ゴム紐と子猫ちゃん
2012/07/20 16:05 登録: えっちな黒ムツさん
150 名前:オグリッシュ[] 投稿日:2007/08/28(火) 22:39:30 ID:2AesUNus0
深夜にもなろうとする時刻、23時は過ぎていたであろうか…
家路を急ぎ、自転車を漕いでいた。ふと、脇道の様子が横目に入り、自転車を止めた。
猫の気配を感じたからだ。
そこは細長い、壁に囲まれた感じの路地で、幅は1.5メートル程度。道路の上には猫が数匹たむろっていた。
目を懲らせば、子猫らしき影も4〜5匹見受けられた。
(しまったな、なんの用意もない…)
自分の持ち物を思い出す。鞄の中には、着替えたTシャツあとは本しか入っていない。
あとは、自転車についている荷受け紐と取り外しできる懐中電灯くらい…
(かなりの力技だけど、ダメもとでやってみるか)
意を決し、猫の群れに近づいた…
猫の群れまで数メートル。子猫は4匹と確認。両側の壁は、子猫には登れない。
逃げ道は面している家の隙間以外にない。
右手には、着替えたTシャツを巻きつけ簡易手袋に、左手には懐中電灯をいつでもつけられるようにして構える。
ポケットの中には荷受け紐をすぐ取り出せるようにして入れておいた。
(いくか!)
その瞬間猛ダッシュ!パニクる猫達。予測通り、子猫は家の隙間へ集まった。
交通渋滞が起こる隙間に手を延ばす。子猫の尻尾を掠めた手が空を切る!
そう、子猫は間一髪で、隙間に入ってしまった。隙間を懐中電灯で照らすと、子猫の目が光る。
(やっぱりダメだったか…)
そう思って下を見ると、エアコンの室外機の下に隙間があり、気配がする。
懐中電灯で照らすと…
(いた!)
逃げ遅れた一匹の子猫が、うずくまりながら俺を威嚇している。
全長20センチ程度のかわいい子猫だ。
すぐに鷲掴みにし、Tシャツでぐるぐる巻きにして、自転車に飛び乗った。
久々の獲物にはやる鼓動を抑えつつ、人通りのない公園に向かった。
公園に着くとまず、紐を用意し、先に輪っかを作る。投げ縄の要領で引くと締まるようにだ。
Tシャツで包んだ子猫の首根っこを掴み、頭だけをシャツから出した。そのとたん「シャ〜〜〜!」と可愛い威嚇をする子猫ちゃん。
威嚇を無視して、首に紐を括りつけた。
ゴム製の紐なので、少しキツ目に縛った。
子猫を下に放すと、一目散に俺から遠ざかるように逃げていく。
が、ゴム紐の張りが限界のところまでいくと、ビヨ〜ンと引っ張られこちらに跳ね返されるように返ってくる。
紐を手繰り寄せると、前脚を踏ん張りながら必死の形相で、威嚇をする。子猫もこんな顔するんだね。
近くまで手繰りよせ、引っ掻かれないように、両前足を軽く踏み付け、万歳をさせるように、前脚の脇から首と一緒に掴み、同時に後脚も持ち、子猫は伸びをしているような恰好で、俺の手元に戻った。
(このゴム紐では、子猫の首から外れるかも知れない…)
俺は、子猫を持ったまま万歳をした。そして、そのまま振り降ろした!
地面は比較的やわらかい土。
そこに子猫は時速7、80キロ位の速度で叩きつけられる。
一瞬子猫の体が跳ね上がり、ブレイクダンスを始めた。
が、すぐにおさまり足をバタバタさせている。
呼吸が苦しそうだ。
こんなこと、人間ならそれだけで死んでもおかしくない衝撃だろう。
鼻からは鼻血が出ているのが観察できた。ゴム紐の端をもちながら、子猫が回復してくるのを待つ。
子猫の胸の上下動が落ち着いてきた。回復してきたのだろう。
それを見て、次の行動に移った。
まだ身動きを取れない子猫の左前脚を根本から足で押さえる。
そして徐々に圧力を強めていく。
我慢しきれなくなった子猫が、靴に噛み付いたその瞬間!
思い切り地面を踏み締めた。
踏み締めた脚に、イヤな…いや、心地よい感触が響く。
念入りにグリグリ踏み締める
子猫の左前脚が、ペラペラになって地面に埋まっている。
骨は砕け散っている。
『ギャ※%&⊥↓″…』
声にならない叫びが、子猫の喉に響き渡る…子猫は荒い呼吸をしながら、地面に横たわった。
首を縛っている紐を引っ張り、無理矢理座らせる。
全身の毛を逆立たせながら、怯えとも威嚇とも取れる鳴き声を上げる子猫。
少々うるさい。ここは深夜の公園、あまり騒がしいのはマズイ。
そんなことを考えていると、子猫は足を引きずりながら、茂みに隠れようと必死に動いている。
軽く首紐を引っ張り、子猫の淡い希望を潰し、真っ正面から子猫を見据えた。
必死の形相で威嚇する子猫。当たり前といえば当たり前だが、少しイラっときた。
足を上げ、子猫に向かって振り下ろす。頭を狙ったのだが、誤って首筋にモロ足が入ってしまった。
一瞬ビクっと体が痙攣した後、鼻と口から血が流れ出した。
(しまった!ブレイクダンスにならなかった!)
そう思ったが、あとの祭。
首紐を引っ張り宙吊りにしても、体がピクピクしているだけだ。
首の骨がイってしまったみたいだ。
(仕方がない…)
近くを流れる川に近づくと、振り子の要領で軽く勢いをつけると、川の真ん中辺りに放り投げた。
流れながら沈んでいく子猫を尻目に、家路に着いたのであった
〜完〜
出典:このお話はフィクションです。
リンク:実在の人物及び猫とは一切関係ありませんwww

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