弟「姉貴、絶対に復讐してやるからな」 (上)
2012/07/01 17:20 登録: えっち無しさん
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/30(金) 00:51:01.06 ID:XjmJFE6QO
弟「ここは……どこだ?」
弟「グランド?……そうか、ここって俺が通ってた中学校じゃん」
弟「なんでこんなところに……」
弟「………駄目だ、思い出せない」
弟「あれ、俺なんで制服なんて……」
弟「俺、そういえば……」
弟「死んだ、んだよな………」
弟「あれっ?」
弟「よくわからんぞ………」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/30(金) 00:56:00.78 ID:XjmJFE6QO
弟「意味が分からん。というか、いい年こいてなに制服なんて着てるんだよ。俺」
弟「たしか……」
弟「死んだんだよな」
弟「大学に受かって、すっごい嬉しくて……」
弟「やっと姉貴を見返してやれると思ってたんだ」
弟「そしたら……んん、なんだっけ?」
弟「わからん、わからんものはわからん。とりあえず家に帰るか。この格好は流石に不味い」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 01:00:54.86 ID:XjmJFE6QO
てふてふ
弟「うーん、なんだ。何かが引っ掛かる……」
弟「うん……!?」
弟「おぉw懐かしいなwこの駄菓子屋ww確かおばちゃんが亡くなって、……あれ?店閉めたんだよ、な?」
弟「………おかしい」
弟「なんだ、この違和感。俺、死んだんだよな」
弟「これじゃまるで……」
―――過去に戻ったみたいじゃないか
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 01:06:27.47 ID:XjmJFE6QO
弟「いや、そんなの……あり得ない……」
弟「俺は死んだ、確かに、首を吊って………」
そう、俺は死んだ。
合格発表当日、一刻も早く両親に吉報を知らせたくて、サークルの勧誘に脇目も振らず、真っ直ぐ家に帰った。
でも、二人はいなくて。
代わりに、一歳年上の姉がいた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
弟「姉貴……」
姉「…………」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/30(金) 01:12:58.60 ID:XjmJFE6QO
弟「俺、受かったよ……大学……」
姉「!? ふっ、ふーん、あっそ」
弟「これで、やっと俺のこと、認めてくれる?」
姉「!! なっ、なに調子乗ってんのよ!!たかが三流大学に受かったくらいで!!!」
弟「でっ、でもっ!一応、その、医学部だし……」
姉「ふっ、ふん!バカじゃないの!!あんたが医者になんてなれるわけないでしょ!!」
弟「そんな……」
姉「だいたい、それでなんで私があんたを認めるのよっ!!」
弟「…………」
姉「ふんっ」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
俺はその場で、合格通知を破り捨て、自分の部屋で首を……。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/30(金) 01:28:47.98 ID:XjmJFE6QO
こんな理由で自殺なんて、と世間の人達は思うだろう。
でも、俺がアイツに、姉ちゃんに認めてもらうって事は、学校でのイジメに必死で耐えてきた、俺の生きる目的だった。
父が再婚し、新しく出来た家族。
母は、俺のことを暖かく迎えてくれた。
しかし、姉は。
辛くあたられた。
いつも、いつも、いつも、いつも……。
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 01:39:03.25 ID:XjmJFE6QO
それでも、俺は姉貴が気になった。気になって仕方なかった。
認めてほしかった。俺の事を。弟だと。
時折、本当にたまにだけ見せる、姉貴の優しい顔。
それを俺に向かせたくて………。
いや、まどろっこしい話は止めよう。
俺は好きだった。
―――――姉貴の事が
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 02:03:25.11 ID:XjmJFE6QO
弟「おー、やっぱりあった」
弟「どっからどーみても俺の家だよな」
弟「整理すると、俺は走馬灯的なものを見ている」
うん、そうだ。そうに違いない。
弟「姉貴……いる、よな」
弟「はぁー、なに緊張してるんだよ。これは夢。あの世に逝くまでのアトラクションみたいなもんだ」
そして、俺は、何時ものようにドアノブを回した。
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 02:07:11.73 ID:XjmJFE6QO
姉「………」
姉は、いつものように座っていた。
弟「………」
姉「………」
弟「………」
姉「………挨拶」
弟「………ただいま」
本当に、普段通りの、ぶっきらぼうで、なんの温かみもない会話。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 02:12:42.83 ID:XjmJFE6QO
姉「………学校、どうだった?」
弟「いつも通りだよ」
姉「ふぅん……」
弟「じゃ、俺。勉強するから」
姉「あっ………」
弟「なに?」
姉「えっ、あっ、そう!手!!手を洗いなさいよっ!!!」
弟「…………」
姉「本当に不潔よっ!最低ね!!」
弟「………うん」
姉「ふんっ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 02:18:22.16 ID:XjmJFE6QO
ははは、いつも通り過ぎて笑えてくる。
中学生の頃も、こんな感じだったなぁ。
弟「ふぅ……」
しかし
弟「こんなの、やっても意味ないじゃん」
机の上に並べられた参考書の数々。
しかし、曲がりなりにも医学部に合格した俺には、少々、いや、かなり簡単すぎた。
弟「はぁー、昼寝でもするかな」
ぽふっ
弟「なんだよ、神様。これ、俺になにをしろっていうんだよ」
弟「俺がしたい事、か」
弟「姉貴………」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 02:23:16.74 ID:XjmJFE6QO
待てよ。
俺は今、高校三年、卒業間近の状態なわけだ。
つまり、強くてコンティニューしてるってか。
もしかして、この状態なら
弟「姉貴に、認めさせられる、かも」
姉は今、高校一年生。
近所で一番偏差値の高い高校に通っている。
弟「俺、やること見つけたかも………」
姉に復讐できる。
もしかしたら、認めて貰える事も出来るかもしれない。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 02:25:38.55 ID:XjmJFE6QO
弟「やる、やってやる」
姉は謂わば年下な訳だ。
昔は見えなかったことも、見えてくるかもしれない。
弟「―――うん」
俺は、再び生きる希望を見つけた。
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 02:30:01.18 ID:XjmJFE6QO
弟「まずは、髪だな」
弟「全く、なんだよ。このもさもさした髪は。何年切ってないんだよ」
弟「とりあえず、高校の件は問題ないな。勉強とか嫌と言うほどやってきたし」
弟「よし、まずは外見から変わろう」
弟「姉貴」
姉「!? なっ、なによっ!?」
弟「俺、ちょっと出かけてくるから」
姉「えっ……どっ、どこに行くのよっ!?別に心配とかじゃないけどっ!!」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 02:36:51.61 ID:XjmJFE6QO
弟「髪、切りに行ってくる……」
姉「えっ!?」
弟「もさもさしてて、ノートとか見にくいから」
姉「でっ、でもっ!前私が切りなさいって言っても切らなかったじゃない!」
弟「………関係、ないだろ」
姉「あっ………うん」
弟「じゃあ、行ってくるから」
姉「なっ、何時に帰るのよっ!それぐらい言って行きなさいっ!!そのっ、母さん達が心配するからっ!!」
弟「………すぐに帰るよ」
姉「本当に?寄り道とかしないで帰るのよ?わっ、私達の家族から不良が出たって思われると困るからね!!!」
弟「………大丈夫だって言ってるだろ」
姉「あっ…………」
弟「じゃあ、行ってくる」
姉「…………」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 02:45:40.64 ID:XjmJFE6QO
店員「どのようにいたしますか?」
弟「お任せします。スッキリさせちゃって下さい」
店員「はい、それにしても凄い長いですね。いつぐらいから切ってないんですか?」
弟「ん、三年前くらいからですね」
店員「それは凄いなぁ。切り応えがありそうです」
弟「まぁ、適当で」
店員「かしこまりました。これだけ長いですとスッキリさせるよりも緩くウェーブをあてたりした方が良いと思いますよ?」
弟「お任せします」
店員「はい、かしこまりました」
………
……
…
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/30(金) 03:00:11.02 ID:XjmJFE6QO
店員「お疲れ様です」
弟「あっ、ども」
店員「しかし凄いですね、こんなの漫画だけだと思ってました」
弟「なにが、ですか?」
店員「いや、髪を切っただけでこんなに変わっちゃうなんて」
弟「美容師さんの腕が良かっただけです」
店員「まぁ、お上手ですね///」
弟「いえいえ……」
………
……
…
弟「ただいま」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/30(金) 08:00:11.24 ID:XjmJFE6QO
姉貴は昼と同じように、玄関口の椅子に一人座っていた。
姉「!?」
弟「手……洗ってくるから」
姉「まっ、待ちなさいよ!!」
弟「ん?なに?」
姉「うっ……」
弟「なに?」
姉「どうして、急に髪を切ろうって思ったのよ」
弟「………変わりたかったから」
姉「え?」
弟「変わりたかった。もう受け身でいるのはやめたんだよ」
姉「…………」
弟「じゃあね」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 08:06:03.46 ID:XjmJFE6QO
姉「なによ……」
姉「いきなり髪なんて切っちゃって」
姉「パーマも当ててるし………」
姉「生意気ッ!弟のくせにっ!!」
姉「でも…………」
姉「!? ………////」
姉「なに考えてるんだろ///私………」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 17:19:00.29 ID:XjmJFE6QO
弟「ふぅ、とりあえずはさっぱりしたな」
弟「あと、なんだろ」
弟「うーん、まぁ思いついたらその都度実行すれば良いか」
弟「はぁ、また学校行くのか」
弟「憂鬱だなぁ……」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 17:32:10.83 ID:XjmJFE6QO
弟「…………」
『おとうとー、ごはんよー!』
弟「はーい!母さん、すぐ行きます」
弟「はぁ、また姉貴と顔合わすのか。嫌だなぁ」
弟「はぁー」
ガチャ
弟「お母さん、お帰り」
母「ただいま……って、あれ?弟髪切ったの?」
弟「えっ?ああ、まぁ………うん」
母「すっごい!!似合ってるよぉ♪」
弟「あっ、ありがとう//」
母「ねっ、姉もそう思うでしょ!?」
姉「……へっ?なっ、なにが!?」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 17:59:03.32 ID:XjmJFE6QO
弟「……」
姉「ふんっ、なにニヤニヤしてるのよっ!気持ち悪い!!」
ははは、やっぱりね。こうだよ。姉貴は。
母「姉!!また貴方はっ!!」
いいんだよ。母さん、確かに僕はきっと言い返せなかった。
でも、今は違う。
弟「うるせぇよ!!誰もにやけてねーだろうがっ!!!」
母「!?」
姉「(びくっ)あっ……」
今は俺が年上なんだ。
言い返すことぐらいできる。
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/30(金) 19:55:56.07 ID:XjmJFE6QO
弟「なんだよ、なんか言えよ」
姉「えっ、あっ、あの………」
母「そっ、そうだよ。ほら、姉、弟に謝りなさい」
姉「わっ、私別にっ……」
弟「ふんっ……」
母「弟……」
姉「…………」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 20:00:18.46 ID:XjmJFE6QO
弟「ご馳走様、美味しかったよ。母さん」
母「あっ、うん、ありがと♪」
弟「じゃあ、俺勉強するから」
母「はい、頑張ってね」
姉「…………」
母(うーん、やっぱり何時もの弟よね。でもなんで、いきなり姉に……今までなにを言われても言い返さなかったのに……)
ガチャ
弟「…………」
なんだか複雑な気分だな。
せっかく姉貴に言い返せたのに、やっぱり年下だからかな。
弟「……まぁ、良いか」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 20:07:44.22 ID:XjmJFE6QO
弟「さてっ、と」
とりあえず勉強だ。姉貴を見返すためにも、絶対に同じ高校に行く。
前は始めるのが遅くてダメだったけど。
今の俺なら行ける。
大丈夫だ。
弟「なになに、次の因数分解を解きなさい―――はぁ?なめてんのか?次だな」
しかし、捲っても、捲っても、詰まりそうな問題は見つからなかった。
弟「そりゃそうか。中学の問題だもんな」
明日は、参考書を買いにいこう。
うん。
前の世界で出来なかった事を、全部やってやる。
高校は姉貴と同じところに行って、大学も地元の国立を目指そう。
弟「よしっ」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 20:18:28.78 ID:XjmJFE6QO
弟「てことは、今日する勉強は社会科にするか」
俺は歴史の教科書を広げ、黙々とそこに出てきた単語をノートに書き写していった。
時計の短針が午後十一時を指す頃には、何十枚のページが真っ黒に染まっていた。
弟「んー、とりあえずこのくらいで良いかな」
弟「さて、風呂入って明日に備えるか」
俺は風呂に湯を張るため、部屋を出た。
ガチャ
姉「!?」
驚いたことに、そこに姉が立っていた。
弟「なにやってんの?」
姉「あっ!?あんたが今日私に歯向かったから、意地悪しにきたのよっ!!」
なんだよ、こいつ。まるで子供だな。
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 20:20:14.79 ID:XjmJFE6QO
弟「はぁ?なに言ってんの?バカ?」
姉「くっ、あんたの方がバカのくせにっ!!なに言ってんのよ!!」
ああ、確かに、この時点での俺は姉より数段落ちる頭をしていたな。
弟「あっそ」
俺は睨み付ける姉を歯牙にも掛けず、それだけ言った。
すたすた すたすた
姉「あっ、ちょっと!!………もう、明日は期末でしょうが……」
俺はソレを、次の日の学校で知ることになる。
151 名前: 投稿日:2009/01/30(金) 20:44:44.60 ID:XjmJFE6QO
中学の時の俺は、はっきり言ってどこにでもいる目立たない奴。
馬鹿じゃないけど賢くもない。
運動オンチじゃないけど抜群に何かが出来るわけでもない。
ただ、無気力に日々を過ごす、普通の中学生。
弟「うーん、これは緊張するな」
弟「挨拶とか、普段はしなかったよな」
弟「まぁ、悩んでもしょうがない。どうにかなるだろ……」
ガラガラ
弟「………」
まず、第一の心配は杞憂に終わった。
何故なら
弟「皆、必死で勉強してる?」
一目でわかった。今日が期末試験だからだ。
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 20:54:01.36 ID:XjmJFE6QO
弟「あっ、あれ?」
級友「おい、弟。autherってなんだっけ?母親?」
いきなりの雰囲気に戸惑っていると、かつての級友が単語帳から目線を外さず尋ねてきた。
弟「あっ、ちがう。“作者”だよ」
級友「あれ?ほんとだ、サンキュー。しかし、お前やるなぁ、昨日は徹夜か?」
弟「えっ、いや、0時には寝たよ」
級友「余裕だなw俺なんて一睡もしてねーよw」
なにが面白いんだ?というか作者と母親って、どこでどう間違えるんだよ。
すると、初めてソイツは視線を俺に向けた。
級友「いやぁ、普段から………あれ?」
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 21:10:18.08 ID:XjmJFE6QO
弟「ん?なに……」
級友「お前……弟?」
弟「そう、だけど」
級友「!?」
弟「なに?どうかしたの?」
級友「おっ、お前!?どうかしたのって!その髪!!なんだよっ!?」
弟「は?髪?あぁ、むさ苦しかったから切った」
級友「えっ、だって髪は切らないって言ってたじゃん、あれっ?どうなってんの?」
弟「知らない」
級友「えっ、あっ、うん。まぁ良いんだけど……。あっ!!もしかして彼女に振られたとかっ!?」
なんだ、こいつ。どうしてそんな発想になるんだよ。
つーか、陰キャラの俺に彼女なんているわけないだろうが。
ざわ……ざわ……ざわ……ざわ……ざわ……ざわ
俄かに教室が色めく。みんな試験に集中しろよ。
つーか彼女とか好きだよな、この年代のガキ供は。
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 21:47:32.80 ID:XjmJFE6QO
弟「なんだよ、一体」
少し不機嫌さを滲まして、独り言のように呟く。
これも前は出来なかった事だ。
『おい、アレ誰だよ?』
『えっ、弟、らしいよ………』
『うわ、結構いけてない?』
『弟って、あのボサボサ頭の奴でしょ?』
『絶対嘘だぁw』
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 21:55:42.15 ID:XjmJFE6QO
弟「はぁ?」
教室は俺の陰口?で持ちきり。
まぁどうでもいいけど。
級友「なぁー、そこんとこどうなのよーw」
どこが、どうだって言うんだ?こいつは。
仕方なく、反対に座るもう一人に話し掛けた。
弟「なぁ、今日の試験てなに?」
級友「!? えっ?えっ?なんですか?」
弟「はぁ……」
全く、どいつもこいつも使い物にならないな。
弟「今日の試験は英語となんだっけ?俺、英語やるのに必死でさぁ」
級友「あっ、うん。英語今回範囲多いもんね、弟くんは何点くらいry」
弟「だから、なに?」
級友「えっ、ああ。数学だよ」
弟「そうなんだ。ありがとね」
級友「あっ、……うん///」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 22:00:40.79 ID:XjmJFE6QO
ちょっとキツい言い方をしてしまった。
弟「ごめんね、ちょっと寝不足でさ」
級友「あっ、うん。みんなそうだよ」
級友「ちょっとwさっき言ってたことと違うじゃんwwwww」
うるさいな、こいつ。紛らわしいし、これからコイツは“バカ”と命名しよう。
バカ「それでさぁw彼女、振られた?それとも出来た?」
弟「いいや、出来てもないし、出来てないものは振られない」
バカ「あっwそうなんだwおーい、みんなー!!弟彼女いないってさー!!!」
弟「……馬鹿らし」
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 22:07:56.01 ID:XjmJFE6QO
とりあえず、名前の順の自分の席に座り、教室を見回してみる。
ざわ……ざわ……
ざわ……ざわ……
弟「はぁ……」
鬱陶しいな。まだなんか俺のこと話してる。
しかし、ここにいる全員が自分より三歳も年下なんだと思えば、不思議と苛立ちは消えた。
級友「あっ、あのぉ……」
弟「ん、どうしたの?」
級友「弟くん、なにかあったの?」
弟「は?別に、言ったじゃん。俺みたいな奴に彼女なんて出来ないって」
級友「あっ、ううん。そんなんじゃなくて……その、なんていうか、大人っぽくなった?」
弟「えっ?」
遡ってから、二度目の衝撃を受けた。
弟「女、どうしてそう思ったの?」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 22:14:13.48 ID:XjmJFE6QO
女「えっ?いや、なんとなくなんだけど」
弟「なんでも良いから聞かせてよ」
女「あのっ、だって弟くん、絶対に人に文句を言ったりしなかったし、その、今日は余裕があるというか……」
凄い、家族も多分気が付かなかったのに。
弟「うーん、そうかもw」
女「あっ、変な事言ってごめんね……」
弟「良いよ、それより勉強は?しなくていいの?」
女「あっ、うん。それじゃ……」
弟「はいはい、頑張って」
女「弟くんも、だよ?」
弟「あっ、そうだった」
女「………やっぱり、なにかへん」
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 22:19:31.95 ID:XjmJFE6QO
周囲のざわめきはいつまでたっても納まらなかったが、期末テストはなんの滞りもなく行われた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
弟「ふぅ、まぁこんなもんか」
期末テストが返却される頃には、もう俺の容姿に関する噂は消えていた。
女「うう………」
弟「………」
女「うわぁ……」
弟「………」
女「ひっぐっ………」
弟「………」
女「グスッ………」
弟「さぁ、帰るか」
がしっ
女「待って、くださぁいグスッ……」
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 22:24:21.20 ID:XjmJFE6QO
弟「どうしたの?」
女「グスッ、助けて、くださぁい……」
弟「……なにが?」
女「……これ」
弟「!? これは、ひどい……」
数学 41点
国語 40点
英語 13点
歴史 62点
理科 26点
女「グスッ……」
弟「これは……手遅れだ」
女「!? そんな事言わないでくださいよぉ!!これでも頑張ったんです!!!」
弟「頑張ってこれなら、なおさら………」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 22:31:39.87 ID:XjmJFE6QO
女「そっ、そんなこと言って!!弟くんだって大したことないんじゃないですかっ!!」
がしっ
弟「あっ、おい!見るなって!!ダメだって!!!!!」
数学 100点
国語 96点
英語 98点
歴史 100点
理科 100点
女「あわわわわ………」
弟「はぁ、だから見るなって言ったのに」
女「そんな……500点満点中494点……」
弟「………返せよ」
女「信じ、られない……得点率99%……」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 22:36:42.85 ID:XjmJFE6QO
女「……教えてください」
弟「なにを?」
女「勉強に決まってるじゃないですかっ!!」
弟「無理、手遅れ」
女「そんなぁ……」
弟「だいたい、公立の中学の試験でなんでそんな点数が取れるんだよ……」
女「だってぇ……」
弟「とりあえず教科書を読み直すことからだな」
女「教科書をって、それだけで良いんですか!?」
弟「うん、でも……」
女「……でも(ごくり)」
弟「中一からねw」
女「そんなぁ……」
207 名前: sage 投稿日:2009/01/30(金) 22:49:35.82 ID:XjmJFE6QO
ガチャ
弟「ただいま」
姉「…………」
弟「……なに?」
姉「今日、期末テストの返却日でしょ、見せなさい」
弟「はぁ?嫌だよ。どうして姉貴に見せないといけないわけ?」
姉「あっ、アンタが全然勉強してなかったの知ってるんだからっ!!」
弟「? あっそ」
姉「いいからっ!!見せなさいっ!!」
弟「まぁ……別に良いけどね」
がさごそ
姉「……全く、アンタの出来が悪くて恥かくのは私達なんだからねっ!!……それに、勉強が出来ないなら私が(ゴニョゴニョ)」
弟「ほらよ」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 22:56:18.19 ID:XjmJFE6QO
弟「…………」
姉「…………」
弟「…………」
姉「うそ……」
弟「ほんとだよ。それに、そんな良い点てわけじゃない。国語も英語も、裏に一問あるって気が付かなかった」
姉「………これならry弟「じゃあ俺、勉強するから」」
姉「……一緒の高校、行けるかもねって、言おうとしたんだけどなぁ」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 23:02:07.28 ID:XjmJFE6QO
弟「さてと、勉強、勉強」
弟「中学の試験で、満点とれないとか……はぁ、まだまだ駄目だな」
弟「でも、姉貴に何も言わせなかったのは凄く気持ち良いなw」
試験が終わるごとに、いっつも小言を言われた。
ネチネチと、馬鹿だとか、間抜けとか、勉強しろって。
しかし、まぁ、今回くらいの成績ならなんとも言われないわけか。
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 23:15:14.22 ID:XjmJFE6QO
弟「うぇー、この立体ベクトルとか見てて吐き気がする……」
弟「はぁ……、頑張ろう」
ドア越し
姉(へっ?立体?ベクトル?)
姉(いったい何やってんのよっ!?)
母「あらっ、姉。どうしたの?廊下でつっ立って」
姉「!? なんでもないっ!!」
母「あららー、弟くんに差し入れをって思ったんだけど……」
姉「!? ちっ、違うわよっ!!これは私のお菓子よっ!!」
母「二つあるのに?」
姉「ふっ、二つとも食べるのよっ!!何か文句あるのっ!!」
母「いいえw」
姉「ふんっ!」
ガチャ
母(素直じゃないわねぇwあのお茶も二杯飲むのかしらw)
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 23:24:19.50 ID:XjmJFE6QO
姉「ふんっ、こんなの食べきれるわけないじゃん!!!」
フーッ、フーッ
姉「あつっ……はぁ」
姉「素直に、なりたいなぁ……」
姉「弟……」
姉「一緒の学校に行けたら、きっと……」
姉「せっかく、お茶煎れたのに……」
姉「お母さんのバカ……」
229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 23:28:35.61 ID:XjmJFE6QO
がらがら
弟「………」
級友「おはよっ」
弟「うん、おはよう」
級友「おはよう、弟」
弟「おう、おはよう」
バカ「おはよーっすwwwwwおとうとぉーwwwww」
弟「うるせえ、死ね」
バカ「さーせんwwwww」
女「ふんっ」
弟「?」
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 23:38:59.54 ID:XjmJFE6QO
弟「おはよう」
女「………おはようございます」
弟「どうしたの?なにか怒ってる?」
女「べつに、ナニモオコッテマセンヨ」
弟「うわぁ、思いっきり片言だし……」
女「ふんっ、頭のよろしい弟くんでも分からないんですかっ?」
弟「ああ、昨日のこと?」
女「弟くんの所為で、昨日は物置を掃除する羽目になったんですよ」
弟「ふーん」
女「ごほっ、お陰で小さいときに患った喘息が再発しました」
弟「ご苦労様。それで、どうだった?」
女「………三平方の定理ってなんですか?」
弟「………」
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/30(金) 23:52:30.17 ID:XjmJFE6QO
弟「というかさ、もう諦めたら?無理だよ」
女「無理じゃないですよ!!」
弟「なんで?」
女「弟くんだって、急に成績伸びたじゃないですか!!」
弟「あっ、うん」
女「それなら、私にだって……」
弟「というかさ、まず追試の勉強したら?」
女「おい……し……」
弟「赤点、あるでしょ?」
女「……………」
246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 00:03:08.24 ID:Yj4nNgkjO
女「お願いです!私に、何卒!!なにとぞっ!!」
弟「駄目、俺も忙しいもん」
女「そこをなんとか………」
弟「無理」
女「お願いです!!○○高(姉の高校)に行きたいんです!!」
弟「無謀」
女「弟先生のお力添いがあればっ!!」
弟「無茶」
250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 00:13:47.62 ID:Yj4nNgkjO
女「うぅ……」
弟「まぁ、頑張ってね」
女「………呪いますよ?」
弟「は?」
女「良いんですか?藁人形とか作っちゃいますからね」
弟「………」
女「打っちゃいますよ、釘。………躊躇とかしませんからね」
弟「はぁ……」
女「丑三つ時にコンコンってやりますよ?良いんですね?」
弟「勝手にどうぞ」
がしっ
女「見捨てないで」
弟「とりあえず、○○高受験者全員分の藁人形でも作ってみたら」
女「冗談ですからぁー」
267 名前: sage 投稿日:2009/01/31(土) 00:40:52.28 ID:Yj4nNgkjO
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
姉「…………」
ぺちん
教師「こら、姉。なにをぼーっとしてるんだ」
姉「すっ、すいません//」
姉(うぅ……なにやってんだろ、私……)
姉友「ちょっと、姉。アンタ今、男の事考えてたでしょ?」
姉「!? ちっ、ちがうって!!やだなぁwそんなわけないじゃん!!」
ざわ……ざわ……
ざわ……ざわ……
『なんだと?姉さんに男の影だと……』
『許せん……許せんぞ………』
268 名前: sage 投稿日:2009/01/31(土) 00:46:12.33 ID:Yj4nNgkjO
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
女「…………(弟くん、かぁ)」
ぺちん
教師「こら、女。なにをぼーっとしてるんだ」
女「すっ、すいません//」
女(うぅ……なにやってんだろ、私……)
弟「おい、女。お前今、追試の事考えてただろ?」
女「!? ちっ、ちがうって!!やだなぁwそんなわけないじゃん!!」
ざわ……ざわ……
ざわ……ざわ……
『女って、馬鹿だったんだ……』
『追試とかwwwwwバカすぐるwwwww』
271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 00:54:51.94 ID:Yj4nNgkjO
女「もう、弟くんのせいで恥かいたじゃないですかぁ///」
弟「掻くべくして掻いた恥だけどな」
女「ふんっ」
弟「けどまぁ、その成績で○○高を目指すっていう意気込みは認めるわ」
女「…………」
弟「まぁ、暇なときになら見てやるよ」
女「………えっ?」
弟「俺も、まぁ、○○高目指してるからさ。ちょっとくらいなら手伝ってやる」
女「えっ……あっ、ありがとうございます///」
弟「でも中一からの教科書を読み直すってのは変わらないぞ」
女「あう///」
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 10:17:28.30 ID:Yj4nNgkjO
弟「分からないところがあれば聞いてやるから」
女「はい」
弟「でも、とりあえず基礎だな。国語はまだマシだけど英語と数学が酷い」
女「……わかってますよぉ」
弟「とりあえず数学は教科書に書いてある公式、定理を全部ノートに書き写せ」
女「はい」
弟「英語は諦めろ」
女「はいっ!!って、ええー!?どうしてですか!?」
弟「数学はどうにでもなる、多分。でも英語は無理だ。お前三人称単数とかわかってる?」
女「三人称、単数、ですか?」
弟「aとtheの違いとか………」
女「…………」
弟「まぁ、頑張ってね」
325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 10:28:11.23 ID:Yj4nNgkjO
ガチャ
弟「ただいま」
姉「…………」
弟「……なに?なんか用?」
姉「べっ、別に」
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 10:33:02.81 ID:Yj4nNgkjO
弟「…………」
姉「…………」じーっ
弟「…………」
姉「…………」
弟「?」チラッ
姉「!? ふんっ」
弟「なぁ、なにしてんの?」
姉「なっ、なにがよ」
弟「どうしてそんな俺の顔ばっか見てるわけ?」
姉「!? なに言ってんのよっ!!見てないわ!!勘違いすんなっ!!」
弟「はぁ、はいはい」
姉「…………ふんっ」
327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 10:43:00.25 ID:Yj4nNgkjO
弟「ふぅ……勉強しに行くか」
姉「あっ………」
すたすた
姉「ちょ、ちょっと!!」
弟「ん、なに?」
姉「あっ、アンタ最近なんの勉強してるのよっ!?昨日は立体ベクトルとか意味分かんない事言ってたし」
弟「いや、別に。ただ中学の問題は簡単過ぎるから高校の問題やってるだけ(まぁ高校は高校でもセンターの勉強だけど)」
姉「!? そんなのっ!アンタに解けるわけないじゃない!!!」
弟「あー、はいはい」
姉「あっ……まっ、待って!待ちなさい!!」
弟「ったく、なんだよ」
姉「あっ、アンタ……何かあったの?」
331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 10:50:23.55 ID:Yj4nNgkjO
弟「………別に、なにも」
姉「……そう」
弟「それじゃ、俺は行くから」
姉「………あっ」
姉「いっちゃった………」
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 11:02:56.45 ID:Yj4nNgkjO
プルルルル♪ プルルルル♪
姉「あっ、電話」
姉「はい、もしもし」
姉「ああ、母さん。どうしたの?」
姉「えっなんで……」
姉「いっ、いや!出来るけど……」
姉「あっ、うん」
姉「わかった」
姉「………///」
339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 11:09:30.70 ID:Yj4nNgkjO
姉「かっ、買い物ッ!!買い物いかなくちゃだ!」
姉「………何を作れば良いんだろ」
姉「はぁ、不味いとか、言われたら」
姉「駄目だ!弱気になるな!私ッ!!」
三時間後
弟「……ふぅ、とりあえず休憩するか」
グギュルー
弟「……お腹、減ったなぁ。母さん、まだかな」
コンコン
弟「(あれ?母さん?)開いてるよー」
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 11:19:30.53 ID:Yj4nNgkjO
ガチャ
姉「…………」
弟「姉貴?なに?」
姉「これ……」
弟「えっ、ご飯?」
姉「………母さんが、弟は勉強してるから持っていきなさいって」
弟「そんな、わざわざ。べつに良いのに」
姉「いっ、良いからっ!食べなさいよ」
弟「ふーん、まぁありがと」
姉「ふんっ」
弟「それじゃ、いただきます」
姉「…………」じーっ
姉「…………」じーっ
弟「なぁ」
姉「なっ、なによ!?もしかして……嫌いなものでも入ってた?」
弟「いや、とりあえず出てけよ」
345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 11:27:11.91 ID:Yj4nNgkjO
姉「かっ、感想くらい言いなさいよ!!」
弟「はぁ?母さんの料理なんだからうまいに決まってるだろーが」
姉「あっ……うん///」
弟「? まぁいいや。食器は俺が持っていくから、姉貴も食べてこいよ」
姉「……うん///」
弟「?」
姉「じゃっ!!あっ、あんまり美味しいからって!食べ過ぎるんじゃないわよっ!!」
弟「はいはい」
姉「お代わりは……その、あるらしいけど……」
弟「おっ、ラッキー。じゃあまたキッチンまでいくから」
姉「……うん///」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 11:42:14.82 ID:Yj4nNgkjO
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
女「あわわわわわわ…………」
弟「?」
女「ガクガク」
弟「どうしたの?」
女「……迫ってくるんですよ、夜な夜な」
弟「えっ……」
女「気付かないフリをしてるんですが、いっつも私が寝静まる頃に枕元にやってきて、私を舐めるように………」
弟「(ゴクリ)」
女「接弦定理と余弦定理が……」
弟「はぁ?」
女「それだけじゃないんです!!気付いたら耳元に藤原不比人がいたり、家がナショナルトラストで買い取られたり!!」
弟「大丈夫?」
女「うぅ……弟くん、泣いて良いですか?グスッ」
361 名前:この際、内申とか気にしない sage 投稿日:2009/01/31(土) 11:52:30.89 ID:Yj4nNgkjO
弟「でも、それだけの単語を覚えただけでも、とりあえずは成長だよ(使えなきゃ意味ないけど)」
女「そうなんで、しょうか……」
弟「多分ね。それに、俺だって授業そっちのけでずっと教えてたんだから」
女「すっ、すいません!でも、あの、先生よりも解りやすくて、弟くんはやっぱり凄いですっ!!」
弟「ありがと(まぁ、これでも医学部だからな……)」
女「今日の模試も!!きっと頑張れますっ!!弟くんのお陰です!!!」
弟「うん、女は志望校○○(いか○○に代わってVIPがry)って書くんだよな?」
女「はい、VIP高校は私の目標ですから!……弟くんも、ですよね?」
弟「ん?まぁな」
女「良いですよね、弟くんなら絶対に大丈夫ですよぉ……」
弟「ありがと」
369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 12:07:05.39 ID:Yj4nNgkjO
女「がっ、がっ、頑張りましょう!!」
弟「おう」
女「そっ、それでですね……そのぉ、もし私が合格したら……」
ガラガラ
教師「はい、じゃあ席に着いてー」
女「あっ、あの……なんでもないです」
弟「? まぁとりあえずは模試だな。頑張れよ」
女「だからぁ、弟くんもですよぉ……」
弟「ああ、そうだっけ」
女「もうっ」
381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/31(土) 12:30:50.97 ID:Yj4nNgkjO
弟「……VIP高校、ねぇ」
多分通る。事故にあって両腕を折らない限り、無事通るだろう。
手に持ったシャーペンをくるくると回しながら考える。
弟「………」
でも
女「うぅ………」
開始十五分で頭を抱えだしたアイツには厳しいかもな。
弟「!?」
って、何を俺は心配してるんだよ。
とりあえず今はこの数学?らしきテスト?に集中しなきゃな。
そして、全ての試験がつつがなく終了した。
勿論、第一志望にはVIP高校と書いておいた。
384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 12:36:24.83 ID:Yj4nNgkjO
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
弟「………」
姉「………」
弟「またかよ」
姉「早く、見せなさいよ」
弟「姉貴には関係ないじゃん」
姉「かっ!?関係なくなんか!!……ないわよ」
弟「ふーん、まぁ良いけど」
がさごそ
姉「今日は模試だったんでしょ?第一志望、どこにしたのよ?」
弟「はい、これ」
姉「……見せなさい」
弟「へー、へー」
387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 12:43:04.53 ID:Yj4nNgkjO
姉「!? なによ、これ……」
英語 96点
国語 92点
数学 98点
理科 100点
社会 98点
第一志望 VIP高校 判定 A
第二志望 記入無し
第三志望 記入無し
弟「別に、普通だろ(大学生ならな)」
姉「えっ、えっ?これ……模試でしょ!?」
弟「まぁ……多分」
391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 投稿日:2009/01/31(土) 12:49:19.59 ID:Yj4nNgkjO
姉「あっ、あんた、こんなに……」
弟「偶然だよ、たまたま調子が良かっただけ」
姉「そっ、それにっ!あんた、VIP高校志望だったのっ!?行かないって言ってたじゃん!!」
弟「気が変わった。別に姉貴とかは関係ないから」
姉「あっ……うん。………でも!!これならきっと弟「じゃあ俺、自分の部屋にいるから」……うん」
姉「やっと同じ学校に通えるね、なんて絶対に言ってあげないんだから……」
出典:弟「姉貴、絶対に復讐してやるからな」
リンク:http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1233244261/

(・∀・): 67 | (・A・): 28
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