女「用件を聞こうか」
2011/01/03 10:58 登録: 西風
ハムスター速報 2ろぐ 跡地
女「用件を聞こうか」
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 22:22:18.60 ID:/N9jFzX/0
男「えっと・・・あなたが女さんですか?」
女「そうだ、何か問題でもあるか?」
男「いえいえ、特にあるわけではありませんよ」
女「それならいいが」
男「ただ・・・」
女「何だ?」
男「こんな可愛い人がこういう仕事をしているとは思わなかったもので」
女「・・・・・・」
男「おや、どうされました?」
女「今日は話を聞く気が失せた・・・出口はあっちだ」
男「そんな、何か気に食わないことで・・・」
女「(チャ)三回目は言わない・・・帰れ」
男「・・・失礼します」
バタンッ!
女「ふぅ・・・」
ゴトン
女(殺し屋に可愛いだなんて・・・////)
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 22:29:38.21 ID:/N9jFzX/0
女「何だ?また来たのか?」
男「追い返しておいてそれはあんまりじゃないですか?」
女「まぁいい、とっとと用件を言え」
男「はぁ、殺して欲しい男が一人いまして」
女「それはどこのどい・・・それは何のマネだ?」
男「見て分かりませんか?」
女「あぁ、分からないな。お前が救いようの無いバカだということ以外は」
男「それじゃあ説明しましょう!今回殺して欲しいのはぼ・・・」
女「・・・帰れ、出口は分かるな?」
男「えっ、ちょっと待って・・・」
女「仏の顔も三度までって諺は知ってるか?いいかもう一度言うぞ?とっとと帰れと言ったんだ」
男「・・・・・また来ます」
バタン
女「・・・・・・まだ来る気なのか?」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 22:41:50.61 ID:/N9jFzX/0
男「こんにちわ〜」
女「・・・・・・・・・・・・」
男「あれ?女さん、いないんですか〜?」
女「・・・何の用だ?」
男「あっ、いるじゃないですか〜。インターホン鳴らしたのに返事無いからいないかと思いましたよ」
女「・・・帰れば良かったのに」
男「えっ、何かいいましたか?」
女「何でもない・・・何しに来た?仏の顔も三度までだと言ったはずだが?」
男「はい、それって三回目までは大丈夫ってことですよね?」
女「・・・・・・」
男「だから来ました」
女「・・・・・・(スチャ)」
男「僕まだ依頼の内容言ってませんけど」
女「いや、聞くまでもない・・・そんなに死にたけりゃすぐに死ね」
男「・・・・・死ねれば、いいんですけどね」
ドンっ!!
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 22:46:49.93 ID:/N9jFzX/0
女「・・・なんで生きてるんだ?」
男「さぁ、何ででしょうね?」
女「どういうことだ?どんな仕掛けで・・・」
男「残念ながら種も仕掛けも無いんですよ」
女「そんな馬鹿な話が・・・」
男「さて、一段楽したところで用件を伝えましょう」
女「・・・・・・」
男「ああ、三回目にしてやっと言える。次回に持ち越しにならなくて本当に良かったですよ」
女「とっとと言え」
男「ああ、これは失礼。まぁ簡単といえば簡単なことです」
女「・・・・・・・」
男「僕のこと・・・を殺していただきたい」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 22:51:54.50 ID:/N9jFzX/0
バタン
男「女さん、来ましたよ〜!そろそろ殺してくれる気になりましたか〜?」
女「・・・・・・」
男「もしもし、女さん?聞こえていますか?」
女「・・・・・・」
男「無視はいけないと思いますよ?そういうのがイジメの増長につながるってこの前見たテレビという・・・」
女「・・・黙れ」
男「えっ?」
女「何度来たって同じだ・・・私はお前のことを殺さない」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 22:53:13.82 ID:fEJ07d+z0
これは良スレの予感
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 23:00:07.73 ID:/N9jFzX/0
男「それはどうしてですか?」
女「簡単な話だ、金にならない殺しはしない。」
男「・・・この前は僕のことを殺そうとしてくれたじゃないですか?」
女「あれは不可抗力だ、私は屁理屈がこの世の嫌いなもの上位に食い込むくらい嫌いなんだ」
男「あっ、じゃあ分かったお金ですね。お金があれば・・・」
女「あってもダメだ」
男「えっ、何でですか?」
女「見たところお前は金を持ってそうな風貌ではない。
とすると犯罪に手を染めてでも金を調達するつもりだろう」
男「・・・・・・」
女「自分が死ぬために誰かを傷つけるなんてクソ野郎なんて殺す価値も無い」
男「・・・・・・」
女「それにだ、私は自殺するような心の弱い人間が・・・・」
男「・・・・・・」
女「屁理屈以上に嫌いだ」
男「・・・・・・女さんって」
女「?」
男「意外とまじめなんですね」
女「出てけっ!!」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 23:04:58.32 ID:/N9jFzX/0
女「・・・・・・今日は来ないみたいだな?」
女「キュッキュッキュッ・・・・」
女「カチャカチャカチャ・・・・」
女「ガチャッ、ガチャガチャ、カチンッ!」
女「・・・少しタイムが落ちた・・・やらないとすぐ鈍るな・・・」
女「どうやら今日はこないつもりみたいんだな・・・」
男「誰がですか?」
女「(スチャ)ドンっ!ドンっ!ドンっ!」
男「わぁ〜い!やっと殺す気に・・・」
女「出て行けーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 23:11:40.86 ID:/N9jFzX/0
男「女さ〜ん、来ましたよ〜」
女「(はぁ〜)・・・何しに来たんだ?」
男「えっ、決まってるじゃないですか!僕のことを殺して・・・」
女「ああ・・・もういい言わなくて・・・お前暇なのか?」
男「暇といえば暇ですね」
女「なぁ、悪いことは言わないから死のうなんて考えずに働いてみろ」
男「えっ、いや僕は」
女「嫌なことがあったんなら教会言って神父さんにでも話せ。きっとありがたい言葉をくれるぞ?」
男「別に働いていないわけではないですよ?」
女「はぁ?それなら・・・」
男「それに、嫌なことなんてあり過ぎて話すのに何十年掛かるか分かりませんし」
女「・・・そんなにか?」
男「ええ、まぁこの世の大抵の汚い部分はこの目で見てきましたし・・・」
女「そうか・・・」
男「というわけでそろそろ一発殺してみましょうか?」
女「帰れ!!」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 23:19:25.39 ID:/N9jFzX/0
バタン
男「きょ〜おも元気に死にたいなっと!」
女「何だその歌は?」
男「さっき考えた死にたいな音頭です」
女「くだらないことだけは思いつくんだな」
男「へへへ、ありがとうございます」
女「褒めてない!」
男「冗談ですよ」
女「・・・・・・」
男「それよりも女さん」
女「何だ?」
男「僕、女さんが仕事してるの見たこと無いんですけど・・・」
女「・・・・・・」
男「もしかして人気な・・・」
女「おい男」
男「何ですか?」
女「ナイフと、ハンドガンとサブマシンガンだったらどれが好きだ?」
男「ニヤニヤ」
女「何にやついてるんだ?」
男「だって今男って呼んでくれたじゃないですか」
女「よ〜し喜べ・・・今回は特別に三つとも使ってやる」
男「うわぁ〜い」
女「喜ぶな!!」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 23:27:16.60 ID:/N9jFzX/0
男「女さ〜ん・・・あれ、いない?」
男「ん?この紙は・・・何々・・・」
女『来るか分からんが一応来たときのためにこれを置いておく。
私は仕事で数日事務所を開けるからそこに来ても私はいないぞ。
後、いい加減私に殺して欲しいなどと頼むのは辞めろ。
お前はまだ私と違ってやり直せるはずだ。自暴自棄になってはいけない。
どうしても迷ったときには相談くらい乗ってやる。
分かったらそんなところにいないで早くもとの生活に戻れ』
男「・・・・・・殺し屋にしては優しすぎですね、女さんは」
ソファ(バスンっ)
男「・・・・・・まっ、そんなあなただから殺してほしいんですけどね」
・・・・スー、スー、スー
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 23:32:46.21 ID:/N9jFzX/0
女「ふぅ〜、やっぱりここに帰ってくると落ち着くな・・・・」
ガチャ
女「・・・・・・何をしている?」
男「あっ、お帰りなさい女さん」
女「お帰りなさいじゃない!何でお前がここで寛いで・・・」
男「あっ、掃除と洗濯はやっておきましたよ。後、回覧板も回しておきました」
女「あぁ、ありがと・・・違う!!何でお前がここでそんな甲斐甲斐しくお手伝いさんみたいなことやっているんだと聞いている!」
男「だって・・・女さんがいなくて寂しかったから・・・」
女「・・・えっ?」
男「それに女さんが帰ってこないと殺してくれる人がいないんで〜」
女「今すぐ出てけ!」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 23:36:49.55 ID:/N9jFzX/0
男「女さん!女さん!起きてください!」
女「ふぁ〜・・・何でお前がここにいる?」
男「そんなことは後回しで、女さん。飛び入りで依頼が来てますよ」
女「本当か?ていうかお前が通したのか?」
男「はい、助手かなんかだと思われたようで」
女「・・・まあいい、すぐに行く」
男「あっ、女さん」
女「まだなんかあるのか?着替えたいんだが?」
男「クマさんのパジャマ、可愛いですね」
女「・・・・・・死にたい」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 23:39:20.75 ID:3ddqMwP00
クマ・・・だと・・・!
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 23:48:19.35 ID:/N9jFzX/0
女「では、用件を聞こうか?」
依頼人「ああ、殺して欲しい男がいる」
女「ターゲットのプロフィールを拝見しよう」
依頼人「これだ」
女「・・・・・・S国の皇太子か?」
依頼人「そうです」
女「年は・・・15か・・・まだガキだな」
依頼人「ガキとはいえ皇太子です。S国は国王が病気でもう長くない
すると、必然的に次の王座には皇太子殿下が座ることになる」
女「皇太子に王座につかれると困るものがいる・・・と」
依頼人「まぁ詳しくは話せないがそういうことだ」
女「・・・・・・いくら出す」
依頼人「引き受けていただけるのか?」
女「額を聞いてからだ」
依頼人「・・・五千万でどうだ?」
女「当然ドルだろうな?」
依頼人「勿論だ」
女「・・・引き受けよう」
依頼人「ありがとう・・・良い報告を期待している」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 23:54:46.50 ID:/N9jFzX/0
ガチャ、バタン
女「ふぅ・・・」
男「いいの?」
女「何がだ?」
男「いや、顔になんかいろいろと出てますけど?」
女「・・・・・・仕事を選り好みしているようではプロとはいえない」
男「ふ〜ん、そういうもんですか?」
女「そういうもんだ」
男「・・・女さん?」
女「何だ?」
男「人を殺すのって楽しい?」
女「・・・楽しいように見えるか?」
男「ううん、見えないね」
女「じゃあきっとそうなんだろう」
男「何で楽しくないことをしてまでお金を稼ぐの?」
女「そうする以外の術を知らないから・・・かな?」
男「そっか・・・・・・」
女「・・・・・・」
男「今日は帰るよ」
女「ああ、そうしてくれ?もう、来なくてもいいんだぞ?」
男「ははは、じゃあね〜」
男「・・・・来るなって言わないところがいいね」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/07(木) 23:56:50.02 ID:ML/LnR2f0
いいね
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 00:03:14.53 ID:4Tk6MLve0
女「ハァハァハァハァハァ・・・・・・」
パンっ!パンっ!パンっ!
女「グァっ・・・ハァハァハァ・・・」
女「私・・・一人・・・なのか?」
ダダダダダダダダダダダダっ!
ドガーン!
女「クソ・・・クソッ!死ぬもんか!死ねるもんか!」
ゴリっ・・・・・
「あばよ、可愛いお嬢さん」
ダァンっ!
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 00:10:47.81 ID:4Tk6MLve0
女「うわぁっ〜〜〜〜〜〜〜!!」
女「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・夢か・・・」
女「クソっ・・・依頼を終えた後は・・・いつも・・・なんで私だけ・・・」
男「女さ〜ん?」
女「(ばっ!)な、何だ!?」
男「どうしたんですか?顔色悪いですよ?それに汗もスゴイ・・・」
女「触るな!」
バシィ!
女「・・・いい加減に・・・いい加減にしてくれ!何でいるんだ!?何なんだお前は!?
私は・・・お前みたいに悩みの無さそうな顔を見ていると・・・」
男「・・・・・・」
女「反吐が出るんだ!」
男「・・・・・・」
ガチャ・・・バタン・・・
女(・・・あいつが来てから・・・あいつが能天気な顔して毎日のようにやってくるから・・・)
女(・・・あいつが来てから・・・・せっかく忘れていたのに・・・)
女「うぁ・・・うっ・・・くぅっ・・・ぐすっ・・・」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 00:17:31.40 ID:4Tk6MLve0
女「・・・酷い顔だ・・・こんな顔じゃあ・・・」
女(今、何と言った?こんな顔・・・見せる相手なんて必要ないじゃないか?
私は殺し屋だ・・・彼女たちの分まで殺して殺して殺し続けるだけだ・・・
それなのに・・・)
女「・・・S国の皇太子暗殺・・・か・・・予想通りクーデターも・・・」
女「どうしたんだ女?気でも触れたか?」
「人を殺すのって楽しい?」
女「楽しい・・・わけが無いだろう・・・でも私は殺さなくちゃ・・・殺さなくちゃいけないんだ・・・」
女「・・・・・・あいつ、次はいつ・・・・」
男「女さ〜ん、久しぶりです〜。いや〜なんかノリで応募したハワイ旅行が当たっちゃいましてこんなに日焼けとか」
女「死ねーーーーーーーーーー!!氏ねじゃなくて死ねーーーーーーーーーーー!!」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 00:23:35.42 ID:4Tk6MLve0
女「フンフ〜ン・・・フフフフ〜ン」
トントントン
グツグツグツ
男「ニヤニヤ」
女「ハッ!///////」
男「鼻歌歌いながら料理だなんて今日の女さんは随分乙女ですね〜 ニヤニヤ」
女「なぁ男」
男「何ですか? ニヤニヤ」
女「包丁って人を切るようにできていない分、刺されるとナイフの数倍の痛みらしいんだ」
男「・・・・・・・」
女「切れにくいから引っかかったりしてな・・・失神できないほどらしいんだが・・・試してみるか?」
男「ゴメンなさい・・・痛いのは苦手です」
女「フンっ、死にたがりのくせにイタイのがダメだなんて変な奴だ」
男「ハハハ、おっしゃるとおりです」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 00:30:29.55 ID:4Tk6MLve0
女、男「いただきます」
女「パキュパキュ、モギュモギュ」
男「モグモグモグ」
女「どうだ?その・・・私の料理は?」
男「えっと・・・よく分かんないです」
女「・・・不味いなら不味いと正直に言え」
男「いえいえ、そのそういう訳じゃないんです」
女「(ジロッ)」
男「あんまり食べ物の味とかって意識したことが無いんです」
女「よく分からんが・・・味覚障害か何かか?」
男「違いますよ・・・そうじゃなくて・・・まぁそのうち分かりますよ」
女「??」
男「あっ、でもひとつだけ言えるのは・・・」
女「・・・なんだ?」
男「女さんの作る「料理」って奴は暖かいですね」
女「・・・フフフそうか・・・お替りもあるからな」
男「あっ、それは大丈夫です」
女「もう食うな!!」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 00:38:52.76 ID:4Tk6MLve0
男「女さ〜ん・・・・あれ、またいない・・・仕事かな?」
男「ん、また置手紙だ・・・何々?」
女『急な依頼が入った。三日ほどで帰れると思う。そこでお前に頼みがあるのだが
明後日の午前にアマゾンから荷物が届くので受け取っておいて欲しい
料金は払ってあるから受け取るだけだ。では頼んだぞ!』
男「ふ〜ん、何頼んだんだろ?・・・ん、下に二枚目が」
女『追伸:荷物の中身は絶対に開けるなよ!
色々と危ないものが入っているからな!絶対だぞ!振りとかじゃないぞ!』
男「・・・・・・にや〜」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 00:40:09.52 ID:jiibujM50
なんという上島
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 00:44:24.96 ID:4Tk6MLve0
ピンポーン
男「は〜い」
ガチャ
配達員「女さんのお宅でしょうか?アマゾンからの荷物をお届けにあがりました〜」
男「ハイハイ」
配達員「ありがとうございました〜!!」
ガチャン
男「フフフフフ・・・女さん何頼んだんだろ?」
女『荷物の中身は絶対に開けるなよ!』
男「ということは見られたくないものが入っているに違いない・・・
ああ見えて女さん少女趣味だから人形とか、可愛い洋服とかかな〜・・・・」
ガサゴソガサゴソ
男「えっと・・・この箱の中に商品が・・・!?」
ガサゴソガサゴソ
男「うん、見なかったことにしよう。・・・・・・マジで」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 00:50:35.89 ID:4Tk6MLve0
女「はぁ〜、護衛の依頼は気分的に楽だな〜。一緒にやってた奴死んだけど
ん?男の奴来てるのか?」
ガチャ
女「おい、お前もしかしてずっとここにいたのか?」
男「へっ・・・あっ、女さんお帰りなさい」
女「うん?どうした?私の顔に何か付いているか?」
男「いや、その・・・何でもないです・・・」
女「変な奴だな・・・いや、変なのはいつものことか」
男「それより女さん」
女「何だ?」
男「女さん今日帰ってくるって言ってたから・・・僕も料理って奴を作ってみました」
女「ほぉ、中々気が利くじゃないか」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 00:53:21.45 ID:pBqbm3UG0
女2「こんな所に良スレとはな」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 00:58:27.63 ID:4Tk6MLve0
男「まま、座って座って」
女「へぇ〜、本格的だな。お前料理なんかできたのか?」
男「いやいや、今日が初めて」
女「パクッ・・・・うん、旨いなこれは!」
男「そう?良かった」
女「初めてでこんなにお前が料理上手となると私の立つ瀬が無いな、ハハハ」
男「・・・・・・そんなこと無いよ」
女「ん?何でだ?こんなに旨いのに?」
男「僕の作ったものには人の手の暖かさが無いんだ。」
女「・・・・・・?」
男「ハハハ、何言ってんだろうね?気にしないで。さっ、まだまだあるからね」
女「あっ、ああ・・・・・」
女(・・・・・・あいつ・・・・・・何をあんなに・・・・・・?)
女「まぁいいか、それより・・・例のものを」
ガサゴソ、ガサゴソ
女「フフフ、遂に手に入れたぞ・・・・・・」
女「初期モデルのベンズナイフ!!まさかアマゾンで出品されてるとは・・・」
男(んなもんアマゾンで買うなよ)
管理人注釈:
ベンズナイフ
ベンニー=ドロンという100年くらい前の大量殺人鬼が作ったナイフ。
彼が人を殺す度に記念に作ったナイフで、その数は288本もある。
当時から熱心な愛好家もいるため、隠れた名品とされている。
(ハンターハンターより)
ちなみに、アマゾンでは売ってません。
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 01:06:05.03 ID:4Tk6MLve0
女「そういえば・・・」
男「どうしたの?」
女「お前最近「殺してくれ〜」とかって言わなくなったな」
男「あ〜、そういえば言ってないね」
女「もう諦めたのか?」
男「えっ、何々?殺してくれるの?」
女「バカ、勘違いするな!お前が私に殺してもらう必要が無くなったら・・・」
男「うん」
女「お前がここに来る理由はなくなるだろうが・・・」
男「・・・・・・もしかして寂しくなるとか考えてくれてるの?」
女「バッ、バカ!そうすればまた一人の静かな時間に戻れると思っただけだ」
男「ふ〜ん・・・そっか・・・じゃあしばらく来ないよ」
女「・・・・・・えっ?」
男「しばらく来ないって言ったの。僕がいると邪魔だろうしその間ゆっくりしてよ」
女「邪魔だなんて・・・そんなことは・・・」
男「う〜ん(伸び)、んじゃ〜ね〜」
ガチャ、バタン
女「ふ、ふん!あ〜せいせいした!これでやっとゆっくりできるぞ・・・ははは・・・」
ソファ(ボスンっ!)
人形(ギュ〜〜〜〜〜!!)
女「あんな奴いなくなって・・・スッキリした・・・」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 01:10:47.74 ID:0HSDrqIj0
どんなラストになるのか楽しみだぜ
応援してる
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 01:13:32.38 ID:zdPPW4+X0
wktk・・
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 01:41:24.30 ID:+UHcpVNn0
ガチャガチャガチャ
女「男!そこにあるガンオイルとっ・・・そうだあいつ来てないんだった・・・」
トントントントン
ジュワージャー
女「男〜、テーブルに皿を・・・お皿出さないと・・・」
女「わっ、今の見たか!?おい、おと・・・・こ・・・・フゥ・・・」
女「あいつが来なくなって一週間か・・・」
テレビ「ここで臨時ニュースです、今日午後8時ごろ、・・・で青年男性の遺体が発見され・・・
警察は周りの状況から事件性は無く、自殺と見て・・・・」
女「!?」
女(いや、まさかな・・・いくらあいつが死にたがっているからって既に死んでるなんてことは・・・)
男「こんばんわ〜」
女「うわぁ!」
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 01:42:11.73 ID:3tjM95jq0
wktk
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 01:42:22.08 ID:zdPPW4+X0
はふはふ
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 01:44:54.74 ID:jaWEzmBh0
ktkr
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 01:48:10.66 ID:qlTNQ08i0
wktk
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 01:49:02.02 ID:+UHcpVNn0
男「女さん、どうしたの?」
女「おまっ・・・お前!(ドスっ!)」
男「グハっ・・・女さん、僕・・・いたいのは苦手」
女「五月蝿い!お前は・・・お前なんか・・・」
男「(チラッ)あぁ、もしかして僕が自殺でもしたかと思ったんですか」
女「・・・五月蝿い!」
男「しませんよそんなこと。ちょっと本業が忙しくて来れなかっただけですから」
女「・・・・・・・うる・・・い」
男「それに・・・」
女「(ムギュ)!?」
男「俺が死ぬのは女さんに殺されるときだけですよ」
女「・・・・・・・うるぁ!!」
男「痛い!!」
女「バカか!絶対殺してなんかやるものか!分かったら今日は帰れ!」
男「イテテ・・・ハイハイ帰りますよ・・・「今日は」ね」
ガチャ、バタン
女「・・・・・・・バカ野郎め・・・・・・よかったぁ・・・・・・」
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 01:58:26.02 ID:+UHcpVNn0
女「ぼ〜」
ガチャガチャガチャ
女「ボー」
ガチャリ、ガチャっ、ガチャリンドン
女「BO−」
ギャンギャギャギャギャ
男「あの〜女さん?」
女「ン?何だ?」
男「あの、銃がおかしなことになってますけど・・・」
女「うをっ!」
男「どうしたんですか?ここのところぼ〜っとしてるみたいですけど」
女「ああ」
男「それに最近あんま寝れていないみたいですし」
女「ああ」
男「ふぅ〜・・・女さん!!聞いてますか!!??」
女「(びくっ!)うわっ!何だイキナリ大きい声出すな!」
男「女さん大丈夫ですか?」
女「何がだ?」
男「はぁ、もういいです。今日は帰るんでゆっくり休んでくださいよ?」
ガチャ、バタン
女「・・・大丈夫だ・・・あれだ、つり橋効果だきっと・・・これは勘違いだ!勘違いなんだ・・・だって・・・」
女(こんな血なまぐさい女が恋愛なんて許されるはずが無いだろう)
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 02:04:30.57 ID:+UHcpVNn0
女「第一あいつは何なんだ?突然来て「殺してほしい」だとか、
殺されるのは私じゃないとだとか・・・第一あいつは・・・あいつは・・・何者なんだ?」
女「そういえば、私はあいつのことを何一つ知らない。毎日のようにやってくるから
ニートか何かだと思っていたが、あいつの口ぶりだと何か仕事はしているようだし・・・」
女「・・・・・・まぁ考えても仕方ない。直接あいつに聞くのが・・・っと、いいところに来たな」
男「女さ〜、ん。ユアスウィートハートの男さんが来ましたよ〜」
女「・・・・・・」
男「・・・・・・あれ、怒らないんですか?」
女「まあ、上がれ。丁度聞きたいこともあったしな」
男「はぁ・・・あっ、あれですか?何系で死にたいかとかそういう・・・」
女「とっとと上がれ!!」
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 02:09:55.00 ID:+UHcpVNn0
女「まあ座れ」
男「はぁ・・・(トスン)」
女「単刀直入に聞こうか?お前はいったい何者なんだ?」
男「何言ってるんですか?僕は男ですよ。それ以上でもそれ以下でも・・・」
女「真面目に答えろ!」
男「・・・・・・・・・・・」
女「ハァ・・・それはいい、後回しだ・・・じゃあお前は、どうしてそんなに死にたがるんだ?」
男「・・・・・・・・・・・」
女(・・・答えない気か?そんなに話したくな・・・)
男「女さんはさ・・・」
女「う、うん?」
男「女さんは・・・・・・自分が存在する意味って考えたことある?」
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 02:30:28.29 ID:+UHcpVNn0
女「・・・・・・あるよ・・・・・・腐るほどある」
男「そっか・・・僕は最近になってそれを考えるようになったんだ」
男「昔、人がその存在を顕したばかりの頃に一人の男がいたんだ」
女(昔話?)
男「その男は一人で何でも出来た。人の言葉で言うと「ゼンチゼンノー」って言うのかな?」
とにかく何でもできた、できないことなんてほとんどなかったんだ。そのうちに男は人々に
崇め、敬われ、称えられるようになった。」
女(神話か何かか?)
男「男は正直気分が良かったと思うよ。まるで世界中から愛されているような気分だった。
世界が自分を必要としているような気がして、男はそれに答えようと頑張ったんだ」
女「・・・・・・」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 02:36:56.77 ID:+UHcpVNn0
ある時その男はこう考えた
『ここまで人間に愛され、ここまで人間に必要とされ、ここまでその期待に答えられる奴なんて自分以外にいない』
まぁ確かに男に適う奴なんていなかったしそう思うのも仕方の無いことだった。
そんで、男はそこで初めてこう名乗ったのさ
『私は神である』
ってね
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 02:43:17.39 ID:+UHcpVNn0
女「・・・・・・じゃあ何だ、お前はその神様だと言うのか?
そんなこと信じられるわけ・・・」
男「まだ話は終わっていない・・・最後まで聞いてくれないかな?」
女「・・・分かった。聞くだけ聞いてやる」
男「ありがとう(ニコッ)」
最初のうちは幸せだった
奇跡の様な力を駆使して、あらゆる困難から人々を救った
楽しかったよ・・・変な話、独裁者のような気分だった
何をしても上手くいく、思い通りになる
全てが意のままだ!
だけどね、男はあるとき気づいたんだ
「ゼンチゼンノー」にも限界があることに・・・
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 02:50:22.84 ID:+UHcpVNn0
異変に気づいたのは人々に「神」という概念が浸透してしばらくしてのことだった
各地に自分とは違う様々な力を持った神が現れ始めたんだ
例えば、戦争の神
例えば、美の女神
例えば、運命の神
そんな感じで神の力は随分と細分化されてしまった
まぁこれ自体は大した出来事じゃなかった
神の力が細分化されたところで、「ゼンチゼンノー」は
自分ひとりだと男は信じて疑わなかったからね
大変だったのはここからだ
ここから男は、ドンドンと自分の力と人間を信じられなくなっていく
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 03:01:32.36 ID:+UHcpVNn0
ある時、男は一つの疑問にたどり着いた
自分は人々に求められたことは何でも叶えてやってきた、
しかし・・・自分から何かをしようとしてそれを行ったことはあるのか?と
そこで初めて男は気づいたんだ
あぁそうか、自分という存在は・・・・・・
所詮、人間に創られた都合のいい人形だったんだ
ってね
考えてみればそうだ
人間が自分たちで何でも出来れば神なんて必要が無い
神とは、言ってみれば人間に出来ないことを代行するだけの便利屋だ
なんて滑稽な話だろうね
完全な存在として不完全な人間という生き物を助けてやっているつもりが、
その実、不完全な人間たちに使われるためだけに生み出された存在だったなんて・・・
その瞬間、男は自分の足場を失った
自分の存在する理由を信じられなくなった
そして、崇め敬ってくれていた人間達に対する絶望感を感じてしまったんだ・・・・・・
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 03:15:35.61 ID:+UHcpVNn0
女「・・・・・・」
男「そんな顔をしないでくださいよ」
女「そんな顔って・・・・・・どんなのだ?」
男「だから、そんな顔」
女「・・・・・・」
男「まぁそんな感じでその男は自分が存在する理由を失った・・・ていうよりは自ら放棄してしまったわけです」
女「その、何だ・・その男が存在する理由を放棄してしまったら・・・困る人間は大勢いるんじゃないのか?」
男「あ〜、それに関しては心配後無用ですよ。その男が一人いなくなった所で誰も困らない
なぜなら、その男・・・神って奴は人間一人ひとりが心のうちに秘めてる願望みたいなもんなんです」
女「・・・・・・」
男「簡単に言うとある人が、ああしたいこうしたいって識域下で考えた時点で
神って言うのは生まれるもんなんです。つまり、人々の数だけ神様がいるんですよ」
女「・・・・・・」
男「誰かが言ってましたね。神とは心に宿るものだって・・・まさにその通り!
これからは一人に一つ!神様の時代・・・」
女「ふざけるな!」
男「(びくっ)」
女「・・・だから死ぬのか?・・・だから殺されるのか?甘えるのもいい加減にしろ!」
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 03:20:02.88 ID:Pj04e583O
wktk
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 03:20:16.00 ID:+UHcpVNn0
女「スマン・・・言い過ぎた」
男「いえ、そんな・・・」
女「ただ、私には正直お前が神かどうかなんてどうでもいいんだ?
ただ・・・お前は辛かったんだろう?」
男「えっ?」
女「お前は・・・自分の存在を自ら否定せざるを得なかったんだろう?」
男「・・・・・・」
女「なら・・・・・無理して笑うな」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 03:26:50.58 ID:+UHcpVNn0
男「・・・・・・ありがとうございます」
女「いや、私も偉そうなことは言えない人間なんだが」
男「いえ、言ってもらえて嬉しいです」
女「ハハハ、それにしても私も大それたことをしてしまったな」
男「何がですか?」
女「恐らく、神様に説教をかましたのは私が初めてだろうな!」
男「ハハハ、確かに僕に説教した人間なんていませんでしたね〜」
女男「ハハハハハハハハハハハ」
女「ふぅ〜・・・で一応確認しておきたいんだが」
男「はい?」
女「お前本当に神様なのか?」
男「・・・・・・信じてなかったんですか?」
女「いや、そのやはり百聞は一見にしかずというか、その・・・」
男「分かりました、んじゃ今何か困ってることありますか?」
女「えっと・・・キッチンが狭い」
男「・・・地味ですねまた」
女「うるさい!」
男「んじゃ見に行ってきてください」
女「えっ?」
男「行けば分かります」
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 03:30:29.31 ID:+UHcpVNn0
女「・・・・何これ?」
男「何って、キッチンですよ?」
女「いやこれ、キッチンはキッチンでも・・・キッチンスタジアムだろうが!」
男「この前見たテレビ番組でこういうのが出てたので流行りかと・・・」
女「バカか!私は何だ?殺しの鉄人か!?」
男「面白くないですよ女さん」
女「しねぇ!!」
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 03:36:34.76 ID:+UHcpVNn0
男「・・・せっかく広くしたのに」
女「限度を考えろ!」
男「まぁいいです、これで分かってもらえましたか?」
女「まぁ、な・・・もともとそんな疑っていたわけでもないんだが」
男「それなら良かったです」
女「そうだもう一つ、一応確認しておきたいんだが・・・」
男「何ですか?」
女「お前・・・その・・・まだ死にたいと思ってるのか?」
男「・・・当然ですよ、死ぬ気マンマンです」
女「・・・・・・そうか」
女(私が何を言ったところでこいつは変わらないだろうな。
下手したら数百年は苦しんできたはずだし・・・神とはいえ神経は磨り減るだろう
この先も苦しむのなら、いっそ!という気持ちは分からないでもない・・・)
女「殺す殺さないは別にしてなんだが・・・・」
男「はい?」
女「お前、どうやったら殺せるんだ?」
男「知りません?」
女「今すぐ死ねぇ!!」
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 03:40:05.10 ID:+UHcpVNn0
男「女さ〜ん」
女「何だ?懲りずに来たのか?」
男「女さんも相変わらず連れないですね〜」
女「そんなことはいいから、何しに来たんだ?」
男「前回来た時は湿っぽくなっちゃったんでゲーム持って来ました」
女「ほう、何だ?WiiかPS3か?ゲームは結構得意だぞ?」
男「じゃじゃん」
女「おおっ!?」
男「ポートピアです」
女「帰れ!」
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 03:46:00.44 ID:+UHcpVNn0
男「そんなこと言わずに」
女「第一ハードが無いだろう」
男「大丈夫です買って来ました」
女「それスーパーの方じゃないか!」
男「えっ、ダメなんですか?」
女「ダメだろ!」
男「大丈夫ですよ・・・えっと・・・これをこうしてっと・・・ほら」
女「うわっ、映った!」
男「まぁ神なんで」
女「無駄なことに力使うなよ」
男「いやいや、これは女さんが無意識にやりたいとおもったから力が発動したんですよ」
女「そうなの?」
男「それより店員さんがいい人で、すごい情報教えてもらったんですよ!なんと・・・」
女「ふんふん」
男「犯人はヤス」
女「不親切!!」
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 03:58:00.09 ID:+UHcpVNn0
女「なあ」
男「はい、何ですか?」
女「お前は神様なんだろう?」
男「そうですよゴッドですよ」
女「お前元々その姿かたちなのか?」
男「いえいえ、僕には実体みたいなものは無いんです」
女「どういうことだ?」
男「前にもちょっと言いましたけど、僕って人間の理想とか想いの集合体なんです」
女「ああ、言っていたな」
男「なので、見る人の視覚に依って見える姿が変わるんです」
女「?」
男「簡単に言うとですね」
女「うむ」
男「今女さんに見えている僕は、女さんの理想の姿なんですよ」
女「・・・・・・」
男「だから、女さんが僕に惚れてもしかたの・・・グェアッ!」
女「誰がいつ惚れたんだ?」
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 04:05:39.85 ID:+UHcpVNn0
男「下らない事を聞きますが」
女「何だ」
男「女さんはなぜ殺し屋などをやっているのですか」
女「・・・前に答えなかったか?」
男「少しニュアンスが違います。なぜやっているのかではなく、そこに至るプロセスが知りたいんです」
女「あんまはなしたくは無いな・・・」
男「あっ、無理にとはいいません」
女「・・・いいよ、あんたの話も聞いたし」
単純な話だ。
私の生まれた街はいわゆるスラムで、
毎日銃声やら、悲鳴やらが聞こえて、
ドラッグなんかも蔓延しているような腐った街だった。
そこで実の親から身売りされてきた私は、豚みたいな男の
愛玩具として毎日、死にたくなるような仕打ちを受けていた。
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 04:11:49.33 ID:+UHcpVNn0
あるとき、そこの豚主人の館が襲撃を受けた。
何でも敵対組織の仕業だって話だけど詳しくは覚えていない。
そこで私は襲撃者の内の一人に拾われたんだ。
男は雇われ傭兵だったが、私を引き取って育ててくれた。
学業を学んで、字も覚えた。
少しだけ違ったのは銃の扱いを教えられたこと。
それに慣れてくると徐々に、様々な訓練、人の殺し方を仕込まれた。
最終的に私は、男と同様に立派な傭兵となっていた。
男は私以外にも数人の少女を傭兵として育てていた。
そして私たちがある程度成長し、力を十分に付けた時。
男は、紛争地帯に私たちを売った。
98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 04:16:50.34 ID:+UHcpVNn0
そこからはあんまり覚えていないな。
密林やら、砂漠やらで、ただひたすらに殺し続けたとしか
殺した中には子供もいたし、妊婦もいたし赤ん坊もいた。
泣き叫んで命乞いする相手に、鉛弾をプレゼントしたりもした。
とにかく、殺さないと殺されるって感じで毎日が地獄の様な感じだった。
一緒に売られてきた仲間も一人ずつ死んで、生き残ったのは二人・・・
いや、私一人みたいなものだった・・・
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 04:23:58.45 ID:+UHcpVNn0
女「紛争が終わった後に私は軍から抜け出して、まぁ普通の職に就けるわけも無く
こうして殺し屋家業なんてことをしているわけだ。どうだ、これで満足か?」
男「そうだったんですか・・・」
女「ああ、聞いて面白いもんでも無いだろう?」
男「そうですね・・・あれ?」
ポタッ・・・ポタッ・・・
女「何で泣いてるんだ?私のために涙なんか・・・」
男「違うんです!」
女「・・・何が違うんだ?」
男「これは僕の涙じゃなくて、女さんの涙です」
女「・・・私の」
男「女さんの心が泣きたがってるんです・・・それを僕が感じ取って・・・どうしよう、止まらない」
女「・・・そうか、私の心が・・・」
男「女さん、前に僕に言いましたよね?無理して笑うなって」
女「・・・・・・ああ」
男「だから・・・きっと・・・女さんは、泣いていいんだと思います」
女「ハハハ・・・何を言い出すかと思ったら・・・フフフフ・・・・」
女「・・・・・・そうか、泣けばよかったのか」
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 04:31:57.40 ID:+UHcpVNn0
男「・・・あれ?女さんだ!車に乗ってどこへ行くんだ?ヘイ!シータク!」
運転手「どちらまで?」
男「あの赤いアルファロメオを追ってくれ!」
運転手「何か事件ですか?」
男「事件は会議室じゃない!現場が起こしてるんだ!」
運転手「何言ってるんですか?とにかく追えばいいんですね?」
男「全速力でよろしくぅ!」
運転手(何だようぜぇーなこいつ)
キキィー
運転手「この建物に入っていったみたいですよ」
男「ありがとう、室井さん!」
運転手「俺はあぶ刑事派だ!」
男「え〜っと、何だここは?医療施設?」
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 04:40:29.34 ID:+UHcpVNn0
男「病気の療養施設か・・・女さんは・・・あっいたぞ」
女「みんな〜元気だった?」
子供「女おね〜ちゃんだ〜!わ〜いわ〜い!」
男「・・・まさか隠し子?とかいう冗談は置いておいて・・・あっ、そこの人」
職員「はい、何でしょうか?」
男「あの人って良く来るんですか?」
職員「ああ、女さんですね。はい、月に数回は来てくれていますが」
男「子供たちと遊びに?」
職員「いえいえ、お友達のお見舞いに来られてるんですよ。子供たちはそのついでみたいです」
男「そうですか、その・・・友達って言うのは?」
職員「何でも、昔からのお友達だそうで、ただ・・・」
男「ただ?」
職員「ここ数年・・・いえ、ここに来てからずっと意識を失ったままなんです」
男「・・・・・・そうですか、わざわざありがとうございます」
職員「いえいえ、どういたしまして」
女「コラー、三人がかりはズルイぞ〜」
子供「女は大人なんだから我慢しろよな〜」
女「こいつ〜、今呼び捨てしたな〜」
男「・・・女さん・・・あんな風に笑うんだ」
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 04:46:20.74 ID:+UHcpVNn0
男「あっ、子供たちと別れた」
スタスタスタ
男「友達の病室に向かうのかな?」
女「・・・久しぶりね女子・・・元気だった?」
女子「・・・・・・」
女「今日は顔色いいね・・・そういえばね、最近面白い奴が遊びに来るの」
女子「・・・・・・」
女「男って言うんだけどね・・・イキナリ「殺してください」とか言って・・・それでそいつがね・・・」
男「女さん・・・答えない相手に延々色んな話を・・・」
女「あっ、もうこんな時間だ。そろそろ行くね」
男「あっ、ヤバイ!こっちに来る・・・」
女「男、何をしているんだ?」
106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 04:53:34.73 ID:+UHcpVNn0
男「あっいや、これはその・・・」
女「お前な!尾行するならもう少し上手くやれ!」
男「あっ、その時点でばれてたんですか?」
女「ああ、全く・・・人のプライベートを・・・」
男「・・・あの人って」
女「ああ、女子か?前に話しただろう?紛争地帯で生き残った仲間だ」
男「はい」
女「もっとも、あれでは生きているとは言えないかも知れないけどな」
男「・・・毎月来てるんですか?」
女「ああ、時間が許す限り来ている」
男「・・・あの人・・・もう目は」
女「覚まさないだろうな、神様だからそんくらい分かるだろう」
男「・・・・・・もし良かったら、あの人」
女「治さないぞ!」
男「・・・・・・」
女「スマン、お前も善意で言ってくれてるんだろうが・・・」
男「いえ、出しゃばりましたね」
女「・・・・シンミリしてしまったな・・・帰るか」
男「・・・はい」
女「・・・・・・」
ブ〜ン
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 05:01:49.27 ID:+UHcpVNn0
女「男のここ最近みないな・・・まあいい、今日は女子に会いに行く日だ」
女「元気にしてたか〜、このやんちゃくれども」
子供「あっ、今日は女ねーちゃんも来てくれたんだ」
女「も?どういうこと?」
子供「え〜、あのお兄ちゃん女ねーちゃんのすてでぃーだって言ってたんだけどなぁ」
女「・・・・まさか!?」
男「オラー、俺に捕まったら女の子は漏れなくセクハラするぞー、男は帰れー」
女「ドサクサににまぎれて何てこというんだ!」
男「あっ、女さんどうしたんですか?」
女「こっちの台詞だ!どうしてお前がここにいる!?」
男「いや、最近体が訛ってたんで、この前来たときに丁度いい運動場所見つけたな〜って・・・」
女「ふざけるな!どういうつもりで来ているかは知らんが・・・同情・・・」
男「違いますよ・・・同情なんかじゃないです・・・同情なんかできるわけないじゃないですか」
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 05:09:02.90 ID:+UHcpVNn0
男「聞きましたよ〜・・・ここが経営難で潰れるところをヤクザな連中に吹っかけられた額で買い取って
仕事の報酬のほとんどここにつぎ込んでるって・・・院長先生が話してくれました」
女「・・・院長め、余計なことを」
男「女子さんのためっていうのもあるんでしょうけど、子供たちのためでもあるんでしょ?」
女「・・・あの子達はここが無くなったら恐らく行くところなんて無い
もしかしたら良からぬ輩に拾われて、私のような道を歩むかもしれない・・・」
男「・・・・・・」
女「贖罪・・・みたいなものかもしれない。自分が殺した人たちや、救えなかった仲間たちに対する・・・」
男「そうですか・・・」
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 05:18:12.42 ID:+UHcpVNn0
男「僕ね、さっきの話を聞いたときに何かしたいって思ったんです」
女「えっ?」
男「初めてかもしれないんですよ、今まで求められて答えることはあっても、
自分から何かをしてあげたいなんて考えたこと無かった・・・」
女「男・・・」
男「だから、やってみたんです。お金とかだと女さん受け取らないだろうし、
女子さんを治すのは断られたけど・・・これくらいなら出来るだろうって」
女「・・・・・・」
男「!?女さん?どうしたんですか?やっぱ気に入りませんでしたか?」
女「・・・・ありがとう」
男「えっ?」
女「ありがとう・・・・ありがとう・・・ありがとう・・・・」
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 05:38:44.78 ID:+UHcpVNn0
男「女さんの料理は上手いですね」
女「最初は良く分からないとか言っていた奴が何を言っているんだか」
男「最近少しずつ味が分かるようになってきたんですよ」
女「ほぉー、慣れというやつか?」
男「そうですね、それに前にも言いましたけど」
女「何だ?」
男「女さんの作る料理ってやっぱりなんか・・・温かいんですよね」
女「フフフ・・・そうか・・・お替りはあるぞ?どうだ?」
男「あっ、それは遠慮します」
女「吐き出せ!!」
114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 05:45:27.80 ID:+UHcpVNn0
男「フンフンフフーン♪」
女「どうした?いやに機嫌がいいな」
男「いえ、何か「普通」っていいなぁって思って」
女「普通?普通の何がいいんだ?」
男「だから、普通ですよ普通。女さんがいて、僕がいて、昼間はどうでもいい話したり、ポートピアやったり・・・」
女「ポートピアやったこと無いけどな」
男「夜は女さんの作ったご飯食べて・・・こうやってダラダラと・・・」
女「お前、いつの間にか通い夫みたいになってたな」
男「最近ね、僕考えるんです」
女「うん?何をだ?」
男「僕はどうなったら死ぬのか?ってことを」
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 05:58:03.50 ID:+UHcpVNn0
女「・・・・・・」
男「どうしました?」
女「いや・・・何でもない、続けろ」
男「えーっと・・・どこからだっけ?あぁ、どうやったら死ぬかでしたね」
女「ああ」
男「僕が思うにですね、僕が存在していられるのは誰かが僕を必要としているからなんですね」
女「うむ」
男「つまるところ・・・誰からも必要とされなければ僕は存在していられないわけです」
女「そんなこと・・・神様を必要としている人間なんて腐るほどいるだろう」
男「そう!そこなんですよ重要なのは」
女「??」
男「端的に言うとですね、僕が誰か一人の人間の神様であることを選べば
僕の存在意義というものはその相手に委ねられるわけです」
女「・・・・・・そんなことが可能なのか?」
男「さぁやったことありませんから、でももしできたらその一人の人が僕のことを否定すれば・・・」
女「・・・・・・」
男「僕は死ぬことが出来る」
男「不信仰が神を殺すとはよく言ったものですね
まぁ神様って言うのは生きているというよりはそこに在るという感じですから
死ぬとか殺されるというのとは少し違う気もしますが・・・」
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 06:00:56.65 ID:+UHcpVNn0
女「つまり、お前はまだ死ぬ気でいる・・・と」
男「・・・はい」
女「・・・そうか、悪い今日はもう帰ってくれ」
男「・・・分かりました」
ガチャ、バタン
女「・・・出来るわけ無いじゃないか・・・お前を殺すことなんて」
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 06:11:01.73 ID:+UHcpVNn0
依頼人「ターゲットはこいつだ」
黒男「・・・こいつは、あの女か?」
依頼人「ああ、最近はトンと大人しくなってな、仕事を請ける量も減った」
黒男「牙の抜けた狼には用がないってわけか」
依頼人「まぁそういうことだ、堅気にでもなられたら飼っていた意味が無くなる」
黒男「ヒュー、腹黒いねえ、依頼人さんは」
依頼人「こんな世界にいれば白いもんも黒く染まるってことだ」
男「女さ〜ん、マリオカートやろうよ」
女「いいぞ・・・ってSFCとはまたコアな・・・」
男「いいじゃん、面白いし。僕はキノピオッと・・・」
女「私は・・・」
男「えっ、女さんピーチ!?ピーチ使っちゃうの!?へ〜(ニヤニヤ)」
女「言っておくが私はアフガニスタンの桃天女といわれた女だ!手加減は出来んぞ」
男「・・・アフガニスタンでマリカーですか?」
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 06:20:51.25 ID:+UHcpVNn0
男「あれっ?女さんいないのか〜・・・今日こそマリカーで勝つって息巻いてたのに・・・」
男「・・・・・・遅いな〜、最近は仕事も控えてたし、今日も出掛けるなんて一言も・・・」
男「おかしいな・・・いくらなんでも遅いな・・・まさかどっかでマリカーの秘密特訓でも・・・」
プルルルルル プルルルルル
ガチャ
男「はい、もしもし」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 06:31:06.04 ID:+UHcpVNn0
女「・・・・・・ぅん・・・・・・ツゥっ!」
女「・・・・ここは・・・・・・病院?」
ガチャ
医者「おぉ、女さん。気が付かれて良かった」
女「えっと、私は・・・・?」
医者「女さん、あなたは事故に遭われて数日間生死の境をさまよっていたのですよ」
女「事故・・・そうだ私は女子のことで呼び出されて・・・」
女「・・・!?ブレーキが利かない!?」
車に細工をされていて、ガードレールを突き破って崖に・・・
医者「ともかく目覚めてよかった」
女「あの?誰か会いに来ませんでしたか?」
医者「ああ、男さんという方が何度か様子を見に来られましたが・・・ここ数日は見ていませんねえ」
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 06:43:02.81 ID:+UHcpVNn0
女「・・・・・・今日も来ない、か。何か最初の頃を思い出すな」
コンコン
看護師「女さん、お加減どうですか〜?」
女「はい、大分気分はいいです
看護師「そう、一時はどうなるかと思ったけど本当に良かった」
女「ありがとうございます」
看護師「そういえば、彼氏さんは来てるの?」
女「か、彼氏・・・?ああ、もしかして男のことですか?」
看護師「このこの、隠さなくてもいいのよ。いい人じゃない」
女「はぁ(あいつ、もしかしてもてるのか?まあ神様だからな)」
看護師「一度ね、あなたが運ばれてきてから三日目かな?面会時間ギリギリに男さんがやってきて
今日だけでいいから女さんの傍にいさせてくれって婦長にかけあってね・・・」
女「男が・・・」
看護師「私もあんな風に心配されてみたいな〜・・・ってゴメンなさい
病人さんを前に不謹慎だったわね」
女「いえ、お気になさらず」
看護師「それじゃあ、また来ますね〜」
ガラガラ
女「////// 男、早く来ないかな?」
122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 06:48:45.69 ID:+UHcpVNn0
女「男・・・今日も来ないな」
女「・・・・・早く来い!いつまで待たせる気なんだ?」
医者「退院おめでとうございます」
看護師「元気になって本当に良かったですね」
女「ありがとうふございます、お世話になりました」
医者「定期的に検診はうけてください、それではお大事に」
女「はい、それでは失礼します」
ガチャ、バタン
女「ふぅ、やっぱり自分の家が一番落ち着くわ・・・ん?」
124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:04:01.52 ID:+UHcpVNn0
ガサ
女「何だこれは・・・手紙?」
ビリビリ ガサ
女「・・・・・・男からの・・・・・・?」
女さんへ
これを読んでいるということは無事に退院できたみたいですね?
良かったです、安心しました。
女「フフフ、お前の目で確認してないだろう馬鹿者が」
さて、時間も無いので駆け足で行きたいと思います
女さんに伝えなければいけない、よいお知らせと残念なお知らせが、
二つずつあります。どちらがいいですか?
女「う〜ん、いいお知らせかな?」
女さんはいいお知らせから聞きたがると思うのでよいお知らせから行きますね
まず一つ目は療養施設のお金はもう支払わなくて良いことになりました
簡単に言うと払う相手がいなくなったので払わなくても良くなったってことです
二つ目は、これはとてもよいお知らせですよ
なんと、女子さんが目を覚ましたそうです
まだ、安静だそうですが早く会いに行ってあげてくださいね
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:05:22.02 ID:FkVA94Sm0
もうすぐ終わりそうだな
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:05:48.93 ID:gOco/2g2O
wktk
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:08:57.41 ID:+UHcpVNn0
女「・・・・女子が、そうか・・・・良かった・・・」
さて、次は悪いお知らせです
言いたくないけど言わなくてはなりません、サーセン
女「フフフ、早く言ったらどうだ」
一つ目は、女さんは殺し屋家業を廃業することになりました
ちょっとその・・・仕事を回している大本の組織を
ほにゃららしてしまったので・・・ゴメンなさい・・・
女「・・・ほにゃらら・・・まさかあいつ!?」
さて、二つ目の悪いお知らせです
これは本当に僕にとっても悪いお知らせです・・・
女「・・・・・・・」
残念ですがもう女さんと会うことが出来なくなってしまいました
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:10:16.57 ID:qgjizDLnO
佳境!佳境!wktk!wktk!
でもやべぇwwww眠いwww
129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:12:01.70 ID:gOco/2g2O
(´;ω;`)
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:13:04.52 ID:4RgxSXik0
急展開ktkr
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:14:29.63 ID:+UHcpVNn0
女「・・・馬鹿野郎!・・・下手な嘘つきやがって・・・」
ガチャ、バタン
ブロロロロ〜
女(どこにいるんだ?消えたなんて嘘だろ?返事をしないか!
いつもみたいに悩みなんてなさそうな間抜け面で!)
うん、正直こんな不本意な形で女さんと遭えなくなるなんて思ってなかった
でもね、これ書いているのは”消える”ちょっと前くらいなんだけど
不思議と後悔とかっていうのは無いんだ
女「許さないぞ・・・お前が消えるのは私に殺されたときだけだって言っただろう!」
134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:21:37.44 ID:+UHcpVNn0
キキー!バタン!
職員「あらっ、女さん!?良かったわ、事故に遭ったって聞いて・・・」
女「男は!?」
職員「ふぇ!?」
女「男は来ていませんか!?」
職員「き、今日は来ていませんけど・・・・」
女「・・・そうですか(クルッ)」
職員「あっ、ちょっと待って。女子さんには会って行かれないんですか?」
女子「・・・・・・女?」
女「・・・私が、わかるの?」
女子「分かるわよ・・・ずっと会いに来てくれてたじゃない?」
女「お・・・女子・・・良かった、ホントに・・・」
女子「フフフ、そんなに泣かないでよ」
女「だって・・・私・・・嬉しくて・・・」
女子「フフフ・・・あら、そういえば今日は・・・」
女子「男さんは一緒じゃないの?」
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:29:58.52 ID:+UHcpVNn0
女「・・・えっ?何で男のこと・・・・?」
女子「あれ、違ったのかしら?私目が覚めたばかりだったから
視力が戻っていなくて顔は良く分からなかったんだけど・・・」
初めまして、女さんの友人の男です
目覚められて本当に良かった
女さんは今、ちょっと事故に遭って入院中でして、代わりに僕が・・・
えっ、大丈夫ですよ!殺しても死にませんから!ハハハ
それに万が一のときは僕が・・・いえ、何でもないです
とにかく僕が付いていれば大丈夫ですから!
女子「・・・って。他にも女がずっと見舞いに来てくれていたこととかも話してくれて」
女「他には!?他には何か言ってなかった?」
女子「・・・特には言ってなかったと思うわ」
女「そうか・・・ありがとう!」
女子「あっ、女!」
女「・・・何?」
女子「今までありがとう!それと、これからもよろしく!」
143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:35:37.91 ID:+UHcpVNn0
タッタッタ
子供「あ〜、女だ〜」
子供「女ね〜ちゃんだ〜、久しぶり〜」
女「お〜、久しぶりだね!」
子供「ね〜、おそぼ〜」
女「ゴメンね、今日はちょっと・・・あっ、あんた達、男に会った?」
子供「男にいちゃん?うん一回来たよ〜」
子供「うん、男にいちゃんね〜泣いてたの〜」
女「えっ?」
子供「男にいちゃんね〜、いんちょーせんせーのお部屋から出てきた後にね
僕らがおにいちゃんのとこに行ったらね〜目がねなみだで一杯だったの〜」
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:43:47.90 ID:+UHcpVNn0
さて、手紙もいよいよ最後です
何というか、今まで・・・と言っても短い間でしたが
本当に女さんには迷惑を掛けた気がします
(迷惑なんかじゃなかった・・・お前がいて私も・・・)
でも楽しかったでしょ?
いろいろなことしましたしね〜・・・ポートピアとか
(だから・・・やってないだろ!)
あれ、犯人がヤスってそのままだったんですね〜
店の親父後で殴っとかないと
(遅いよ!もっと早く気づこうよ!)
148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:49:52.68 ID:+UHcpVNn0
マリカーも、えっとなんでしたっけ?
バイカル湖の桃の天然水でしたっけ?
(アフガニスタンの桃天女・・・もういいよそのあだ名)
結局弱かったですしね〜
ポートピア
(マリカーじゃないのかよ!?あれ勝ち負けとかねえだろ!)
あっ、そろそろ時間が来たみたいです・・・
そろそろお別れですね
(・・・最後ゲームって言うかポートピア尽くしじゃないか!)
それでは最後に・・・
好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです
好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです
好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです
好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです
好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです
151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:56:45.62 ID:gOco/2g2O
そろそろ最終回だ 続きwktk
152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:56:47.75 ID:+UHcpVNn0
女「フフフ・・・最後まで馬鹿な奴だった・・・
・・・ふ・・・ふっ・・・ふぇ〜ん・・・」
女「あんなこと書く暇があったら会いに来い!」
いや、マジで時間が無かったんですよ。病院遠いし
女「消えるなら消えるでもっと早く言え!」
あ〜、その何ていうか消えると思ってなかったんですよ
女「私が・・・私がお前を殺すはずだったのに〜!!」
いや、結果的に女さんのせいで死んだって言うか消えたみたいなものですから
女「・・・・・・なんでいるんだ?」
男「・・・・・・なんででしょう?」
153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:57:45.72 ID:gOco/2g2O
復活ktkr
154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 07:59:21.53 ID:qgjizDLnO
愛が死ぬことは無い
156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 08:05:07.49 ID:+UHcpVNn0
男「簡単に言うとですね」
女「・・・・・・」
男「間違いなく一回消えたんですよ」
女「・・・・・・何で?」
男「えっと、色々ヤンチャなことをしまして」
女「・・・何したの?」
男「例えば・・・女さんが心停止した現場に偶然居合わせて、
看護婦さんに付き添いたいって嘘ついて生き返らせたりとか
女さんを事故に合わせた組織と殺し屋にちょっと痛い目合わせたりとか
ついでにその組織の資金根こそぎ奪ってみたりだとか・・・そんな感じです」
女「私・・・一回死んだの?」
男「はい」
女「心停止?」
男「はい」
女「生き返らせた?」
男「はい」
女「・・・・・・」
157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 08:10:38.23 ID:+UHcpVNn0
男「まあそれでですね、前に少し話しましたけど。
神たるもの特定の誰かのために力を使うべからず見たいな感じで
なんか消滅することが決定したわけですよ」
女「私の・・・せいで」
男「で、まぁすぐ消えるのかな?って思ったらなぜか一周間くらい猶予が
あったわけですね。それでまあお別れぐらいしようと思っていたら
これが起きないわけですよお寝坊さんが」
女「そ、それは私のせいでは・・・」
男「んで仕方ないから出来る限りのことやっておこうと思って色々とね
動き回っていたらとうとう女さんが目覚める前に一周間が過ぎましたとさ」
女「それは・・・その・・・すまなかったな」
160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 08:19:46.45 ID:4RgxSXik0
wktkwktk
161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/08(金) 08:19:57.36 ID:+UHcpVNn0
男「まぁいいですよ、こうしてまた会えたわけだしね」
ギュッ!!
女「コラッ、苦しいぞ!離せ!」
男「嫌です」
女「じゃあ、離さなくていいから少しだけ力ゆるめてくれ」
男「嫌です」
女「じゃあ・・・このままでいい」
男「はい、もう離しません」
女「・・・馬鹿め/////////」
女「ところで・・・一度消えたのにどうして戻ってきたんだ?」
男「ああ、簡単ですよ。今の僕は前の神様ではなく、女さんが心の中で望んだもの」
女「・・・・・・つまり?」
男「姿かたちは一緒ですが、ついさっき新しく生まれたってわけです」
女「すごい屁理屈だな・・・でも屁理屈でも構わん」
男「はい、今の僕は正真正銘・・・・」
あなただけの神様ですよ
糸冬
出典:ハムスター速報 2ろぐ 跡地
リンク:http://urasoku.blog106.fc2.com/?mode=m&no=495

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