引きこもり
2012/03/11 07:36 登録: えっちな名無しさん
153 自分:名無しのオプ[] 投稿日:2012/02/04(土) 00:53:06.75 ID:VmlIH39A [1/8]
私は必死の思いでドアを叩いた。
何度も何度も。
叩くだけじゃなく、呼び掛けもした。
ご近所様に聞こえてしまうぐらいの大声で。
だけど。
カズヤは何も答えてくれない。
それでも。
私はドアを叩き続けた。息子の名を大声で呼び続けた。
恥ずかしいわ。
でも、なりふり構っていられない。
だって、カズヤが閉じ籠っている理由の一部は私の責任なんだもの。
恥ずかしいわ。
カズヤは今年で30歳。
私は55歳。
いつ。
出て来てくれるんだろう。
あと何回繰り返せば。
私がドアを叩かずに済む日が来るんだろう。
想像するとお腹が痛くなる。
だって本当はわかってるの。
永遠に来ないことぐらい。
154 名前:名無しのオプ[] 投稿日:2012/02/04(土) 00:53:52.82 ID:VmlIH39A [2/8]
カズヤの閉じ籠る癖は昔から。
私がドアを叩くのも昔から。
旦那がまるで知らん顔するのも昔から。
虚しさに駆られる瞬間もある。
毎朝毎朝、日課のように。
ドアを叩いて息子を呼んで。
御近所さんだってきっと知ってる。
陰でみんな笑っているんだわ。
あの親子、良い歳して何やってるんだろ。
ああ。
なんて恥ずかしいんでしょう。
でも。
それでも。
私はこのドアを叩かなきゃいけない。
カズヤを呼ばなきゃいけない。
息子を引っ張り出さなきゃ。
そして仕事に行ってもらうの。
それがカズヤのため。30歳になった息子のため。
そして、なにより。
私のため。
155 名前:眠ぃ・・・・・・・・・・・[] 投稿日:2012/02/04(土) 00:55:22.46 ID:VmlIH39A [3/8]
永遠に感じられる数分が過ぎて、そのドアは開いた。
出て来る息子を突き飛ばす勢いで便座に座る。
息子の背中を蹴っ飛ばして叫ぶ。
「テメェー、毎朝毎朝ウンコ長ぇーんだよ!ボケ!」
勢いよく閉めたドアの向こうで息子が弁解する。
「遺伝だろ〜〜」
「ウルセェ!出勤間際にクソする癖どうにかしろ!タイミング被るんだよ!殺すぞ!」
出典:内緒♪
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