成人の日の社説がウザい件

2011/01/17 23:45 登録: えっちな名無しさん

2011-01-10
きょうは成人の日。主要各紙は社説で若者煽りスキルを競いあったようです。

皆さんは、どの社説が一番ムカっと来るでしょうか。以下に抜粋してみました(太字などはテラケイが行いました)。

社説:成人の日 古い船を動かせるのは(毎日新聞社説:2011年1月10日)

 新成人を心から祝福したい。

 何がめでたいものか、という反発もあるかもしれない。確かに、社会保障制度の先行き不透明さと、このままでは将来のしかかってくる過重な負担。いや、今、超氷河期といわれる就職難、雇用不安、格差の激浪をどう乗り切ればいいのか。

 この世代、生まれたころにはバブル景気は去ろうとしており、「ゆとりだ」「学力だ」と学校教育指針もぶれた。大学への進学率が5割を超す時代になったものの、学業そっちのけで「就活」に走る先輩たちの背を見て焦りは募る。

 留学しようにも、「新卒1本勝負」のような採用システムでは、なかなか海外でじっくり学んでいるゆとりはないのに「内向き」といわれる。

 何と割をくった世代だ−−。こう言いたくもなるかもしれない。その責任の多くは「大人たち」にあり、改善して次代に継ぐ義務もある。

 そして、それはあなたたちも担わなければならない。そう、あなたたちも「大人」になったのだ。

(後略)

■日本の長期低迷の責任が20歳になったら突然に発生してしまうようです。悲しいですね。割を食うだけ食って、責任だけが増えました。



成人の日に―仲間とつながり世の中へ(朝日新聞社説:2011年1月10日)

(前略)

 君は経済が右肩下がりの時代を生きた初めての世代のなかにいる。

 「失われた20年」の長期停滞から抜け出せない日本は、前例のない少子高齢化社会に突入している。

 君たちの肩には今後、国の抱える膨大な借金と、増え続ける年金や医療費の負担がのしかかる。そのうえ就職難だ。バイト代だって頭打ちが続く。

 アジアの他国が台頭するなか、君たちは、内向きだ、草食系だ、専業主婦願望が強いなどと評されてきた。中国や韓国の若者に比べ、ガッツがないと責められ、「龍馬、いでよ」「坂の上の雲はどこへ」とせっつかれる。

 こんな世の中にだれがした、と文句のひとつも言いたいところだろう。

 しかし電車でゲームや携帯に没頭する君たちを見ると大丈夫か、と心配が先に立つ。世間の情勢を知れば、暗くなるからと、現実から目をそむけているのではないかと疑いたくもなる。

 年配者の杞憂(きゆう)であれば幸いだ。

(後略)

■「君たち」となれなれしく呼んで、絶えず上から目線の煽りを加えています。筆者の偏見を杞憂と表現しているほか、文体に工夫が見られ、なかなかハイレベルです。



新成人へ 世界に大きくはばたこう(読売新聞社説:2011年1月10日)

 今日は成人の日。1990年生まれの新成人124万人が、新たな門出を迎える。

 大人としての自覚と責任を胸に、確かな一歩を踏み出してほしい。

 とはいえ、景気低迷による超氷河期の就職難で、将来に不安を抱いている人も多いことだろう。

 年金や医療への財政負担が増え国の借金はかさむ一方だ。そのツケは、今の若い世代に回る。

 経済力の面でも、中国や韓国の攻勢に押されて、世界における日本の存在感は低下しつつある。

 豊かな未来を切り開いて行くためには、グローバル化が進む世界の活力を日本に取り入れることが欠かせない。

 気がかりなのは、今の若者の間に「内向き志向」が強まっていることだ。

 2008年の日本人留学生の数は約6万7000人で、ピーク時の04年の8割に減っている。特に米国留学の減少が目立ち、その数は、中国やインド、韓国などからの留学生に引き離されている。

◆留学嫌う内向き志向◆

 なぜ留学生が減っているか。留学には費用がかかる。帰国後の就職先にも不安があるだろう。

 だが、米国の大学には世界の頭脳が集まり、そこで緊密な人的ネットワークが作られる。留学者減少は、知財立国の将来に暗い影を投げかけることにならないか。

 途上国で技術支援を行う青年海外協力隊への09年度の応募者は、約4700人で、1万人を超えていた1990年代の半分以下だ。最近は海外勤務を望まない新入社員も増えているという。

 今の若者は、バブル崩壊後の90年代に育ち、時代の閉塞感を敏感に受け止めてきた世代でもある。安全で確実な道を歩みたい気持ちが強いのかもしれない。

 近年は「ガラパゴス化」という言葉が話題になっている。独自に進化した生物が生息する南太平洋のガラパゴス諸島を、今日の日本に例えている。

 携帯電話などの技術や基準が国内市場に特化されすぎた結果、世界展開への弊害となっている状態を揶揄(やゆ)した言葉でもある。

 周囲から隔離された環境で進化を遂げた生物は、外来種の攻撃に弱い。世界の厳しい現実を見ようとせず、居心地のよい日本に安住する若者を、ガラパゴス諸島のイグアナに見立てる人もいる。

 内向き志向に陥ることなく、もっと危機感を持って世界に目を向けてほしい。

(後略)

■日本の若者を「内向き」と決め付けて、ひきこもって現実逃避するなと激励をしてくれています。なんとも心が温まる先輩の激励ですね。



いかがでしたか。各紙の社説に共通するのは、「上から目線で」「内向きだと決めつけ」「現実から目を背けるな」という点ですかね。このように、根拠なく決め付けているだけでなく、自分のことを棚にあげて、明らかな安全地帯から煽っているのも、読者をイラつかせるスパイスとして効いているようです。あと、こんな素晴らしい激励文なのに署名がありません。





*どんよりした気分を解消するために、最後は日経新聞の社説のリンクを貼っておきます。

若者たちがもっと活躍する社会に



出典: 
リンク:http://d.hatena.ne.jp/thinking-terra/20110110/1294657156

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