17歳下の妹 2

2011/11/17 13:39 登録: えっちな名無しさん

ポストに手紙が来て次の週末、両親はAの産みの親の家に行くことになった。
もちろんAは連れて行かない。
僕も話しをしたいと思い、一緒に行った。
本当は姉も妹も行きたかったらしいが、姉はサービス業で週末は休めないし、妹にはAと一緒に知り合いの家に行ってもらっていた。
予定の時間に相手の家に着いた。
小さな古いアパートだった。
表札を確認しインターホンを押す。
若いわりと美人な女だった。20代前半か?
「お越しいただきありがとうこざいます。」
と女は言い、僕らは家の中に入った。
女は長い黒髪をまとめ、身だしなみも整っていた。
それでいて家の中もよく整頓されている。
一瞬そう思ったが、いや子供を見知らぬ家に捨てるような奴だ。油断ならん。とすぐに考えを直した。
「それで、今日はどのような御用件で?」
父は答えがわかりきっている質問をした。
「Nを私が育てたいんです。」
やはり予想した通りだった。
僕はわかってはいたものの、怒りが抑えきれず、
「何勝手なこと言ってんだよ!」
と言い放った。
女はひどく動揺していたが、父がまた落ち着いて質問した。
「なぜ育てられないのに子供を産んだんですか?父親は?」
女はもう涙をこぼしていた。最初から潤んではいたのだが。
「父親は誰かわかりません。私、少し前までは酷く荒れた生活を送ってきました。妊娠したのがわかった時、誰になんと言ったらいいかわからず出産費用だけ自分でなんとかしました。」
こんな事を言っていた気がする。女の声がおぼつかず、はっきりとは聞き取れなかった。
要は育てられる金がなかったってことだ。
母が初めて口を開いた。
「で、なんで今自分で育てたいと思っているの?」
僕の家に置いていった理由も聞きたいが、女が動揺しすぎて口を挟む余地がない。
「私がんばってやっとまともな仕事就けたんですよ。少ないけどお金稼げているんです。だから2人ならどうにか暮らせるんです。がんばったんですよ・・・」
もはや理由になっていない。
父は言った。
「あの子はもううちの子だ。家族だ。俺の娘、息子の兄弟だ。今日はそれを言いに来た。」
父が、帰るぞ、と言い立ち上がり僕と母も続く。
実際はもう少し話が長かったが僕も少し恐怖していて、あまり記憶できなかった。
その日の夜、いつも通りAと風呂に入り、寝る準備をする。
「たまにはお母さんかお姉ちゃんと寝たら?」
と言ってみると
「やだっ!お兄ちゃんがいい!」
出かけるとたまに親子に間違えられるがやっぱるAは僕の妹だ。
Aが絵本を読んでもらいたくて持ってくる。
ヘンゼルとグレーテル・・・
いきなり継母の話かよ!!
Aを寝かしつけた後、暗い部屋で考える。
この子はどこにいるのが幸せなんだろうか?
親子、兄弟って何なんだろう?
そんなことが脳裏によぎり、涙した。
あいつは親じゃない。産んだだけで親である資格はない。
そう思い込んでその日は寝た。
〜終〜

出典:17歳下の妹
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