ＶＳ新聞勧誘

ピンポーン♪

ガチャ
俺「はい？」

業者「どうもこんちわー！●●新聞の者ですぅ〜。お兄さん新聞読んでます？」

俺「読んでない。そしてお前も呼んでない」

業者「うまいこといいますねー」

俺「新聞要らないから帰って」

業者「今どき新聞読んでないなんてアリエナイっすよ。今申し込むと洗剤もお付けしますよ」

俺「新聞読むとアリエールみたいな？」

業者「その通りです。でも残念ながら洗剤はアタックです」

俺「お前が猛烈アタックしても俺が新聞買うことはないからもう帰れ」業者「まぁまぁそう言わずに〜。今ならカレンダーも付けますよ？」

俺「裏面の連載物よりしつこいなお前。新聞だけじゃなくて空気も読め」

業者「冷たいなーお兄さん。この際、新聞と一緒に心も開いてくださいよ。もし約束してくれたら洗剤３つ付けるから」

俺「そんな約束なんて新聞と一緒に破るだけだし」

業者「そんなに睨むなよ。新聞の見開きより目が見開いてるぜ？」

俺「てめー上等だ。新聞だけに白黒つけようじゃねーか」

業者「望むところだ。俺はこう見えてボクシンブンやってたからな。喧嘩じゃ負ねーよ」

俺「新聞紙は逆さから読んでも新聞紙。お前が逆立ちしても俺には勝てねーよ」

業者「それはどうかな。あんたの動きなんて学級新聞より読みやすいぜ」

俺「新聞の経済評論みたいに能書きばっかたれてんじゃねーぞ」

業者「能書きかどうかはこの技を見破ってからにしな！　　　秘技！真・分身！」

俺「な、なんだこれは！業者が分身した！」

業者「ふはははは！この真・分身の動きは絶対に読めないのだ！
　　　まるでお前が新聞紙を読めないようにな！」

俺「ちっ！まさに紙面楚歌だぜ…！」

業者「約束と新聞は破れてもこの技は破れまい！」

俺「新聞には載っても調子に乗るなよコノヤロウ。
　　くらえっ！真・分身破り！」


ドゴッ！！


業者「ぎょおおしゃぁぁぁ！！！」


バタッ…


俺「どうだ。これで“業者狩り”といわれる俺の実力がわかっただろう」

業者「な、なに…。お前があの“業者狩り”だったのか…！ぐふっ！」

俺「そうだ。だが俺を相手にここまで戦った業者はお前が初めてだ。勇敢(夕刊)だったぜ。」

業者「ふ。やめてくれよ。まさかこんな新聞の４コマみたいなオチが待っているとはな」

俺「人生の結末なんて紙(神)のみぞ知るってもんだ」

業者「最後の最後までうまいこと言いやがって」

俺「ほら。手を挙げてみな」

業者「…？」


パチン！


俺「これで俺とお前は仲間だ。もうこの業界から足を洗いな」

業者「まさか配達地でハイタッチするとはな。
　　　今日でこの業界から去るよ。
　　　そして今日からあんたは俺のボスだ」

俺「よせよ。照れるじゃねーか」

業者「一生ついて行くぜ。長官(朝刊)さん」


出典：きたりえ
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