人を呪わば

2011/11/18 09:35 登録: えっちな名無しさん

エロ要素がないオカルト話なので、嫌いな方はスルーをお願いします。
フェイク入ってますが、ほぼ実話です。

今から15年ほど前、とある社会人サークルに入っていました。
活動内容は伏せますが年配者が多い団体でした。
入ってすぐだったこともあって、同年代で話ができる人は加奈子という女性一人だけでした。

加奈子は自分と同い年で、趣味も話題も近かったこともありすぐに仲良くなりました。
向こうも気に入ってくれたのか、サークル活動日にはすぐに話しかけてきてくれていました。

ある日、加奈子と盛り上がっていたら視線を感じる。
え?と振り向くと、そこには活動では先輩で、年齢は下の晃君がじっとこちらを見ていました。
さすがに騒がしかったかなと反省して、
自分「あ、すいません。うるさかったですね。」というと
晃「いや別に。」
とすぐに立ち去ってしまいました。

それから、活動日に加奈子と話していると必ず晃君がじっと見ている。そんな状態が続きました。
そのころには加奈子とは電話やパソコンメールでのやり取りが増えてきていました。
ある日、加奈子と電話で話をしていたときに、
自分「晃君から嫌われているんかなー。」とじっと見ている事を加奈子に相談してみました。
すると、
加奈子「実は、晃君に何回も告白されて困ってたんだよね。年下好みじゃないし。」
という話でした。
このときはお互い、自分と加奈子が仲良くしている事に嫉妬していたのかねーという軽い認識でした。
自分と加奈子は恋愛というよりも友人というような関係がちょうど良かったので、お互い人前では仲良くしすぎないようにしようかということになりました。

それから何カ月かして、加奈子と晃君が付き合い始めたという報告を加奈子からもらいました。
加奈子からは、あまりのしつこさにお試しで付き合おうということになったという話でした。
その報告以後、加奈子と晃君はサークルにあまり顔を出さなくなりました。
加奈子への電話もメールも通じなくなり、やっぱり恋愛するといろいろ変わるのかなと思っていました。

ある日、メールをチェックすると、加奈子からメールが一通。
「○○時に電話ください」というものでした。
異様な雰囲気を感じて電話してみると、晃君の嫉妬がものすごく、仕事の電話に出ていても不機嫌になる。
サークルに行くというと、わざとその時間に用事を作って外出させないようにする。
メールもチェックされていて、詳しい事はメールでは書けなかった。
暴力こそなかったけど、一緒にいて怖い。という事でした。
時間を指定していたのも、この時間なら晃君が外出しているからだそうです。

その報告を聞いて、束縛がきついのならいっそ別れるということも考えていいと思うよとアドバイスしました。
自分にできることなら協力するから相談してくれとも。
加奈子はホッとしたのか、電話口で泣いていたようです。
そして、ある程度泣いた後、ため込んでいたことを吐き出してすっきりした。
二人でしっかり話し合ってみると言ってくれました。
困った時はまた相談するからと言って電話は終わりました。
このときは、良かったなと思っていただけでした。

次の日から、自分の周りが急に変になり始めました。
まず、部屋の中に人の気配がするようになりました。
客先に訪問した時も、お茶が一人分多く出されるようになりました。
会社に戻っても、あれ?一緒に乗っていた人は?と聞かれるようになりました。
はじめは冗談だろと笑っていたのですが、あまりに多くに人が同じように言うので、だんだん笑えないレベルになってきていました。
そして、自分も夜にうなされることが多くなりました。
真っ暗な場面で、真っ青な顔をした男がじっと睨んでいるというような夢を良く見ました。

ある日、客先に車で向かっている途中で、変なことに気がつきました。
まっすぐのはずの道が歪んで見える。
電柱も波打って見えるということに。
大きなカーブに差し掛かった時には、カーブだ減速しなきゃ、ハンドル切らなきゃと思っていながら体がいうことを聞かない。
あわやという瞬間に、ブレーキだけ踏むことができ事故は免れました。

このところ寝不足だからかなと思って、路肩の広いところに駐車して客先に電話で今日は行けないことを伝え、仮眠をとらせてもらいました。
すると、夢に出てくる真っ青な顔の男が自分の目の前で自分ののどに手をかけようとしている夢を見ました。
その時に、その男の顔を近くではっきり見ることができました。
青白い顔で、真っ赤な口をあけて自分に迫る男は、晃君でした。

車の中で飛び起きたあと、得体の知れない怖さにしばらく震えていました。
そして、サークルの中でオカルト方面に詳しい信さんに電話をして、事情を話しました。
晃君のことは伏せて。
すると、信さんは生霊かもしれないと言っていました。
人の恨みつらみの気持ちが強いとを霊として相手に飛んで行って、相手を不幸にしてしまうということがあるそうです。
生霊を出した方も自分の魂の一部を相手に飛ばすから、だんだんおかしくなっていく事が多いそうです。

その生霊を封じる方法があるとかで、それを教えてもらいました。
翌日実行してみると、はじめは猛烈な吐き気を感じ苦しかったのが、やり終えたと同時に一気に楽になりました。
なんとなく助かったと感じて一息ついたときに電話が鳴りました。
あまりのタイミングの良さに飛び上るほどびっくりしながら電話に出てみると、加奈子でした。
加奈子「晃君が倒れたの!」

落ち着いて話すようにお願いすると、たった今、トイレから晃君の絶叫が聞こえた。
様子を見に行ってみると、口から泡を吹いてガタガタ震えながら床に倒れていたそうです。
どうしたらいいのかわからずに自分に電話をしてきたそうです。

加奈子には、救急車を呼ぶようにと言いました。
もし必要なら自分も行くからいつでも電話をしてくるようにとも。

そして、夜になって加奈子から電話がありました。
幸いにして晃君の体に異常はなかったようです。
念のために精密検査を受けるようにと入院することになったそうです。
そして、自分が電話でアドバイスしたその夜に、束縛がきついからと晃君と話し合いをしたそうです。
その時に自分のことが話題に上がって、あいつを殺してやると喚き散らしていたそうです。
人が変っちゃたようで、怖かった。今日は別れ話をしようと二人で会っていたんだと。
病院で、晃君の両親からあなたのせいで晃は倒れたと責められて、二度と会わないように約束させられたそうです。
加奈子「別れようとしていたからちょうど良かったのかもね。」とさみしそうに言っていました。

そこで、自分は「倒れた原因は加奈子じゃない。晃君の自業自得だ。」
と生霊のことを説明しました。
オカルト話を信じてもらえるとは思っていませんでしたが、自分の話を黙って聞いていてくれました。
話し終わったあと、加奈子は「なんか納得がいった感じがする。」と言っていました。

自分はその後、サークルをやめて引っ越し、加奈子はいまだそこで頑張っているそうです。
晃君は、退院した後サークルをやめて、仕事以外は出歩かない人になったとか。
偶然彼に会った人は、人の目を見ないでうつむいたままぼそぼそしゃべる暗い人間になっていたそうです。

出典:オリジナル
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