湯治場での出会い
2011/07/29 08:44 登録: 傷もの同士
田舎の鄙びた温泉で1年の疲れを癒してきた。
嫁や子供たちも大喜び、嫁はおせちの手間が掛らずに女王様気取りだ。
実は僕、結婚直後に豪雨の濁流に転落して首から下が人が見てぎょっとする傷だらけだ。
普段は遠慮して家族風呂で我慢している。
嫁も九死に一生を喜んだし、子供たちは父親の武勇伝を知っているので自慢の傷だ。
2日目だったか、寝静まってから急に喉が渇いて冷蔵庫から冷茶をゴクゴクと。
もう深夜で大浴場は誰も入っていないだろうと、思い立って一人で向かった。
湯気が煙る静まり返った無人の大浴場、
湯口からちょろちょろ流れ出る音と後は外の渓谷の流れの音だけが。
大怪我する前以来の大浴場で浴槽の広さを泳ぐ真似をしたりして久々に楽しむ。
浴槽の梯子をして風情を楽しんでいると少々のぼせてきた。
向こう側が渓流に沿った露天風呂、思ったほど寒く無くて心地よい。
湯口の所が丁度椅子の様な形で座ると暖かくて心地よい、
渓流の音を聞いているうちにウトウトして意識が遠くなっていたのだろう。
「○○○さんですか?」嫁ではない女性の声。
「えっ、そうですが。貴方は?」
「□□と申します。地元の局にいて、あの時貴方の大怪我のニュースを読んだのです。」
「田舎の局だから、放送も取材も一人何役の体制で。」
「病院にも取材に行って、頭部には異常が無いし意識ははっきりしていたけど、
コンクリート・ミキサーで混ぜられた位の傷があちこちにあって感染症が心配と聞きました。」
「幸い骨折も直って、手足も切らずに済んだし、その後ちゃんと子供も出来ました。」
「それでも昼間の大浴場では傷口にぎょっとする人もいるので遠慮していました。」
「それは良かった。泊まりに来た時、○○○さんと呼ばれていたのでもしやと。」
「もう10年以上も経つのに良く覚えておられましたね。」
「私は10年位仕事を続けて、こんな大手術をする病気で長期休養して、今は裏方の仕事を。だから私をご存じでは無いでしょう。」
「大した病気ではないのに、我慢してこじらせてこんな傷口が残る手術を何回か。」
「それからは縁遠くなってしまって。今の水着だと着ても隠せないし、傷口を承知で付き合い始めても、しばらくすると決って去ってしまうのです。」
「私だって結婚直後で、病院で大怪我と分かった時はどうなる事かと思いましたよ。頭がはっきりしていただけに。」結婚直後なんて余計な事を言ってしまった。
露天風呂には薄暗い照明しかついていないが、僕の傷口のえぐれた窪みやケロイドみたいなひきつりは見間違えようがない。
湯口の岩に寄りかかって座る僕を、露天風呂の浅い浴槽を歩いて来た女性が立ったまま見下ろしていて、手を伸ばすと届く位の近くにいる。露天風呂の浴槽の深さは丁度股の下辺りで均整の取れた全身が薄明かりの中でも眩しい位の白さで見える。
「傷口をちょっと触っても良いですか?」と僕に聞く、報道記者の好奇心か。
「肉や組織が削げた所は完全には埋まらなくて陥没したままで気味悪いですよ。」
肩口・肋骨の下の方・肘関節の横・骨盤の脇、陥没をなぞるように指先が動いて行く。
「毛深いのね、傷口は全然毛が生えていなくてすべすべ、傷口が誘っているみたい。」
指先をもう少し先へ進ませようか、迷っている気配が息遣いで伝わってくるような雰囲気が。
陰嚢の触れる辺りの大腿部の内側にも大きな傷口がある。
「私の手術の傷口も触ってみて。」
僕の手を取って自分の横隔膜の下辺りの傷口に指先を進ませる。女記者がちょっと屈んだ時に豊かな乳の下が胸から離れて軽く揺すられたように震える。その乳の下を僕の手の甲がかすめて、もう一度プルルンと揺れる。
「綺麗な傷口ですね。」うっかりわが身の醜い傷口と比べて言ってしまった。
「そんな冷静に観察してくれるのは母親位ね。明るいとケロイドも見えるのよ。」
僕のもう一つの手も取って、反対側の脇腹に添える位置に持ってくる。
「そこには傷口は無いみたいですよ。」
「見えないけど癒しが欲しい傷口もあるの。」
いつの間にか距離が縮まって、乳の上の水滴が照明を反射しているのが目の前で光っている。
多分40歳前後らしいが、張りのある乳が僕の視界を妨げている程豊かだ。
僕の手が脇腹の窪みを重力で滑り降りて、腰のふくらみの感触をハッキリ捉える。
彼女も指を先に進める決心を固めたようだ。その頃には僕のペニスも身体と一緒に目覚めて徐々に砲身の様に角度を上げつつあった。彼女は自分の指先を蛇が絡みつくようにペニスに巻き付けてかすかな強弱の震動を加えて、ペニスが徐々に固さを加えて行く様を感じとっているかのようだった。傷口を確かめる医者の観察でも無ければ、欲情を加速する強引な牽制でも無い微妙な力加減で。
僕は正直怪我して以来、嫁以外への欲求を封印して来た。そんな満たされない感情が無い訳ではない。ここに唯一理解し合える存在が棚ボタの様に現れた。
両手が腰のふくらみをなぞりながら、親指は臍の陥没をかすりながら、フワフワした細かな茂みの上端に達した気配を知る。彼女の指先が力を加えた気配も分かった。
彼女がもう一歩近づいて僕の陰嚢への探求も始める決心も固めたようだ。
僕の手の指先の逃げ場は彼女の茂みの源流を辿るしか方法が見当たらない。
薄暗い照明の届かない源流を手探りで、双手に分かれた両脇の茂みは触れないように柔らかい皮膚の潤いだけを辿って襞を一つ一つ探る。彼女の腰が指の動きに応えて協調しているように僕の方に押し寄せる。始めに源流の泉の窪みを指1本でほぐす様に優しくこねる。次に2本、3本はどうだ?少しづつ潤いが滑らかになる様な気配が伝わってくる。もう少し源流の窪みの深みをほぐして見る。
彼女の両手も片方は亀頭からくびれ根元までを潤いを先端から補給しながらかなり強引にいじりまわしているし、もう片方は精嚢からの管を探る気配で何やら複雑な動きをしている。
伊達に報道記者をしている訳ではなさそうだ。
「私にギブテイで迫ってくる男がいない訳ではない」と白状させたくなるのを必死に抑えた。
そう言ってしまっては身も蓋も無い。多分、灯りは点けないでと条件を言うのだろう。
知り合いの債券ディーラーの女性がやはり大手術の傷跡を引け目に感じて、灯りを暗くしてと言いながら枕情報を入手している。
幸い大浴場は深夜だし、露天風呂のこの場所は岩陰で渓谷の方からしか見えない。
構うものか、どっちも抑えてきた身体にご褒美を献上するチャンスだろう。
本当は69の手順を踏みたかったけど、平らな場所は石張りだし見られる危険が多すぎる。
座っている僕のペニスは打ち込む楔の充分な硬さに既に到達している。
「岩に登って向かい合って腰を降ろして呉れ!」強引に彼女に命令した。
「待っていたのこの瞬間、支えて!」
M字で沈んだ腰から両方の足首をつかんで持ち上げて僕の肩口に載せる。
その方が深く沈むようだ。彼女、体重は軽そうで僕は腕力は人一倍ある。
脇の下にそれぞれ手を差し込んで彼女の身体の上下をサポートする。
出典:出会い百景
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(・∀・): 48 | (・A・): 37
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