を考えてるの!私は・・・わたしは・・・)
そう思いながらも、未だに荷揚げされた魚のように跳ねまわる山田のモノから目が離せなかった。
「はぁ・・・はぁ・・・ふぅ」
ひとしきり続いた放出が収まり、山田は一息つく。
腰が抜けるような快感の後に訪れたのは、やってしまったという後悔よりも、やってやったという開放感。
優良相手にオナニーを見せたという達成感。
優良を汚したような背徳感。
今まで性の対象と見なかった意識の壁を取り払えた勝利に似た思いを抱く。
とはいえ、そんな感情とは別に山田は優良に指摘した。
「おねーさん、あの、もう服戻していいですよ」
「え? きゃ、きゃあ!」
言われて気付いたようで、軽く悲鳴を上げながら優良が乱れた服を戻す。
本心を言えばもっと見ていたいが、流石に二度も大量放出で自慢のモノも萎えている。
山田もこれ以上のことはできないと思っていた、少なくとも今は。
「で、どうでした?」
服を直した優良に山田は尋ねる。
「え? え? 何が?」
山田の問いの意味が分からず目を白黒させる優良に苦笑しながら山田は返す。
「何って、おねーさんが言ったんでしょ。参考にするって」
「え!・・・えと!・・・はい、その・・・参考になりました?」
「なんで疑問形なんですか。でも、俺もえっちなおねーさん見て気持ち良く抜けました」
「そ、そんなことないんだから、もう!」
照れ隠しか勢いよく風呂場の扉を閉めて優良は出て行った。
やはり、と山田は内心ほくそ笑む。
(俺が出任せで行った『梨香を思ってヌく』という言葉を信じてもいない)
(それどころか、自分がズリネタにされてもイヤがるそぶりも見せなかった)
(これは・・・もしかすると・・・)
その時から山田の優良に対する認識が変わった。
そしてその夜。
ベッドの中で一人、自分を慰める優良の姿があった。
(あっ・・あっ・・こんなこと、はしたないのに)
潔癖な優良はオナニーに忌避感があった。例え夫を思ってするオナニーすら裏切りとすら感じるほどの。
だが、今優良が思い描くのは夫ではない。
(なんで・・・なんで山田君のことが頭から離れないの)
(山田君のことを思うと頭がしびれるようになるの・・・)
(山田君のことを考えながらするとこんなに気持ちいいの!)
(ごめんなさい・・真さんごめんなさい)
だが、真への謝罪すら背徳という快感に変えていることを優良は気付かない。
そして、扉の影から山田が息をひそめて覗いてることにも。
出典:無し
リンク:無し

(・∀・): 17 | (・A・): 9
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