生徒会室 3
2005/07/04 23:52 登録: 268
前編:生徒会室 2
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順調に、A, B(オレのみ)と進み、いよいよ初体験が現実味を帯びてきた。
しかし、そこはド田舎の真面目なスポコン中学生、最後の大会を前に練習に明け暮れる毎日。
それを邪魔する、ちょいとせつない部分のお話し。
唯一の楽しみ、お昼の密会も少しずつ周りに知られ不自由な状態に。
ある日、久しぶりに彼女と話すチャンスが出来た、もちろんいつもの生徒会室。
「久しぶり、ちょっと間が開くと何か照れるね」
「うん」
少し、元気がないようにも見えたが、その時は気にしなかった。
あまり盛り上がりの無いまま昼休みは終了、期待はずれ。
それから、しばらく彼女と話す機会は無かった。
ある日のクラブの練習中、女子バレー部の方から大きな声が聞こえる。
元々、きびしい女子バレー部だが、顧問はさらに激しい口調で選手達を叱咤した。
最近どうもチームの状態が良くないようだ、最後の地区大会を前にプレッシャーも
あるのだろうか・・・
彼女に、励ましのメッセージを伝えたい、どうしても伝えたい。
練習中、チラチラと横目で彼女の行動を確認する。
すると、体育館の扉の外で顧問と話をしている、明らかに又叱られているようだ。
顧問の後ろ側を通り、彼女に目線で「ファイト」っと伝えるつもりで、白々しく扉のほうへ。
二人へ近づき、顧問の後ろを通ろうとしたその時、忘れていたあの事を思い出す事に。
「今の調子じゃ、県大会にも行けないぞ。」
「東〇大会準優勝が〇〇高校推薦の最低条件だぞ、分かってんのか?」
そうだった、彼女は県外高校への推薦が予定されていた。
励ましどころか、そのまま顧問の後ろを通り抜け、ヘナヘナと部室の床に座り込んだ。
「そっか、このまま行くと彼女は遠くに行ってしまう。」
「準優勝なんて出来るのか?負けりゃいいじゃん、ハハハ・・・・ そんなバカな。orz」
ぶつぶつ独り言を言いながら考えた。
彼女は、2年の頃からレギュラーで全国大会に行っている、今年はやや評価が低いものの
候補であることは間違いない、テンションが低いまま練習に戻った。
ボールが手につかない、オレも調子を落としそうだ。
もやもやしながら、数日が経った。
会う機会がやって来ると、早速その事に話を振ってしまう。
オレの心の器は小さかった、思った以上に小さかった。
「この前、叱られてたね。」
「ちょっとスランプかなぁ」
ココまでは、まだよかった・・・
「大丈夫、今年も全国大会まで行けるって」
自分が気になっているズバリその部分を口に出す、しかも逆のことを・・・ 天邪鬼だ。
「そう思ってる?」
ドキっとした、彼女とはその事について語った事はない。
どっちだ?どっちの意見を言うべきか?彼女達の練習を3年間見てきて、「負けてほしい」
なんて言えるのか?いや、オレは彼氏だ・・・ う〜ん
悩んでいるうちに、彼女が口を開いた。
「レギュラー降りようかなぁ」
おいおい、バレー部の彼女の学年は20人以上居る、その中のレギュラーだ。
しかも、彼女にかかる期待も大きい、そんな事が出来るわけない。
「ウソw」
現実に引き戻される。
「みんなで頑張ってきたんだもん、やるしかないよね。」
そう言うと、軽く手を振って部屋を後にした。
オレ、後半一言もしゃべってない・・・ ヘタレだ。
ぐんぐん気温も上がり、夏も真っ盛り、いよいよ地区予選が始まる。
試合前日の夕方、彼女と一緒に家に帰った。
「明日負けちゃったら、もうこうやって帰る事もないんだよね。」
と、突然彼女がつぶやく。
「大丈夫だって、負けるわけないじゃん」
彼女は、遠くを見つめながら歩いている。
「男子は、微妙なところネw」
痛いところを突かれた・・・
「ねえ、ちょっと公園行っていい?」
「ん?いいよ、」
彼女に誘われて行ったのは、帰りに何度かよった高台の公園だ。
ベンチに腰を掛けると、辺りは少し薄暗く、町の灯りがぽつぽつと点き始めていた。
こうなると、又もや変な欲情が湧いてくる。
キスでもしようかと彼女の顔を覗き込むと、少し目に涙を溜めている。
エロい気持ちな自分が恥ずかしくなる。
同時に、涙の理由が少し分かるような気がした。
3年間頑張ってきたバレーが、明日で終るかもしれない。
苦しかった事、嬉しかった事、くやしかった事・・・
チームのリーダーとしての、プレッシャーもあったのかも知れない。
それはオレだって同じだ、自然に涙が出てきた。
「Sの涙見たらオレも何だか泣けてきた、みんな張ったもんね。」
すると、彼女は少し声を出して泣いた。
オレも益々うるうるきたが、ぐっと堪えて彼女を抱きしめた。
泣く彼女のあごに手を添えキスをし、泣き終えるまで続けるつもりで抱きしめた。
今までは走り続けてきたけど、今は流れを惜しむように、二人でゆっくり歩いている・・・
そんな感じだった。
数十秒後、彼女がクスっと笑った、唇から離れ涙声で
「涙って汗よりは、しょっぱくないね」
「鼻水も混じってるからじゃないw」、精一杯カッコをつけた。
「やだぁ、もぅ」
彼女は、笑顔でオレの手を握り立ち上がる。
歩きながら、「明日、頑張れよ」 空に向かってつぶやいた。
「うん」 彼女も空に向かって返事をした。
かっこよくキメてみたが、股間は痛いほど硬くなっていた。
オレの試合の方が心配だ・・・・

(・∀・): 79 | (・A・): 27
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