エミ長編(番外編)

2004/05/15 01:45 登録: もえたろう

787 金太郎 sage 04/05/04 02:02 ID:77MP3eih
(その後、番外編)
学生時代は、エミと順調に付き合い、バイトも続けた。
しかし、その後は順調には行かなかった。
就職は、エミの父親の会社に入ることを勧められたが、考えた末、違う道を選んだ。
保険会社に就職した俺は、半年後に札幌に転勤になった。
いきなりの転勤で、エミとの別れ。
初めは、月に1度は東京に帰りエミと会える、と思っていたが、現実はそうは行かな

かった。
電話だけの付き合いが続く。

788 金太郎 sage 04/05/04 02:03 ID:77MP3eih
エミが「耐えられない、私も札幌に行く」と言い出した。
俺は悩んだ。まだ結婚は出来ない、エミを養っていけないからだ。
大学入学時に借金した分を、俺が返済している。
会えない日が長くなり、お互い疎遠になりだした。
エミが「会社を辞めて、父の会社に入らないか?」と言ってきた。
受験のとき、俺はエミを取った。
ここでも、エミを取るのか、悩んだ。
結局、断った。「待っててくれ」と。
が、エミは待たなかった。
電話をしても、ハッキリと態度が変化した。
俺は焦った。帰りたかった。でも、余分な金が無い。
そして、札幌にエミが来た。話をしに。

789 金太郎 sage 04/05/04 02:05 ID:77MP3eih
エミ「今のような付き合いは、私には無理だった。K君も誰か良い人を見つけて欲し

い」
俺「俺はエミ以外考えられない。2年待ってもらえれば結婚したい。」
エミ「もう遅い。私は決心してきた」
その晩エミは、最後だと、俺の部屋に泊まった。
久しぶりに見るエミの体。
キスをしようとすると、エミは顔を背けた。
俺は虚しかった。
一糸まとわず、全てをさらしたエミの体の前で、俺は下を向いていた。
国立受験に失敗したこと、エミと付き合ったこと、家が貧しかったこと…。
エミの体をボンヤリ眺めながら、涙がこぼれてきた。
エミは横を向いて目をつぶったままだ。
一晩、エミに触れる事無く、横に座っていた。

790 金太郎 sage 04/05/04 02:06 ID:77MP3eih
朝早く、エミは帰って行った。
「さようなら」と。
2年後、俺は首都圏の支店に転勤し、自宅からの通勤になった。
ある休日、近所の店でエミの母親と偶然会った。
母親は、エミが結婚したことを告げた。
時が経っていたので、俺の傷は大分癒されていたが、ショックだった。
もし、まだ一人でいたら、と思っていたからだ。
数年後、俺は新しい恋人が出来た。
年末、大型スーパーで、俺達とエミ家族が出会った。
戸惑う、俺とエミ家族。
エミの顔には、ショックがありありと出ていた。
焦るエミの親達。
挨拶もせず、擦れ違った。

791 金太郎 sage 04/05/04 02:07 ID:77MP3eih
その晩、エミから電話があった。「会いたい」と。
翌日、待ち合わせ場所に出かける。
エミ「幸せそうね」
俺「……」
エミ「結局、私が我が侭だたのね、正直、後悔している」
俺「今それを言われると辛い、俺もまだ引きずっている」
最近手にした携帯の番号を教えて、20分ほどで別れた。
俺は、エミの気持ちが解らなかった。
なぜ、あんなことを今さら言ったのだろう?
俺は、燃えるような恋をして今の恋人と出会ったわけでは無い。
何となく、心の隙間を埋めてくれた女性だった。
その日から、俺はエミのことが気になりだした。
携帯が鳴るたびに、エミからかと意識する俺。

792 金太郎 sage 04/05/04 02:08 ID:77MP3eih
そして、かかって来た。
夫が出張で、夜会いたいと。
何も起きない、と心に決めて会った。
しかし、会って30分後にはホテルにいた。
無言でお互いを貪る。
大人になったエミは、積極的に俺を求めた。
俺は、エミが人妻だと自分に言い聞かせ、自制しようとした。
しかし、エミを手放せなかった。
その日から、またエミが俺の心を占領した。
ある日、エミが離婚を口にした。
エミには子供がいない。夫とは不仲だとも言った。
俺からは、何も言えなかった。離婚しろとも、するなとも。

793 金太郎 sage 04/05/04 02:09 ID:77MP3eih
半年後、エミは離婚した。
俺も、付き合っていた彼女と別れた。
しかし、エミの家に対して、大っぴらに付き合うことは出来ない。
エミの両親は、エミの離婚の原因に、俺が影響してると思っている。
また、高校時代に戻ったような、隠れた付き合いが始まった。
エミの元夫は、兄の友人だった。兄も俺の事を気にした。
俺は兄に相談した。

795 金太郎 sage 04/05/04 02:10 ID:77MP3eih
俺「自分の身勝手から、エミには可愛そうな事をした。今はエミを大事にしたい」
兄「エミが衝動的に結婚したことは気づいていた。離婚について友人は、お互いの性

格の違いを上げた。決してK君のことだけが原因だとは思わない。」
俺「きっかけは、自分に責任がある。両親の許しが出るまで、結婚は口に出来ない」
兄「エミはどうする?また、待たせるのか?」
俺「今度転勤になったら、連れて行く。もう離れられない」
兄「近いうち、家に来い。俺から話しておく」
そう言って、別れた。
エミの父親は、結婚していたエミに、俺がアプローチして壊した、と思っている。
昔に逆戻りだ。

796 金太郎 sage 04/05/04 02:12 ID:77MP3eih
しばらくすると、また転勤の辞令が出た。
今度は広島だ。
俺はエミに「今度、広島転勤になった。一緒に来て欲しい。結婚して」と告げると
エミは「父はK君のことを良く思っていない。時間がかかりそう…」と答えた。
俺は札幌の時の事を思い出した。また同じようになるのかと。
エミを残しては行けない。
意を決して、エミの家を訪ねる。
お互い緊張した中、父親に型どおりの挨拶をした後、
俺は「エミさんと結婚させてください」と言った。

797 金太郎 sage 04/05/04 02:13 ID:77MP3eih
父「……」
母「エミは、どうなの?」
エミ「反対された中で、結婚は出来ない。お父さんにも喜んでもらいたいから」
父「……」
母「私は、昔からK君を知っている。色々苦労されたことも知っている。今までK君

は、エミに振り回されてきた様に思えてならない。やっと一緒になれるのなら、そう

してあげたい」
エミは、思い出したように、涙を流した。
しばらく沈黙の後、父親が重い口を開いた。
父「K君の人柄は知っている。私がすぐにウンと言えないのは、エミが離婚した事だ

。それには君が関係しているとしか思えない。人の家庭を壊すのは良くないことだ」
エミ「それは違う。以前から関係は悪くなっていた。離婚の原因はK君じゃない」
母「T(兄)もそれは言っていた。K君が原因じゃないって」

799 金太郎 sage 04/05/04 02:16 ID:77MP3eih
しばらく沈黙の後、
父「わかった。我が侭な娘だが宜しく頼む。」
こうして、俺達はやっと結婚することになった。
転勤前の忙しさから、新婚旅行は無く、広島の転勤先が新居となる。
引越しも終わり、初めて迎える新居での夜
エミは「好きにして良い」と言った。
プレッシャーから開放された、最高の夜だった。

終わりでつ・・・

出典:■★■ 萌えた体験談コピペ祭りPart22 ■★■
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/hneta/1079003586/

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