頭のおかしいおばさんと派手目な美人ギャル

2011/01/03 15:31 登録: 西風

都内の某有名お花見スポットにお花見に行ったときのこと。
その日は前日とは打って変わってやけに気温の低い日だった。
温かい飲み物を求めて、最寄のスタバには客殺到。
私も店外に伸びた長蛇の列に加わって並んでいた。
暫く並んで、お店の入り口ももうすぐというところまで来た時、肩を叩かれた。
振り向くと、シロガネーゼ(古)風の巻き髪お化粧ばっちりの女性。
推定35歳。

「これお願い。一緒に買ってきて」

と紙を差し出す。
紙はぐっちゃぐちゃに書かれた飲み物のオーダー。
しかも「低脂肪乳で」「ホイップ追加」など注文がうるさい。
事情が飲み込めず、ていうか誰この人?などと頭が混乱して固まっていると、

「だから!これを買ってこいっていってるの!」

と追い討ち。

え??

女「だからぁ!子供が小さいから!子供って体が繊細なの!
風邪引いたらあなた責任取れるの?」

私「…?」

女性が指差すほうを見てみると、同じようなテイストの女性が数人とちびっ子たち。
どうやら「ママ友」たちとお花見に来た模様。

女「あなたどうせ並んでるんだから一緒でしょって言ってるの!」

私「……?」

女「メモ早く受け取りなさいよ。…あなた日本語通じる?日本人じゃないの?」

呆気に取られて声が出なかった私だが、ここでようやく一言発することができた。
ただし大いに混乱していたため、

「どちらさまですか」

という間抜けた一言。
我ながら(ノ∀`) アチャーと思ったところ、すぐ後ろから若い女の子が爆笑する声が聞こえた
(手叩き付き)。
振り向くと、私の後ろに並んでいた派手目なギャル2人(以下仮名Aちゃん・Bちゃん)が、腹抱えて大爆笑していた。(ちなみに二人ともモデルさんのような美人だった)

「ちょwww他人wwwww他人に命令wwwwwwwありえねwwwwwwww」
「日本語通じるとかwwwwwwそれおめえだしwwwwwwwwどんだけwwwwwww」
「やマジ意味わかんねえしwwwwwwてかマジどちらさまだしwwwwwwww」

箸が転んでも可笑しいお年頃のギャルたちは、およそこんな感じでとにかく大ウケ。
女性の表情がみるみる般若のように変わり、私からギャルたちにロックオン対象変更。
顔を引き攣らせながらギャルを睨みつけると、吐き捨てるように一言、

「下っ品な…親の顔が見てみたいわ」

どの面下げて親とか言ってんだよと私もさすがに頭にきて、「あなたねえ!」と言いかけるとAちゃんが私を軽く手で制した。
その後の彼女たちが、かっこよすぎて痺れた。

Aちゃん「確かにうちらチャラいけど、
うちの親はウチ(=私)が寒いとか文句言ってても寒いのはみんな一緒だから、
お年寄りとかウチより辛いんだから、我慢しろって言うわけ。
ズルとかしないの。絶対。
親がそんなだからウチはあんたのことありえないっつってんの。」

Bちゃん「うちの親、ウチが人にもの頼んで頭も下げなかったら、マジ100%ぶん殴るけどね
ウチのこと。顔見たがるのは勝手だけど、あんたも超怒られるよマジで」

女性は顔真っ赤にして、眼球が飛び出るんじゃないかと思うような壮絶な表情で、メモくしゃくしゃに丸めてギャルたちに投げつけて、ガツガツと去って行った。
ギャルたちは自分たちのことそっちのけで、女性に向かって

「てめぇお姉さん(私のこと)に謝ってけよ!」

と怒ってくれた(女性は無視して行ってしまったが)。
私のせいでイヤな思いさせちゃってごめんなさいね、と彼女たちに謝ると、

Aちゃん「え、お姉さん被害者なのに謝るとか意味わかんないし!」

Bちゃん「てかマジ頭おかしいすよねーあのババァ。気にすることないと思う」

と逆に口々に励まされてしまった。
彼女たちの後ろに並んでいたおばさま方も、

「あなたたちやるわねえ!」
「いい親御さんなのねー」
「でももっと女の子らしく喋りなさい。てめえなんで言っちゃダメ!」

などと話しかけ、彼女たちは照れくさそうに笑っていた。

ここからは余談。
彼女たちが「小腹減った」「ケーキやばい超うまそう」だけど「新歓とかあるし金ヤバめ」なため「じゃあ今日は我慢だね」と話しているのを小耳に挟んだので、御馳走させていただくことにした。
自分の順番が回ってきたとき、小声で

「あの、後ろのお二人にケーキを…」

とオーダーすると店員さんは一瞬怪訝そうな顔をしていたが、そこに別の店員さんが登場。
彼は一連の騒動の時に外の清掃をしていた人で、レジの店員さんに事情を伝えてくれたらしい。
レジの店員さんは「あーなるほど」という表情に変わり、「かしこまりました」とオーダーを受けてくれた。
ギャルたちのトレーにケーキが運ばれ、

「え、頼んでないですけど?」

と戸惑う彼女たちに、店員さんがニヤリと笑って私を指し、

「あちらのお客様からでございます」

と伝えた。
彼女たちはこちらが恐縮するほどあたふたして、Aちゃんは

「何で?何で?」

と繰り返し、Bちゃんは

「払いますっ」

と言うが早いかバッグの中を大慌てで漁り始めた。

私「だってさっき助けてもらったんだから、これくらいのお礼はさせてもらわないと」

Aちゃん「お礼とかほんといいですから!」

Bちゃん「うちらそんなつもりでアレしたんじゃないんで!」

私「それはわかってるのよ?でも…」

押し問答になりそうだったところ、さっきのおばさま方が

「あなたたち、社会に出たら年上の人には御馳走してもらうのも礼儀のひとつよ」
「そうよー、ここはいただいちゃいなさいよ!」

と援護射撃をしてくれて、さっきのやりとりを見ていたらしい
店内のお客さんから小さな拍手なんかも起こって、彼女たちはようやく承服してくれた。

「ありがとうございます!」

と言われたので、

「そんな、こちらこそありがとうございました」

と言って店を出た。
なんかもう本当にいい子たちだった。

出典:神爆笑.com
リンク://kamibakusho.com/archives/51204506.html

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