メル友

2005/07/03 16:19 登録: えっちな名無しさん

数年前。俺は大学受験で、机に向かう日々が続いていた。
といっても、なぜだかやる気がおきなくてパソコンしたり本読んだりしていた。
学校は、一言で言うと「つまらない」 友達がいなかったとか、いじめられたとか
ではないけれどただボーっとする日が続くだけで、何も思わなかった。
でもただ一つ、楽しみがあった。それはメル友からのメール。

そのメル友、真実は俺が高2の時チャットで知り合った。最初、真実はパソコン
だったから1日に1通ぐらいしかできなかったけれど、数ヶ月たったとき、真実から
「携帯電話買ったので、メルアドの登録変更お願いします。」ときた。
このとき真実は中学1年生。内心「買ってもらうの早いなぁ」と思いつつも
うれしかった。 それから1週間たったある日。思い切って
「電話していい?」と送ってみた。すると「時間があまりないので少ししか
お話できませんが・・・?」と返ってきた。俺は前もって聞いておいた
電話番号にかけてみた。呼び出し音が俺に聞こえてからまもなく、
「はい」と幼い声が聞こえてきた。俺が「もしもし、○○ですけど」というと
「あ、はい。はじめまして。」とちょっと照れ笑いの声が聞こえた。
数ヶ月もメールしていたけど、今まであったこともない人だから、 なんか変な
感じだった。その後は、学校のことを話したり、部活のことを話したりで
10分ぐらい話したころ、真実がお母さんから呼ばれたらしくそこで終わった。
  電話してからのメールは今までより身近な存在になったように思った。
何度も励ましてくれる真実で、時には真実が弱音を吐いて。なんか妹にもしたくなるようで、でも彼女にもしたかった。 さらに数ヵ月後にはお互いの顔も見た。
それがほんとに真実の顔なのかは知らないけれど、とにかくかわいかった。
ただ俺はかっこよくもないし、太り気味だし、メールをやめられるかと思ったけど
真実はメールをくれた。ちょっと安心した。

こんなことがあってから1年。俺は大学受験生だった。
最初にも言ったとおりの生活を送り、そのときはまだメールを続けていたものの
1日2通。なんかさびしかった。 でもきたときは喜んだし、もちろん
返事もだした。 この年の夏、俺は告白する決心をした。でも。
相手が中2だという年齢差の壁にさえぎられ、どうしても「送信」が押せなかった。
新しい年になり、受験が目の前になったとき、改めて告白しようとした。
きたメールをみて、そして「返信」のボタンを押し、題名は無題のままで
「本文」を埋めていった。 きざなせりふを言うつもりではないけれど
どうしてもなってしまう。それからはもう勢いで、メールを送った。
それから数分後、返事が来た。緊張しながら見ると、「返事」ではない内容だった。
「あの、送る相手間違っていませんか?」と書いてあった。俺はすぐ
「真実さんだよね?本気だよ。」(多分こんな感じ)と送った。
その日はそれ以来来なかった。 次の日、朝起きてセンターに問い合わせてみると
「ごめんなさい」ときた。涙が出た。無意識に泣いて、改めて
「好きだったんだな」と感じた。

(大学も第一志望校には受からなかったけど、第二志望校にはぎりぎりだった。)
大学生になったことは一応真実にも知らせた。でも返事は返ってこなかった。 


俺の高校生活を支えていたのは、友達でも親でもなく真実だと自分自身思う。
そして大学受験するということに、一番応援してくれてたのも真実だ。
俺は今社会人で、忙しい毎日を送っている。 毎日いろんな人とすれ違う。
その中に、いつか画像で見た真実の笑顔にそっくりな人がいると、つい振り返って
しまう。そして、真実からのメールを見返すたびなみだがでる。
俺はいま彼女もいないし、結婚なんてできるかどうか・・・でも
人生の中で一番愛していたのは真実だとおもう。 いつか真実に会うという
無謀な夢をもって、今働いている。

(・∀・): 46 | (・A・): 58

TOP