律「おいドナルド、ハンバーガー分けてくれよ」
2012/01/14 01:48 登録: 小鳥のパイズリ
律「ドナルド・マクドナルド?なんか凄そうな名前だな」の続き
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 00:16:48.52 ID:b863978P0
前スレ
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1291225827/-100
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 00:18:12.61 ID:b863978P0
律「夏だ〜っ!」
唯「海だ〜っ!」
ドナルド「るー!」
夏休みが近くなってきたある日。
けいおん部メンバーは常夏の海に来ていた。
唯「キラキラしてる〜!」
素晴らしき海の情景に感動する五人。
律「よーし、泳ぐぞー!」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 00:19:08.26 ID:Wqx+Fz8rP
乱行ってレベルじゃねーぞ
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 00:19:36.48 ID:b863978P0
唯「おーっ!」
澪「おーい、あんま羽目外し過ぎるなよー!」
澪の注意の言葉を聞かずに海へと走っていく唯と律。
澪「ん?お前は泳ぎに行かないのか?」
ドナルド「泳ぎたいけど、メイクが落ちちゃうんだ☆」
紬「え、それメイクだったの?」
澪「そりゃそうだろ…」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 00:21:53.15 ID:b863978P0
さかのぼること数日。
カシャ カシャ カシャ!
澪は部活が終わった後、暇つぶしにと学校のありとあらゆる物をスナップしていた。
因みに撮った写真の全てにはドナルドが端っこに映っている。
澪「…ちょっと」
ドナルド「アラー!」ズルズル
見かねた彼女は道化師をけいおん部室まで引きずって行った。
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 00:23:17.59 ID:b863978P0
-けいおん部室-
澪「あーもう!何なんだお前は!」
ドナルド「お話しようよ☆」
澪「ヤダ」
ドナルド「あ、あの棚の上にある箱何だい?」
澪「無視かっ!」
ドナルドが指差す先には一つのダンボール箱が置かれてあった。
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 00:23:21.44 ID:AwIpHcS6O
復活してたのか
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 00:25:44.80 ID:b863978P0
澪「…けいおんぶって書いてあるな」
ドナルド「取ってみるかい?」
澪「ああ」
箱を下し、開けてみると中身は音楽関連の物で溢れていた。
ドナルド「雑誌がたくさんあるね」
澪「ああ…」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 00:30:28.02 ID:b863978P0
ドナルド「これは何だろう?」ヒョウイッ
ドナルドが取りだしたのは一つのカセットだった。
澪「桜高祭?」
ドナルド「学園祭の記録じゃないかな?」
澪「どんなのか興味はあるな。ま、一度聞いてみるか」
カセットテープにセットし、その録音された音源を二人は聞く。
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 00:34:38.47 ID:b863978P0
澪「す、凄い…私たちと全然違う」
そのカセットテープから出るメロディに澪は驚きを示していた。
ドナルド「(最近のポテトって塩付けがあまいな…)」
ドナルドは自分よりランクが下と判断したため興味を示していなかった。
澪「私たちも、こんな風に弾けるようになりたいと思わないか?」
ドナルド「うん?ああ、そうだね。ハンバーガーはピクルスが無いとね」
澪「お前に聞いた私が間違いだったよ」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 00:39:00.38 ID:b863978P0
翌日の部室
澪「合宿をします!」
ドナルド「朝から晩までお話ししようよ☆」
唯「合宿!?じゃじゃあ、何の話する?」
律「もちろん朝までオールナイトだよな!」
澪「ちょっと黙っててくれドナルド」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 00:44:32.22 ID:b863978P0
澪「バンドの強化合宿だ!朝から晩までみっちり練習するの!」
昨日の桜高ライブのカセットを聞いて唐突に合宿をするなどと言い始めた澪。
むろん、合宿と言われれば唯と律には遊ぶことでしかない。
唯「わぁ、新しい服買っていかなきゃ!」
律「水着も買わないとな〜」
澪「ちっげーぇっ!!」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 02:41:32.75 ID:BdYWyZNm0
このドナルド女だよな?
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/07(火) 22:59:36.35 ID:+DVCzThMO
ドナルド「まぁまぁ落ち着いて澪ちゃん」
澪「…すまん、そうだな」
ドナルドになだめられ椅子に座る澪とドナルド。
続くように唯と律も座る。
澪「夏休みが終わったらもうすぐ学園祭でしょ?」
律「学園祭…」
澪「そう、桜高での軽音部のライブといえば昔は結構有名だったんだぞ」
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/07(火) 23:00:31.64 ID:+DVCzThMO
澪「それなのに!」
ドナルド「学園祭かぁ…」
ドナルドの脳内では数人の子ども達との「らんらんるー」が行われていた。
唯と律は二人で何かを話しあっている。
律「はいはーい!私メイド喫茶がやりたい!」
唯「えーっ!お化け屋敷だよー!」
律「おいおい、お化けならいつもそこにいるだろ!?」ビシッ
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/07(火) 23:02:26.40 ID:+DVCzThMO
その言葉にショックを受ける道化師。
ドナルド「それは…ひょっとしてドナルドのことかな」
律「えっ…違うわよ〜ん、なんつって」
否定した律だが、すでにドナルドに指を差しているため否定できない。
ドナルド「ちょっと、お話ししようよ☆」
そう言うとドナルドは律の手を掴むと外へ出ようとする。
律「ちょっ、やだっ!唯、澪!助けてくれ!」
澪「南無」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/07(火) 23:04:44.58 ID:+DVCzThMO
アァーッ!と叫び声を残しながら律は連れ去られていった。
そして入れ替わるようにしてムギが入ってくる。
ムギ「あ、あの。今ドナルドくんがりっちゃんを連れ出していったんだけど…」
澪「聞くなムギ」
唯「…」クッ
そして笑っているのか泣いているのか分からない顔をしながら唯は顔を背ける。
ムギ「マドレーヌ、食べる?」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/07(火) 23:05:46.32 ID:+DVCzThMO
一時間後。
唯とムギと澪で話しあった結果、合宿はムギの別荘でやるということが決まった。
澪「意外とスムーズに決まったな…やっぱりあの二人がいないおかげか」
唯「でも、二人ともどこにいったんだろうね?」
ムギ「合宿の場所とか決まったこと教えなきゃいけないのに」
因みにドナルドと律の荷物はまだ部室に置いてある。
澪「まぁ…明日伝えればいいだろ」
唯「そ、そうだよね」
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/07(火) 23:06:50.29 ID:+DVCzThMO
澪「じゃ、もう遅いし先に帰るか」
ムギ「ええ」
結論づけた三人は日が落ちかかって暗くなり始めた部室を後にした。
澪「しかし…結局あいつらは何処でなにやってるんだ?」
場所かわりドナルドの家。
ドナルド「フッ!フッ!ド○ツのカウンターは世界一☆」
律「いけっスペ○ン、パスサッカーの力を見せてやれよ!」
100インチはあろうかと言うテレビで勝利への11人(2011)をプレイする二人の姿があった。
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/07(火) 23:10:05.90 ID:+DVCzThMO
合宿日当日。
駅前では三人の少女と一人のピエロがいた。
ピエロに一般の視線は集中しており他の三人はどこか居心地悪そうな顔をしていた。
澪「にしても唯の奴、まさか寝坊してるんじゃ…」
律「おいドナルド」
ドナルド「ん?」
律「唯を呼んできてくれ」
ドナルド「もちろんさ♪」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/07(火) 23:11:08.53 ID:+DVCzThMO
澪「流石に今からは…」
ドナルド「よいしょ」ニョキッ
ドナルドはいつものように服の中からスケボーを取り出す。
澪「…お前の服の中は四次元なのか?」
ドナルド「ハハッ☆それじゃあ行ってきます」
スケボーに乗り煙が出るほどのウィリー走行しながら唯の家へ向かうドナルド。
その光景は周りのスケボーラーを震撼させた。
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/07(火) 23:14:20.13 ID:+DVCzThMO
唯の部屋
そこでは未だに唯がベッドの中で眠り続けていた。
その空間で突如として奇妙な着信音が鳴る。
携帯『チャラッチャッチャッチャー!ピッ、もしもし、ドナルドです』
唯「…うぅ」パチッ
ドナルド「おはよう☆」
唯がその音で眠りから目を覚ますと、鼻があたる距離にドナルドの顔があった。
唯「あ、ドナルドくんだぁ(あれ、まだ夢の中かな?)」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 02:17:23.22 ID:2SC6nQPiO
サーセン。遅ればせながら投下
ドナルド「夢じゃないんだ」
唯「へっ?」
ドナルドに言われて時計を見ると約束の時間はとうに過ぎていた。
ドナルド「驚いた?」
唯「うん」
ドナルド「じゃあ一緒に用意しようよ。お手伝いするよ☆」
唯「ごめんね」
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 02:20:01.24 ID:2SC6nQPiO
ドナルド「ヘッハッハッハ☆何で謝るんだい?ドナルドは好きでやってるんだよ」
唯「だ、だって私のせいでみんなに迷惑を…」
ドナルド「迷惑なんかじゃないさ。人は誰だって失敗して成長するんだよ」
唯「ドナルドぐん…ぐす…ばびばどう」
今までダメダメだった自分をこれまで自分をここまで讃えてくれる人物はいなかった。
唯は涙目になりながらもドナルドへの感謝の気持ちで溢れていた。
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 02:21:36.24 ID:2SC6nQPiO
唯の用意が終わり家を出て、道化師専用スケボーでようやく駅前についた二人。
ドナルド「お待たせ☆」キキッ
唯「ごめんなさぁぁい!」
澪「お、来た来た」
律「コラー、遅いぞー」
唯「みんな本当にごめんね!」
紬「いえ、そんなに待ってないから大丈夫よ」
澪「私も律も数十分前についたばかりだしな」
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 02:22:57.01 ID:2SC6nQPiO
律「私と澪が来たときムギはもう来てたけどな」
紬「でも、私が来た時にドナルドくんは来てたけど…」
唯「…ドナルドくん、いつから待ってたの?」
ドナルド「四時間前かな」
澪「それはいくらなんでも速すぎだろっ!」
ドナルド「切符買っとかなきゃと思って、自然に身体が動いちゃったんだ☆」
そう言うドナルドの手には五人分の切符が握られてあった。
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 02:25:27.76 ID:2SC6nQPiO
律「別にそんなに早く切符買わなくてもさ……って私達の分まで買ったのかよ」
澪「五人分って、かなり高かっただろ?」
紬「ごめんなさいドナルドくん、おいくらかしら?」
唯「えぇっと、お財布は…」ゴソゴソ
四人は財布を取り出し、ドナルドに切符代金を払おうとするが
ドナルド「早くに買っちゃった僕がいけないんだし、お金は受け取れないよ」
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 02:26:35.02 ID:NdbRnS0T0
ドナルド△
頑張れ〜
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 02:26:58.74 ID:2SC6nQPiO
唯「えっ?それは流石に…」
律「お、マジで?や(ryいてっ!」
「やりー」と律が言い切る前に澪がどつく。
澪「そういう訳にはいかないだろ。ちゃんと払…あれ、ドナルドはどこにいった?」
ドナルド「あ、五人分お願いします」
澪の視線の先にドナルドはおらず、既に改札口にいた。
澪「うおーい!」
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 02:28:54.12 ID:2SC6nQPiO
結局ドナルドが(強制的に)切符代金を払った形で電車に乗ったけいおん部。
そして電車に揺られながら目的地へと向かっていた。
律「しっかしお前、どこにそんな金があんだよー?」
澪「バイトしてるって言ってもファーストフード店だろ?悪いがそんなに稼ぎがあるとは思えないぞ」
唯「やや、やっぱり払った方がいいんじゃ…」
ドナルド「本当に大丈夫☆心配いらないよ(だって活動拠点は世界中だったからね)」
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 02:29:51.86 ID:2SC6nQPiO
ドナルド「だから、お金はみんな自分の楽器とかのために使ってね」
澪「(…イイ奴なんだが…イイ奴なんだけどさぁ…)」
律「(だんだんコイツが神様に見えてきた自分が怖い)」
唯「(ドナルドくん…)」
紬「…はぴーせっ」ニヤニヤ
そんな中、ムギは一人寝息を立てて眠っていた。
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 02:31:26.19 ID:2SC6nQPiO
律「ムギが今言った『はぴーせ?』って何だ」
ドナルド「きっとハピーセッを食べてる夢だよ」
澪「どんな夢だ」
唯「(…そろそろドナルドくんに盗撮されてるよって言った方がいいのかな?)」
唯が見る先にはカメラを持ち、珍しそうにした旅行者達がドナルドを盗撮していた。
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 08:37:32.37 ID:4ae17WAh0
原作の再現率高いような気がする。
原作ドナルドに忠実だ。
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 08:58:25.24 ID:xErkbQo6P
>>102
原作って有るんだ、知らなかった
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 09:09:29.18 ID:6jkx8PRwO
バカ!ドナルドさんはCMに出られたじゃないか
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 09:55:00.50 ID:xErkbQo6P
>>104
そういう事なの?
公式的な何かとか、「ろ…ろなるろぉ…も、ぁっ…ダメらのぉ!」的な何かが有るのかと思っていた
106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/08(水) 10:39:15.72 ID:ryhApwJUO
唯がドナルドに惚れそうでこわい
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 10:42:40.52 ID:9nBLA+DBO
>>105
消されるぞ
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 11:29:30.27 ID:Hq/sjBeyO
>>106
惚れないほうがおかしくね?
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 11:31:48.14 ID:OXsZ06GKO
素顔を知らない相手に惚れんのか?
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 13:07:58.18 ID:UjwHfynfO
話自体も面白いんだけど、>>102ー>>105で吹いた
114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 13:23:09.41 ID:L/iDRFf00
何故女子高にドナルドが居r
122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/08(水) 17:11:40.09 ID:ojhoV5uM0
保守するために自然に体が動いちゃうんだ!
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/08(水) 20:05:23.36 ID:seQe2n6L0
らんらんるー
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/09(木) 02:03:15.41 ID:kPnrsuuEO
保守感謝です。
旅行者A「おい…あれって本当に…」パシャパシャ
旅行者B「ドナルド…だよな?あの有名な」パシャパシャ
律「さっきから周りがパシャパシャうるさいなー、そんなに外の風景が珍しいのか?」
ドナルド「きっと初めての旅行なんだろうね」
道化師は自分が撮られているとは露ほども思っていない。
そしてムギもフラッシュ音で目を覚ました。
紬「あ…ごめんなさい…」
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/09(木) 02:05:03.12 ID:kPnrsuuEO
ドナルド「どうだったかな?」
紬「ええ♪ごちそうさま」
ドナルド「やっぱり基本はハッピーセットだよね」
紬「いい勉強になったわ」
律「何の会話してんだよ…それよりも、そろそろ別荘ってどこにあるか教えてよ!」
紬「あ、えーっと…」
場所を確認しようとムギが外を見た瞬間にトンネルに入ってしまった。
紬「…もうすぐ!」
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/09(木) 02:07:05.28 ID:kPnrsuuEO
唯「わぁ!」
律「すっげー!」
トンネルを出ると地平線の彼方まで続く青い海が律と唯の視界に入ってくる。
澪「海かぁ」
ドナルド「Sea」
紬「はい、海」
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/09(木) 02:09:02.03 ID:kPnrsuuEO
律「唯っ」
唯「ドナルドくんっ」
ドナルド「おっけい☆」
せーの、と言う掛け声と共に窓を一気に上へと上げる三人。
すると強い風に乗り海の塩の匂いが鼻につく。
唯「うわー、塩の匂いだーっ!」
律「おっよぐぞー!」
ドナルド「イェーイ、カー○ルくん見てるかーい!?」
140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/09(木) 02:10:43.08 ID:kPnrsuuEO
澪「だから遊びにきたんじゃなくてっ!」
紬「カー○ルくん?」
澪は遊ぶ気満々の三人を注意しムギはドナルドの口から出た人物に疑問を抱いていた。
律「わ〜〜っ!!」
海に向かって大声で叫ぶ律。
唯・ドナルド「らん、らん、る〜〜っ!」
そして唯とドナルドも海に向かって意味深な言葉を叫ぶ。
141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/09(木) 02:13:20.44 ID:kPnrsuuEO
別荘に到着
律「でっけーぇっ」
唯「ほゎーっ」
五人の目前には広がるのはかなり大きめな構造の別荘だった。
ドナルド「大きいなぁ…家の中でマクドナルド開けそうだね」
澪「関係ないだろ…」
紬「本当はもっと広いところに泊まりたかったんだけど、一番小さい所しか借りられなかったの」
律「一番小さい…これで?」
142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/09(木) 02:15:06.96 ID:kPnrsuuEO
入った所の居間はかなり広く、机の上にはフルーツやハンバーガーが置かれていた。
澪「これは…」
紬「あ、ごめんなさい。ハンバーガーだけでいいって言っておいたんだけど…」
澪「そ、そうか(なぜハンバーガーなんだとは聞くまい)」
ドナルド「できるね…流石ムギちゃん」
紬「どういたしまして」
143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/09(木) 02:16:25.34 ID:kPnrsuuEO
その他の部屋も周り、別荘の広さを味う唯と律。
その間に他の三人は本命の音楽スタジオの部屋へと入る。
紬「どうぞ」ガチャ
澪「…ははっ」
大きなスタジオを見た澪は自然と笑みがこぼれる。
紬「しばらく使ってないからちゃんと動くか心配だけど…」
ドナルド「大丈夫☆いい音なるよ」ジャイーン
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/09(木) 02:17:45.13 ID:kPnrsuuEO
澪「お前いつの間に…」
ギャギャギャーン♪
入ってきたばかりだったが既にアンプを繋ぎギターを弾いているドナルド。
ギャギャギャギャギャ♪
澪「あれ、唯と律は?」
ジャジャジャイーン♪
紬「途中で居なくなっちゃったけど?」
ジャッジャッジャーン♪
澪「しょうがないなぁ」
パラリラパラリラパラリラ♪
澪「おいドナルド、うるさいぞっ!」
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/09(木) 02:19:19.98 ID:kPnrsuuEO
紬「でも、やっぱりすごく上手ね」
ドナルド「ありがとう、それほどでも」
澪「…」
澪は一瞬ドナルドの方を見ると鞄からラジカセを取り出す。
再生ボタンを押すとラジカセからはライブの音声が流れ始めた。
ドナルド「うん?それはこの前の」
澪「ああ。昔の軽音部の学園祭でのライブだ。この前ドナルドと部室で見つけたんだ」
紬「これも上手…まるでドナルドくんみたい」
146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/09(木) 02:21:24.21 ID:kPnrsuuEO
澪「私達より相当上手い…ドナルドは別だが」
ドナルド「…いいや」
澪「何か、聞いてたら負けたくないなって」
視線を落としていきながら澪は言い続ける。
紬「それで合宿って言い出したのね」
澪「でも…」
紬・ドナルド「負けないと思う(思うよ☆)」
突然二人がハモり、澪の言葉を遮った。
澪「…えっ」
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/09(木) 02:24:30.29 ID:kPnrsuuEO
紬「私達なら…」
ドナルド「そう大丈夫だよ、僕達ならプロにも負けないさ」
澪「ふふっ、流石プロはいきすぎだよ」
澪が初めてドナルドの発言に笑った瞬間であった。
澪「あとさ、今はまだ追いつけてさえないけど…お前にも負けないぞ、ドナルド」
ドナルド「ヘッハッハッハ☆楽しみだなぁ〜」
182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 03:21:44.85 ID:Owp9N8UVO
三人が一致団結した所で、バンと勢いおく扉が開かれる。
律「よぉーし遊っそぶぞーい!」
唯「オウ、イェーイ!」
そこにはもりを持ったゴーグルをしたデコとビーチボールを持ったアホがいた。
二人とも水着を着ており実に滑稽な踊りをしている。
律「おい、声に出てるぞ」
ドナルド「アラー☆」
紬「(意外と毒舌なのねドナルドくんって)」
183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 03:23:53.94 ID:Owp9N8UVO
唯「まぁ、とにかく先に行ってるから三人とも急いでねー!」
そう言い残すと唯と律はスタコラと行ってしまう。
澪「おい…これで本当に負けないのか?」
紬「えぇ…まぁ」
ムギは肯定するものの苦笑いをしている。
ドナルド「(そろそろ、ハンバーガー食べたいなぁ)」
道化師は見て見ぬ振りをした。
184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 03:24:57.41 ID:Owp9N8UVO
唯「おーい、はーやーくー」
紬「あ、ちょっと待って〜」
ドアの向こうからの声に返事をすると同時に澪とドナルドの方を向くムギ。
紬「澪ちゃん、ドナルドくん。いこ?」
澪「えっ、ムギ行くつもり?」
紬「せっかくだし…少しぐらいなら、ね?」
185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 03:25:59.67 ID:Owp9N8UVO
澪「でも…私は…」
遊びたい気もあるが、やはり練習が一番と考えてしまう澪。
律「む〜ぎ〜、行くぞ〜!」
紬「はーい!…じゃあ、待ってるからっ」
そう言う二人に言うとムギも律達の所へと駆け出していった。つまりスタジオに残ったのは澪とドナルドの二人きりである。
澪「ドナルドっ、お前は練習するよなっ!?」
ドナルドに訴えかける彼女の目には涙が溜まっていた。
186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 03:27:19.31 ID:Owp9N8UVO
ドナルド「僕は構わないけど…本当にいいのかい?」
澪「…え?」
ドナルド「本当に僕と二人きりで練習するのかい?」
澪「………」
考えてみると防音完備のスタジオの中で奇抜な格好をした道化師と二人きりなのである。
以前の澪ならば卒倒してもおかしくはない状況であった。
澪「わ、わたしも行く〜っ!」
ドナルドがいることを忘れ水着に着替えだす澪。
ドナルドは何も言わずも、そっと外へと出た。
204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 15:29:12.22 ID:24I2dZzY0
ドナルドマジ紳士
そのまま居ればいいものを
214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/11(土) 03:58:10.56 ID:8dyCn7os0
唯「無人島に流されて、かれこれ二週間か…」
律「流された時はどうなるかと思ったけどな…」
二人は海から出ると、どこからか杖とボートを持ち出し砂場で無人島ごっこを始めていた。
唯「でもこれはこれで何か楽しいよねー…」
律「…あ、大物(ワカメ)発見」
唯「ごっつあんです…」
ドナルド「ハンバーガーは落ちて無かったかい?」
澪「落ちてる方が怖いわ!」
215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/11(土) 03:59:43.55 ID:8dyCn7os0
ツッコミを入れつつ大きな胸を揺らしながら澪がやってくる。
律「…」ポロッ
唯「澪ちゃん…」
その大きさにショックを隠しきれずに大物(ワカメ)を落とす律と唯。
律「くらぇぃっ!」
ドナルド「おっと」パシッ
律はショック過ぎていきなりビーチボールを澪の顔面へとボールを投げる。
が、しかしそれはドナルドによって阻まれてしまう。
216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/11(土) 04:03:56.14 ID:8dyCn7os0
ドナルド「いきなり人に投げちゃあぶないよ、りっちゃん?」
律「だって見てみろよ、その澪の胸を!?」
澪「お、おい!」
ドナルド「……」
言われて澪の方を向くドナルド。
澪「ちょっ!」バッ
澪は自分の身体を舐めるように見られると思い、身をを縮める。
ドナルド「日焼けクリーム」
澪「へ?」
217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/11(土) 04:05:57.00 ID:8dyCn7os0
ドナルド「ついてるよ、首の後ろ。拭いてあげる」
律「そっちかいっ!」
ドナルドがMと書かれた赤いハンカチを取り出し澪の首の裏を拭く。
本来なら自分でとってもよかった澪だが言う前に既に拭かれていた。
ドナルド「ホラ☆」
澪「…あ、ホントだ」
ドナルド「変な形になっちゃうからね。それじゃ気を付けて」
澪「あ、ありが…とう」
ドナルド「ヘハハハッ、気にしないで」
218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/11(土) 04:07:18.70 ID:8dyCn7os0
奇妙な笑いと謙遜だけをし、ドナルドは別荘方へと行ってしまった。
律「あいつは泳がねーのかな?水着も持ってきてないみたいだしさ」
唯「年中あの格好だよねナルド君。暑くないのかな?」
律「私はあの変なメイクのが暑そうだなー」
澪「…(確かにこの日差しの中であの格好はな普通じゃない。何か理由があるのか?)」
律「ま、今更だしな!それより泳ぐぞ唯!」
唯「うん!」
ドナルドを除く四人は練習を忘れ、砂彫刻や海岸探検などをしていた。
そして結局そのまま日が落ちそうになるまで遊んでいたのであった。
219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/11(土) 04:08:49.69 ID:8dyCn7os0
唯「はーっ、海水取ったー!」
律「たどり着いたぞ黄金の島ジパング!」
澪「まだまだ!」
砂浜に横たわる二人と座っていたムギの前にスイカを持った澪が現れる。
律「お、いつの間に?」
澪「折角海に来たんだから、思う存分遊ばないと意味が…」
「意味が無い」と言いかけて本題に気付いた様子の澪。
澪「あぁぁーっ!練習!!」
220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/11(土) 04:10:18.53 ID:8dyCn7os0
律「忘れてたのかよ!?」
澪「ま、まったく…律が遊ぼうとか言うからだぞ(棒)」
律「一番楽しそうに遊んでたのは誰だ?」
澪「…じゃーん」
その頃のドナルド――
ドナルド「フランスのマクドナルドは…フレンチ四個分かな?」
ドナルド「アメリカは肉か?パンか?」
ドナルド「肉…じゃ韓国は?」
ドナルド「キムチだよね」
別荘の大きな台所で自問自答するドナルドの姿が。
そして四人が帰ってくるころには各国のマクドナルド料理がテーブルに置かれてあった。
221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/11(土) 04:11:43.17 ID:8dyCn7os0
食後、四人は練習のため音楽スタジオに入る。
入ったいいがギターの音さえ無い状況であった…。
律「はー、お腹いっぱい。もうお前店開けよな」
唯「えへへ…美味しかったよドナルドくん」
ドナルド「うれしいなぁ、ありがとう。でも食べて横になったら身体に悪いよ?」
唯「ドナルド君も横になろうよー…冷たくて気持いいよ」
律「そうだぜー…さ、ほら。ここあいてるぞー…」コンコン
ドナルド「うーん…」
隣りの床たたいて横になることを勧めている様子だった。
それを見て澪とムギが練習をうながす。
222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/11(土) 04:13:10.18 ID:8dyCn7os0
澪「始めるぞーっ!」
紬「二人とも起きてーっ」
唯「おやすみなさい♪」
律「おやすみ♪」
澪「…ねぇ、ドナルド。確かアレ持ってなかったっけ?」ボソッ
見かねた澪はドナルドに耳打ちする。
ドナルド「あらーっ!流石にそれは…」
澪「頼むよ!お前はみんなで練習したいだろ?」
ドナルド「…分かった。みんなで演奏するために」
248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 05:31:33.54 ID:+xo17vXQ0
仕方なくポケットからジューシーチキン用の赤唐辛子を取り出すドナルド。
そしてそれを二人の口の中へさらさらと入れていった。
数分後――
律「殺す気かおめーは」ハァハァ
ドナルド「ごめんね☆」
唯「ひどいよドナルドくん…まだ口がヒリヒリするおぉ…」
澪「自業自得だぞ。懲りたら練習するぞ」
律「もう今日はやめにしようぜー…口も痛いしさ」
澪「…そう言えば律、最近太ったんじゃないのかぁ?特にお腹の辺りとか?」
律「え、ええ…?!」
練習させるためにわざと意地悪っぽく言う澪。
律はその言葉に反応して自分の腹周りを確認する。
249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 05:32:33.80 ID:+xo17vXQ0
しかしそこで空気の読めない道化師が…
ドナルド「いやいや、律ちゃんは全然太ってなんかないさ」
澪「ばっ…!」
律「マ、マジか?ドナルドがそう言うんだったら別にいいよなー!」ハハ
唯「私も、もうギター持てない」
澪「ええっ!」
更に追い打ちをかけるように唯が放棄宣言を言う。
唯「だってこのギター重いんだもん…」
澪「でも、そのギター折角貰ったもんなんだろ?」
唯「誰だー!このギター送ってきたのは!」
紬「…」チラ
ドナルド「OTZ」
250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 05:34:32.96 ID:+xo17vXQ0
ムギがドナルドの方を見ると案の定の格好をしていた。
紬「(あらあら…)」
唯「あれ?どしたのー、ドナルドくん?」
そして結局何もしないまま時が過ぎていく。
話題は学園祭やらメイド喫茶やらになっていた。
唯「やっぱり学園祭はお化け屋敷だよー!」
ドナルド「やっぱりマクドナルドが一番かな☆」
律「唯、ドナルド…お前ら何にも分かってない…澪を見てみろ」
澪「な、何だよ?」
黒のストッキング&純白のエプロン&メイドカチューシャを付けた状態の澪を説明する律。
律「萌え萌えキュン!とか言ったりしてなぁ!」
唯「可愛いかも!」
251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 05:35:48.41 ID:+xo17vXQ0
ドナルド「ヘッハッハッハ☆甘いよ、マックシェイクのバニラより甘いよ律ちゃん」
律「む…じゃあ他に澪に似合う服何かあるのかよ?」
ドナルド「もちろんさ☆」
つばの長い赤いサンバイザーに黒いキュロットのスカート…etc
そして極め付けにMの文字が入った制服を着た状態の澪を説明するドナルド。
ドナルド「I'm lovin it!なんて言ったりしてね」
唯「カッコいいかもっ!」
律「クソっ、それも悪かねぇな…」
価値観の分からない当の本人である澪は終始口を開けてポカーンとしていた。
252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 05:36:59.18 ID:+xo17vXQ0
澪「おい…ホント練習は」
ドナルド「まずはやる気だね。とりあえず気分転換に花火でもしようか☆」ニョキッ
ついわざとやってるのか、と思う澪。
唯「おおーっ!」
律「あ、失くしたと思ってたらお前が持ってたのかよ!」
ドナルド「ドナルドは買い置きしてた分と数を合わせたんだ」
澪「(コイツはぁ…。いや、それよりも今アフロの中から出したのか?)」
律「よーし、んじゃ外にいきますか」スタコラ
紬「あ、私も行く!」トテトテ
澪を除くメンバーは全員外に行ってしまい残ったのは澪だけとなった。
そして例のごとく彼女も追いかけた。
253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 05:38:36.38 ID:+xo17vXQ0
澪「終わったら外で練習するからな」ムシャムシャ
と言いつつ旨そうにスイカを食べながら話す澪。
律「分かってるって!」
紬「♪」
ドナルド「さて、と…準備はいいかい唯ちゃん?」
唯「もちろんだよ!」
ギターを持つ二人の後ろには幾つもの花火の筒が設置されていた。
律・紬「せーのっ!」
端の二人が点火した瞬間、全ての筒から色のついた水しぶきならず火しぶきが一斉に上がる。
唯「それじゃあ最後の曲、いっくぜー!」
ドナルド「ich liebe es!」
それに合わせ唯とドナルドがそれぞれセリフを言いギターを弾き出す。
音がよく響くようにドナルドは唯に寸分狂わず合わせて弾いていた。
254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 05:40:15.23 ID:+xo17vXQ0
澪「……」
その光景に澪はスイカを食べるのも忘れ彷彿とした表情で二人をを見つめる。
唯・ドナルド「へイっ!」キメ!
最後の締めはあの決めポーズを取る唯とドナルド。
その瞬間、丁度花火も底を尽きた。
ドナルド「ちょっと派手すぎたかな?」
紬「ううん、素敵だった」
律「派手すぎて丁度いいんだよ、武道館じゃもっと派手にやろうぜ!」
唯「武道館?」
律「おいおい、目標はそこだって決めただろ?」
唯「そうだっけ?」
ドナルド「(そう言えば去年の武道館は燃えたな)」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 05:45:25.93 ID:+xo17vXQ0
律「なっ?」
律は溜息を付きながらも、澪にも訊いた。
澪「えっ…?」
突然聞かれた澪はけいおん部が発足して間もないころの事を思い返していた。
そこには武道館、武道館と言う律、笑みを浮かべるムギと自分にケーキを頬張る唯。
そして華麗にギターを弾きこなす道化師の姿があった。
澪「(最初こいつに会った時は…そりゃ怖かったなぁ)」
考えながら後ろに置いてあったラジカセを取りだし再生する。
澪「武道館目指すなら、まずはこのくらい弾けるようにならないとな」
律「ほぇー、うまいなぁ」
唯「あれ…でもこの曲…」
ラジカセ「お前らが来るのを待っていた…」
その時、突如として低い声のMCが流れ出した。
ラジカセ「URYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」
256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 05:46:30.93 ID:+xo17vXQ0
あまりの音量に唯と律とムギは耳を押さえた。
ドナルドにいたってはひっくり返り地面に突き刺さっていた。
彼は引っ張りあげてもらうまで視界一面が真っ暗だったため、貴重なシーンを見逃した。
と言っても漢なドナルドにとってはあまり意味のできごとである。
―場所変わって音楽スタジオ内
澪「グスっ」
律「ごめんなー、澪」
澪「ぶぅー…」
ドナルド「何があったんだい?」
澪「私はお前に何があったか聞きたいよ」
泣いている澪に疑問を持ちかけたドナルドの赤いアフロは見事に茶髪になっていた。
257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 05:48:34.19 ID:+xo17vXQ0
紬「唯ちゃん…本当にさっきの曲」
唯「うん、見てて…えーと」
ギャギャギャギャ♪
見事にさきほどのラジカセから流れていた曲を楽譜もなしに演奏する唯。
紬「…わぁ」
律「うそ…」
澪「……」
まさかの隠された技術に三人は驚きを隠せないでいたが、そこにもう一つ音が追加される。
ジャジャジャジャジャン♪
澪「!?」
ドナルド「ふーんふーん♪」
後ろを振り返ると茶髪になったドナルドが今唯が弾いているのと全く同じ曲を弾いていた。
284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 03:10:33.11 ID:gojK1vAr0
紬「まぁっ…!」
律「お前もかよっ!」
ドナルド「聞いたことのない曲だと、『昔』からついやっちゃうんだ!」ジャジャジャ
曲が終わり二人揃って例の(ry
唯「はいっ、どう?」キメ
紬「すごい…二人とも完璧」
唯「でもミョーン、てとこが分からなくて。ドナルド君はどうやってあそこ弾いたの?」
ドナルド「チョーキングは感、かな。考えるんじゃなくて感じるんだ☆」
唯「考えずに感じる…考えずに感じる!了解しましたっ、師匠!」
紬「参考にさせてもらうわね」
澪「(感であの完成度はありえない……ありえない…よな…でも実際に弾いてるし…)」
そんな馬鹿な、認めたくないけどすごいと心の中で自問自答繰り返す澪。
285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 03:12:15.55 ID:gojK1vAr0
律「おーい、澪さーん!?」
澪「(だいたいあいつはホントに人間なのか?ひょっとしたら宇宙人なんてことは…)」
ドナルド「……?」
自分で勝手に思い込み怯えてしまう澪を見て疑問に思ったドナルド。
唯「今ので一緒に弾くの十回目だよドナルド君!」
ドナルド「すごいよね唯ちゃん!」
だがすぐに元の話に戻るのであった。
その後女子四人は露天風呂に入り、話に花を咲かせつつ就寝する。
ドナルド「みんな寝たみたいだね…」
四人が寝たのを確認すると道化師はギターを持ち一人音楽スタジオに入る。
ドナルド「ヘハハ、ようやく肩身狭くなく弾くことができるよ☆」
ギターを持ち独り言を言ったのち、指を弦に添えてかき鳴らし出す。
ドナルドが弾くそのギターからは言葉じゃ言い表せない旋律が奏でられる。
286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 03:13:58.57 ID:gojK1vAr0
―寝室
〜♪〜♪
澪「…う……何だ…?」ゴソッ
澪は耳に入ってきた音に反応し布団から体を出す。
唯と律は豪快に、ムギはスヤスヤと寝息を立てて眠っていた。
澪「(こんな時間に誰が?まさか幽霊っ!?)」
〜〜♪〜〜♪
澪「それにしても上手いな…ドナルドより上手いんじゃないかこれ」
本来なら正体不明な音に恐怖するはずの澪だが恐怖心よりも音楽の好奇心の方が勝っていた。
そしてその好奇心は彼女を行動へと移す。
澪「ちょっとだけ、覗こうかな…」
澪は音を頼りに暗い通路を通り抜け音楽スタジオの扉の前までやってくる。
少し空いたドアからは光が漏れており、そこから中を覗いた。
ドナルド「フッ!フッ!」♪
澪「ドナルドっ!?」
287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 03:15:30.59 ID:gojK1vAr0
ドナルド「ん?」
澪「(あ、しまっ!)」
咄嗟に口を押さえる澪だったが時すでに遅し。
ギターを弾くのを止めたドナルドが呼びかけてくる。
ドナルド「澪ちゃんだよね?」
澪「わ、わぉーん!(ばれてるー!)」
ドナルド「パンツ見えてるよ☆」
澪「えっ、うそっ!…ってズボンなんだから見えるわけないだろっ!」ガタッ
犬に変装して誤魔化したつもりが逆に騙され、大きなツッコミの声をあげてしまう。
澪「あ…」
ドナルド「そんなとこにいないで、お話しようよ」
澪「(もう逃げる意味も無いかな…)」
諦めて澪は眉を下げた顔で顔でスタジオへと足を踏み入れる。
288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 03:16:45.36 ID:gojK1vAr0
ドナルド「こんな夜中にどうしたんだい?ハンバーガー食べる?」
澪「いやいい。それよりお前、何でこんな夜中にギター弾いてたんだ?それも普段より…」
ドナルド「独りの時なら、めいいっぱいアクティーできるからなんだ」
澪「それって、やっぱりみんなと居る時はやりづらいってことなのか!?」
一瞬、澪に不安がよぎる。
ドナルド「そう言うわけじゃないんだけどね、聞きたい?」
澪「…一応」
ドナルド「一番最初に僕が色んな楽器を弾いたのを覚えてるかな?」
澪「忘れようにも無理だ。あんなの生で見たのは初めてだったからな」
ドナルド「その時澪ちゃんはこう言ったんだよ」
289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 03:18:19.62 ID:gojK1vAr0
――
澪「自分に自信無くした…ベースやめようかな」
――
澪「…そ、そんなことも言ったな」
ドナルド「ドナルドはみんなに笑顔になってもらうために存在してるマスコットなんだ」
澪「存在?マス…?」
突然出てきた単語に反応できない澪。
ドナルド「でも逆に、澪ちゃんの台詞を聞いて笑顔を奪っちゃたんだって思ってたんだよ」
あまりに上手すぎると、逆に周りから敬遠される気持ちが分かったと言うドナルド。
そう言うドナルドに普段の笑顔は無かった。
通常とのギャップに戸惑いながらも澪はフォローを入れる。
澪「そ、そんなに落ち込むことじゃないぞ!それにあの時はちょっとびっくりしただけだ」
290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 03:23:08.49 ID:gojK1vAr0
ドナルド「ホントかい?」
澪「もちろんだ。それにお前が上手ければ上手いほど私達も負けられないって思うしさ」
ドナルド「そうならうれしいなぁ」
澪「だからさ、いつも思いっきり弾けばいいと思うぞ」
ドナルド「…うん、そうだね。ありがとう澪ちゃん」
澪「え?あ、いや…その…」
澪は柄にもないことを喋っていたと気付き急に照れ出す。
ドナルド「お礼にドナルドが作った曲を聴いてもらえるかな?『わたしはそれが好き』って曲なんだ」
澪「いいよ、礼なんて…でも正直、曲は聞きたい気がする」
ドナルド「じゃあいくよ?ゴー、アクティー!」
澪は今までドナルドに持っていた偏見を全て捨てて、その曲を聞いていた。
291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 03:25:10.72 ID:gojK1vAr0
そして合宿が終了し、いつもの日常へと戻った。
律「ドナルド最近上手くなったよなー、いや前からも上手かったんだけどさ」
ドナルド「ありがとう☆」
澪「なぁ、一つ聞きたいんだがお前ってどこでギターとかドラム習ったんだ?」
唯「あ、それ私も聞きたいなぁー。ドナルド君の事」
ドナルド「それは内緒なんだ♪」
唯「エーっ!」
律「(何か唯の口調がドナルドに似てきている気が…それかホントに気のせいか?)」
澪「ふんふーん♪」
紬「あら?澪ちゃんが鼻唄なんて珍しいわね。ドナルドくんみたい」
律「いい歌だな。それ何て曲名だ?」
澪「さぁな」フンフーン♪
292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 03:28:48.02 ID:gojK1vAr0
合宿終了。スローペースすぎましたOTL
295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 07:42:14.68 ID:TEjgBAhR0
ドナ澪か
297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 08:55:53.31 ID:cKSkXJVu0
おもしろい
298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 09:28:26.38 ID:A6KtwEUl0
楽しませてもらってマース
311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 22:39:03.51 ID:PkmJcgSDO
ランランルー☆
312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/13(月) 23:22:16.27 ID:DDtUZ0hKO
次スレ建てるときは言ってね
出典:律「おいドナルド、ハンバーガー分けてくれよ」
リンク:http://unkar.org/r/news4vip/1291562208

(・∀・): 26 | (・A・): 10
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