つながる瞬間に。Coca-Cola

2005/08/09 22:34 登録: えっちな名無しさん

コカ・コーラの原液は秘密のベールに覆われており、その製法を知る人間は世界で二人しかいないといわれている。
この二人とはもちろんコカ・コーラ社の関係者と思われるがその素性は公開されていない。
コカ・コーラ社は製法を守るために信じられないほど神経を尖らせており、この二人のうちの一人が死んだときは残された者が後任を選出し、口授で製法を伝えることで綿々と秘密を守りつづけてきたのだという。
また、このような理由から製法を知る二人が同じ飛行機に乗ることは禁止されているとも・・・

誰しも急にコーラが飲みたくなるということを経験したことがあると思う。
実はコーラにはコカインが入っており、その中毒性ゆえにやめられずに何度も買ってしまうのだ。
そう、コカ・コーラの「コカ」とはコカインから取られた名前なのである。

コカ・コーラは強力な融解作用を持っている。
コップに満たしたコーラの中に抜いた歯を漬けておくと、一晩にして溶けてなくなってしまう。

コーラにこれだけの融解作用があるということでもわかるように、原液の持つ威力はさらに強力なものである。
ある人がコーラを製造している工場に見学に行った時、作業員の一人が誤って大きなタンクに入ったどす黒い液体を床にこぼしてしまうということがあった。
するとその瞬間、床はシュワシュワと無気味な音を立てて溶けだしたのだ。
そのタンクに入っていた液体は、コーラの原液であった。


解説

コーラにまつわるいくつかの伝説を並べてみました。
ここまで色々な噂を立てられる商品というのも他にはないでしょう。
さらにコーラ伝説が面白いのは、ほとんどの噂が一部で真実を含んでいるということです。
それでは虚実入り混じったコカ・コーラ伝説のベールを引き剥がし、伝説よりもさらに面白いコカ・コーラの真実を検証してみましょう。

まずは、コーラの製法が秘密結社並みのやり方で守られているという話です。
どこまでが本当かはわかりませんが、これはある程度事実です。
コカ・コーラの原液の製法はコカ・コーラ社の最重要機密であり、同社は傍から見れば異常と思えるほどの厳格さでもってこれを守りつづけてきました。
ところが、それではやはり製法を知るのは二人だけなのかというと、これがそうでもありません。
どんなに守り通すつもりでも秘密は漏れてしまうもの。
コカ・コーラの原料がシトラス、シナモン、バニラをブレンドした香料である「ファンタジア」にコーラ・ナッツのエキス、砂糖のシロップ、アルコール、カフェイン、リン酸、カラメル色素などを加えたものであることはほぼ公然の秘密であり、ライバル社であるペプシコ社をはじめとするコーラ業界各社の間では、コカ・コーラの製法を知らないものなどいないとまで言われるほどよく知られていることなのです。
考えてみれば科学的な成分分析技術が発達した今日において、市販されている飲料の成分が謎のままなどというのはありえないことですからね。

次にコカ・コーラにコカインが含まれているという噂ですが・・・驚くべきことに、昔は本当に入っていました。
実はコカインがアメリカで法的に禁止されたのは1903年のことで、それ以前にはコカインは興奮剤として薬局などで普通に売られており、コカ・コーラもコカインが入っていることを売り物にしていたぐらいだったのです(とはいえ、その当時のコカ・コーラに含まれていたコカインの量は原液1オンスあたり2.6ミリグラムとごく微量で、間違っても中毒を起こすような量ではなかったのですが)。
ところが1903年にコカインの使用が禁止されると、コカ・コーラ社は非常に厳しい立場に立たされました。
というのも、コカ・コーラの商標の「コカ」の文字はコカインを抽出していたコカの葉から取られたものであったから。
もしコカの葉を原料に使うのをやめるならば、アメリカ中ですでに親しまれていた「コカ・コーラ」の商標がつかえなくなります。
しかし、商標を守るためにコカの葉を使いつづければ法律違反になってしまうではありませんか!
悩みに悩んだ末にコカ・コーラ社は信じられないような解決方法を取ります。
それはコカの葉からコカインを徹底的に洗い流した上でその葉をアルコールに漬け、そのアルコールをごくわずかだけコカ・コーラの原液に加えるというもの。
コカ・コーラの原液にもともとアルコールが含まれていることを考えると、この新製法でコカの葉が果たす役割は実質的にゼロであることがわかります。
まさにトンチのようなすごい手法ですが、これによってコカ・コーラ社は「コカ・コーラ」の商標を守り通すことができました。
現在でもコカ・コーラ社がこのようなやり方でコカの葉を使用し続けているかどうかはわかりませんが、どちらにせよ今売られているコカ・コーラにコカインが含まれているということはありません。

次にコーラをめぐる最も有名な神話、コーラが歯を溶かすという伝説に迫ってみましょう。
この話で主に歯を溶かすとされるのはコーラに含まれている炭酸です。
確かに歯の主成分であるリン酸カルシウムはph5.5以下の酸にさらされると溶けることが知られています。
そしてコーラのph値は2.45ですから、リン酸カルシウムが溶け出すには十分な量です。
普通にコーラを飲むだけならば口の中を一瞬で通過する上に唾液によって酸が中和されるので問題はありませんが、抜いた歯をコーラ漬けにすれば脱灰現象によって歯の中のリン酸カルシウムが溶けて流れ出すのは確かなので、その意味ではコーラが歯を溶かすというのは正しいということになります。
ですが、ここで注意しなければならないのは、溶かすといってもコップ一杯程度のコーラが溶かせる歯の量などたかが知れているということ。
ただでさえコーラの炭酸など、コップについでから1時間もすれば大部分は抜けてしまうのです。
そこにいくら歯を浸していたところで消えてなくなるまでには至りません。
溶け出すカルシウムの量にしたところで、精密な秤でも持ち出さないことにはわからない程度の量でしょう。
むしろ歯を溶かすということならば、コーラに大量に含まれている砂糖のほうがはるかに危険です。
いったん砂糖が口の中に入ると虫歯菌がこれをエネルギー源として酸を作るため、口内のph値は2,3分以内に4以下に低下し、その状態が40分程度続きます。
なかでも、コーラやその他のジュース類に含まれている砂糖は水に溶けているために歯と歯の間の歯ブラシが届かない場所に運ばれやすく、虫歯の原因となることが多くあります。
炭酸に無意味に怯えるよりも、甘いものを取り過ぎないようにすることと、食事の後はよく歯を磨くことの方がはるかに大事であるといったところでしょうか。

最後にコーラの原液が床を溶かしたという話ですが、これは唯一論外と否定できるヨタ話です。
先に述べたようにコーラの原液は香料、カフェイン、砂糖、リン酸、カラメル色素などからなっており、間違っても床を溶かすことなどできません。
コーラが歯を溶かすという神話が拡大解釈されてこのような伝説が生まれたのでしょうね、きっと。

(・∀・): 178 | (・A・): 84

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