名探偵コナン 完結編[其九]
2011/09/03 13:53 登録: えっちな名無しさん
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[其ニ] http://moemoe.mydns.jp/view.php/26400
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[其八] http://moemoe.mydns.jp/view.php/26751
1995年4月初旬。
工藤新一(江戸川コナン)改めマイケル・クロサワ(15歳)と、宮野志保
(灰原哀)改めジェシカ・カタギリ(13歳)は、職員として採用された、
オーストラリア・ノーザンテリトリー(The Northern Territory:北部特別
地域)に設立のミレニアム国際医療技術研究所(以降「研究所」と表記)
に初出所することになった。
ノーザンテリトリーは、オーストラリア北部中央に位置する。
約135万平米の広大な陸地面積に、地域(準州)人口は20万人にも満た
ないところで、産業も鉱業と牧畜が僅かにあるだけ。手つかずの自然が
広がる広大な大地である。
研究所は、州人口の半数が集中する首府・ダーウィン南郊のキャサリン
http://ja.travelnt.com/explore/katherine/history-and-heritage.aspx
という、豊富な渓谷水源に恵まれながらも、土地が痩せて耕作に向か
ない台地を切り拓いて造られた。現地人口は、7千人に満たなかった。
そういう、熱帯の荒漠たる大地に、最新医療研究施設を中心とした大きな
街が忽然と現れ、ミレニアム・ニュータウンと名付けられた、。
研究所本棟を中心に、周囲には薬草を栽培する広大なプラント工場や、
先進医療機器を開発製造するための工場群、大規模駐車場があり、その
外周を研究所職員や関連企業の職員用居住区が取り囲んでいた。
更に居住区を囲むように、研究所附属病院や大規模ショッピングセンター、
研究所付属の基礎学校(小学校)、中等学校、高等専門学校まで新設
されていった。
更に、研究所付属の医科大学が、明年9月の開校を目指して建設中で
ある。
研究所とその関連企業、教育機関、病院、街商店、行政出張所等々で
働くためにこのニュータウンに入って来た人口は、家族を含めて2千人に
も達しようとしていた。
※尚、前回、新一が成り代わった人物のファーストネーム・Michel
を「ミシェル」と呼称していたが、読者コメントで「アメリカ
読みでは、『マイケル』ではないか」との指摘を受け、確かに
その通りであると認め、「マイケル」という呼称を用いさせて
頂く。会話文中略称は、『マイ「」』とする。
英語・仏語が混在するカナダでは、どう呼称されるのかに興味が
ある。知っている方がおられれば、是非、コメント欄に書き込ん
で頂ければ有難度い。
マイケルとジェシカの二人は、首都・キャンベラからオーストラリアに入国
し、諸手続の後、アメリカ大使館で駐豪大使に会い、「君たちのことは、
FBI長官からよく聞いています。君たちの働く研究所の所長には『アメリカ
の誇りである優秀な二人は、若いながらもその才能を見込んでFBIの
嘱託を受け、国際犯罪に対する情報分析の仕事もやって貰うので、特段
の配慮をお願いしたい』と申し入れをし、了解を得ています」
「とは言っても、『二人は、研究所職員としての仕事も立派にこなしてくれ
るでしょう』ということも話してあるので、大変でしょうが、頑張って下さい」
と、激励を受けた。更に、
「これから働く研究所及び関連企業、居住区となるニュータウンの入植者
については、その人物の経歴や身分を全て調査してあるので、よもや、
例の『組織の構成員』が紛れ込むことはないと思いますが、念のために、
CIAや英豪の諜報機関の諜報員も各所に入り込んでいます。何事かが
あれば、連絡を取りなさい。通話番号とアドレスは既に登録されています」
と、オーストラリア国内で二人が使用する携帯電話を1台ずつ渡してくれた。
マイケルとジェシカは、アメリカで兄妹同然に暮らして来たと、事前に報告
を受けていた研究所総務部は、二人に同居を許可し、家族用の社宅を
提供した。平屋1戸建て2LDKである。周囲には同じような社宅や独身寮
がいくつも建ち並び、中央には、緑の木々が茂る公園が配置されていた。
出所初日は、二人の健康診断と職場案内が予定されていた。
居住区、学区、ショッピングセンター、研究所敷地内を結ぶ、20分に1本の
巡回バスが運行されていたが、二人は運動も兼ねて自転車で通勤する
ことにした。
駐輪場に自転車を停め、研究所本棟の正面ロビー前に立った二人は、
地上7階地下3階建でありながら、尚、平面面積の広大さの際立つ建物の
威容に圧倒される思いだった。
ロビーの受付で採用された二人であることを告げると、総務部から担当の
30歳代の女性が現れ、このまま先に、附属病院までシャトルバスで行き、
健康診断を受けて戻って来るようようにと言い渡された。
その時に、二人の個人j情報が入ったICチップ入りのカード(社員証)が
渡され、それを病院窓口で提示するようにと伝えられた。
シャトルバスに乗り込んだ二人は、小声で会話した。
あえて日本語で。
マイ「健康診断で、何かおかしなところが見つかる様なことは
ないよな?」
ジェ「それは、大丈夫だと思うけど・・・ただねぇ・・・」
マイ「ただ・・・なんだ?」
ジェ「私の本来の身体年齢11歳を13歳と偽っているわけだし、
あなたの本来の身体年齢13歳を15歳と・・・もうすぐ16歳よね?
偽っているわけだから、この年頃って2歳違いは結構大きい
でしょ?
そこを不思議がられないかなって・・・」
マイ「それは、人種と個性・・・個人差の範囲内ということで
大丈夫じゃねえか?」
ジェ「あなたはね。他の同年齢の日系人よりは背も高いし・・・。
でも、私は13歳・・・今年14歳で初潮が来てないっていうのは、
ちょっと無理があるかなって・・・。
まあ、それも個人差の範囲内ではあるけど、ちょっと注意を
引きそうよね」
というような若干の心配をしながら健康診断を受けた二人だったが、実に
様々な人種・民族を抱えることになったニュータウンで、そのような問題は
全く杞憂であった。
ましてや、この地にやってきた人たちの中には、様々な身体的障害を抱え
ながら、特別採用枠で研究所や関連企業に採用され、新天地に大きな
希望を抱いて嬉々として集まった人達も多い。
更には、研究所の治験モニタリングと実証実験を受けることを承諾して、
どの病院や医師からも見放されて生きる希望を失いながら、一縷の望み
を託して集められた難病患者もいるのである。
内診時、担当医が女医だったこともあり、ジェシカは機先を制して自分から
訊ねた。
ジェ「ドクター、私、この歳になっても月経が来ないし、
陰毛も殆どないのですが、大丈夫でしょうか?」
医師の応えは、「You don't need any worry of this at all」だった。
「全く心配いらないわよ。 少し幼く見えるけど、身体能力は問題ないし、
特に成長が著しく阻害されているようには見えない。15歳までは、多少
の成長の早い、遅いは個人差に過ぎない」と。
あと2年、いや1年半---実身体年齢が13歳、公称年齢が15歳になれば、確実
に大人の体になることは、ジェシカ自身がよく分かっていた。
マイケルも何の問題もなく健康診断を終え、詳しい検査結果は1週間後に
通知すると言われて窓口を離れようとした時に、「これは、研究所職員に、
3か月に1度支給されることになっています。一緒にお渡しする説明書を
良く読んでおいて下さい」と、丁寧に包装されたパッケージを渡された。
ロビーを歩きながら説明書を読んでみると、箱の中には、コンドームが
1グロス入っているらしい。
避妊用と言うよりは、エイズや性病の感染予防のためであると説明されて
いた。
先に終えたマイケルが、窓口に近いロビーの椅子に座って待っていると、
20分ほど遅れてジェシカもやって来た。やはり、同じパッケージを持って
いた。
マイ「ジェシカも貰って来たのか?」
ジェ「うん。なんだか、ビックリよね」
マイ「まあなあ、エイズ予防に関する認識の違いなんだろけど、
年齢は関係ないんかね?」
ジェ「あなたは、今年16歳ってことにねってるから。
まあ、分からなくはないけど、私は公称13歳。
7月で14歳なのに・・・。
飛び級でも、ハイスクール生なら構わないっていうのかな?」
マイケルが説明書をよく読んでみると、Du●ex(ドゥ●ックス)製の文字
が見えた。
マイ「イギリスのドゥ●ックス社か。
そういや、研究所に資本参加してたっけ。
まさか、モニタリングしてくれってか?」
ジェ「あり得るわね・・・」
※世界的に最も伝統あるコンドームメーカーの同社は、
今でも無料モニタリング募集をしていたりする。
応募してみたい方は、どうぞ公式サイトへ。
マイ「にしても、二人で2グロス。
288個ものコンドーム貰ってどうしろと・・・」
ジェ「使いましょ。毎日でも1日3個以上は使えるわよね。
足りなきゃ、私はまだ生でもOKよ♪」
マイ「おい!・・・俺の分は、服部にプレゼントしてやろうかな」
ジェ「ハイスクールに行くようになれば、可愛らしい同世代の
女の子とも親しくなるでしょうから、その子たちとの時に
使ってもいいのよ。
何人もの子を相手にするようなら、それこそ私もあなたと
生でするのは危なくなるから、支給される意義にも沿うように
なるんじゃない?」
マイ「本気で言ってるのか?」
ジェ「それは、どうかっしら・・・って、ジョークに決まってるじゃない。
ただ、もしそういうことになっても、私には文句は言えないけどね。
私と一緒にいて貰えるだけで、私にとってはとても有難いことだし、
あなたは、私に束縛されるいわれはないんだもの・・・」
マイケルは、怒るべきところなのだろうが、ジェシカの不安の裏返しで出た
言葉であることは容易に理解できたから、「ばかなこと言ってんじゃねえよ」
とだけ返して話を打ち切った。
二人は、パッケーッジをバッグにしまい、来た時と同じシャトルバスで研究
所に戻った。
本棟受付で再度、総務の担当者を呼び出し、所内1階のカフェで、研究所
本棟内の説明を受けた。病院に行く前に指示してくれた女性と、もう一人
若い男性が一緒だった。
本棟の1階フロアは、外部の人たちに解放され、社員食堂を兼用している
ビュッフェやカフェ、生活雑貨や食料品を扱う店、理美容室、郵便局などの
他に、研究所の紹介展示場が設けられていた。
社員証(ICチップ入りカード)を提示すれば、どの店でも10%〜30%引きで
利用できるし、翌月清算で、その場でのキャッシュも必要ないという。
社員証は、グループ内企業間でのクレジットカード機能も備えていた。
外部の人間が自由に利用できるのは、この1階フロアと屋上の展望室
だけで、2階から7階のラボラトリーフロアは、エレベーターで該当の階に
降りてすぐにオートロックされた扉があり、そこに設置された装置に社員証
を挿し込んでロックを外さなければ、その先には進めない。
勿論、非常階段も同様である。
外部から商談や取引で各フロアに出入りする業者は、1階の受付で該当
部署の担当者を呼び出し、1階まで降りて来て貰い、一緒に該当フロアに
向かう事になる。
小さな荷物や郵便物の配達は、1階に各部署のプレートがはめ込まれた
ロッカー(郵便物入れ)が並んでおり、そこに入れられる。
カフェで総務担当者から研究所と関連施設の概要と過ごし方を聞いた
二人は、それぞれに服務する部署へと案内された。
ジェシカが勤務するゲノム構造解析研究フロアは3階にあり、マイケルの
勤務する情報管理センターは、7階にあった。
二人は、それぞれに上司・同僚たちと挨拶を交わし、10日後から就くべき
仕事の内容などを確認して、12時半には解放された。
皆、飛びぬけて若い二人に興味津々と言った顔をしていた。
健康診断の結果を受けて、問題がなければ、いよいよ二人の仕事が
始まる。
研究所は、全所休所日は基本的にないが、正規職員の労働条件は、
祝日は休みではない代わりに、完全週休3日制であり、週4日の出勤日は、
本人の希望と各職場のローテーションによって決まった。
二人は、9月からハイスクール(中等学校)に通うために、全日出勤日は
土曜、日曜の2日。火曜・水曜・木曜・金曜は、午後のみ出勤にして貰った。
全日休日は月曜のみであるが、その月曜日もハイスクールに通学する
ことになる。
休養日は必要だが、有給休暇を当てれば、月に2日以上は完全休養日に
することもできる。休暇は、半日単位で取ることが可能だった。
報酬は、正規年棒は9月から翌年8月までの年度で年棒が決定されるの
で、暫定的に8月までは、マイケルが月2千5百米$、ジェシカが月3千米$
とされた。彼らの公称年齢からは破格の高給であるが、従事する職務を
勘案すれば、薄給と言えるかも知れない。試用期間という意味合いだろう。
但し、二人にはそれぞれ、FBI資金から毎月、4千米$が内密に支給される。
二人とも、この地に新設された中等学校には、正規の進学期である9月
から編入学することになっていた。
オーストラリアでは、幼稚園と小学校が1985年に統合されて「基礎学校」
と呼ばれている。日本ではまだ学童期前である5歳から、オーストラリア
では義務教育が始まるが、学区制度がないため、親・保護者は、どの
学校に子供を入れるかを自由に選択する権利を有し、事前に州政府に
登録する義務を負う。(これを小学校と呼ぶことにする)。
小学校8年生・12歳で上級学校を選択し、13歳で中等学校に進学する。
小学校の卒業資格は上級学校への入学資格にもなるので、入学試験は
ない。
小学校を卒業する本人及び親・保護者は、主に3コースからなる上級
学校を選択することになる。
【選択A】大学進学コース中等学校(6年制)
→大学(4年制)
or →高等専門学校(4年制)
【選択B】高専進学コース中等学校(5年制)
→高等専門学校(4年制)
選択A、Bコースは、大学或いは高等専門学校卒業後に高等専門家養成
学校への進学も可能である。
【選択C】中専進学コース中等学校(4年制)
→中等専門学校(4年制)→高等専門学校(4年制)
上図のコ−ス選択権は、親・保護者と子供にある。
コース選択は自由だが、各コースの中等学校は授業レベル・理解難易度
に明確な格差があり、子供の学力に合わないコースを選択すれば、容赦
なく落第の憂き目にあう。
そこで、小学校の先生、生徒・その親たちは、CITOテストという全国テスト
の成績を参考にして選択するのが通例で、勉強嫌いの生徒が無理をして
レベルの高いコースを選択したところで、ついていけないことは、皆よく
理解している。
特に、Aコースの中等学校は、家庭学習を毎日4時間以上は要求され、
落第も多い。
※上図に該当しない横滑りの移動も可能なので、Cコースを選択し、
該当の中等学校に入学。そこからAコースの中等学校に編入して
大学に進学する者もいる。
また、オーストラリアでは、公立学校と私立学校が財政的に全く平等で
あり、それは憲法によって保障されている。
義務教育(基礎学校)段階では、公立、私立どちらでも学校に納める教育
費は存在しない。
義務教育段階を過ぎると授業料が取られるが、私立でも公立でも大差は
なく、公費補助は平等になされる。そして、私立学校は教育的な価値や
立場を自由に定めることができるために、宗教・宗派を母体とする学校が
多いことが特徴である。
キリスト教だけではなく、イスラム教、仏教、ヒンズー教、ユダヤ教の学校
までが存在する。
公立学校は宗教的立場の教育をしないことになっているが、シュタイナー
教育やモンテッソーリ教育など、独特の教育観に基づいた教育を行っても
良い。
マイケルは、公称年齢がこの4月で16歳だから、どのコースにせよ、中等
学校の4年生への編入が妥当であるし、ジェシカに至っては、公称年齢が
この7月で14歳なので、通常のオーストラリア式学制では、中等学校2年
生に編入されるべきである。
しかし、二人は、4月から勤務する研究所とアメリカ連邦政府の双方から、
オーストラリア及び、ノーザンテリトリー政府に対して、大学進学コースの
中等学校6年生への編入学が妥当であるとの推薦を得ていた。
日本の学制で言えば、本来の新一が進学しているべき高校3年生に、
志保ともども進級することが妥当だと言う推薦状である。
ノーザンテリトリー政府は、それらの推薦を受けて、二人にCITO(基礎
学校卒業レベルの国家認定試験)と、中等学校5年生修了レベルの特別
試験を受けさせた。
結果は、ジェシカは両試験とも満点。マイケルはCITOが92%、特別試験は
87%の正答率だった。
マイケルが特に、特別試験の正答率が90%に届かなかったのは、学力の
問題と言うよりは、英語の問題文の読解力に難があったからだった。
何れにしても、教育・学制を統轄するノーザンテリトリー教育省は、二人
とも推薦通り、大学進学コースの中等学校(以降、「ハイスクール」と呼称
する)6年生への編入学で問題なしと認め、飛び級進学を許可した。
特に教育省では、ジェシカの成績と学力に驚き、4学年の飛び級と言う
異例の事態を大きなニュースとして、マスコミを招いた記者会見を用意
しようとしたが、アメリカ大使が慌ててそれを止め、二人が注目を浴びる
ことを望んでいないので、飛び級の認可以外は、ごく普通のハイスクール
生として扱い、静かに見守ってくれるよう、厳重に申し入れを行った。
健康診断を受けてから以後の10日間、二人は全く自由な時間を持てたが、
FBIから依頼されている情報収集と分析のために、社宅に設置されたパソ
コンの環境設定や不具合の洗い出し、改善を行って過ごした。
二人の社宅に供与されたパソコンは、付属の読み取り機で、マイケルや
ジェシカの身分証をスキャンすると、FBIやCIAのテロ関連情報を集約した
サーバーにアクセス可能になり、研究所の社員証をスキャンすれば、
研究所で仕事をする環境下でパソコンの操作が行えた。
勿論、研究所と社宅間の回線は専用回線が使われ、アメリカ諜報機関の
サーバーとの間の接続は、VPN(Virtual Private Network:疑似専用回線
化技法)が用いられていた。
天気の良い日は、街郊外まで二人でサイクリングに出掛けた。
6月〜8月の冬期を前にした仲秋・4月だが、熱帯性気候に属するキャサ
リンという土地は、結構暑かった。
ただ、乾季に入りかけているため、湿気が少なくて過ごし易い。
ミレニアム・ニュータウンを抜けると、果てしない乾燥した大地が続くが、
暫く走るとキャサリン川の支流だろうか、日本の一級河川の上流に似た
流れの川辺に辿り着く。
二人は、大きな木の一群が繁った場所を見つけては、ジェシカ手作りの
弁当を広げてランチを摂ったが、その後は、見渡す限り誰もいない場所で、
思い切り陽の光を浴びながら川の浅瀬で素っ裸で戯れた。
そうすれば、自然に野生の本能が蘇ると言えば聞こえはいいが、思春期
の男女のことだから、欲情して野外エッチに及ぶことがしばしばだった。
明るい日差しの中、誰に憚ることもなく自由に行う青姦が気持ち良くて、
癖になりそうだった。
地面に寝転んでの行為は、夢中になっている時にどんな小動物や虫に
襲われるか危ういと感じたので、ジェシカを大きな木の幹に掴まらせての
立ちバックや、いざという時に体を解いて反応させ易い後背位が多かった。
野生動物の危機から身を守るためのポジショニングで交配する、原始
時代のセックスに通じるものがある。
マイケルが何度放出しても一向に萎えず、続けざまに2度、3度と行為に
及ぶことも多く、ジェシカも異常に興奮して、それまでにないような大きな
声で乱れ、何度も達した。
行為が終わった後、クタクタになった二人の体から流れ出た汗や、ジェシカ
の股間からこぼれ落ちて、腿から足首まで大量に滴る精液は、そのまま
川に浸かって洗い流せば済む。
手つかずの自然の中、当然のことながらトイレなどない。
マイケルは普通に、なにか目標になるものを見つけて、そこに向かって
立ち小便をすれば済むことだが、ジェシカが尿意を催したときはさすがに
簡単にというわけにはいかない。別に、マイケルに見られることが恥ず
かしいわけではないが、しゃがんで用を足す場合、女性は、暗い穴蔵に
棲みつく習性のある小動物や虫に、陰部に潜り込まれる恐れがあるから
である。
ジェシカは、動物の生態に詳しいが故に、その辺りは慎重だった。
尿意を催すと、川の中に入り、マイケルに後ろから両脇を支えて貰い、
川の下流に向けてややお尻を上げて放尿した。
マイケルがふざけて、後ろからジェシカの足首を抱え上げ、親が小さな
女の子におしっこをさせるような格好にさせることがあったが、さすがに
それは、ジェシカが恥ずかしがった。
4月10夕には、周囲の社宅に住む人たちが、マイケルの誕生日を盛大に
祝ってくれた。
公園に、それぞれの家から椅子やテーブル、キャンプ用具を持ちだして、
バーベキューを振る舞われた。
この楽しいバースデーパーティーが、ある意味では、オーストラリアで生活
していく二人にとっては、最大の危機だったかも知れない。
楽しく、各国出身の大人たちやその子供たちと談笑している時に、住人
から指摘された。
住人A「そういや、二人ともアメリカ人だろ?」
マイ「はい。カリフォルニア州です」
ジェ「私は、イリノイ州です」
すると、別の住人も話に加わった。
住人B「俺も感じていたけど、二人とも出身州の訛りはおろか、
アメリカ訛りがないね。
マイケルは日系人らしい独特のイントネーションがあるけど、
ジェシカは、きれいな英国人の英語に近いよね」
ジェ「私、母がイギリス人ですから。
それに、一番言葉を覚える小さい時に数年間、
イギリスにいましたから、そのせいでしょうね」
住人A「ほう、それでかい。
アメリカ人の訛りは聞き苦しいからね。
君は、そういう訛りに感染しなくて良かったな」
相手が何とか納得してくれて助かったが、どんなに生まれ育った地をうま
く偽ってみても、方言はともかく、訛りだけは隠しようがない。
二人は、言い訳のし易い人物を成り代りの相手として選んでくれたFBIに
感謝した。
また、その会話の輪の中に、たまたまアメリカ人がいなかったから良かっ
たが、いれば喧嘩になっていただろう。
オーストラリア人は、概してアメリカ人の英語訛りや一部の米語化した語を
「田舎者が」とバカにし、笑うが、勿論、豪州訛りもひどいものがある。
分かり易いところでは、「day」は「ダァイ」と発音される。
「Sunday」「Monday」は、「サンダァイ」「マンダァイ」となってしまう。
夜も更け、そろそろ散会となる頃にもう一つハプニングが起きた。
ジンジャエールを飲んでいたマイケルだったが、うっかりとその隣に置いて
あった「ビールのウィスキー割り」を誤って手に取り、一気に飲み干して
しまったのである。
マイケルは、急に「暑い」と言って上着を脱ぎだし、上半身裸になった。
子供たちを相手に、おしゃべりをしていたジェシカが振り返ると、既に
マイケルは、顔から胸までが真っ赤になり、かなり陽気な笑顔を浮かべて、
日本語らしいが、わけのわからないことを喋り始めた。
ジェシカは、血の気が引く思いだった。
中国酒・白乾児(パイカル)のことが頭を過った。
今までは、白乾児以外の酒類の成分分析はして来なかったが、アポトキ
シンの解毒作用に、穀類や果汁を発酵させ、アルコールを生成させて酒
にする酵母の特定の種が関与している可能性は否定できないのである。
たまたま飲んでしまった酒の発酵酵母が、白乾児と同種か近似種だった
ら・・・。
ジェ「マ、マイケル! お酒飲んじゃったの!?」
マイ「酒がhc◆m☆るgfvqbδhgkqだぁ♪」
ジェ「大変・・・あの、皆さん、ありがとうございました。
済みません。マイケルが酔っちゃったみたいなんで、
お先に失礼して、お家で寝させます」
住人「はは、陽気になっていいじゃないか。
大丈夫だよ」
ジェ「いえ、すごくアルコールに弱い体質で、
以前にも病院に担ぎ込まれたことがあるんです」
ジェシカの慌てぶりに、体の大きな住人が手を貸し、マイケルを抱え上げ
て、二人の社宅の寝室まで運んでやった。
マイケルは、その間、笑いながら、抱えてくれている男性の顔をペシペシ
と平手で叩いていた。
ジェシカは恐縮し、片付けを手伝えないことを詫びながらも、
「もう、大丈夫です。後は私が診ていますから。ありがとうございました」
と、心配する男性を早々に追い出そうとしたが・・・。
大男は、自分の口に人差し指を当て、静かにするように促してから言った。
「私は、CIAの人間だよ。この住まいの隣に、ワイフと住んでいる」と。
「君の携帯にも私のアドレスが登録されている筈だ。確認してごらん」
と告げられ、ジェシカが携帯を確認すると、確かにそこにそのアドレスが
あった。
CIA「君の慌てぶりを見ると、アルコールに弱いというだけでは
なさそうだが、何か事情があるのかね?」
ジェ「ありがとうございます。実は・・・」
ジェシカは、慌てている理由を説明しようとしたが、相変わらずマイケルが
やかましい。
大男は、ポケットから小さなカプセルをひとつ取りだしてジェシカに渡し、
「Hypnotic(睡眠導入剤)だよ。彼に飲ませるといい」と言った。
ジェ「成分は分かりますか?」
CIA「トリアゾラムだ」
ジェシカはカプセルを受け取り、小さなパラフィン紙を持ってきて二つ折り
にし、カプセルを左右に開き、中の粉薬をその上に載せた。
水をグラスに注いでマイケルのところに持って行き、「お水飲んで」と言っ
て、飲ませる直前のタイミングで、粉薬を直に口に入れた。
マイケルは、何の抵抗もなく、水と一緒に呑みこんだ。
5分後にはマイケルは静かになってベッドに横たわり、10分も経つと完全
に眠りに入ったようだ。
ジェシカは、簡単に事情を説明した。
CIA「そういうことか・・・。
で、そうなる可能性は、どれ位の時間が過ぎれば
はっきりするんだね?」
ジェ「摂取成分の血中濃度が最も高くなる1時間半から2時間半が
一番危ないですね。
それが過ぎても変化がなければ、心配なくなると思います」
CIA「そうか。今のところは兆候がなさそうだから、私はひとまず
公園に戻ろう。
集まっている人たちには、私から適当に言っておくから、
何か困ったことがあれば、何時でも構わないから、連絡を
寄越しなさい」
ジェシカは、丁寧に礼を言って後のことを任せた。
体がひと廻り大きくなってしまう「もしも」の時のために、マイケルの短パン
とパンツを脱がせ、タオルケットを掛けてやった。
ベッドの傍でラジオを聞きながら様子を窺って、2時間が過ぎた。
ジェ「もう、だいじょうぶよね・・・。
CIAの人がいてくれて、助かったわ」
ジェシカはシャワーを浴びて、家の中を簡単に掃除をし、CIAの大男に
「だいじょうぶでした。ありがとうございました」とメールを送り、自分も
寝支度をした。
いつも、自分のベッドは使わずにマイケルのベッドに潜り込んでいたが、
今夜ばかりは、マイケルはベッドの真ん中で大の字になって寝息を立てて
いる。諦めて、自分のベッドに横になった。
ジェシカも精神的に疲れた。
「明日は、心身のリフレッシュに、またあのリバーサイドに連れてってもら
お♪」と呟きながら、眠りに入った。
9月に編入学するハイスクールが始業するまで、二人は研究所でのそれ
ぞれの仕事をこなしながら、火曜〜金曜の午前中は、マイケルは自分の
部署の情報セキュリティ関連のマニュアルに書かれている英文で分から
ないところをジェシカに教わった。
情報関連の専門用語は、ジェシカでも分からない単語が出て来たが、
そういうところは英英辞典と、英文の最新のコンピューター・情報用語集を
めくりながら、二人で解釈した。
また、社宅のパソコンで、それまで世界で確認されているテロ関連の情報
収集を行った。
イスラム原理主義勢力が絡むと思われるテロは、1991年の湾岸戦争後に
目立って頻発するようになっていた。
これは明らかに、湾岸戦争終結後も、アメリカ軍がイスラムの聖地・サウジ
アラビアに駐留し続けていることが大きな要因だろう。
この5年間だけでも、イスラム原理主義組織が関与する主要な事件だけ
を列挙すると、次のようなものがある。
1991年12月 アルジェリア初の複数政党制選挙でイスラム救国戦線
(FIS)圧勝。欧米流の民主選挙ではイスラム原理主義
政党が勝利することをはっきりと示した。
1992年 1月 アルジェリア国軍がクーデタを起こして選挙を無効に。
軍事組織・GIAがテロ活動開始。
国軍との凄惨な内戦状態に。
1992年 2月 1月の軍部によるクーデタ後の政権が全国に非常事態宣言。
イスラム救国戦線(FIS)に解散命令。欧米は容認。
その後のテロと報復の応酬で10万人以上の犠牲者を出す。
【アルジェリア内戦】GIAは、アルジェリアにイスラム国家を建設することを
目標とし、民間人、ジャーナリスト、外国人を標的として
行動地域の全村落を虐殺し尽くすほど残虐を極めた。
1997年9月22日夜のベンタルハ虐殺では、一晩でベン
タルハの村人4百人が皆殺しに。
1997年12月から1998年1月のラマダーン期間だけで
各地で千人を超える村人を虐殺。
1992年からこれまでに15万人の一般市民が虐殺され
ている。
1992年12月 イエメン・アデンのホテルで米兵士を狙った爆弾事件。
(オーストリア人観光客2名死亡。ビンラディン関与と
みられる最初の事件)
1992年12月 ソマリアでアイディード将軍派がアメリカの進駐軍18名を
殺害。死体を引きずり回すシーンが衛星中継される。
(1993年、アメリカはソマリアから撤退)
1993年 2月 ニューヨークの世界貿易センタービル爆破事件。8人死亡、
千人以上負傷。
1993年 9月 GIAは、アルジェリア在留外国人に対するテロ攻撃を表明。
国内で百人以上の外国人を殺害。
暗殺と、自動車爆弾などの爆破、誘拐が常態化。
外国人や要人を誘拐し、喉をナイフで切り裂かれる事件が
続発。凄惨な残忍さはアフガニスタン紛争から帰還したアル
ジェリア民兵(ムジャヒディーン)上がりによるものか。
1994年 アフガニスタンでタリバンが結成される。
1994年12月 アルジェ空港でのエール・フランス機のハイジャック
(エールフランス8969便ハイジャック事件)など。
FISと政府が和平を結ぶと、双方の穏健派に攻撃。
※1999年にはフランスへのジハードを表明したが、あまりの酷い残虐
さゆえに内部から支持を失い、勢力はアフガニスタンなどに逃れ、
GIAのネットワークは現在全てサラフィスト・グループが吸収したと
いわれている。また、アルカーイダとも連携している。
1994年12月 第一次チェチェン戦争始まる。
エリツィンの命令でロシア連邦軍がチェチェンに侵攻。
1995年 6月 エチオピア訪問中のエジプトのムバラク大統領暗殺未遂。
マイ「ひでえな・・・」
ジェ「宗教戦争よね。キリスト教圏側にも十字軍遠征や、大冒険時代の
原住民大量虐殺の歴史があるし、植民地化した地域には宣教師が
帯同して、布教活動で教勢を世界に広げてもいるし・・・」
マイ「いや、宗教とその敬虔な信者である大多数の貧困層の庶民が、
政治権力の維持と、エセ聖職者の特権、そして、ごく一部の富裕層
の権益と富の独占に利用されているだけさ」
政治的経済的に不安定な国の指導者は、大多数の国民と少数民族が、
貧困から抜け出せない内政への不満を逸らすために、イスラム原理主義
と教条主義を前面に押し出して、その宗教的理念と相反する宗教教義を
ベースとした仮想敵国・敵対勢力を意図的に作り出して、敬虔なイスラム
教信者たちの理屈ではない拒否反応を、自分たちの立場を守るために
都合良く利用し、自分たちの極めて利己的な野心や利益しか考えない者
たちと結託して、反米、反キリスト教、反ユダヤ教への敵対心を煽った。
「聖戦」という名のもとに。
マイ「そういう暴力革命思想を醸成する土壌として、アフリカや中東、
中央アジア諸国の貧しさ、植民地時代の欧米列強からの一方的
支配という差別と搾取の歴史に由来する、南北間格差の問題が
背景にある。
それが解消されない限り、どんなに西側諸国が軍事力で制圧・
屈服させようとしたって、『犠牲者の恨み』という、根本的な負の
連鎖は断ち切れねえよ」
ジェ「そこに、『黒の組織』もつけこんだわけね。
彼らは、世界がカオスの様相を呈していた方が都合がいい。
秩序なき社会に、自分たちの身勝手な価値観で再構築した
社会を創ろうとしているかわけだから」
マイ「黒の組織のボスは、世界の秩序を破壊して、自分の理想の
王国でも創ろうとしているのか?」
ジェ「どうかしら・・・。
今の組織の実態は、私の理解の範疇を超えてしまって、
暴走し始めてているとしか、思えないわね」
マイ「ま、いずれにしても・・・俺たちは組織の壊滅のために、
とりあえずは西側諸国の力になるしかねえな。
誰のためでもなく、ましてや世界の平和と秩序回復なんていう
大それた理想のためでもなく、俺とおめえために。
そして、これまで支えてきてくれた家族や友人たちの安全
のために」
ジェ「そして、どんなことがあっても、あなたを信じて待っている
人のために・・・ね」
マイ「・・・・・・」
マイケルは、自宅のパソコンと服部のパソコンを介して連絡を取り合って
いたが、新一の「お別れの会」なるものを日本で執り行った時、何百人
もが参列した会の終了間際、小刻みに震えながら椅子に座って俯いて
いた
蘭が、急に祭壇の前に走って行って、焼香台を蹴り倒したという。
「こんなこと嘘よ。私は信じない!」と、えらい剣幕だったと。
同席していた服部や和葉、更には親友の鈴木園子が止めに入り、
(鈴木園子:http://conan.aga-search.com/501-4-11sonoko.html)
抑えようとしたが、手がつけられなかった。
毛利小五郎は、後ろから羽交い締めにしようとしたところを後ろ蹴りを
くらって悶絶し、気絶してしまった。
散々に暴れ回った後、祭壇に掲げられていた新一の遺影を外して抱え、
外に飛び出して行った。
服部が何とか追いつき、説得して毛利探偵事務所に連れ帰ったが、
自分の行為を謝ることもなく、自室に引き籠ってしまったという。
「お別れの会」には、怪盗キッドがひっそりと参列しており、一部始終を
目撃しながら、不敵な笑みを湛えていた。
マイケルは、服部との遣り取りをジェシカに話すことはなかったが、
ジェシカは、和葉からそのことを聞いて知っていた。
ジェシカは、マイケルにも内緒で、星美薗として、英国に戻っていることに
して和葉と連絡を取り合っていた。
二人は、テロ関連以外にも、日米での謎の大火や薬物使用事件、迷宮
入りした殺人事件や誘拐事件などを探っていた。
4月半ばからは、二人は本格的に仕事に就いたが、8月までの実質3ケ月
間で、二人とも目に見える成果を上げ、同僚や上司たちからの信頼を
勝ち得ていた。
マイケルは、職員の入室チェックの際、社員証のスキャンだけでは、
紛失したり置き忘れた社員証を拾った者が、カードを偽造する可能性が
あると主張して、指紋認証システムを併せて導入することを提案し、
採用され、9月からの導入が決定した。
これは、その後、ジェシカからの個人的なアドバイスで、例えば黒の組織
のやり口を例に取れば、自分の指先を焼いて指紋を消し、その上に別の
人物の指紋を模したテープを貼りつけることで、セキュリティをすり抜ける
ことが出来ると言われ、瞳紋認証の併用へと発展していく。
指紋認証を止めなかったのは、何か事件があって犯人を割り出す時、
人物特定と犯罪歴照合には、指紋DBを使わなければ、照合データの
蓄積がないからである。
ジェシカは、ヒトゲノム比較分析技法を画期的に進展させ、ある遺伝病理
解明への足がかりになる特定遺伝子と、その遺伝子が生成する異常
蛋白質、その生成に関わる酵素の存在を突き止めた。
これは、ジェシカが個人的に、新一と自身の身体退行と、それを正常化
させるための研究を重ねて来たものを、整った環境下で系統的に整理
しただけであって、二人にとっては当然の成果だったが、所属する研究
班メンバーは驚愕した。
新しい発見と成果があれば、その事実を権威ある学術誌に公表し、
世界の学術界からの批判に耐えて認めて貰えるものである事を証明し、
その成果が真に発表した機関や研究者のものであることを認めさせる
必要があるが、ジェシカは、自分個人の成果として発表されることを拒否
し、研究班全体の成果であることにして欲しいと要請した。
これも、成果を競い合うことが宿命付けられた学術界においては、あり得
ないことであり、控え目なジェシカへの好感度を上げた。
9月からの正式な年棒契約において、マイケルは7万米$、ジェシカは、
10万米$に跳ね上がった。
二人の夜の営みは、どちらかの体調が悪い時以外、ほぼ毎晩行われて
いた。2回戦、3回戦に挑むことも多く、支給されたコンドームは大いに
役立った。
ジェシカは、前戯でクリトリスを中心に、マイケルに舐めて貰う事がお気に
入りのようで、マイケルが挿入する前に、一度逝ってしまうことも多い。
ことに及ぶ時、ジェシカの方からおねだりすることは、滅多になかった。
マイ「さて、次回で決着をつけるぜ!」
ジェ「そうね」
出典:?
リンク:original

(・∀・): 74 | (・A・): 75
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