おもらしを決意した出来事

１０年くらい前の話。

ビアガーデンで飲み会の帰り、昼間の地震（震度５）の影響で電車のダイヤが大幅に遅れ、深夜２３時過ぎなのに１７時発車予定の便がこれから出るという状況。実は来る時も地震発生時緊急停車した電車に３０分閉じ込められた。

とはいえ、構内アナウンスで線路の点検も終わったとのことで運航自体は再開しているし、タクシーで帰ったら深夜割増しで相当な出費。それは避けたい。

２３時過ぎなのにすしずめの電車（始発駅）に乗り込み、発車〜二つ目の駅に入る手前で電車が停止。車内アナウンス。

「前の電車がホームに停車しているため、進入できません。しばらくの間お待ちください」

ヲイヲイ。それなら、１つ目の駅で止まってまってればいいじゃん。降りて待つこともできたのに。

すしずめの車内で立ったまま、見通しのはっきりしない閉じ込めはきつい。（来る時は座って、空いていたからなんてことなかった）

隣のおっさんの吐息、前のＯＬのカバンの押しつけ具合、密着して汗ばんでくる感触。密閉空間でイライラが募りだす。

２０分もたったころ、そんなことどうでもよくなるような状況に次第になってくる。

「おしっこしたい」

最初の始発駅でトイレは済ませていたし、各駅停車なので駅間は１０分程度。普通なら途中下車すればトイレで困ることは無い。

しかし今は先の見えない閉じ込め状況。これは…　ヤヴァイのではないか？

アルコールの影響で急速に高まる尿意から気をそらせようと、いろいろ別のことに精神を集中してみたり。しかし…

もうだめ。もれちゃう。

実はこの路線には先頭車両と最後尾車両にトイレがついている。しかし１２両編成の真ん中付近にいて、しかもすし詰めでは意味がない。
３０歳近い大の男が電車内でおもらし？前のＯＬの足をびしゃびしゃに？？

人としての最後の尊厳を守るため、私は重大な決断をした。
数歩離れた窓からするしかない。

「すみません、窓のところに行かせてください」

と大きめの声を発した次の瞬間…

「先行の車両が発車しましたので、これより○○駅ホームに入ります。長い間お待たせして申し訳ありませんでした」

車内アナウンス。１分もかからずにホームに停車。

「暑さとムッとする人いきれで気分が悪くなった男」

を演じながら、トイレに向かったことはいうまでもありません。

出典：酔って電車に乗るのは
リンク：危険