エ、エレベーターが・・・!
2012/05/27 18:50 登録: もうじいさん
こういう場所に投稿したことが無いので、言葉遣いとか違っていたらご勘弁を。
これは私(ひろし)が35年程前に体験した実話です。
では…。
春まだ遠い3月の初め、ひろしは上野発の特急あさまに乗って出張先の長野に向かっていた。
将来、長野でオリンピックが開催されることや新幹線が開通することなど、まだ夢にも出て来なかった。
ひろしを乗せたあさまは夕方の5時過ぎに上野を発車し夜の8時過ぎに長野に到着する
予定であった。
長野に到着する少し前、ひろしは軽い尿意を感じた。
車内のトイレに行こうとしたその時、
『間もなく終点ながの〜』
という車内アナウンスが流れ、ひろしは駅のトイレまで我慢することにした。
長野駅に着き、トイレと思ったが元々軽い尿意でもあり、降車の慌ただしさもあって予約してあるビジネスホテルまで我慢することにした。
このことが後でひろしに怖ろしい悲劇を招こうとは、ひろし自身も予想だにしなかった。
改札から駅前のロータリーに出たひろしの頬を、まだ寒い長野の3月の夜風が容赦なく突き刺した!
『急ごう』ひろしは急ぎ足で歩き出した。
この頃の長野はまだホテルの数も少なく、安月給のひろしは駅から少し離れた、長野の夜の繁華街○○の一角にある安いビジネスホテルを予約していた。
歩き出して間もなく、寒さもあってか再び尿意がぶり返してきた!
先程とは比べようもない激しさで・・・。
トイレを借りようにも、まだコンビニも無い時代である。
教育宣言都市のせいか東京に比べやたらと本屋が目立ち、ひろしの大好きな風俗店も無かった。
パチンコ屋ですら数が少なく、あっても閉店時間も早く夜も8時を過ぎると客もまばらであった。
悪いことにホテルまでの道にパチンコ屋は無い!
後は『立ちション』しかないのであるが、適した路地も見当たらず、酒にも酔っていないので躊躇してしまった。
ひろしは持てる腹筋の力全てを使って放尿を阻止していた。
すると目の前にホテルの灯りが見えてきた!
ひろしはホテルへ急いだ。
自動ドアを抜け、フロントに向かい
『予約してあるひろしですが、その前にトイレを・・・!』
するとフロントの男は
『1階に男女共用のが1つあるんですが、先程故障して詰まってしまったのでお部屋のをお使い下さい』だと。
長野に悪魔がいた!
男が差し出す宿泊者名簿に、ひろしはオリンピックの種目にあったら絶対金メダルという早さで署名した。
するとフロントの男は、今の感動的な金メダルプレーをスローモーションでもう一度!と いうようにゆっくりと部屋の鍵を渡してきた。
ひろしはそれをひったくるように奪いとると
『明日の朝食はいかがなさいますか?』
という声を無視してエレベーターへ急いだ!
エレベーターは2台あった!
ホッとして停止階を見ると2台共最上階にいる。
『そ、そんなぁ…。』
『ひろし、ここまでよくやったよ!
頑張ったじゃないか!
メダルには手が届かなかったけど、国民の誰も君を責めないよ』
という声がどこからともなく聞こえたような気がした。
『ああ、この年で漏らしてしまうのか…』
と力無く溢れ出るであろう自分の股間を見た時、ひろしの視界にあるものがまばゆいばかりの光を放って飛び込んで来た!
ひろしは灯台元暗しであった!
『あった!あってくれた!長野には悪魔もいるが女神もいた!』
2台あるエレベーターとエレベーターのまん中に円柱形の灰皿が置いてあった!
ひろしはあたりを見回した。
誰もいない!
しかもフロントからは死角だ!
ひろしは灯台とは似ても似つかない自家製極小灯台をパンツから取り出すと勢い良く灰皿に向けて解き放った。
ひろしは思った
『ふー、なんという快感!こんなに気持ちいいなら風俗なんて要らない!』
そんな快感に浸りながらひろしは無意識に上を見上げた。
『ん?ギョ、ギョエー!エ、エレベーターが降りてくる!
ま、まだ終わってないのに…』
ひろしは焦った。
早く早くと。
エレベーターは途中で止まることなく降りてくる。
『万が一、誰か乗っていたら、ましてやそれが女性だったら…。ああ、父さん母さん先立つ不幸を許して下さい。
こんな息子のせいで、息子の息子のせいで』
…3…2…1…。
『チン』
という音と共にドアが開いた。
ひろしは間一髪ドアが開くと同時に『チン』を仕舞っていた。
…中には誰も乗っていなかった。
ひろしかエレベーター前に来た時、無意識にボタンを押していたのである。
ひろしはゆっくりとエレベーターに乗り込んだ。
エレベーターに乗り込んだひろしの太ももを生温かい液体が伝っていた。
そう、まだ完全には終わっていなかったのである。
その夜遅く、長野のビジネスホテルの一室にスーツのズボンにドライヤーをかける営業マンひろしの姿があった。
出典:オリジナル
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