「私とつきあうなら学会員になって」
2011/01/19 01:07 登録: 名無しの作者
高校生の頃、文化祭の仕事を通じて好きになった後輩がいた。
どちらかというと彼女の方が積極的だったが、いざつきあおうという時点で「私とつきあうなら学会員になって」と言われ、かなり悩んだ。
宗教や哲学には興味があったが、特定の宗教に入りたくはなかった。
にわかではあったが仏教を勉強し始め、自分さえブレなければ学会で仏教の勉強をしてみるのもいいか、と思い始めた。
学会の中では、どのような人たちがどのような研究をしているのだろうか。
初心者でもやさしく仏の教えを説いてくれるのだろうか。
まずはどんなところか、見てみないことには始まらない。
そこで、彼女に「集会につれて行ってほしい」と伝えた。
彼女はとても喜んで、その週末に集会場に連れて行ってくれた。
集会場では、派手なPRビデオを何本か見せられた。
仏教の「ぶ」の字もなかった。唖然とした。
その後入会の挙手を求められ、連れてこられた方々が次々に手を挙げるのを見て、何かが間違っていると思った。
いやいや、説明不足なだけで、勉強会ぐらいはあるのだろうと質問をしてみたが、よくわからないようだった。まさかと思って仏教に関する質問をしてみたが、話がかみ合わない。
「天上天下唯我独尊」さえも知らない人が多かったのには、もう何というか、絶望的な印象しか残らなかった。
ご両親も熱心な学会員で、学会なしの生活は考えられないという彼女とは、そこで別れた。
学会の存在がなければ引き裂かれることもなかったと思うが、正式につきあう前にわかって傷が浅くすんだのだ、とも思う。
出典:オリジナル
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