ホームワークが終わらない

2011/09/05 16:05 登録: 痛(。・_・。)風

今高3
聞いてくれ

当時中学2年の頃俺はバレー部だった
今とは見違えるくらい引き締まった身体してて部のエースで当時県選抜にも選ばれるレベルの選手だった
彼女も女子バレー部で学年で3番目くらいに可愛くて頭も良く生徒会役員だった
俺は結構人見知りで女子と話すのは苦手なタイプだったんだけど
そいつとは小学生の頃はから話しやすくて中学になると告白はしてないけど自然に付き合った感じになってて休みの日もよく遊ぶようになった
だが彼女は誰とでも楽しくお喋りできるその性格から他の男子にも人気があり、
特に野球部で学校ではちょっと有名なDQNが彼女のことを相当意識してた
DQNは時間があるたび彼女の所に来て慣れ合おうとしてきた
まあ俺だって正確に告白してないし、付き合ってたとしても彼女が他の男子と会話するくらい悪いことじゃねーだろと割り切って静観してた
ただ心の中のモヤモヤ感はハンパなくて、彼女の誰とでも笑顔で接することのできる性格がネックになってた

それでも彼女とは部活には一緒に行くし、夏休みは一緒に祭りに行って一つのかき氷を一緒に食べたりもした
夜の学校に侵入してキスもした
中2の夏休みが俺の幸せのピークでずっとこのままで居たいと思っていた
転落していくのはここからだ

夏休み明け、俺は学校を休んだ
理由はものすごく情けなくて恥ずかしいんだが、夏休みの宿題が終わってなかった
俺はバレーこそ優秀だったものの勉強は全く駄目で学年順位は恐らく下から数えてトップ10くらい
俺からバレーを抜いたただののび太だろってくらいのレベルだった
顔も雰囲気イケメンな感じでバレーが無かったらなんの変哲もない感じ
その日は風邪を引いたと嘘をついた
それから休んだ一日で夏休みの宿題を片付けようとするも何故だか本当に風邪を引いてしまった
その日は宿題をすることが出来ず明日やろうと決めた
しかし次の日も風邪は治らない
その日をも宿題をしたかった
そして次の日、やっと風邪が治った
今度こそ宿題を終わらせようともう一日学校を休んだ
しかしクズの片鱗が現れる。サボりぐせがついてしまい宿題をすることはなかった
その日、彼女から俺の携帯に電話がかかってきた
当時俺は携帯を持っていたが彼女には無く、自宅の電話から俺にかけてきてくれた
「風邪大丈夫?」「体育祭の練習始まってるけど無理しないでね」
心配してくれてたことに胸が熱くなって明日こそ宿題をしようと思った



次の日、宿題に取り掛かった
しかしあまりにも貯め過ぎてしまったその量を見てダレる
当時の俺には「宿題をしないまま学校に行く」という選択肢はなかった
頭悪いくせにプライドだけは一人前で、宿題忘れて怒られる姿を皆に見られるのが嫌だった
そんなんでその日も中途半端に終わり、次の日もまた次の日も同じような日々が続いた
そんなにも休んでたら当然学校の皆には不自然に思われる
バレー部の奴が俺にお見舞いがてら会いにきた
その態度はよそよそしくて、「はやくこいよー」なんて言いながらも心の中でなんて思ってたのかは分からない
だいぶ後から知った話だが、次の日学校でそいつが俺が全然元気だったということを言いふらしたらしい
それから俺には不登校のレッテルが貼られる
まあこれは当然だった


先生から電話がかかってきた
「宿題とかは良いから、まず学校にきてね」だそうだ
だが気づくと俺は学校に行くのが怖くなっていた
不登校が学校に顔を出したらなんて思われるだろう
キモがられるんじゃないだろうか
ビビられるんじゃないだろうか
そんな思考が頭の中でグルグル……考えれば考えるほど学校に行きたく無くなった
バレーもあるし凄く焦ってたのにあと一歩が踏み出せなかった
心のどこかど彼女から励ましの電話でもこないかなーなんて期待してた
でも彼女からの連絡は全く来なかった

それからも学校を休み続けた
学校に行かないからバレーも出来ず家の中に籠もる生活が続いた
バレー部大会で勝ったよなんて情報を母から聞くのが辛くて辛くてたまらなかった
それより彼女のことが気になった
夏休み明け頃に電話をしたっきり一切連絡を取ってない
たまに家に来てくれるバレー部の連中も彼女の話題は一切出して来なかった
こっちから聞くのも何か恥ずかしいな…なんて思ってた中、バレー部の奴があることを口走った

「そういやさっき○○(彼女の名前)コンビニ居たな」

えっ?と思った
そしたら他のバレー部の奴が「おいその話題はw」「おいw」みたいなノリでコソコソし始めた
何やら俺の前で彼女の話題出すのはタブー扱いされてるみたいで何がなんだか分からなかった
その意味深な会話を聞いたらよけい学校に行くのが怖くなった




彼女はなにやってるんだろう
もう俺のことなんて忘れてるかな
どうしてこうなったんだろう

そんなこと考えながら苦悩して時が流れ2年生が終わりそうになった
ここまでくるとバレー部の奴らにだいぶ差が付けられてるだろうと感じてしまい、もう戻れる気はしなかった
せめて彼女の一声さえあれば…
そんな漫画アニメのような展開を妄想しながら、最近ハマりだしたインターネットをいじる
最初はバレーのサイトや動画を見るのが好きだったが
次第にオタク系のサイトを見るようになり、
あまりにも寂しいもんだからチャットサイトに常駐して顔も知らない誰かと交流するのが日課になった
気付けば一般的に見て俺は「オタク」になっていた

毎日のようにPCをいじるのが日課になっていった
ネトゲにハマり動画サイトにハマり2chにハマり
中学3年生にしてどうしようもない所まで来ていた
3年の夏になり、バレー部が負けて皆にさが引退後したことを知った
その虚無感で死にそうになったところを楽しいネットでごまかした
それから皆は受験生として頑張ってる中、俺はネットに浸る日々を続けた

3年の夏休み
いつもと変わらずネットをいじる
チャットサイトで夏休みに予定が無い奴wwwなんて自虐を言いながらワイワイする
去年の今頃とは全く違う夏休みだった
それを思うだけで辛くて辛くて、祭りになんて行くはずもなく夏休みはずっと家で過ごした

月日は流れ3年3月
皆は卒業し、カーチャンが俺の代わりに卒業証書を持って来てくれた
オマケの卒アルを勇気を出して開いてみると案の定自分の顔だけ不自然
こんなものを貼るならいっそ載せるなと心の中で先生を憎んだ

こんな状態では普通の高校に行けるはずも無く、定時制高校に進学した
その頃になると身体は1年半前の自分からは想像もできないくらいブクブクに太っていた
高校生になっても生活は変わらない
最低限の単位を取るため登校すること以外はヒキニートと同等だった
ここまで来ると彼女のことを思い出しても虚しくなるだけだから記憶から末梢したいのに、ほぼ毎日夢に出てきた
しかも夢には彼女以外にも中学の頃の友達が登場してくる
引きこもって人に合わないもんだから夢のキャストがそいつらばかり
毎日鬱状態で目を冷まし食事で鬱をごまかしてネットをいじる日々が続く


高1夏
俺がおかしくなってから二度目の夏休みが来た
去年と同じく死にたくなるのをネットでごまかした

高1冬
この頃が自分の太りっぷりのピーク
切らずに伸びきった髪、ブクブクになった太り脚と腹、眉毛ボーボーで見るにたえない顔面
親も俺のことは諦めたような対応で、
自分でもこのまま高校卒業してニートにでもなるんだろうなぁなんて思いながら、もう焦りも感じないようになってた

しかし転機が訪れた


高1の3月頃
母が入院した
母が居ない中一人で生活できないもんだから親戚の家に預けられる
急な事に発狂したくなるくらい混乱して他人の家で生活なんて絶対無理だと思った
しかも親戚宅には俺より一つしたの女の子も居て絶対キモがられるだろうと
でもワガママ言ってる場合でも無く、親戚宅にお世話になる事になった

身体はどうしようもないからせめて髪だけでもと
中2の頃通ってた美容院に勇気を出して行き髪と眉毛をなんとかしてもらった
それから親戚宅に入居
おばさんもおじさんも俺を歓迎してくれてたが従妹は太りまくった俺の姿を死んだ魚のような目で見てきて死にたかった
従妹と最後に会ったのはバレーで県選抜の試合を応援しにきてくれた頃だから無理もないと思ったが

それから新しい生活が始まる

家に居た頃より気持ちに張りが出てきた
そりゃ誰にも見られない生活送ってた頃より緊張感があるのは当然なんだが
昔これのせいで駄目になったっていう変なプライドが親戚宅では良い意味で機能した
駄目な姿を見せないようにという意識から規則正しい生活になり、毎日おばさんの手伝いをして、レポートもしっかりこなすようになる
ただネットからは離れられず、夜こっそりカチカチするのが日課だった

そんな自分をおばさんもおじさんも良い子だって褒めてくれるが従妹にはろくに会話することもなかった
だがある日風呂上がりの俺のを見て従妹に声をかけられる
「マジで痩せたほうがいいよ^^;」
寒気と鳥肌と精神崩壊しそうなくらいのショックを受けた
体格について自覚はしていたが他人に言われたのは初めてだった
実質「デブ」と言われることがこんなに悔しくて辛くてムカつくことだとは知らなかった
それから死ぬ気で痩せることを決め、ガチダイエットに取り掛かった

毎日30分ランニングと縄跳び1000回に腹筋50回
食事は普通にとり続けたがこれでだいぶ効果があった
高1冬の時点で85キロあった体重が高2の夏には65キロまで痩せた

体重が減る度に自信を取り戻してきて、一人で買い物に出かけられるレベルにはなった
その頃にはカーチャンも退院してて自宅に戻り、前よりは規則正しい生活を送るようになった
親戚宅には本当に感謝してる


ネットはやめられなかったが運動は続けて毎日が過ぎあっという間に高3なる


高3夏。これが今年だ
中学の頃のバレー部の奴から連絡がくる
部活も終わって今度皆で祭りに行くんだけど来るか?という旨を伝えてきた
ああ皆高校でもバレーやってたんだなぁとか軽く鬱になりながらもダイエットに成功したし勇気出して皆に会おうと決めた

それから夏休み
夏祭りで中学の頃の友達に会う
皆と最後に会ったのが中2の夏休みだからそれはもう見違えるくらい変わった奴ばかりで驚いた
自分と同い年とは思えないくらい大人びてた
俺は「あんまり変わってないな」と言われた
果たしてそれが良い意味なのか悪い意味なのか…

なんだかんだで久しぶりの夏祭りを徘徊
見覚えのある女子に見つからないよう避けたりして

そして色々お店を回る中ついに見たく無かったものを見てしまう
聞き覚えのある男の甲高い声が聞こえた

DQN「よっスお前らー」
バレー部友1「お、○○(DQNの名前)じゃん」
バレー部友2「来てたんや」
DQN「あーこいつが来たいって言うもんでさー」

やっぱりDQNだった
中学の頃野球部で彼女の事狙いまくってた奴
そしたら俺のこと見て

DQN「あっ」
俺「…!」
DQN「もしかして○○?超久しぶりじゃん」
俺「おぉ久しぶり…」
DQN「死んだかと思ってたわw全然変わってねーなー」
俺「ははは…」

こんな他愛もない会話を持ちかけてくるまでは良かったが、そいつの隣に居る人物を見て血の気が引いた

元彼女「あっくん早くチョコバナナ食べたいんだけどー」

そこで携帯いじりながらDQNの腕を掴む女の子は確かに彼女だった


デニムのホットパンツに身体のラインが分かりやすいTシャツ
オシャレなサンダルに手足はキラキラとしたマニキュア
髪は軽く染めており顔はメンズエッグユースにでも載ってそうなモデルっぽい化粧

当時黒髪ショートで真面目かつ笑顔が可愛くて程よく清楚だった彼女の姿はなかった

DQN「おいホラっ」
元彼女「なにー?」
DQN「こいつ覚えてる?w」
バレー部友1「お前バッカw」チラッ
元彼女「んー?」
俺「………」
元彼女「あ」
俺「久しぶり…」
元彼女「うわ……」
俺「………っ」
バレー部友2「あーあーもうお前らあっちいけよw」
バレー部友1「デート中なんだろーw」
DQN「ウッセーよw行こーぜ」
元彼女「うん…」

バレー部友が雰囲気を察したのか話を割ってくれた
でも正直中途半端で会話が途切れた事にモヤモヤしてて、彼女の「うわ……」の意味が気になって気になって仕方なかった

それからモヤモヤした状態で祭りを徘徊
歩いてると見覚えのある顔の人と沢山出会って俺を見るたびに何とも言えないリアクションをとってくる

高校生最後の夏、祭りにくる事が出来たのは本当に良かったがそれ以上にモヤモヤすることが多かった

微妙な顔してる俺にバレー部友が「ウチ来ない?」と誘ってくれた
友達の家で遊ぶなんて久しぶりだ。すごく嬉しかった
そいつの家に歩いて向かう途中、祭りの屋台が並ぶ所からちょっと離れた場所にある公園には浴衣を着たカップルがチラホラ
その様子を見てバレー部友が「ちょいあれww」みたいな感じのノリで何かを指差してた
何かと思ってみると、公園のトイレの陰でDQNと元彼女が抱き合いながら熱いキスをしてた

それはもうエロ動画かよってくらい深いディープキス
そしたらDQNはキスをしながら彼女の服の中に手を入れる
胸を触られながらクネクネする彼女の動きが妙にやらしくて見てらんなかった
それを見てバレー部友はなぜだか爆笑してたんだが俺は野次馬気分になり切れず、凄く悶々とした嫉妬心と身体の力がスーっと抜ける感覚でどうにかなりそうになる
結局その様子を最後まで見続けた
20秒のキスを3セットくらいやったあとそいつらはどっかに行った
あれからどっちかの家にでも行ったのかな…

それからバレー部友の家でモンハンしたりウイイレやったりした
楽しい時間はあっという間に過ぎ俺は帰宅
虚無感で30分くらい部屋で硬直した後、さっきのキスを思い出しながらオナニーして抜いてしまい、その後は更なる虚無感に襲われ泣き寝入りした

夏休みも終わり俺はFラン大学目指して勉強中
今でもギャルになった元彼女が頭にチラついて辛いです

終わり



出典:転がる夢なんだよ
リンク:追いかけていたいのは

(・∀・): 65 | (・A・): 62

TOP