律「ドナルド・マクドナルド?なんか凄そうな名前だな」

2012/01/14 00:04 登録: 小鳥のパイズリ

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 02:50:27.08:lYdEfU6d0


澪「名前が外国籍?なんか留学生っぽいな」

紬「どうなんでしょう?」

律「と、平沢唯って子か」


2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 02:54:57.29:lYdEfU6d0


律「どっちにしろどっちもギターが上手そうな名前だな」

紬「部員の獲得できたってことは…これで廃部の話は」

律「無しだ!」

澪「何か、ちょっとは期待できそうだな」

律「で、どっちともギターなのか?」

澪「知らないよ。部長はお前だろ」

律「ま、どっちでもいいか」


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 02:57:29.44:lYdEfU6d0


律「部員は足りてないんだしいくら多くてもオッケーオッケー」

澪「で、その二人はいつ来るんだ?」

律「今日の放課後」

澪「つまり今だな」

紬「お菓子の用意しときますね」


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:00:27.88:lYdEfU6d0


その頃

唯「あ、あのぉ…」

ドナルド「ん?どうしたんだい?」

唯「軽音楽部ってどこでしょうか?」

ドナルド「あ、僕もそこに用事があるんだ。一緒に行こうよ☆」

唯「あ…はい(この人変な格好だなぁ)」


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:03:51.28:lYdEfU6d0


ドナルド「あ、唯ちゃん。後ろに何か黒い人が」

唯「(何で私の名前…)え?お、脅かさないでよ!」

ドナルド「脅かしてなんかないさ。だってみんなだぁいすきだからね」

唯「意味分かんないよ…それより早く部室に行こうよ」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:07:39.41:lYdEfU6d0


さわ子「あら」

そこでちょうど階段から降りてきたさわ子先生に出会った。

ドナルド「軽音部って、どの辺ですか?」

唯「場所分かって無かったんだ」

さわ子「軽音楽部なら音楽室よ」

そうさわ子先生に言われ、二人は階段をのぼっていくのであった。

「ここ・・・か・・・」

唯はようやく音楽室に辿り着いた。

唯「入ったばっかりで言いにくいけど、やっぱりやめるって言おう・・・」

唯は音楽室のドアノブに手をかけようとするが、ふと、その手をぴたりと止めて考えた。

「あっ・・・でも、軽音部って・・・どんな人がいるのかなぁ・・・」


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:12:10.29:lYdEfU6d0


_唯の回想_
クラウ●ー『辞めたいだと・・?貴様・・・ただでやめられると思っているのか!!
・・・SATSUGAIするぞ!!』

唯「うう…。何かコワそうだよ」

_ドナルドの回想_
カーネ●『SATSUGAIするぞ!!』

ドナルド「なんか面白そうだね☆」

唯「えっ?(どういう回想してるんだろ?)」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:15:48.11:lYdEfU6d0


ドナルド「あっ、唯ちゃん後ろ!」

唯「今度はもう騙されないからねっ!」

ポン、と唯の肩に置かれる手。

唯「ひぃぃぃぃぃっ!!!あぁぁぁのあのあののわあなあのあなたとは、違います違います違います違いますぅぅぅぅ」

律「はっ!!テンポ悪くて使えないドジっ子!!」

ドナルド「こんにちは☆」

律「・・・え?」

唯「はぁ・・・びっくりしたぁ」


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:19:32.43:lYdEfU6d0


律「もしかして・・・平沢唯さんとドナルドさん?入部希望の!!」

唯「はっ、はいっ!?」

ドナルド「もちろんさ☆」

律「ええっと…どちらがドナルドさんで平沢さん?」

ドナルド「ドナルドは僕だよ」

律「やっぱしそうくるか(何だコイツは?!)」


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:22:25.61:lYdEfU6d0


律「(ぜってぇー普通じゃねーよ!全身まっきっ黄だし!)」

唯「私が平沢唯です」

律「だ、だよね。普通そうだよね!…それよりもさ、ギターすごく上手いんでしょ?」

唯「えっ?」

ドナルド「ああ、それ多分僕のことだよ」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:26:16.08:lYdEfU6d0


律「……」コホン

ドナルド「どうしたんだい?」

律「来てくれるの待ってたよぉー平沢さん!!」

唯「あの、ドナルドくんは?」

ドナルドと心配する唯をよそに、音楽室のドアを開け、律は唯を引っ張って入れた。

律「皆ー!入部希望者が来たぞー!!」

澪「本当かっ?」

紬「まぁ〜!」


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:28:28.48:lYdEfU6d0


澪と紬は目を輝かせる。

澪「ようこそっ!軽音部へ!」

紬「歓迎いたしますわ〜!」

しかし、次にドナルドが入ってきたのを見て二人の表情が一変した。

紬「(何で赤毛なんでしょう?いや、それより何でアフロ…)」

澪「うわああああああああああああああああああ!!」


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:32:19.43:lYdEfU6d0


澪は突然の来客に絶叫する。

ドナルド「そんな大声での歓迎だなんて…うれしいなぁ!」

澪「恐い恐い恐い…」ガチガチ

このカオスな状況を打破すべく律はめげずに言葉を発する。

律「よしムギ!お菓子とお茶のスタンバイを!」

紬「は、はい!」


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:35:39.40:lYdEfU6d0


目の前に置かれるのは紅茶ととても甘そうなケーキ。

だが、唯の心は苦かった。

唯「(どうしよう・・・)」

ドナルド「(ハンバーガーが三分の二くらいかな?)」

そしてドナルドの心は軽かった。

紬「どうぞ、召し上がって」


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:39:34.13:lYdEfU6d0


とりあえず、無視するのも悪いので唯は紅茶を一口口に含む。

唯「・・・おいしい・・・!!」

紅茶のおいしさに、唯は驚く一方で…

ドナルド「ハハッ、マックシェイクのが美味しいかな☆」

紬「しぇい…く?」


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:43:28.88:lYdEfU6d0


唯「このケーキは…」

紬「食べていいんですよ?」

唯「それじゃあ、一口だけ」

唯はそう言いつつ満面の笑みを浮かべフォークをケーキに入れ、口に運び食べた。

唯「おいひぃ〜(やめるの、やめようかなぁ…)」

ドナルド「このケーキピクルス入って無いのかい?」

紬「ごめんなさい…」


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:47:55.55:lYdEfU6d0


律「平沢さんは、どんな音楽やりたいの?」

唯「え?」

律「好きなギタリストは?」

唯「ええっと・・・」

ドナルド「藤井フ○ヤ」

律「……」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:50:57.89:lYdEfU6d0


ドナルド「あらぁ〜☆はずしちゃった」

唯「じっ、じっ、じ、じ・・・」

「実はギターなど弾けない」と言うつもりが、言葉が進まない。
お菓子までごちそうになって、今更それを言う勇気が唯にはなかったのだ。

澪「ジミー・ヘンドリックス!?」

律「!おぉー!」


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:53:23.56:lYdEfU6d0


唯「えっ、いぇぇ、じ、じ・・・」

澪「ジミー・ペイジ!?」

唯「え、えぇっ!?」

律「あぁー!」

唯「あ、違、違・・・」

澪「ジェフベック!!?」

唯「(ギタリストってジで始まる人多いの!?)」


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 03:57:16.64:lYdEfU6d0


ドナルド「ドナルドに何言ってるかさっぱりだよ☆」

紬「私も、よく分かりません。ドナルドさんはギター出来るですか?」

ドナルド「プロも認めたテクニシャン」

紬「本当ですか?」

ドナルド「冗談だよ☆ちょっとおちゃめになりたかっだけなんだ」

紬「そ、そうですか(なんだかよく分からない人ですね…)」


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 04:01:23.98:lYdEfU6d0


唯「あは、あは、あは、あは・・・」

もはや誤解を連続でされ笑うしかない唯であった。

律「さっすがー、渋いね平沢さん!」

ドナルド「ハハハッ☆」

澪「(何か笑いだしたぞコイツ!?)」

ドナルド「ドナルドはね、みんなが大好きなんだ☆」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 04:04:47.84:lYdEfU6d0


唯「え・・・!?」

唯はドナルドが平然とそう言ったのに驚いた。

唯「(ドナルド君ってギタリストに詳しいのー!?)」

そして自分で意味を間違って取り更に誤解を追加する。

律「へぇ…その奇抜な格好は伊達じゃねーってことか」

澪「ま、まあ軽音部に入るぐらいなんだから当然だな」

唯「(痛い…心が)」ズキズキ


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 04:07:22.16:lYdEfU6d0


律「澪はこう言ってるけど、平沢さんとドナルドみたいな人が入ってくれてよかったなぁ〜」

ドナルド「(もう呼び捨てかぁ…うれしいなぁ)」

紬「一週間以内にあと一人集まらなかったら、廃部になるところだったんです…」

律「本当にありがとうっ!!」

律は唯の手をがしっと掴んだ。


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 04:10:29.20:lYdEfU6d0


そして少し動きを遅くさせつつドナルドの手もつかんだ

律「あと…ドナルドもよろしくね!」グッ

ドナルド「もちろんさ☆」

唯「(ますます言いづらいよ…でも、ちゃんと言わなきゃ!)」

そう思い立ち、唯はいきなり立ちあがった。

唯「あのっ!あの、申し訳ないんですけど、実は入部するのやめさせてくださいって言いにきたんです!!」


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 13:56:10.93:lYdEfU6d0


律「へっ?」

唯「ギターは弾けないし、もっと違う楽器をやるんだと思って…」

紬「じゃあ、何なら出来るの?」

唯「カスタ・・・、ハーモニカ!!」

律「あ、ハーモニカならあるよ。吹いてみて!」

唯「ごめんなさい吹けません!」

ドナルド「アラー☆」

澪「…でも、うちの部に入ろうと思ったって事は、音楽には興味あるってことよね?」


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 13:59:00.47:lYdEfU6d0


紬「他に入りたい部とかあるの?」

唯「あ、ううん、特には・・・」

その台詞に軽音部三人が以心伝心する。

律「(せっかくのカモをここで手放すわけにはいかないぜ!!)」

澪「(廃部を免れる為に!)」

紬「(何とか引き止めないと!)」

ドナルド「(この本前に読んだな…)」


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:02:17.02:lYdEfU6d0


唯「本当にごめんなさい、じゃあ´」

律「あぁぁぁちょっと待って!!」

紬「もう一杯お茶いかが〜?」

唯「でも…」

紬「クッキーとマドレーヌもあるの!」

ドナルド「あの、ハンバーガーは?」

澪「ちょっと黙っててくれ(何か恐くなくなってきたぞ…)」


46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:08:17.06:lYdEfU6d0


唯「おいしぃ〜・・・」

再び席に着きクッキーとマドレーヌを頬張る唯。

唯「あ、す、すみません!こんなにご馳走になるつもりじゃ・・・」

律「いいのいいの!」

紬「毎日こうやってお菓子を食べましょう?」

澪「何か趣旨が違ってきてr(yぐえっ!!」

律が机を押すと澪のどてっ腹に見事に直撃した。

ドナルド「(あらー…)」

律「平沢さん、他にはどんなものが好き?」


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:12:26.33:lYdEfU6d0


唯「あー…おいしいものならなんでも・・・」

律「(食べ物かよ」

ドナルド「ドナルドは音楽やスポーツが大好き! ダンスもおどるし、スケボーにものれるんだよ。きみはどんなことが好きなのかな?」

律「私はドラムをたたくのが好きだよ(へぇ、コイツ会話のキャッチボール上手いじゃん)」

澪「(ちょ、スケボーって)」

紬「(ダンスですかぁ…)」


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:16:48.33:lYdEfU6d0


律「うちでは、休みの日とか何して過ごしてんの?」

唯「ゴロゴロ…かな?」

ドナルド「野外でベンチに座って本を読んでいるよ!」

紬「好きなものとかある?」

唯「あ、かわいいものが好き…かなっ」

ドナルド「サッカー、バスケットボール、野球、スケートボードかな」

律「(ほお…)」


51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:20:39.55:lYdEfU6d0


澪「苦手なものは?」

唯「暑いのも寒いのも苦手なんだ。冬はこたつにこもりっきりだし、夏は床の上を転がってばかりいるの〜」

澪「(手ごわい…)」

律「(一体どうすれば…)」

紬「(分かりません…)」

ドナルド「早起きすることかな☆最近は早起きを頑張ってるんだ」



55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:24:50.24:lYdEfU6d0


律「(おい、コイツって実は常識人だったりするのか?)」

澪「(言ってることがまともすぎる…)」

紬「(スポーツ万能ですごいですね)」

唯「…あの、じゃあ」

律「あぁっ!!行かないで!!お願い!!ごろごろしてるだけでいいからぁ・・・!!」

紬「もっとおいしいお菓子持ってきますから!」

ドナルド「今日シフト入ってたかな?」

澪「知らないよ…って何のことだよ」


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:29:50.18:lYdEfU6d0


唯「ごめんなさい。軽い気持ちで入部するなんて書いたから…期待させるだけさせて…」

そう言いきる前に唯の瞳がにじみだす。そしてとうとう泣きだしてしまった。

唯「グスッ、なんて謝ったらいいかぁぁっ!」

唯が泣くのを見て澪と紬は完全にあきらめた様子だった・

紬「私たちこそ、ごめんなさい…」

澪「無理に引き止めて、悪かったな」

ドナルド「その涙が君を強くするんだよ」


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:32:48.17:lYdEfU6d0


しかし、律はまだ諦めていなかった。

律「じゃあ、せめて、私たちの演奏だけでも聞いていって!!」

唯「えっ」

唯はいきなり泣き止む。

唯「演奏してくれるの!?」

律「(うっ、食いついてきた)」

ドナルド「もちろんさ☆」


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:37:28.20:lYdEfU6d0


律「えっ、ドナルドも演奏するのか?」

澪「流石にそれは無理だろ。第一楽器がないじゃないか」

ドナルド「あらー☆」

唯「(ドナルドくんって面白いなー)」

そして数分後…

音楽室の黒板前には、ドラムと、キーボードが置かれていた。
ドラムには律、キーボードには紬が、演奏を始める準備をしており、澪はベースを持って立っていた。

澪と紬と律はアイコンタクトで始める合図をする。

「・・・ワン、ツー、ワンツースリーフォー!」


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:42:13.82:lYdEfU6d0


「わぁ…!!」

演奏終了後、唯は照れくさそうにする律達に拍手を送った。

律「えへへへ…どう、だった?」

唯「なんていうか、凄く言葉にしにくいんだけど…」

律「うん!」

唯「あんまりうまくないですね!!」

ドナルド「ヒューーッ!ブラボー☆」パチパチパチ!

対してドナルドは絶賛の言葉をかける。


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:44:01.04:ky3dJ81yO

悪い奴じゃないのになんだろうこの気持ちwww


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:46:00.73:lYdEfU6d0


律「(どっちなんだろ?)」

唯「でも、なんだかすっごく楽しそうでした!!私、この部に入部します!!」

律「…」

律は呆気にとられていた。夢である可能性を考え、澪の頬をつねってみた。

澪「…」

澪も同じ事を考えていたらしく、律の頬をつねる。


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:50:57.85:lYdEfU6d0


澪「…!!」

律「バンザーイ!!」

律は万歳のポーズで喜び澪と紬は微笑む。

唯「えっと、ドナルド君も入部するんだよね?」

ドナルド「もちろんさ☆」

澪「やっぱり…入部しちゃうんだ…まぁいいけどさ」


68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:55:09.26:lYdEfU6d0


律「ふふーん♪ちょっと失礼〜」

そう言って律はカバンの中からカメラを取り出した。

律「じゃあ、軽音部活動開始記念に!!」

唯、澪、紬、ドナルドをホワイトボードの前に集めて、律もその中に入る。

澪「あ、私のカメラ…」

律「いっくよーん!!」

パシャっとフラッシュ音がし、記念写真が取られる。
まさに青春中の女子高生という言葉がふさわしい光景であった……真ん中の道化師を除けば。


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 14:58:19.59:lYdEfU6d0


唯「あ、でも私全然楽器できないし・・・あっ、マネージャーとかどうかな!?」

律「いや…運動部じゃないんだし」

紬「そうだ!」

その時、紬が何かを思いついたように、パンと手を合わせた。

紬「この機会に…ギターを始めてみたらどうかしら?」

唯「で、でも、すごく難しそうな…」

律「大丈夫だよ!私たちも、分かる所は教えてあげるしっ!」

ドナルド「僕を頼っていいからね☆」


70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 15:02:42.61:lYdEfU6d0


唯「…そうだねっ!さっきの演奏聞いてたら、私にも出来るかもって思えてきた!」

律「はは、それはよかった…」

皮肉にも聞こえるセリフに律、澪、ムギの三人は苦笑いをする。

律「そんでお前は何をするんだ?」

ドナルド「ドナルドはオールラウンダーなんだ」

律「オール…?」


72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 15:07:00.35:lYdEfU6d0


澪「えっ、本当かそれ?だとしたら相当だな」

律「そのオールなんとかって何だドナルド?」

ドナルド「万能って意味さ」

紬「まぁ!」

律「マジかよ…人は見かけによらないってことか」

唯「(ドナルドくんってなんでもできるんだー。すごいなぁ!)」


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 15:11:15.76:lYdEfU6d0


律「万能っていやボーカルからギターベース、ドラムもキーボードもできるんだろ!?」

ドナルド「もちろんさ☆」

律「やりぃー!天才を確保したぞー!」

澪「信じられない…今やってみせてくれないか?」

ドナルド「ゴー!アクティー!」


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 15:16:58.46:lYdEfU6d0


と、言うとドナルドは律のドラムのところに座る。

律「おー、まずはドラムからか!」

ドナルド「いくよー?」

ドナルドのドラムをたたく姿はまるでキース・ムーンの爆竹さながらの演奏だった。
これに驚き唯を除いた全員が口を開け阿呆な顔をしていた。

ドナルド「自然に体が動いちゃうんだ!」

律「(自然ってレベルじゃねーぞ…)」


75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 15:18:47.85:EvuIiwv10

ドナルド△


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 15:22:25.68:lYdEfU6d0


ドナルド「それじゃ、次行ってみようか☆」

その後のベース、キーボードも神業的なレベルで弾きこなしたドナルド。

澪「自分に自信無くした…ベースやめようかな」

律「い、いや…流石にドナルドみたいにバク宙しながらは無理だと思うけどさ」

紬「これからドナルドさんに教わっていきましょう!ね?」

唯「(やっぱり演奏無理かも)」


79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 15:30:04.51:lYdEfU6d0


唯が先ほどの演奏でできると思い込んでいたが、現実を知り落ち込んでいると…

ドナルド「ドナルドも、唯ちゃんといっしょに演奏したいな!!なにを演奏しようか? たのしみだな!」

唯「ドナルドくん……ありがとう!私も早くみんなと演奏したいよ!」

律「ん?ああ、そうだな!」

紬「頑張りましょ!」

ドナルド「ほら、澪ちゃんも一緒にお話しようよ!」

澪「ああ…(悪い奴じゃないんから憎めないんだよなー)」


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 15:34:20.43:lYdEfU6d0


明くる日の昼休み

和「ええっ!?結局入部したんだ!」

唯「うん、どうひてもっていわれへ…」

唯はおかずの卵焼きを食べながら話す。

和「マジで!?…ああ、マネージャーとして、とかね」

唯「普通に言われるとなんか悔しい…。ちゃんと、メンバーとして入ったんだから!ギター、一から教えてくれるって〜」


82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 15:40:32.99:lYdEfU6d0


唯「ドナルドくんなんてとっても優しくてすごく上手いんだよー!」

和「ドナルドくんって…ドナルド・マクドナルドくん?」

唯「えっ、和ちゃんドナルド君知ってるの?!」

和「知ってるも何も…」

和が指差す先には窓際でハンバーガーとマックシェイクを食するドナルドの姿があった。
耳をすますと周りからは「恐い」「何でピエロ?」などヒソヒソと声が聞こえてくる。


83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 15:44:25.98:EvuIiwv10

>>82
見た目で判断するなんて最低だ!


84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 15:45:14.44:lYdEfU6d0


唯「あ、うちのクラスだったんだ…」

和「みんな入学式当日から知ってたよ」

唯「もー。何で教えてくれなかったのー?」

和「普通、全身黄色の吹服に赤毛アフロの人に気付かない方がどうかと思うけど」

唯「えへへ…ボーっとしてました」

和「で、唯。ギターとかは新しく買ったりするの?」

唯「うーん…貸してくれないのかな?」


85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 15:51:33.62:lYdEfU6d0


和「くれないんじゃない?」

唯「う…5000円くらいで買えるよね〜」

和「(こんな子達掴まされて大丈夫かしら・・・軽音部)」

唯「あはっ!」

心配する和をよそに満面の笑みを浮かべる唯。

ドナルド「へハハッ☆」

そんな唯を知ってか知らぬかでドナルドは一人笑った。


100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 21:27:52.08:lYdEfU6d0


部室

唯「こんにちはー!」

澪「やぁ」

律「ようっ!」

紬「どうも」ペコリ

唯が部室に入るとそれぞれが挨拶をする。

ドナルド「おはよう☆」

唯「おはようドナルドくん!」

律「おいおい、もう放課後だぜ?」


101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 21:28:56.90:lYdEfU6d0


唯「そう言えば、ムギちゃんは合唱部に入りたかったんでしょ?」

紬「ええ、でも滅多に出会ないとっても楽しくて愉快な人たちの仲間になりたかったの!」

澪・律「(珍獣ってことですか…)」

そして二人は赤い毛の道化師を見つめる。

律「(確かにこんな奴とは、もう一生と出会えないだろうな)」

澪「そう言えば平沢さん、もうギターは買ったの?」

唯「唯でいいよ」

ドナルド「ドナルドって呼んでね☆」

律「お前は元からそう呼んでる」


102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 21:30:16.28:lYdEfU6d0


唯「私既に澪ちゃんのこと澪ちゃんって呼んでるし」

照れているのか口ごもり中々言おうとしない澪。

ドナルド「澪ちゃん頑張ろう!」

澪「(こいつには最初から呼ばれてたような…)」

律「(今思ったけどドナルドって日本語ペラペラだな)」

澪「……ゆ、唯」

唯「(か、かわいい!)」

唯は澪の初々しい反応にときめく。

ドナルド「もしもし、ドナルドです。今度一緒に、お話しようよ」

律「目の前に居るんだから切るぞ」プチッ


103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 21:32:44.03:lYdEfU6d0


律「そんで唯もだけど、お前ギターは?」

ドナルド「これか?」

ドナルドは服の中からニョキッとPRS(マクドナルドモデル)を取り出した。

澪「どっから出してんだ…」

紬「素敵なギターですね」

ドナルド「特注なんだ☆唯ちゃんのギターはどんなのかな?」

唯「そっかー忘れてた、私ギターやるんだっけ!」

澪「軽音部は喫茶店じゃないぞ」

律「ファーストフード店でもないからな」

直感であらかじめ釘をさしておく律。

ドナルド「いやだなぁ、分かってるよりっちゃん」


104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 21:35:13.23:lYdEfU6d0


唯「ギターってどれくらいするの、値段?」

ドナルド「ハンバーガーが四個分ぐらいかな?」

紬「じゃあ50万円ぐらいね」

澪「待て待て、何か色々間違ってるから!」

律「ハンバーガー四つで50万円て…」

澪「おほんっ!安いのは一万円代からあるけど、あんまり安すぎるのもよくないからなー。五万円ぐらいがいいかも」

澪は流れを戻そうと一度咳払いをし、腕組みして言う。

唯「ええっ、五万!?私のお小遣い10ヶ月分…」

ドナルド「僕のお給料の一ヶ月分…」

律「バイトしてんのかよお前」


105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 21:37:52.98:lYdEfU6d0


澪「高いのは十万円以上するのもあるよ」

ドナルド「因みにこのギターは4000万円なんだ」

澪「(無視無視っと…)」

紬「(…よく見るとドナルドくんのギター、ダイヤモンドでできてる)」

唯「部費で落ちませんか♪」

律「落ちません♪」

軽いノリで聞いてみたもののやはり現実はリアルであり肩を落とす唯。
そんな唯を見たドナルドは服の中からハンバーガーを取り出す。

ドナルド「これを食べごらん。すると元気がモーリモリ!」

唯「?」

ドナルドからハンバーガーを受け取り、一口かじる。


106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 21:42:33.10:lYdEfU6d0


唯「わぁー!これすっごくおいしいよ!」

唯の顔に再び笑顔が戻る。

ドナルド「僕が自分で作ったスぺシャルバーガーなんだ」

律「(やるじゃん、ドナルド)」

澪「(こいつは空気読めない奴なんだか読める奴なんだか…)」

紬「(あのハンバーガーにはさんでるお肉ってフォアグラじゃ…)」

澪「とにかく、楽器が無いと何も始まらないからなぁ」

律「ようし、今度の休みに楽器見に行こうぜー!おー!」

一人で言って一人で賛同する律。

唯「あはっ」

ドナルド「ヘッハッハッハ☆」


107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 21:52:31.88:lYdEfU6d0


結局、休みの日にはギターを買わなかった(因みにドナルドはバイトで来なかった)。
何故かというと唯が25万円のギターに恋をしてしまったためである。

そしてみんなの意見も一致しギターを買うためバイトをすることになったけいおん部。

唯「何のバイトがいいかなー?」

律「ティッシュを配るのは?」

澪「……」

-澪の回想-

澪「あの……あ…あの…」アタフタ

言いたいことが上手くいえずに、澪の言葉は届かず通行人は次々と通り過ぎていく。

ドナルド「ドナルドはうれしくなると、つい配っちゃうんだ!」

赤毛の道化師を見て次々と澪とドナルド離れていく通行人。

-回想終了-


110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 21:57:34.50:lYdEfU6d0


澪「(む、無理…)」

紬「ファーストフードはどうですか?」

律「そういえばドナルドはファーストフードで働いてるんだろ?」

ドナルド「もちろんさ♪みんなも一緒にやってみようよ!」

唯「おお、経験者が居るってだけで大きいよ!」

澪「駄目かも…(だいたいコイツを雇ってる時点でその店はどうかしてる)」

律「そっか、澪にはハードル高いかもね」

そして最終的には澪も吹っ切れ、交通量調査のバイトをすることになった。
因みにドナルドはバイトのシフトが入っていて交通量調査来れなかったのである。


111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/02(木) 22:00:31.10:iuDFZeAaO

てかバイトなのかwwドナルドなのに


122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 01:34:01.22:iSYHxCPu0


管理者「二日間お疲れ様」

唯・澪・律・紬「お世話になりましたー!」

ようやく交通量調査のバイトを終えた四人は給料袋を受け取る。
そしてその帰り道、唯は澪、律、ムギからその給料袋を渡された。

唯「……」

当の本人は何とも申し訳なさそうな表情をしている。

律「一日八千円かー…」

紬「お母さんに前借りした五万と合わせても、まだ全然足りないわね…」

律「ちくしょー、ドナルドもいればよかったのに」

澪「あいつも自分のバイトがあるんだ。そこは妥協しなきゃな」

律「やっぱそこは責めらんないよなぁ…」


123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 01:35:43.23:iSYHxCPu0


澪「あと、何回かバイトするか」

紬「そうですね」

唯「……」

しだいに唯の心には後ろめたさが大きくなってきていた。

律「うし、じゃあまた探そっか!」

澪「うん!」

唯「やっぱりこれ、いいよ」

澪「えっ?」

唯「バイト代は、みんな自分の為に使って」

唯はそう言いながらそれぞれの三人の手元に給料袋を返した。


124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 01:37:55.99:iSYHxCPu0


紬「唯ちゃん…」

唯「私、自分で買えるギターを買う!」

律「唯…」

唯「一日でも早く練習して、みんなと一緒に演奏したいもん」

唯はみんなに負担をかけさせまいと自分の中で結論付けた答えを言った。

唯「また楽器屋さんに付き合ってもらってもいい?」

澪・律・紬「…うん!」

三人の同時の返事は「イエス」であった。

唯「みんなありがとう。じゃあ帰るね」

律「うん!」

澪「また明日!」

紬「じゃぁね!」

唯「じゃーねー!」

皆に別れを言い、唯は手を振りながら踵を返し帰宅路へと歩く。

唯「(みんなのためにも早く上手くならなきゃ!)」


125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 01:40:11.29:iSYHxCPu0


同時刻、別の場所。

バイトが終わったドナルドは街の真ん中で【I'm lovin'it!】を神業的なリフ裁きで弾いていた。
周りには大勢の人だかりができており、ドナルドの前に置いてあるマックの袋にはどんどん札や硬化が投げ込まれていた。

ドナルド「フッ、フッ、フッ、フッ!」ギャイーン!

「す…すごいです!指が見えない…」

ドナルドの演奏を見て思わず呟いてしまうセーラー服を着たツインテールの少女。
そして可愛らしいガマ口の財布を取り出し百円硬貨を投げ入れた。

ドナルド「最後の曲、いくよー?」

観客たちはテンションマックスなようで「うおおおおおっ!!」と大声で叫ぶ。

ドナルドのその奇抜なファッションと神業があってからこその空気だった。

「……(どうやって出すんだろ、あの音)」

その小さな少女はしばらくドナルドの演奏に心を奪われていた。


126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 01:46:45.13:iSYHxCPu0


一時間後

ドナルドは公園のベンチに座って先ほど金が投げ入れられていたマックの袋を見る。

ドナルド「ひぃ、ふぅ、みぃ……ヘッハッハッハ☆これと僕のお給料で」

「…あ!」

お使い帰りか、自転車に乗った先ほどの少女がドナルドを見つけた。

「あ、あの!」

ドナルド「んっ?」

金勘定をしている時に、小さな少女に急に話しかけられる。

ドナルド「あ、君はさっきの百円を入れてくれた子だね!応援ありがとう!」

「えっ、私が見えてたんですか?」

ドナルド「ドナルドは君の事も知ってるよ。驚いた?」

「はい…(ドナルドさんって言うんだ)」

ドナルド「僕に用事かい?うれしいなぁ」


127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 01:48:56.42:iSYHxCPu0


「いや、あの、用事って言うほどじゃないんですけど…」

ドナルド「何でもオッケーだよ」

「さっきの演奏を見て、私とっても感動しました!」

冷静な状態から、いきなり熱く語りだす少女。

ドナルド「ありがとう☆」

「私もギターやってるんですけど、何かすごく心に響いてんです!」

ドナルド「ありがとう☆君は音楽が好きなのかな?」

「はい、大好きです!」

ドナルド「ドナルドも音楽が大好きなんだ。今度いっしょに、セッションしようよ」

「あ、そういえばドナルドさんってバンド組んでたりしてるんですか?」

ドナルド「ドナルドは高校生なんだ☆」


128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 01:52:25.84:iSYHxCPu0


「そうですか……えっ?高校生!?」

少女は驚く。彼女はドナルドのことをてっきり社会人だと思っていたのだ。

「三年生ですか?」

ドナルド「一年生…かな」

少女はさらに唖然とした。
この道化師のような格好をした青年は自分と一つしか変わらないのだと言うことに。

ドナルド「それじゃ、そろそろ僕は行くね☆君も早く帰らないとお母さんが心配するよ」

ドナルドはベンチから立ち上がり去ろうとする。

「はい…。最後にどこの高校に通ってるか、聞いてもいいですか?」

ドナルド「Cherry blossom high scool☆」

そう言うとドナルドは街の方へと消えていった。
なぜ英語と思いつつ、少女は頭の中で訳してみる。

「桜高校……ひょっとして桜ヶ丘?」


129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 01:53:23.20:1fw0IxHeO

クソワロタwwwww


130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 01:54:56.02:iSYHxCPu0


街の方へと来たドナルドは、楽器屋「10GIA」に入る。
そこのギターコーナーへ行き携帯電話でどこかへとかける。

prrrr…ガチャ

ドナルド「もしもし。ドナルドです」

澪(なんで私の番号知ってるんだお前は!)

ドナルド「唯ちゃんが欲しがってるギターがどんなものか言ってみよう!」

澪(スルーするな!…まぁいいよ。二十五万するギブソン・レスポールのギターか?それがどうs)ブチッ

ドナルド「すいませーん」

店員「は…い?」

何だこのピエロは?という風に見てくる店員。
しかしお客様は神様なので口には決して出すことは無い。

ドナルド「あの二十五万のギター、売ってほしいなぁ」


132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 01:58:39.34:iSYHxCPu0


数日後

-唯の家-

ピンポーン

夕食を作っていると、憂の耳にインターホンの音が聞こえてきた。

憂「はーい!今でまーす!」カチャ

とりあえず鍋に蓋をし、エプロン姿のまま玄関へと向かう。

宅配員「ちわーす、お届け物でーす」

ドアを開けると帽子をかぶった宅配員が細長いダンボールの箱を持っていた。
送り先には「平沢唯 様」とかかれてある。

憂「(お姉ちゃんにか…何だろこれ?)」

宅配員「ハンコおねがいしやーす」

憂「あ、はい」

憂は受け取り書にハンコを押しその長いダンボール箱を受け取る。

憂「(重っ!)」

宅配員「ありやしたー」


133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 01:59:44.05:iSYHxCPu0


荷物を受け取った憂はそのまま唯の部屋を訪れる。

憂「お姉ちゃーん!」ガチャ

唯「どしたの憂?ごはんできた?」

憂「いやまだだけど…これお姉ちゃん宛てに荷物だよ」

唯は憂から長いダンボール箱を受け取る。

唯「何これっ、重いよ…!」

憂「あれっ?お姉ちゃん中身知らないの?」

唯「うん。送ってきた人は誰なの?」

憂「その差出人なんだけど…Dってしか書いてないんだ」

唯「で、でぃ?」


134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 02:00:00.72:52JNaIBB0

え・・・?まさか中にドナルドが…?


135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 02:02:03.54:iSYHxCPu0


唯「とりあえず開けてみよう!」

憂「うん」

中央から側面までガムテープをはがしていき、箱を開け中身を取り出す。

唯「…何、この黒いの?」

憂「これって中身にある物のカバーじゃないかなぁ?」

唯「ホントだ。チャックがついてるよ」

チャックに手をかけ、一気に引き下ろし中身を出す。

憂「……ねぇ、、これってギターだよね、おねえちゃ…」

言いかけて憂は言葉を中断させた。
何故なら、姉がとても目を輝かせて、あげくの果てにはよだれを垂らしそうな顔をしていたからだ。

唯「うはぁぁっ!!!」

唯は歓喜の余り、いきなりギターを抱きしめてベッドの上を転がりだす。

唯「誰だか分かんないけど、ありがとうDさ〜〜ん!」ゴロゴロ

憂「でも本当に、一体誰から何だろ…?」

憂が至極当然の疑問を口にする。
しかしギターを貰った本人である唯にはそんなことは二の次であった。


137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 02:05:56.38:52JNaIBB0

ドナルド…すげーいいやつだな


138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 02:18:33.19:iSYHxCPu0


その夜、ずっと唯は騒いでいた。
憂から「うるさい」といわれるまで本人も気づいていなかった。

-そして次の日の放課後-

唯「ふんす!」

そこにはギターを肩から掛けて胸を張る唯の姿があった。

律「おお!スッゲー!!」

ドナルド「よくマッチしてるね☆」

パチパチパチ、と皆が拍手するとまんざらでもない顔をする。

澪「ギターを持つとそれらしく見えるね」

律「何か弾いてみて!」

唯「う…」

一度ためらうも、すぐに弾く体制に戻り…

唯「パラッパッパッパーー♪」ジャンジャン


139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 02:22:27.74:iSYHxCPu0


澪「おおっ!」

律「上手いじゃん!」

唯「…」

澪「あれ?続きは?」

唯「いやぁ、まだ此処までしか弾けないんだー」

ドナルドを除くメンバーが「やっぱしか」、という顔をする。

澪「ビックリしたよ。いきなりハイレベルなの弾きだすからさ」


140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 02:31:55.90:iSYHxCPu0


唯「だってギターってキラキラピカピカしてるから、何かさわるのが怖くて」

澪「ああ、分かる分かる!」

ドナルド「ドナルドのギターはいつもキラキラピカピカしてるよ☆」

澪「手入れをするのに越したことは無いからな」

紬「(そりゃあダイヤモンドギターですから…)」

ドナルドのギター真実はダイヤモンドを見慣れた者のみぞ知る。

唯「鏡の前でポーズを取ったり写真を取ったり、添い寝したりはしたんだけど」

律「弾けよ」

紬「(それにしてもドナルドさんも隅に置けないですね)」


141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 02:37:19.50:iSYHxCPu0


ドナルド「(何のことだい☆)」

紬「(あそこの会社はウチの系列なの。報告は受けてますよ)」

ドナルド「(ヘッハッハ!)」

紬「(それにしても二十五万円なんて何処で?)」

ドナルド「(ビンゴで稼いだんだ)」

紬「(そ…そう。ビンゴで…)」

ドナルド「唯ちゃん、ギターは大切に…」


142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 02:43:07.17:iSYHxCPu0


律「どりゃーーっ!」ビリッ

ドナルドが見た光景は律が唯のギターのフィルムをはがす光景だった。

唯「はぅあ…!」

唯の顔はまさに幸せの表情から奈落の底に落ちたような顔である。

律「なんちってー…」

ドナルド「…」ゴゴゴゴゴ

律「ど、どしたのードナルド?」

ドナルド「へっはっはっはっは……☆」


143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 02:52:53.43:iSYHxCPu0


その時の様子を律が語るには、ドナルドの後ろには何かが見えたという。

澪「とりあえず謝れ律!」

律「ごめん!つい出来心でぇっ!(後ろの道化師がマジで恐い)」

唯「はぅぅ…」

ドナルド「…」

律「ごめんね唯ちゃぁん…(無言の圧力マジパネェ)」

紬「唯ちゃん、お菓子お菓子」

ムギが菓子を唯に差し出す。

澪「(そんなので機嫌が…)」

唯「おいひぃ!!」ハムハムハム!!

澪「(治ったぁぁっ!)」

律「ふー…助かった」


144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 02:59:18.97:iSYHxCPu0


唯「そうだよね…ギターってやっぱり弾くものだよね。ただ大事にしてるだけじゃ可哀そうだよね!」

ドナルド「もちろんさ♪」

唯と律は立ち上がり互いの手を取り合う。

唯「ありがとりっちゃん!私やる気が出てきた!」

律「そうか!?唯が練習するキッカケになるかと思ったんだ!」

顔がにやけており、あからさまな嘘である。

律「流石わたs」

ドナルド「楽器は大切にね☆」

律が言いきる前にドナルドが言う。
その声色はいつもと変わらないが、律だけには違いが分かった。


146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 03:05:12.04:iSYHxCPu0


澪「今更だけどそのギターってやっぱり買ったのか?」

唯「ううん!ディーさんがくれたんだぁ!」

律「でぃーさん?」

澪「外国人か?」

紬「(DonaldのDかしら?)」

D「どうだろうね☆」

澪「でも、よくそんな高価なもの譲ってもらえたな。Dさんってのと仲がいいんだね」

唯「全然知らない人だよー」

澪「危ないだろソレは!」


147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 03:19:29.76:iSYHxCPu0


ドナルド「まぁまぁ、結果が良ければ全ていいよね☆」

唯「うん!」

澪「(Dさん……ドナルド!?いや、ないか)」

唯「そういえば、ライブみたいな音出すにはどうすればいいのかなー?」

澪「アンプに繋いだら出るよ」

ということで唯のギターのジャックをアンプに差し込みボリュームを上げる。
そしてゆっくりと弦をならすとライブで使われるような辺りに音が鳴り響く。

唯「…かっこいい!」


148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 03:30:07.84:iSYHxCPu0


澪「やっとスタートだな…」

律「私たちのけいおん部…」

紬「ええ…」

ドナルド「帰りにサッカーして帰らないかい…」

澪「いやだ…」

律「夢は武道館ライブ!」

律とドナルド以外の全員が「えーっ!」と声をあげる。

ドナルド「(武道館ライブ昨年したばかりなんだよね)」


150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 03:32:29.43:hiq2sm7oO

ドナルドまじパネェww


149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 03:31:56.22:iSYHxCPu0


律「卒業までに!」

澪・紬「えぇーっ!」

唯「パラッパッパッパー♪」ジャンジャンジャン

ドナルド・唯「I'm lovin'it!」ジャーン

ドナルドも最後のフレーズのみ弾いた

律「…はぁ(いや、上手いんだけどね?)」

何を悟ったのか溜息を吐く律。

唯「ごめん、まだこれしか弾けないや。アンプで音を鳴らすのはもう少ししてからだね」

澪「はっ!あぶないっ!」

アンプに近づき、ジャックを抜こうとする唯を止めようとした澪だが間に合わなかった。


152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 03:39:06.62:iSYHxCPu0


唯「へあっ?」

ドギュウウウウウウウウウウウン!!!

ドナルド「アラーッ!」

と、効果音のしそうな爆音が辺りに響き渡った。
ドナルドはベンチさながらの体制でひっくり返っていた。

澪「アンプのボリューム下げる前にコード抜くとそうなっちゃうんだよぉ…」

唯「は、早く言ってよね…」ピクピク

ドナルド「自然に耳を塞いじゃったんだ」

武道館ライブまであと 1065日?!


184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/03(金) 20:44:12.28:IhncNy3o0

このドナルドは出来る


195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 00:56:19.60:1dStAmkq0


唯「ギターの弦って怖いよね。細くて硬いから指切っちゃいそう」

律「そうだぜ?気を付けないと指がスパッと切れて血がドバーっと!」

澪「ぎゃーーーっ!」

叫び声がする方を見ると澪が耳をふさいでうずくまっていた。

ドナルド「どうしたんだい?」

澪「痛い話はダメなんだぁっ!」

ドナルド「大丈夫大丈夫、落ち着いて澪ちゃん」


196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 00:58:18.02:1dStAmkq0


澪「…(何かコイツに励まされると悔しい)」

唯「ほら、本当に血が出でる訳じゃないから」

澪「…あっ」

何も無い唯の手を確認すると、安堵の声をあげ立ち上がる。

澪「オホンッ!…まぁ練習しているうちに指の皮が硬くなるから、血が出たりすることはないよ」

ドナルド「見てごらん?ドナルドの指は低反発なんだ☆」


197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 00:59:18.05:1dStAmkq0


唯はドナルドの手を重ねて、彼の指をプッシュする。

唯「うわぁ!何これ…プンニプンニで気持ちいいよぉ」プニプニプニ

澪「(な、何だか、やわらかそうだな)」ゴクッ

唯「プンニプンニだぁ」プニプニプニ

ドナルド「ギターを練習して、君もプンニプニ!」

澪「その…わ、私にも触らせてくれ!」


198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 01:01:01.43:1dStAmkq0


唯「ドナルドくん、ギターってまず何から練習するの?」

ドナルド「コードを四つ分くらい、かな」

唯「コード?」

ドナルド「口で言うより見た方が早いかな☆確か澪ちゃんが詳しい標本を持ってるんだ」

澪「コレか?」

色んなジャンルがある「サルでも分かるシリーズ ギター編」を取り出す澪。


199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 01:02:20.81:1dStAmkq0


澪「はい」

唯「ありがとうっ」

澪から本を受け取り手頃なページをめくり目を通す唯。
その瞬間、頭が沸騰したらしく…

唯「ま、まずは楽譜の読み方から教えてください?」

澪「そこからっ!?」

ドナルド「もちろんさ☆」


200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 01:04:04.03:1dStAmkq0


その帰り道

ドナルド「これがこうなってこの♪が…」

唯「ふむふむ」

澪「あ、じゃあ私たちはここで…」

唯「じゃあ、また明日」

律「じゃあなー!」

澪「じゃあね」

ドナルド「またね☆」

澪と律と別れ、ドナルドと二人になる唯。

唯「そう言えばドナルドくんの家ってどの辺りなの?」


202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 01:06:23.73:1dStAmkq0


ドナルド「ずっと向こうだよ。いつもはスケボーに乗って帰るんだ」

ギターを背負った道化師がスケボーに乗っている風景を想像する唯。

唯「(カッコいい!)…今日は乗ってないんだね?」

ドナルド「今日はバイトがあるんだ☆」

唯「いつもバイトしてて疲れない?」

ドナルド「もう慣れちゃったよ。十年以上してるんだ!」

唯「おお、ドナルド君ベテランだ!」

今のドナルドの発言は問題発現だが、唯なので気付かない。。

ドナルド「それじゃ、ドナルドはバイトに行くよ?また明日、一緒に演奏しようよ!」

唯「ばいばーい!」


203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 01:08:22.52:1dStAmkq0


そして中間テストの期間が始まった。

唯は思考錯誤するが答えを割り出せない。
律は多少悩む素振りを見せるもペンのスピードを落とさない。
澪とムギは言わずもがな…。

ドナルドは頭が良い生徒の腕の動きを一切も間違えずにコピーしていた。
つまりカンニングにはならないのである。

-テスト終了後-

けいおん部に集まる部員共。

律「やっとテストから解放されたー!」

ドナルド「うれしいなぁ!」

紬「高校になって急に難しくなって、大変だったわぁ」


204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 01:10:09.25:1dStAmkq0


澪「そうだなぁ…そして…もっと大変そうな奴がここにいる」

うわ言のように「あははは…」と呟く唯を見る澪。

澪「そんなにテスト悪かったのか?」

唯「クラスでただ一人…追試だそうです」

紬「だ、大丈夫よ!今回は勉強の仕方が悪かっただけじゃない?」

律「そうそう!ちょっと頑張れば追試なんて余裕余裕!」

唯「勉強は全くしてなかったけどね…」

律「励ましの言葉返せこの野郎!」


205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 01:11:36.00:1dStAmkq0


ドナルド「心配はしないで唯ちゃん。ドナルドも勉強はしなかったんだけd」

澪「何だ、お前も追試か?」

澪はドナルドの解答用紙を手から取り見る。

澪「(え…満点?!私とムギでさえ満点はいかなかったのに)」

そして普段から奇妙だと思っている道化師に負けたことにショックを受けていた。

律「何見てんだ澪?」

横から律も入り、ドナルドの解答用紙を見る。


206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 01:13:43.82:1dStAmkq0


律「(うおっ、満点かい!普段はアレでもこの点数…これが天才ってヤツかっ…!)」

律の反応はどこかの漫画のようなセリフだった。

唯「私達勉強しない同士仲間だね!」

ドナルド「僕たちは親友さ!」

互いに手を合わせ共感する二人。
その姿はまさに堅い絆のパンヤオ(親友)のようであった。


207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 01:16:08.32:1dStAmkq0


別の日のことである。

追試の件で呼び出された唯以外は部室に集まりようかんを食べながら談話をしていた。

律「しっかしさー、お前って道化師と思ってたけど本当にすごいヤツなんだな」モグモグ

紬「色んなスポーツができて、楽器も上手くて勉強ができる人ってそういないわよね」

澪「その上、良い性格してるからなおさらタチが悪い…」

誰にも聞こえないように澪は呟く。


208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 01:18:39.04:dFKAcIRwO

ドナルドをめぐって恋の鞘当てがはじま…るわけないか


209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 01:18:48.06:1dStAmkq0


ドナルド「ありがとう。ドナルドもみんなのことが大好きなんだ」

律「よせよぉ、照れるだろ!」

紬「私もドナルドさん好きですよ」

ドナルド「ヘッハッハ!ありがとう☆」

澪「まぁ、私も嫌いじゃないかな(その奇抜な格好さえ無ければ…)」

その時、ガチャと扉を開き唯が部室に入ってくる。


215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 02:30:33.12:1dStAmkq0


唯「ああっ、今日はようかーん!」

などと言いながらドナルドの隣りに座りようかんを食べだす。

唯「追試の人は合格点取るまで部活動禁止だって」



澪・律・紬「えぇーっ!!」

一瞬の間が空き、皆が驚愕の声をあげた。

澪「結構厳しいなぁ」

律「そしたら此処にいるのもマズイんじゃ…」


216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 02:46:26.44:1dStAmkq0


唯「大丈夫だよ。ね、ドナルドくん」

ドナルド「そうだね。お菓子を食べるだけなら大丈夫だよ!」

律「そっかぁ!それなら安心だぁ…ってなんでやねん!」

次の瞬間、ツッコミを入れながら律がいきなり唯にチョークスリーパーを仕掛けた。

唯「私じゃない…私じゃないよぉ…」タップタップ

澪「もしも唯が部活できなくなったら…私達四人?になっちゃうんだよ?」

一応規定人数を満たしてはいるものの、例の道化師を人数に入れていいのか迷う澪である。

ドナルド「ドナルドは悲しいな。唯ちゃんが居なくなっちゃったら」


217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 02:48:26.60:1dStAmkq0


紬「追試はいつあるの?」

唯「えと、一週間後」

澪「一週間後か…」

唯「そんだけあればここに来ても大丈夫だよね」

唯の馬鹿発言にずっこけるけいおん部メンバー。

律「そんだけしかないの!」

ドナルド「唯ちゃん、一緒にお勉強しようよ」

唯「え?ドナルド君アルバイトとかがあるんじゃ?」

ドナルド「唯ちゃんとバイトなら、僕は唯ちゃんがだぁいすきなんだ!」

唯「えっ。いきなり!?ド、ドナルドくん…あの、その、ええと」

ドナルド「部活を続ける為に、一緒に頑張ろうよ!」

唯「そ、そうだよね…私、頑張るよドナルド君」


227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 08:29:00.73:dFKAcIRwO

ドナルドさんがいい人すぎて困るwww


218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 02:50:14.41:1dStAmkq0


追試まであと7日。

-唯の家-

唯「うーいー!帰ったよ〜!」

憂「あ、お帰りお姉ちゃ……」

ドナルド「こんばんは☆」

憂の時間が一度止まったかのように思われた。
それもそのはず、姉が正体不明の道化師を連れてきたからだ。

憂「お、お姉ちゃ…その人は?」

唯「そう言えば憂はドナルドくん知らなかったんだっけ?」

コホン、と一度咳払いすると唯はドナルドの方に両手を広げ

唯「紹介します!我がけいおん部の仲間、ドナルド・マクドナルドくんです!」

憂「!!(この人がお姉ちゃんがいつも話してるドナルドさん…どう見てもピエロだよ)」


258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:18:52.24:1dStAmkq0


ドナルド「ドナルドです。よろしく☆」

憂「えと、妹の平沢憂です。こちらこそどうぞよろしくお願いしますね」

唯「今日から一週間ドナルドくんうちに泊まるんだ!」

憂「ええーーーっ!」

自分の姉が道化師を部屋に連れ込み、泊めると知り驚く憂。しかも一週間である。

唯「これから一週間勉強を見てもらうんだー♪」

憂「あの、ドナルドさん?家の方は大丈夫なんですか?」

ドナルド「もちろんさ♪」


259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:19:50.90:1dStAmkq0


唯「憂の邪魔はしないから安心してね」

ドナルド「お邪魔するよ」

唯「じゃあ部屋にいこ、ドナルドくん」

ドナルド「うん」

憂「(うーん…ちょっと怖いけど悪そうな人には見えないかな)」

憂には流石にまだちょっと抵抗がある。
だが、姉がいつも楽しそうに話してる人物なので信用することにした。


260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:21:18.67:1dStAmkq0


その一時間後…

憂「そろそろ晩御飯の準備しなきゃ」

エプロンを装着し台所で食器を取り出し準備を始める憂。

ドナルド「やぁ」

憂「!」

突然背後から声がし、振り返ると先ほど姉が連れてきた道化師が立っていた。

憂「どど、どうかしましたか?」

ドナルド「今は休憩中なんだ。今から晩御飯を作るの?」

憂「あ、はい。すぐ作るんで待っててください」


262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:23:23.66:1dStAmkq0


ドナルド「僕も手伝うよ」

憂「えっ?そんな、いいですよ。」

ドナルド「僕はお料理もだぁいすきなんだ☆」

そう言い憂が持とうとしたフライパンを掴むドナルド。
憂は止めようとしたが、結局作らせることになってしまった。

ドナルド「お料理楽しいなぁ!」ジュージュー

憂「(う、上手い…)」

最初は何を作るのかと心配した憂だが、彼の料理テクニックを素直に認めるしかなかった。

ドナルド「そこのコショウを取ってくれないかい?」

憂「はい。これ、コショウです」

唯「おおっ、何だかいい匂いがしますなぁ」

料理の匂いに釣られて唯も上から下りてくる。

ドナルド「さぁ、できたよみんな!」

後に、ドナルドの料理の味は憂を尊敬させることとなる。


264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:25:02.71:1dStAmkq0


追試まであと6日

ドナルドと唯が勉強してる一方。
けいおん部室ではいつもどおりに練習せずお菓子を食べていた。

律「なんかあの二人がいないと張り合いが無さすぎるな」

澪「平和だ…」

紬「何か静かですね」

澪「唯、ちゃんと勉強してるかな?」

律「ドナルドもいるし大丈夫なんじゃない?」

澪「(だから心配なんだよ)」


265:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:26:51.60:1dStAmkq0


-平沢家-

唯「I'm lovin'it!」ジャジャーン

ドナルド「いいよ唯ちゃん。でももっとこうやって…I'm lovin'it!」ジャジャーン

唯「おおっ!」

勉強を終えた唯とドナルドはギターの練習をしていた。

ドナルド「いくよ?ゴー、アクティー!」

唯・ドナルド「I'm lovin'it!!」

憂「あの、もうちょっとお静かに…」ガチャ


268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:28:55.93:1dStAmkq0


そして迎える追試当日。

追試の教室には唯とドナルドを含めた数人の生徒が座っていた。

教師「あの、ドナルドくん?アナタは学年で一番だったはずよね?」

ドナルド「ヘッハッハッハ!気にしちゃダメですよ先生」

教師「ま、いいわ」

他生徒「(いやよくないでしょ)」

そこで一人一人に問題用紙が配られ、試験が始まった。

唯「……」カリカリカリカリ

ドナルド「(この問題前に解いたな…)」


269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:30:31.44:1dStAmkq0


数十分後、試験が終了し教室から生徒たちが出ていく。
唯は消沈した顔で、ドナルドは普段通りの顔で出てきた。

唯「ドナルドくん。私ダメかも…」

ドナルド「あんなに勉強したんだから、もっと自信を持とうよ☆」

唯「私はドナルド君が羨ましいよ…」

さわ子「あ、平沢さんにドナルドくん」

廊下でたまたま通りかかった教師が声をかける。

唯「先生…」

ドナルド「どうもっ」

さわ子「どうだった、追試?」


270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:31:48.00:1dStAmkq0


ドナルド「二十五点が…四個分ぐらいかな」

さわ子「(つまり百点っていいたい訳ね)…平沢さんは?」

唯「ふしゅー」

聞かれた瞬間唯が真っ白になる。

さわ子「が、頑張って勉強したみたいね」

ドナルド「もちろんさ☆」

さわ子「何事も諦めなければ結果はついてくるものよ!?」

しかし、唯にさわ子の言葉は届かなかった。

ドナルド「あ、今日はハンバーガーが百円の日だった」

唯「帰りに行こうよ!」


273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:08:11.96:VgRSayYU0

ドナルドさんに惚れそうで怖い


280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:41:33.39:L/aesIlmO

こんな道化師いたら惚れるわ


281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:51:58.73:buFAwGNLO

ドナルドの笑い方どうにかしろ
毎回笑っちゃうだろうが


294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:40:03.15:kgSCbTiA0


数日後のけいおん部室

澪「今日返却だよね…合格点取れてるかな?」

紬「きっとドナルドくんが見てくれたんだから、大丈夫のはずよ」

唯「…」ガチャ

律「あ」

扉が開き唯がよたよたと入ってき、それに続いてドナルドも入室する。

唯「ほえ…」

澪「ど、どうだった!?」


295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:41:38.22:kgSCbTiA0


唯「どうしよう澪ちゃん…」

澪「えっ、またダメだった?」

澪の脳裏に一瞬最悪の展開がよぎる。

唯「ひゃ、百点取っちゃった…」デーン

澪「極端な子っ!!」

ドナルド「ドナルドも百点だったよ☆」

澪「そして何でお前も受けてるんだ」


296:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:43:19.79:kgSCbTiA0


ドナルド「さて、唯ちゃん…」

唯「うん」

すると突然唯は右肩をあげ、左腕の肘を曲げて顔をおおうポーズをしだす。
対してドナルドは腰を左側によせて頭の後ろで両腕をクロスさせるポーズをする。

唯「このポーズ追試受かったらドナルドくんとする約束してたんだ!」

因みに二人ともしっかりと解答用紙が前に来るようにしている。

澪「…何だそのポーズ?」

律「(ジョ○ョかよ。しかも再現度たけーな)」

唯「シャッターチャンスは今のうちだよ!」

ドナルド「お早めに☆」

澪「……」

正直撮りたくない澪であったが、雰囲気に押されて結局撮ったのである。


297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:47:24.82:kgSCbTiA0


澪「まぁ、何はともあれこれで一段落だな」

紬「そうだねっ!」

唯「ドナルドくん、本当にありがとう!」

ドナルド「ヘッハッハッハ、大したことじゃないよ☆」

紬「じゃあ、早速練習しましょ!」

澪「でも唯、試験勉強中はコードとか練習できなかったんだろ?」

唯「ううん。ドナルドくんと沢山の練習したよ!ほら見てて」


298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:52:48.97:kgSCbTiA0


軽々とイントロから「I'm lovun'it」を弾きこなす唯。

唯「パラッパッパッパー♪」ジャンジャン

ドナルド・唯「I'm lovin'it!」

澪「弾けてるしー!しかも難しいヤツ!」

律「えっ?お前試、験の勉強を教えながらギターも教えたのかよ!」

ドナルド「もちろんさ♪」

紬「何か、素敵です…」

ギターを弾く唯の隣りでダンスを踊る道化師に様々な感想を抱く部員達であった。


299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:54:41.72:kgSCbTiA0

なんとか長くならずにすんだ気がするウェイ


300:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:55:06.67:WlPqvKjvO

なにこれ面白い


301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:56:26.76:mX9iFnh2O

いいから書けwwwww


302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 02:01:54.16:G/YdTcF7P

ん? 終わり?


303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 02:24:24.30:KEqfNgz40

長編でたのむ



出典:次回に続く
リンク:http://morikinoko.com/archives/51536431.html

(・∀・): 28 | (・A・): 9

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