おじいちゃんと女の幽霊

2012/04/22 01:25 登録: えっちな名無しさん

オレが小学生のとき、親父が家を建てた。
念願の一軒家で家族皆喜んだ。
しかし引っ越し後ほどなくして女の幽霊が出るようになった。

俺は見たことがないのだが、両親は深刻になやんでおり、
特に母は気を病んでしまい、家は大変だった。

そんななか、正月にはじめて家に来たおじいちゃんが、家に入るなり、
「○○さん(親父の名前)、滅多なところに家を建てるもんじゃないよ」と言った。

おじいちゃんは居間に神棚を作り、かんぴょうを天ぷらにしてそこに供えた。
そして供え物を絶やさないように告げ、帰っていった。
以来、家は幽霊に悩まされることはなくなった。
ただ、そのかわりおじいちゃんの家に幽霊が現れるようになったらしい。

おじいちゃんは、
「独り暮らしだし、寂しさが紛れて案外いい塩梅なんだよ」
と語っていたが、その後程なくして心臓を痛めて急に亡くなってしまった。

ささやかな葬式だったが、その際、見知らぬ怪しい女が
式場をうろうろしているのを親父含め数人が目撃している。

これは俺の予想だが、
おじいちゃんはその幽霊と恋仲になり、添い遂げたのではないか。

式の後、おじいちゃんの家を片付けにいったのだが、
独り暮らしとは思えない様子だった。
部屋には花やぬいぐるみ、風景写真がたくさん飾られてあった。

中でも印象的だったのは、誰かと筆談していたかのようなメモ書きが、
部屋のあちらこちらに残されていたことだ。

内容は、
テレビ面白い?とか、もう寝るか、とか他愛のない一言だった。
おじいちゃんはボケてはいなかった。
あれは一体なんだったんだろう?
幽霊話はおじいちゃんの死後、どこからも聞かなくなった。



出典:おじいちゃんと女の幽霊
リンク:2ちゃん

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