メル友　２

駅前の店で初めて会った彼女は
顔こそ画像の通りであったが、
驚いたのはその背の高さであった。
私の身長が１７４センチなのだが、
私よりも明らかに高い！
私が質問する前に彼女が自ら言い出した。

“私大きいでしょ。１７７センチあるの”と。

本当はもっと早く会いたかったのだけど、
身長の事がコンプレックスになっていて、
どうしても会いたいと言い出せなかったらしい。
私は別に大きな女性嫌いじゃないし、
私自身チビと言う訳でもないから気にしないよと言うと、
彼女は軽く微笑んだが、心から信じてはいないようだった。

クリスマスにいきなり会ったものだから、
どこにも予約などしていなかったし、
行くあてだって無かった為、いきなり困ったが、
会話が途切れると言う事は全く無く、
その点実に楽しい時間が過ごせた。
そのうち私が思い付き

“ドライブしない？”と言ってみた。
“うん”と頷く彼女。

駅からまた私の家の方に戻り、
２人して車に乗り込んだ。
車内の冷えた空気が２人を包んだが、
いつもは冷た過ぎる位冷たく感じるのだが、
この日ばかりは気にならなかった。

いつしか私は魅力に惹き込まれて行くのであった。
それ程美人では無いのだが、
妙に人を安心させる雰囲気を持っている彼女に。

エンジンをかけ、音楽をスタートさせ、
私達はクリスマスの夜に２人きりになった。