夏の陽射しに目覚めた恋

2011/09/09 06:54 登録: えっちな名無しさん

大学三年生の夏休み、助手席に瞳を乗せて車で駅に向かっていた。
瞳の弟が受験を前に一度ウチの大学を見学に来ると言うので迎えに行く途中だった。
田舎の大学なので交通の弁が悪く、どうせ俺も暇だったから。
瞳とは同じサークルで知り合った。
新歓コンパでお互い高校時代に陸上部だった事から話が弾み、それから仲良くしている。
人懐っこく笑い、サークルの仕事も嫌がらずに引き受け誰からも好かれるタイプ。
恋愛感情ではなく、人間として好きだった。

サークルの夏合宿の話や昨日のテレビの話をしていると駅についた。
エアコンを利かせた車内で暫く待つと改札から弟君が出てきた。
おそらく体育会系であろう遠目から見てもわかる、日に焼けたがっしりとした体つき。
車から降りて、瞳が「ゆういちーっ!」と小走りに駆け寄ると向こうも笑顔で近づいてくる。
本当に仲が良いのだろう、久々に会う二人の嬉しそうな笑顔が夏の陽射しに照らされてキラキラ輝いている。
俺はそれを見ながら今まで無かった感情が芽生えるのに気づいた。






あの夏の日から一年…、ユウイチは俺の肩に身を寄せて幸せそうに寝息を立てている。

出典:よくある話
リンク:よくある話

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