虚無感
2012/01/19 02:16 登録: えっちな名無しさん
高校生の時、父が母と喧嘩をして初めて家出をした。
通常我が家では・・・・喧嘩から母が家出をして叔母の家に→便乗して姉も叔母家に→家には俺と父のみ→父、意地で五日くらいは耐える(この間食事がスーパーの弁当に)→寂しさと栄養バランスの偏りで日に日に弱る→父が折れて母に謝る→母(姉)帰宅がいつものパターンだったのだが・・・今回は逆に父が出て行った。
母が何かの用事で家を数日開けるだけで寂しそうな父が、家で話をちゃんと聞いてくれる人が母しかいない父が(姉は父に冷たいし俺には強がる)家出した・・・・
父が母相手に本気で怒った事なんて今まで一度もなかったし、携帯に連絡を入れてもメールすら帰ってこなかった。
喧嘩の原因を母に尋ねても全然答えてくれず、これは本当に離婚の危機かもしれないと俺も姉も本気で焦って「もし離婚したらどっちについていこうか?」なんて話を真剣に語り合ったりもした(何か言って離婚せずに済むとはとても思えない雰囲気だった)。
しかし家出の日から二日後、学校から帰ってきたら父は母と仲良く居間でコタツに入って映画を見てやがった。
それを見て俺は怒るよりもホッとしてしまった、この二日の夜は不安だらけでほとんど眠れなかったし、これからも学校続けられるのかなとか考えたり、最悪親戚に頭を下げてお金を借りて高校に通わせてもらうか、自主退学してバイトしながら定時制通って公務員の試験勉強するか真剣に悩んだり・・「ああ、もう今までの日常には戻れないんだろうな」って思って泣いたり・・・・
多分姉も、俺よりずっとちゃんとした形だとは思うけれどやっぱり似たようなことを考えて頭を悩ませていたんだと思う。
普段よりも多く俺に話しかけてきたし好きなテレビも碌に見ていなかった、不安でそれどころじゃなかったんだろう。
父と母にそのことを話したら心配かけて悪かったなと神妙に父に謝られた、ついでにケンカの原因を教えてくれと頼んだら言いにくそうにしながらも答えてくれた。
そもそもの始まりは父がなぜか隠れて(恐らく独り占めしたかったのだろうと思う)通販で取り寄せた高級たくあんを冷蔵庫の野菜室の奥にしまって一人の時に少しづつ少しづつ食べていた事が原因らしい。
昼間、母一人の時に野菜室の奥の方に隠されたその高級たくあんは発見されてしまった、そしてこれはいつ買ったものかは解らないが傷んでいないしもったいないからと食べられてしまった。
いつの間にかたくあんがなくなっていることに気付く父、母に事情を話し問い詰めると「知らなかったから残り物だと思って食べてしまった」と言われる父、怒りを覚えて母を咎めると隠し事をしていた方が悪いと反論され喧嘩→悔しさのあまり父家出・・・・これらがこの解き起きたことの原因と結果とのこと。
俺達をこんなにも悩ませた父の家出は要約すると楽しみとって置いたたくあんを勝手に食べられたという漫画以下の理由が原因で・・・・・もし最初から理由を話してくれていれば俺も姉もここまで悩むことはなかったはずだった・・・・ホッとした気持ちはどこかに消えてしまい・・・でも怒りすら湧かず・・・後に残ったのは精神的な疲れと虚しさに近い感情だった。
とりあえず僕は一旦炬燵に入ってから独り言で父がエロ本とかDVDを隠している場所と父のインターネット使用理由の8割がエロサイトで動画を見ることだと母にも聞こえるように呟いた、そして部屋の空気がほのぼのしたものから張りつめたものに変わるのを確認してから立ち上がり「盗撮マッサージと黒ギャルが好きなんだよね」と父の好みを聞き直してから自分の部屋に向かった。
出典:作文力の低下に絶望した
リンク:なし

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