ブワー
2011/07/15 10:23 登録: えっちな名無しさん
『夏』と言うことで、一つ実際にあった奇妙なお話を投下します。
文才ないので、読みにくさはご勘弁を・・・(多少フェイクもあります)
今から10数年前の冬のこと。
当時、内装関係の職人をやっておりまして(駆け出しです)、夜通し仕事をすることも多々ありました。
その日の現場は渋谷のとあるビル5階(テナントビル)の内装工事で、親方、自分、Kさんと3人で夜勤をすることに。
夜中の1時、2時ではまだ幾分騒がしい渋谷の街も、朝の3時を過ぎると結構静かになるものでした。
3時になり一服の時間に。
親方『お〜いH!(俺)コーヒー買ってこいよ』と小銭を渡され、部屋を出ました。(表にしか自販機が無かった)
部屋といってもテナント事務所。出入り口の向かいにはエレベーターがあり、自分たちが仕事をしている5階以外の階には誰もいなく(夜中だから当然だが)、エレベーターに乗ってる最中『なんか途中の階で止まって扉が開いたら怖いな〜』なんてことを思いながら1階へ降りた。
1階に着きエレベーターの扉が開き、エントランスを抜けようとした向かいから人影が・・・
一人の女性とすれ違った。歳は30前後位で、髪は茶のセミロング。外観はほっそりとしていて、クリーム色のコートを着ていた様な・・・(あまりまじまじと見て居なかったから曖昧)
ただ、すれ違いざまに『お?いいにおいだ〜』などと思いながら外の自販機へ。
ジュース買いながら『ん?ってかこんな時間に何のようだ?』と思いながら、缶コーヒーをポケットにしまいすぐビル内へ。
エントランスの突き当たりにエレベーターがある。ボタンを押すと、階数表示が最上階から降りてきた。
工事してると、自分だけかもしれないけど、自分たちが工事してる階より上の階の人ってあまり気にならないんだよね。そのときも、『あ〜最上階の人だったのか』くらいにしかおもわなかったんだけども。
親方、Kさん、俺と3人で一服してたときだった。窓の方向いて座ってた親方が急に『おい!今なんか落ちていったぞ!!』と声を出し突然たちあがり、窓の方へ行った。そして下を覗いた瞬間
『うわっ!』っといいながら後退りした。
そのとき”フッ”と脳裏に浮かんだのは下ですれ違った女性・・・『マジ?・・・』と口にしながら俺も下を覗きこんだらその瞬間
ブワーーーーー!!っとその女性が目を見開いた状態で顔がドアップになりこっちに向かってくるわけ。
その瞬間俺は腰を抜かして言葉にならないことを発してたらしい(あとでKさんが面白おかしく言ってた)っていうか“脳裏に浮かんだだけかもしれない”と今の俺は思っているのだが、あの時は確かに下からこっちに向かって顔だけが飛んできたように見えたんだ。
そのとき、二人に『顔が飛んできた〜〜!!』って言ったら親方が『何言ってんだお前?』とちょっとドキドキした感で、、、Kさんは『フフッ』と鼻で笑ってお終い
もう、変に興奮した俺をなだめるように親方が背中をさすりながら、『お前、疲れてんだよ・・・』と
Kさんはあまり見たくないとかで、下を覗こうとはしなかったんだけど・・・
そうこうしてる内に、外から悲鳴のような声が。そのうちガヤガヤしてきた。
じいちゃん、ばあちゃんの葬式の時しか死体を見たことなかった俺は、頭の中がパニック状態ww
親方とKさんに『ど、どうします?』というと親方は『いや、どうするっつったってな〜』とKさんのほうへ視線をおくる・・・親方も動揺が隠せない。飛び降りた瞬間も、死体も見なかったKさんがポツリと一言『ほっとけ』と口にした。
え?ほっとくの?何言ってんだこの人?って思ってたら、Kさんがしゃべりだした。
Kさん『多分、警察に連絡したら「第一発見者」ってことになってじばらく身柄拘束されるぞ。そうなったら今日中に終わらなくなるぞ(仕事が)』
親方 『確かにそうだな〜・・・』と言いながらタバコに火をつける。
Kさん『それに、このビルで仕事してるのウチらだけでしょ。多分、警察がきたら事情聴取とかとられるんじゃないの?』
そんなどうするこうする話してるうちに外が賑やかに。少しして救急車、そしてパトカー到着。誰か通行人が通報したのだろう。
親方が外を気にしつつ『そうなったら仕事終わんなくなるからさっさとやるぞ』と一服を早めに切り上げ仕事再開
で、当の俺はいろいろな事が頭の中を駆け巡っていた。エレベーターが最上階で止まってた事。女性のこの世で最後に会った人が俺であること。そしてすれ違いざまの“いい匂い”までもがよみがえって来た。そして何より怖かったのが「顔のドアップ」
もうガクブルで仕事なんて手につかない状態orz
Kさんに『ほら!なにやってんだ!』と怒鳴られながら何とか手元している状態だった。あと1〜2時間もやれば終わるはずだったんだけど、やっぱり来ました警察が。
それには親方が対応してくれたんだけど、話の最中こっちを向き『全然気がつかなかったよな?』と声をかけた程度。一応警察には「外の騒動の後気がついた」みたいなことをしゃべってた。
仕事が終わっても、表に出るのが気味悪く『まだ居ましょうよ』って言ったら『いいから早く車まわして来い!』と親方に怒られた。。。仕方なくエレベーターに乗ったはいいが、さっきの事が頭の中を駆け巡る・・・‘チン’と到着の音にすらビビリまくりで扉が開いたらダッシュでエントランスを駆け抜けた。
事故現場に一切目を向けることなく車を取りにパーキングへ。でも車をまわす際に事故現場が目に入ってしまった。そこには、濡れた歩道が生々しく『なんか凍って朝も残ってそうだな・・・』と思いビルの前に車を止めた。
少ししてから、親方、Kさんが仕事道具を持って降りてきた。『まだありますか〜?』と声をかけると『全部降ろし終わったから積め!』と親方。
車に積み込む時にどうしてもその場所が目に付いてしまう。そして思い出すのはやっぱりあの顔。あれはいったいなんだったろうか?未だにわかりません。
後日談
しばらくたってからKさんがなぜ事故現場を見なかったのか話してくれました。
『俺、昔‘本物’見たことあんだよ。(俺が見たのは偽ものっていいたいのか?)だいぶ昔だけどな。○○建設の現場でよ、夜、事務所で俺と、○○と現場所長と3人で打ち合わせしてたときによ、表に何か浮かんでるのが視界に入ってきたんだよ。で、窓みたらでっかい頭のばあちゃん(2頭身位だったらしい)が正座してこっち見てんの。で、○○と所長と3人で『うわっ!!』ってびっくりしてたら、そのばあちゃん正座したまま‘ニヤッ’って笑いながらこっち向かってきたんだよ。正座したままだぞ!で、『わー』とか『オー』とかいってたらばあちゃん‘フッ’って消えたんだよ・・・あれは怖かった』
『俺だけじゃなく3人で見たんだからな。あれは本物の幽霊だよ』と
突っ込みを入れるべく俺は
『それ、近所のバアさんなんじゃないんですか?特別頭のデカイ人っていうだけの・・・』
するとKさん
『ばか!現場事務所2階だぞ!』って
出典:コレがホントの『浮遊霊』なのか
リンク:その後会社は倒産しました

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