刺青を肯定する朝日新聞
2012/06/08 09:10 登録: えっちな名無しさん
刺青文化、長く深く浸透 魔除け・愛の誓い・絵柄の美…
「TATTOO〈刺青〉あり」の公務員はありえない? 大阪市の橋下徹市長は、いれずみやファッションタトゥーを入れているか、回答義務つきで市職員に調査、配置転換も検討している。倶利迦羅紋々(くりからもんもん)で人を脅す公務員など論外なのは言うまでもない。しかしいれずみ文化史は、意外に長くて広くて深かった。
■墨を入れる理由は
熊本保健科学大学の小野友道学長(皮膚科学)は1970年、学童検診にあたっていた返還前の沖縄で、出会う何人ものお年寄りの女性の手の甲に美しいいれずみがあるのを発見した。「身構えたが私の無知で、魔よけや願掛けなどの針突(はづき)という広く行われた習俗だった」
小野さんは熊本県でも、手首に小さな青い点をいれずみしている高齢の女性を診察することがあるという。「イグサ刈りという厳しい農作業で手を痛め、治療のためツボに針を入れる。次に打つ時の印として、あるいは既に癒やされたという確認のために入れた古来の知恵です」
小野さんは、古今の記録を調べて一昨年、『いれずみの文化誌』を出版した。日本最古のいれずみの記録は3世紀の中国の史書『魏志倭人伝』にさかのぼる。
大阪市の調査は、児童福祉施設職員が子供をいれずみで威嚇した事件が発端。橋下市長は「公務員のいれずみ=許されない」という得意の〈単純化〉で、「いれずみ職員は民間へ」と促す。だが、人はなぜ体に墨を入れるのか。
小野さんによれば(1)他者を脅すという以外に(2)江戸時代の遊郭で始まった男女の愛の誓い(3)犯罪者への刑罰(4)絵柄自体の美しさに魅了(谷崎潤一郎『刺青』)(5)治療や癒やし、など理由は多岐にわたる。
「そのほかに自傷行為の場合もある。リストカットと同じ。いれずみは自分を助けてほしいという心の泣き声」と小野さんは言う。
■チャーチルやスターリン、英王室も
もっとも歴史をひもとけば、政治家のいれずみさえ珍しくない。チャーチルやF・D・ルーズベルト、スターリンにも見られた。小泉純一郎元首相の祖父で逓信相だった又次郎にもあったとされる。佐野眞一『小泉純一郎―血脈の王朝』によると、又次郎が背中から二の腕、足首まで彫った入れ墨は、九紋竜だったとも、『水滸伝』の魯智深(ろちしん)、すなわち花和尚だったともいわれる。
ケンブリッジ大図書館日本部長の小山騰(のぼる)さんは、英王室を中心にヨーロッパ貴族社会で起きたいれずみブームを研究、『日本の刺青と英国王室』を一昨年出版した。明治初期、日本政府は野蛮な習俗としていれずみを禁止したが、逆に文明国の貴族には憧れの対象。わざわざ日本で彫るいれずみは「大変な熱狂状態」と当時の英紙は報じた。のちのジョージ5世とアルバート王子も、1881年の来日時に鶴と竜を彫った。
小山さんは「今の英国でも知られていないと思うが、たとえ知ったとしてもそんなに驚かないのでは。いれずみを入れる、入れないはまったく個人のこと。公務員がいれずみを入れているかどうかで大騒ぎするのは大人げない」。米国でも軍人や警察官などのいれずみは珍しくない。橋下氏のもう一つの得意技、〈グローバル化〉の中で考えると、いれずみ調査自体が相当異質だろう。
■「弱さの象徴、糾弾する意味あるか」
前出の小野さんは、いれずみを消す手術も数多くした。「体に異物を入れるいれずみは健康上よくない場合もあるので、医師としては決して勧めない」としたうえで、「いれずみは文化だ」とも断言。「単純化には意味がない。若いときに悩んで入れ、苦労してようやく正業に就けたのが市職員、というケースもあろう。今、糾弾する意味があるのだろうか。いれずみは人間の弱さの象徴。私は、入れてしまった人の側に立ちたい」と話した。(近藤康太郎)
出典:さすがは売国奴・朝鮮日報
リンク:http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201206050170.html

(・∀・): 60 | (・A・): 36
TOP